治療スケジュール
概要
監修医師

DTX:ドセタキセル(ワンタキソテール®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴1~Day1

その他

1コース21日間
レジメン
DTX
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ワンタキソテール® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

*サノフィ株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾の用法及び用量

ワンタキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)より作図

投与開始基準

CHAARTED試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087より作図

休薬基準

CHAARTED試験²⁾のプロトコル

J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087より作図

主な有害事象

GETUG-AFU 15試験⁴⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 貧血 72.0% (2.1%)
  • 好中球減少症 49.7% (32.3%) 
  • 血小板減少症 10.6% (0.5%)
  • 発熱性好中球減少症 7.9% (7.9%)
  • 好中球減少症による感染症 2.6% (2.6%) 
  • 倦怠感 74.1% (6.9%)
  • 下痢 30.7% (0.5%)
  • 悪心 29.1% (0%)
  • ALT上昇 22.8% (1.6%)
  • 便秘 22.2% (0%)
  • AST上昇 20.1% (1.6%)
  • 嘔吐 8.5%(0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 脱毛症 54.0% (2.6%)
  • 感覚性ニューロパチー 28.6% (1.6%)
Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):149-58より引用

特徴と注意点

ドセタキセルは6サイクルで終了する。 CRPCの治療と異なりプレドニゾロン併用は不要

監修:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CHAARTED試験³⁾

ホルモン感受性の転移性前立腺癌患者において、 アンドロゲン除去療法 (ADT) とドセタキセル (DTX) 併用療法の効果を、 ADT単独療法を対照に検証した第Ⅲ相比較試験CHAARTEDの結果より、 高腫瘍量の患者における全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

OS中央値

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:57.6ヵ月
  • ADT単独群:47.2ヵ月
HR 0.72 (95%CI 0.59-0.89)、 p=0.0018

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:51.2ヵ月
  • ADT単独群:34.4ヵ月
HR 0.63 (95%CI 0.50-0.79)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:63.5ヵ月
  • ADT単独群:未到達
HR 1.04 (95%CI 0.70-1.55)、 p=0.86

PSA<0.2ng/mLの割合 (6ヵ月時、 12ヵ月時)

  • ADT+ドセタキセル群:32.0%、 27.7%
p<0.001
  • ADT単独群:19.6%、 16.8%
p<0.001

CRPC発症までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:19.4ヵ月
(95%CI 16.8-22.6ヵ月)
  • ADT単独群:11.7ヵ月
(95%CI 10.8-14.4ヵ月)
HR 0.61 (95%CI 0.52-0.73)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:14.9ヵ月
(95%CI 12.4-17.2ヵ月)
  • ADT単独群:8.6ヵ月
(95%CI 6.8-10.5ヵ月)
HR 0.58 (95%CI 0.47-0.71)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:31.0ヵ月
(95%CI 23.1-51.1ヵ月)
  • ADT単独群:22.7ヵ月
(95%CI 18.9-29.1ヵ月)
HR 0.70 (95%CI 0.50-0.96)、 p=0.03

疾患進行までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:33.0ヵ月
(95%CI 29.1-40.9ヵ月)
  • ADT単独群:19.8ヵ月
(95%CI 17.8-22.5ヵ月)
HR 0.62 (95%CI 0.51-0.75)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:27.3ヵ月
(95%CI 21.9-32.7ヵ月)
  • ADT単独群:13.0ヵ月
(95%CI 11.1-17.2ヵ月)
HR 0.53 (95%CI 0.42-0.67)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:42.5ヵ月
(95%CI 34.0ヵ月-未到達)
  • ADT単独群:44.3ヵ月
(95%CI 28.9-66.5ヵ月)
HR 0.86 (95%CI 0.60-1.25)、 p=0.43

出典

  1. サノフィ株式会社. ワンタキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版) [最終閲覧 : 2024/5/1]
  2. サノフィ株式会社. ワンタキソテール®適正使用ガイド (2021年2月作成) [最終閲覧 : 2024/5/1]
  3. Chemohormonal Therapy in Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: Long-Term Survival Analysis of the Randomized Phase III E3805 CHAARTED Trial. J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087. PMID: 29384722
  4. Androgen-deprivation therapy alone or with docetaxel in non-castrate metastatic prostate cancer (GETUG-AFU 15): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):149-58. PMID: 23306100
最終更新日:2024年5月24日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ドセタキセル (ワンタキソテール®)
2024年06月18日更新

DTX:ドセタキセル(ワンタキソテール®)

投与量コース投与日
75mg/m² 点滴1~Day1

その他

1コース21日間

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ワンタキソテール® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

