治療スケジュール
概要
監修医師

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
100 or 130mg/m² 点滴1~Day1

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/日 経口 分2朝夕食後1~Day1夕~15朝

その他

1コース21日間。
S-1+L-OHPをSOX療法と呼ぶ。
レジメン
SOX
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量

投与開始基準

第III相試験¹⁾より抜粋

組織学的に証明された治癒切除不能な進行または再発胃癌と診断され、 20歳以上でPS 0~2の患者

減量基準

第III相試験¹⁾より抜粋

主な有害事象

第III相試験¹⁾

主な有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 血小板減少症 78.4% (10.1%)
  • 好中球減少症 68.9% (19.5%)
  • 白血球減少症 60.7% (4.1%)
  • AST増加 60.7% (3.0%)
  • 貧血 55.3% (15.1%)
  • 発熱性好中球減少症 0.9% (0.9%)
  • 悪心 61.5% (3.8%)
  • 倦怠感 57.7% (6.5%)
  • 下痢 48.2% (5.6%)
  • 嘔吐 34.9% (0.6%)
  • 口内炎 32.2% (1.5%)

上手に使うためのワンポイント

  • 胃癌は治療開始時にすでに体重減少を伴っていることが多いこと、 狭窄・腹膜播種など催吐リスクが高いことから、 オキサリプラチン130mg/m²で投与する場合には特に、 CINV予防として3剤併用 (NK1拮抗薬+5HT3拮抗薬+ステロイド) を考慮する。 
  • オキサリプラチンによるCIPNにより、 2次治療のPTX投与が困難になる時がある。 治療効果が十分と考えられ、 CIPN Grade2となった場合は、 オキサリプラチンの中止を考慮する。 上記を考慮しオキサリプラチンについては計画中止も治療選択肢と考えられる。 

特徴と注意点

  • ガイドラインでは、 HER2陰性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である。
  • G-SOX試験においてオキサリプラチンの初回投与量は100mg/m²と設定されていた。 WJOG8315G試験に70歳以上の高齢者においても上乗せ効果が示唆されているが高齢者機能評価のスクリーニングツールであるG8≦9では上乗せ効果がないことも示唆されている。 年齢や病態にあわせて、 オキサリプラチンの併用可否を考慮する。

関連する臨床試験|第III相試験¹⁾

切除不能の進行性または再発性胃癌患者において、 S-1+オキサリプラチン (SOX) の効果を、 S-1+シスプラチン (CS) を対照に検証した非盲検多施設共同第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 SOX投与群はCS投与群と同等に有効性があることが示された。

>>臨床試験の詳細を見る

PFS

  • SOX投与群 : 5.5ヵ月
(95%CI 4.4-5.7ヵ月)
  • CS投与群 : 5.4ヵ月
(95%CI 4.2-5.7ヵ月)
HR 1.004 (95%CI 0.840-1.199)、 p=0.0044

OS

  • SOX投与群 : 14.1ヵ月
(95%CI 13.0-15.8ヵ月)
  • CS投与群 : 13.1ヵ月
(95%CI 12.1-15.1ヵ月)
HR 0.969 (95%CI 0.812-1.157)

奏効率

  • SOX投与群 : 55.7%
  • CS投与群 : 52.2%

病勢コントロール率

  • SOX投与群 : 85.2%
  • CS投与群 : 81.8%

出典

  1. Phase III study comparing oxaliplatin plus S-1 with cisplatin plus S-1 in chemotherapy-naïve patients with advanced gastric cancer. Ann Oncol. 2015 Jan;26(1):141-148. PMID: 25316259
最終更新日:2024年2月14日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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S-1+オキサリプラチン
2024年03月27日更新

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
100 or 130mg/m² 点滴1~Day1

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/日 経口 分2朝夕食後1~Day1夕~15朝

その他

1コース21日間。
S-1+L-OHPをSOX療法と呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

用法用量

投与開始基準

第III相試験¹⁾より抜粋

組織学的に証明された治癒切除不能な進行または再発胃癌と診断され、 20歳以上でPS 0~2の患者

減量基準

第III相試験¹⁾より抜粋

主な有害事象

第III相試験¹⁾

主な有害事象(カッコ内はGrade3~4)

  • 血小板減少症 78.4% (10.1%)
  • 好中球減少症 68.9% (19.5%)
  • 白血球減少症 60.7% (4.1%)
  • AST増加 60.7% (3.0%)
  • 貧血 55.3% (15.1%)
  • 発熱性好中球減少症 0.9% (0.9%)
  • 悪心 61.5% (3.8%)
  • 倦怠感 57.7% (6.5%)
  • 下痢 48.2% (5.6%)
  • 嘔吐 34.9% (0.6%)
  • 口内炎 32.2% (1.5%)

上手に使うためのワンポイント

  • 胃癌は治療開始時にすでに体重減少を伴っていることが多いこと、 狭窄・腹膜播種など催吐リスクが高いことから、 オキサリプラチン130mg/m²で投与する場合には特に、 CINV予防として3剤併用 (NK1拮抗薬+5HT3拮抗薬+ステロイド) を考慮する。 
  • オキサリプラチンによるCIPNにより、 2次治療のPTX投与が困難になる時がある。 治療効果が十分と考えられ、 CIPN Grade2となった場合は、 オキサリプラチンの中止を考慮する。 上記を考慮しオキサリプラチンについては計画中止も治療選択肢と考えられる。 

特徴と注意点

  • ガイドラインでは、 HER2陰性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である。
  • G-SOX試験においてオキサリプラチンの初回投与量は100mg/m²と設定されていた。 WJOG8315G試験に70歳以上の高齢者においても上乗せ効果が示唆されているが高齢者機能評価のスクリーニングツールであるG8≦9では上乗せ効果がないことも示唆されている。 年齢や病態にあわせて、 オキサリプラチンの併用可否を考慮する。

関連する臨床試験|第III相試験¹⁾

切除不能の進行性または再発性胃癌患者において、 S-1+オキサリプラチン (SOX) の効果を、 S-1+シスプラチン (CS) を対照に検証した非盲検多施設共同第Ⅲ相無作為化比較試験の結果より、 SOX投与群はCS投与群と同等に有効性があることが示された。

>>臨床試験の詳細を見る

PFS

  • SOX投与群 : 5.5ヵ月
(95%CI 4.4-5.7ヵ月)
  • CS投与群 : 5.4ヵ月
(95%CI 4.2-5.7ヵ月)
HR 1.004 (95%CI 0.840-1.199)、 p=0.0044

OS

  • SOX投与群 : 14.1ヵ月
(95%CI 13.0-15.8ヵ月)
  • CS投与群 : 13.1ヵ月
(95%CI 12.1-15.1ヵ月)
HR 0.969 (95%CI 0.812-1.157)

奏効率

  • SOX投与群 : 55.7%
  • CS投与群 : 52.2%

病勢コントロール率

  • SOX投与群 : 85.2%
  • CS投与群 : 81.8%

出典

  1. Phase III study comparing oxaliplatin plus S-1 with cisplatin plus S-1 in chemotherapy-naïve patients with advanced gastric cancer. Ann Oncol. 2015 Jan;26(1):141-148. PMID: 25316259
最終更新日:2024年2月14日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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