多施設共同研究²⁾のプロトコル
ドセタキセル40-60mg/m²を4週間毎に投与
Grade1、 2の有害事象
Grade3、 4の有害事象
ドセタキセルは血管肉腫に保険適用となっていないものの、 頭頚部癌に保険適用があり使用されてきた。 2012年にパクリタキセルが保険適用となって以降、 1次治療として使用されることはほとんどない。
以前はweeklyで使用されていたが間質性肺炎の副作用が懸念され²⁾、 近年では3~4週毎の投与で使用されることが多い。 Weeklyで投与するよりも1回の投与量が増えることで好中球減少の頻度、 重症度が上がり感染症のリスクとなるため、 高齢者に投与する場合は注意が必要である。
ドセタキセル1回60mg/m² (体表面積) を1時間以上かけて3~4週間隔で点滴静注する。 患者の状態に応じて適宜増減する。 Weeklyで投与する場合は1回25mg/m² (体表面積) を1時間以上かけて週1回、 3週連続で投与し1週休薬を繰り返すが、 現在ではほとんどweeklyで投与されない。
電子添文に従って好中球数が低下している場合は投与の延期を検討する³⁾。 パクリタキセル投与後に使用されることが多いため、 骨髄機能の低下に伴う血球減少や下肢浮腫のために減量や休薬が必要なことがある。
皮膚血管肉腫に対するドセタキセルの有効性を示した前向き臨床試験は無く、 後ろ向き観察研究のみである。
まず、 9例に対してweeklyで投与しCR2例、 PR4例、 SD2例、 平均奏効期間は9.5ヵ月であったと報告されている³⁾。 有害事象として放射線治療を併用した3例で重度の放射線皮膚障害がみられた。
また、 放射線と併用し4週毎に投与した35例では全生存期間の中央値は792日で、 パクリタキセルと有意差は無かった²⁾。 CTCAE Grade 3以上の有害事象が40%で見られ、 白血球減少が12例、 間質性肺炎が3例見られた。
間質性肺炎の報告があるため²⁾、 既往や合併症を有する場合は適応を検討する必要がある。 アナフィラキシーなどの過敏症状が現れることがあるため、 初回や2回目投与時には対応できる準備をして十分に観察する。 また、 添加物に無水エタノールが含まれるためアルコール不耐の患者には注意が必要であったが、 最近ではエタノールフリー製剤が販売されている。
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年10月8日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
多施設共同研究²⁾のプロトコル
ドセタキセル40-60mg/m²を4週間毎に投与
Grade1、 2の有害事象
Grade3、 4の有害事象
ドセタキセルは血管肉腫に保険適用となっていないものの、 頭頚部癌に保険適用があり使用されてきた。 2012年にパクリタキセルが保険適用となって以降、 1次治療として使用されることはほとんどない。
以前はweeklyで使用されていたが間質性肺炎の副作用が懸念され²⁾、 近年では3~4週毎の投与で使用されることが多い。 Weeklyで投与するよりも1回の投与量が増えることで好中球減少の頻度、 重症度が上がり感染症のリスクとなるため、 高齢者に投与する場合は注意が必要である。
ドセタキセル1回60mg/m² (体表面積) を1時間以上かけて3~4週間隔で点滴静注する。 患者の状態に応じて適宜増減する。 Weeklyで投与する場合は1回25mg/m² (体表面積) を1時間以上かけて週1回、 3週連続で投与し1週休薬を繰り返すが、 現在ではほとんどweeklyで投与されない。
電子添文に従って好中球数が低下している場合は投与の延期を検討する³⁾。 パクリタキセル投与後に使用されることが多いため、 骨髄機能の低下に伴う血球減少や下肢浮腫のために減量や休薬が必要なことがある。
皮膚血管肉腫に対するドセタキセルの有効性を示した前向き臨床試験は無く、 後ろ向き観察研究のみである。
まず、 9例に対してweeklyで投与しCR2例、 PR4例、 SD2例、 平均奏効期間は9.5ヵ月であったと報告されている³⁾。 有害事象として放射線治療を併用した3例で重度の放射線皮膚障害がみられた。
また、 放射線と併用し4週毎に投与した35例では全生存期間の中央値は792日で、 パクリタキセルと有意差は無かった²⁾。 CTCAE Grade 3以上の有害事象が40%で見られ、 白血球減少が12例、 間質性肺炎が3例見られた。
間質性肺炎の報告があるため²⁾、 既往や合併症を有する場合は適応を検討する必要がある。 アナフィラキシーなどの過敏症状が現れることがあるため、 初回や2回目投与時には対応できる準備をして十分に観察する。 また、 添加物に無水エタノールが含まれるためアルコール不耐の患者には注意が必要であったが、 最近ではエタノールフリー製剤が販売されている。
その他情報は随時更新予定です
最終更新日 : 2024年10月8日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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