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用法用量

電子添文¹⁾の用法及び用量

ワンタキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)より作図

投与開始基準

CHAARTED試験³⁾のプロトコル

J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087より作図

休薬基準

CHAARTED試験²⁾のプロトコル

J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087より作図

主な有害事象

GETUG-AFU 15試験⁴⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 貧血 72.0% (2.1%)
  • 好中球減少症 49.7% (32.3%) 
  • 血小板減少症 10.6% (0.5%)
  • 発熱性好中球減少症 7.9% (7.9%)
  • 好中球減少症による感染症 2.6% (2.6%) 
  • 倦怠感 74.1% (6.9%)
  • 下痢 30.7% (0.5%)
  • 悪心 29.1% (0%)
  • ALT上昇 22.8% (1.6%)
  • 便秘 22.2% (0%)
  • AST上昇 20.1% (1.6%)
  • 嘔吐 8.5%(0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 脱毛症 54.0% (2.6%)
  • 感覚性ニューロパチー 28.6% (1.6%)
Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):149-58より引用

特徴と注意点

ドセタキセルは6サイクルで終了する。 CRPCの治療と異なりプレドニゾロン併用は不要

監修:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する臨床試験|CHAARTED試験³⁾

ホルモン感受性の転移性前立腺癌患者において、 アンドロゲン除去療法 (ADT) とドセタキセル (DTX) 併用療法の効果を、 ADT単独療法を対照に検証した第Ⅲ相比較試験CHAARTEDの結果より、 高腫瘍量の患者における全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

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OS中央値

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:57.6ヵ月
  • ADT単独群:47.2ヵ月
HR 0.72 (95%CI 0.59-0.89)、 p=0.0018

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:51.2ヵ月
  • ADT単独群:34.4ヵ月
HR 0.63 (95%CI 0.50-0.79)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:63.5ヵ月
  • ADT単独群:未到達
HR 1.04 (95%CI 0.70-1.55)、 p=0.86

PSA<0.2ng/mLの割合 (6ヵ月時、 12ヵ月時)

  • ADT+ドセタキセル群:32.0%、 27.7%
p<0.001
  • ADT単独群:19.6%、 16.8%
p<0.001

CRPC発症までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:19.4ヵ月
(95%CI 16.8-22.6ヵ月)
  • ADT単独群:11.7ヵ月
(95%CI 10.8-14.4ヵ月)
HR 0.61 (95%CI 0.52-0.73)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:14.9ヵ月
(95%CI 12.4-17.2ヵ月)
  • ADT単独群:8.6ヵ月
(95%CI 6.8-10.5ヵ月)
HR 0.58 (95%CI 0.47-0.71)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:31.0ヵ月
(95%CI 23.1-51.1ヵ月)
  • ADT単独群:22.7ヵ月
(95%CI 18.9-29.1ヵ月)
HR 0.70 (95%CI 0.50-0.96)、 p=0.03

疾患進行までの期間 (中央値)

全患者

  • ADT+ドセタキセル群:33.0ヵ月
(95%CI 29.1-40.9ヵ月)
  • ADT単独群:19.8ヵ月
(95%CI 17.8-22.5ヵ月)
HR 0.62 (95%CI 0.51-0.75)、 p<0.001

高腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:27.3ヵ月
(95%CI 21.9-32.7ヵ月)
  • ADT単独群:13.0ヵ月
(95%CI 11.1-17.2ヵ月)
HR 0.53 (95%CI 0.42-0.67)、 p<0.001

低腫瘍量患者

  • ADT+ドセタキセル群:42.5ヵ月
(95%CI 34.0ヵ月-未到達)
  • ADT単独群:44.3ヵ月
(95%CI 28.9-66.5ヵ月)
HR 0.86 (95%CI 0.60-1.25)、 p=0.43

出典

  1. サノフィ株式会社. ワンタキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版) [最終閲覧 : 2024/5/1]
  2. サノフィ株式会社. ワンタキソテール®適正使用ガイド (2021年2月作成) [最終閲覧 : 2024/5/1]
  3. Chemohormonal Therapy in Metastatic Hormone-Sensitive Prostate Cancer: Long-Term Survival Analysis of the Randomized Phase III E3805 CHAARTED Trial. J Clin Oncol . 2018 Apr 10;36(11):1080-1087. PMID: 29384722
  4. Androgen-deprivation therapy alone or with docetaxel in non-castrate metastatic prostate cancer (GETUG-AFU 15): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet Oncol. 2013 Feb;14(2):149-58. PMID: 23306100
最終更新日:2024年5月24日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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