概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。  個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ティーエスワン® (添付文書 /適正使用情報* )

*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します

用法用量

SELECT BC-CONFIRM試験¹⁾より抜粋

手術不能又は再発乳癌

POTENT試験²⁾より抜粋

ホルモン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスク*の乳癌における術後薬物療法

*再発高リスクの定義³⁾

①腋窩リンパ節転移が陽性の患者 (術前又は術後薬物療法を実施している患者では点薬物療法実施前に腋窩リンパ節転移が陽性の患者)

②腋窩リンパ節転移が陰性で下記のいずれかに該当する患者

  • 術前薬物療法歴がない場合 (手術検体において)
  • 浸潤径≧3cm
  • 組織学的グレード (HG) 3
  • 明らかな脈管侵襲が認められる
  • HG2かつ浸潤径2-<3cm
  • HG2、 浸潤径<2cmかつ増殖マーカー高値
  • HG1、 浸潤径2-<3cmかつ増殖マーカー高値
  • 術前化学療法歴がある場合
  • 原発巣又は腋窩リンパ節の手術検体において浸潤癌の残存が認められる
  • 術前内分泌療法歴がある場合 (手術検体において)
  • ≧3cm
  • HG3
  • 明らかな脈管侵襲が認められる
  • HG2かつ浸潤径2-<3cm
  • HG2、 浸潤径<2cmかつ増殖マーカー高値
  • HG1、 浸潤径2-<3cmかつ増殖マーカー高値

S-1用量 >>もっと詳しく見る

体表面積により以下の通り調整

  • <1.25m²:80mg/日
  • 1.25m~ <1.50m²:100mg/日
  • ≧1.50m²:120mg/日

投与開始基準

SELECT BC-CONFIRM試験¹⁾より抜粋

20-75歳の、 組織学的にHER2陰性で内分泌療法抵抗性と診断された乳癌で、 発症時の転移または術後再発と1つ以上の評価可能な病変を有するPS0、 1の女性

POTENT試験²⁾より抜粋

StageⅠ-ⅢBのエストロゲン受容体陽性かつHER2陰性で再発高リスクの乳癌の術後患者

主な有害事象

SELECT BC-CONFIRM試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 白血球数減少 46.0% (2.1%)
  • 好中球数減少 42.1% (6.9%)
  • 血小板数減少 35.2% (1.2%)
  • Hb減少 52.6% (1.9%)
  • ALT増加 45.2% (0.5%)
  • 倦怠感 43.6% (4.0%)
  • 感覚神経障害 10.5% (0.5%)
  • 発熱性好中球減少症 1.7% (1.7%)
  • 発熱 6.9% (0%)
  • 下痢 35.7% (4.0%)
  • 粘膜炎 26.9% (1.0%)
  • 悪心 38.1% (1.4%)
  • 嘔吐 12.9% (0.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 4.3% (0%)

POTENT試験²⁾より抜粋

Grade3以上の有害事象データを一部引用
  • 好中球数減少 7.5%
  • 下痢 1.9%
  • 白血球数減少 1.6%
  • 倦怠感 0.6%

特徴と注意点

  • 手術不能又は再発乳癌に対しては、 HER2陰性転移・再発乳癌に対する1次化学療法以降として推奨される。
  • 早期乳癌に対しては、 StageⅠ-ⅢBの再発リスクが中等度または高度のER陽性かつHER2陰性の乳癌に対する術後療法として、 内分泌療法にS-1を1年間併用することが推奨されている。
  • 手術不能又は再発乳癌では4週2休 (6週毎) で投与¹⁾し、 早期乳癌の術後療法では2週1休 (3週毎)²⁾と投与スケジュールが異なる。
  • 腎機能障害患者に対する減量基準も異なるため注意が必要である⁴⁾。 

手術不能又は再発乳癌 (クレアチニンクリアランス)

  • 60-80mL/min:必要に応じて1段階減量
  • 40-60mL/min:1段階減量
  • 30-40mL/min:2段階減量が望ましい
  • <30mL/min:投与不可

早期乳癌の術後療法 (クレアチニンクリアランス)

