概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン

薬剤情報

- ダカルバジン® (添付文書¹⁾)

 アルキル化薬 ダカルバジン注射用

- ニドラン® (添付文書²⁾)

 アルキル化薬 ニムスチン塩酸塩注射用

- オンコビン® (添付文書³⁾)

 ビンカアルカロイド ビンクリスチン硫酸塩注射用

用法用量 ※適応外

監修 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也

通常、 成人にはダカルバジンとして、 1回80-140mg/m²を5日間連日静脈内投与に加えて、 1日目にニムスチン50-80mg/m²とビンクリスチン0.5-0.8mg/m²を投与し、 以後4週間程度休薬する。 これを1コースとし繰り返し投与、 年齢、 症状により適宜増減する。

エキスパートによるワンポイント

ダカルバジンを含む3剤併用療法

DTIC (ダカルバジン)は悪性黒色腫の治療薬として、 2014年にニボルマブが承認されるまで30年以上にわたって唯一の全身薬物療法薬として広く使われてきた。 その単独効果には限界があるため、 より奏効率の高い治療として考案された3剤併用療法である。

臨床試験

1980年代に悪性黒色腫を対象に、 ダカルバジンの単独投与レジメン (1回100mg-200mg/dayを5日間連日静脈内投与し、 3-5週程度の間隔で反復投与する) において悪性黒色腫33名に対し8例が奏効、 当時の効果判定基準で全体の奏効割合は24.2%、 DAV療法は52例中15例に奏効し、 奏効割合は28.8%、 臓器別には肺転移とリンパ節転移に対し効果が見られたと報告されている。

有害事象とその対策

主な副作用には悪心・嘔吐・食欲不振、 全身倦怠感、 骨髄抑制、 肝機能障害、 血管痛、 光線過敏症などが挙げられる。 悪心・嘔吐は投与当日の急性嘔吐が主体であり、 5-HT3受容体拮抗薬やステロイド内服薬または静脈内への前投与で予防できることが多い。 骨髄抑制は3剤を併用することでダカルバジン単剤よりも高度となるため高齢者や放射線治療併用例などはより注意が必要である。 血管痛はダカルバジンの光分解物質によって生じるため投与にあたっては遮光を徹底する。

出典

  1. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  2. アルフレッサ ファーマ株式会社. ニドラン®電子添文 (2023年7月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  3. 日本化薬株式会社. オンコビン®電子添文 (2023年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  4. 病理と臨床・別冊. 1987;5:1088-94
最終更新日 : 2024年7月25日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

レジメン
DAV
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
DAV
レジメン
DAV

DAV

ダカルバジン + ニムスチン + ビンクリスチン
2024年08月25日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 悪性黒色腫に対して本邦適応外レジメン

薬剤情報

- ダカルバジン® (添付文書¹⁾)

 アルキル化薬 ダカルバジン注射用

- ニドラン® (添付文書²⁾)

 アルキル化薬 ニムスチン塩酸塩注射用

- オンコビン® (添付文書³⁾)

 ビンカアルカロイド ビンクリスチン硫酸塩注射用

用法用量 ※適応外

監修 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也

通常、 成人にはダカルバジンとして、 1回80-140mg/m²を5日間連日静脈内投与に加えて、 1日目にニムスチン50-80mg/m²とビンクリスチン0.5-0.8mg/m²を投与し、 以後4週間程度休薬する。 これを1コースとし繰り返し投与、 年齢、 症状により適宜増減する。

エキスパートによるワンポイント

ダカルバジンを含む3剤併用療法

DTIC (ダカルバジン)は悪性黒色腫の治療薬として、 2014年にニボルマブが承認されるまで30年以上にわたって唯一の全身薬物療法薬として広く使われてきた。 その単独効果には限界があるため、 より奏効率の高い治療として考案された3剤併用療法である。

臨床試験

1980年代に悪性黒色腫を対象に、 ダカルバジンの単独投与レジメン (1回100mg-200mg/dayを5日間連日静脈内投与し、 3-5週程度の間隔で反復投与する) において悪性黒色腫33名に対し8例が奏効、 当時の効果判定基準で全体の奏効割合は24.2%、 DAV療法は52例中15例に奏効し、 奏効割合は28.8%、 臓器別には肺転移とリンパ節転移に対し効果が見られたと報告されている。

有害事象とその対策

主な副作用には悪心・嘔吐・食欲不振、 全身倦怠感、 骨髄抑制、 肝機能障害、 血管痛、 光線過敏症などが挙げられる。 悪心・嘔吐は投与当日の急性嘔吐が主体であり、 5-HT3受容体拮抗薬やステロイド内服薬または静脈内への前投与で予防できることが多い。 骨髄抑制は3剤を併用することでダカルバジン単剤よりも高度となるため高齢者や放射線治療併用例などはより注意が必要である。 血管痛はダカルバジンの光分解物質によって生じるため投与にあたっては遮光を徹底する。

出典

  1. サンドファーマ株式会社. ダカルバジン®電子添文 (2023年8月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  2. アルフレッサ ファーマ株式会社. ニドラン®電子添文 (2023年7月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  3. 日本化薬株式会社. オンコビン®電子添文 (2023年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  4. 病理と臨床・別冊. 1987;5:1088-94
最終更新日 : 2024年7月25日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科長 山崎直也先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(皮膚)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。