  • 50-80mL/min:1段階減量
  • <50mL/min:使用経験なし

参考文献

  1. Anthracycline-containing regimens or taxane versus S-1 as first-line chemotherapy for metastatic breast cancer. Br J Cancer. 2021 Oct;125(9):1217-1225. PMID: 34480096
  2. Adjuvant S-1 plus endocrine therapy for oestrogen receptor-positive, HER2-negative, primary breast cancer: a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021 Jan;22(1):74-84. PMID: 33387497
  3. ティーエスワン®添付文書
  4. ティーエスワン適正使用ガイド
*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します
最終更新日:2023年11月29日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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2024年03月06日更新
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①腋窩リンパ節転移が陽性の患者 (術前又は術後薬物療法を実施している患者では点薬物療法実施前に腋窩リンパ節転移が陽性の患者)

②腋窩リンパ節転移が陰性で下記のいずれかに該当する患者

  • 術前薬物療法歴がない場合 (手術検体において)
  • 浸潤径≧3cm
  • 組織学的グレード (HG) 3
  • 明らかな脈管侵襲が認められる
  • HG2かつ浸潤径2-<3cm
  • HG2、 浸潤径<2cmかつ増殖マーカー高値
  • HG1、 浸潤径2-<3cmかつ増殖マーカー高値
  • 術前化学療法歴がある場合
  • 原発巣又は腋窩リンパ節の手術検体において浸潤癌の残存が認められる
  • 術前内分泌療法歴がある場合 (手術検体において)
  • ≧3cm
  • HG3
  • 明らかな脈管侵襲が認められる
  • HG2かつ浸潤径2-<3cm
  • HG2、 浸潤径<2cmかつ増殖マーカー高値
  • HG1、 浸潤径2-<3cmかつ増殖マーカー高値

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  • <1.25m²:80mg/日
  • 1.25m~ <1.50m²:100mg/日
  • ≧1.50m²:120mg/日

投与開始基準

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20-75歳の、 組織学的にHER2陰性で内分泌療法抵抗性と診断された乳癌で、 発症時の転移または術後再発と1つ以上の評価可能な病変を有するPS0、 1の女性

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主な有害事象

SELECT BC-CONFIRM試験¹⁾

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主な有害事象

  • 白血球数減少 46.0% (2.1%)
  • 好中球数減少 42.1% (6.9%)
  • 血小板数減少 35.2% (1.2%)
  • Hb減少 52.6% (1.9%)
  • ALT増加 45.2% (0.5%)
  • 倦怠感 43.6% (4.0%)
  • 感覚神経障害 10.5% (0.5%)
  • 発熱性好中球減少症 1.7% (1.7%)
  • 発熱 6.9% (0%)
  • 下痢 35.7% (4.0%)
  • 粘膜炎 26.9% (1.0%)
  • 悪心 38.1% (1.4%)
  • 嘔吐 12.9% (0.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 4.3% (0%)

POTENT試験²⁾より抜粋

Grade3以上の有害事象データを一部引用
  • 好中球数減少 7.5%
  • 下痢 1.9%
  • 白血球数減少 1.6%
  • 倦怠感 0.6%

特徴と注意点

  • 手術不能又は再発乳癌に対しては、 HER2陰性転移・再発乳癌に対する1次化学療法以降として推奨される。
  • 早期乳癌に対しては、 StageⅠ-ⅢBの再発リスクが中等度または高度のER陽性かつHER2陰性の乳癌に対する術後療法として、 内分泌療法にS-1を1年間併用することが推奨されている。
  • 手術不能又は再発乳癌では4週2休 (6週毎) で投与¹⁾し、 早期乳癌の術後療法では2週1休 (3週毎)²⁾と投与スケジュールが異なる。
  • 腎機能障害患者に対する減量基準も異なるため注意が必要である⁴⁾。 

手術不能又は再発乳癌 (クレアチニンクリアランス)

  • 60-80mL/min:必要に応じて1段階減量
  • 40-60mL/min:1段階減量
  • 30-40mL/min:2段階減量が望ましい
  • <30mL/min:投与不可

早期乳癌の術後療法 (クレアチニンクリアランス)

  • 50-80mL/min:1段階減量
  • <50mL/min:使用経験なし

参考文献

  1. Anthracycline-containing regimens or taxane versus S-1 as first-line chemotherapy for metastatic breast cancer. Br J Cancer. 2021 Oct;125(9):1217-1225. PMID: 34480096
  2. Adjuvant S-1 plus endocrine therapy for oestrogen receptor-positive, HER2-negative, primary breast cancer: a multicentre, open-label, randomised, controlled, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2021 Jan;22(1):74-84. PMID: 33387497
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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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