エラヒア® (ミルベツキシマブ ソラブタンシン)
【1コース】21日間
【催吐性】未収載³⁾ (NCCN : 中等度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

ミルベツキシマブ ソラブタンシン (MIRV) : 1回6mg/kg (調整理想体重) を3週間間隔で点滴静注する¹⁾。 Infusion reactionを軽減するため、 投与前に抗ヒスタミン薬、 副腎皮質ステロイド、 解熱鎮痛薬等を前投与する。 初回は1mg/分で開始し、 各30分後に3mg/分、 5mg/分まで増速できる。 2回目以降は、 初回で忍容性が確認された投与速度で投与する。 患者の状態により、 投与開始速度は適宜減速する¹⁾。
>> 調整理想想体重を計算する (準備中)
N Engl J Med. 2023;389(23):2162-2174.
FRα高発現 (PS2+法で腫瘍細胞の75%以上が中等度・強染色) の白金耐性・高異型度漿液性卵巣癌 (卵管癌・腹膜癌を含む) で、 前治療歴1–3ラインを有する患者453例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 MRIV群227例、 化学療法群*226例に前治療ライン数と化学療法薬で層別化した1 : 1の割合で割り付け、 主要評価項目は担当医評価によるPFSとした。
【有効性】MIRV群 (vs 化学療法群)
- PFS中央値 5.62ヵ月 (vs 3.98ヵ月、 p<0.001)
- OS中央値 16.46ヵ月 (vs 12.75ヵ月)
- ORR 42.3% (vs 15.9%)
- 奏効期間中央値 6.77ヵ月 (vs 4.47ヵ月)
- CA-125反応率 58.0% (vs 30.3%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 霧視 40.8% (7.8%)
- 角膜症 32.1% (9.2%)
- 腹痛 30.3% (2.8%)
- 疲労 30.3% (2.3%)
- 下痢 29.4% (1.4%)
- 眼乾燥 28.0% (3.2%)
- 便秘 27.1% (0%)
- 悪心 26.6% (1.8%)
- 末梢神経障害 21.6% (1.4%)
- 好中球減少症 11.0% (0.9%)
- 貧血 9.6% (0.9%)
MIRASOL試験⁵⁾の主な適格基準
- 葉酸受容体α陽性の白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の高異型度漿液性卵巣癌、 原発性腹膜癌又は卵管癌 (前治療歴1–3レジメン)
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧9g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦3.0×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre≦1.5×ULN

軽度から中等度の腎機能障害患者 (CrCl 30~90mL/min) では、 MIRVの用量調整は不要である。 重度腎機能障害患者 (CrCl 15~30mL/min未満) 又は末期腎不全患者では、 腎機能障害がMIRVに及ぼす影響は明らかになっていない⁶⁾。

MIRASOL試験のプロトコル (参考情報) : 電子添文に個別規定のない休薬・減量基準は以下のとおり。 治療関連毒性からの回復が不十分で、 投与延期後1コース (21日間) 以内に再投与基準を満たさない場合は投与中止とする。 ただし、 個別規定がある事象を除き、 臨床的利益があり、 治験依頼者と治験責任医師が合意した場合は継続を考慮できる。

MIRVでは、 視力低下を伴う角膜障害を含む眼障害があらわれ、 失明に至る可能性がある。 眼科医と連携し、 投与開始前から症状発現時まで一貫して評価・対応する。
定期的な眼科検査 : 投与開始前に、 視力検査及び細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査を実施する。 投与中も定期的に眼の異常の有無を確認する。
国内臨床試験では、 ベースライン時に加え、 症状の有無にかかわらずサイクル8まで1サイクルおきに投与前検査が実施された。
点眼剤の使用 : 防腐剤を含まない人工涙液を、 投与期間中に1日4回以上使用するよう指導する。 中等度以上の表層角膜炎又は角膜症が生じ、 休薬後に投与を再開する場合は、 以後のサイクルの投与開始日及びその後7日間のステロイド点眼剤の使用を考慮する。
防腐剤を含まない人工涙液は、 患者が薬局又はドラッグストアで購入する。 例 : ソフトサンティア®、 なみだロート®ファイブ
コンタクトレンズの装着を避ける指導 : MIRV投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう指導する。 霧視などの眼障害があらわれることがあるため、 自動車の運転及び機械操作への注意も説明する。
重症度評価とMIRVの用量調整 : 霧視、 ドライアイ、 羞明、 視力低下、 充血、 異物感又は眼痛などがあらわれた場合は、 速やかに眼科医へコンサルテーションする。 眼科医による最高矯正視力及び角膜所見の評価結果を主治医と共有し、 前述の 「角膜炎/角膜症」 に従って休薬、 減量又は中止を判断する。
MIRVは、 葉酸受容体αに対するヒト化IgG1モノクローナル抗体に、 微小管重合阻害作用を有するDM4をリンカーで結合させた抗体薬物複合体である。 腫瘍細胞膜上の葉酸受容体αに結合して細胞内へ取り込まれた後、 リソソームでリンカーが加水分解され、 遊離DM4が細胞周期停止とアポトーシスを誘導することで、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。
角膜障害を含む眼障害 : 本剤投与開始前に眼科医による診察を実施し、 投与中は定期的に眼の異常の有無を確認する(視力検査、 細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査)とともに、 投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者に指導する。異常が認められた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者を指導し、 眼科医による評価を行う。
間質性肺疾患 : 初期症状(呼吸困難、 咳嗽、 発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など十分に観察する。初期症状があらわれた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者に指導する。
視力低下等に伴う自動車運転等の注意 : 視力低下につながる霧視等の眼障害があらわれることがあるため、 自動車の運転や機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分指導する。
薬物相互作用 : MIRVの副作用が増強されるおそれがあるため、 強いCYP3A阻害薬との併用は可能な限り避け、 CYP3A阻害作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A阻害薬への代替を考慮する。 やむを得ず併用する場合は、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用の発現に十分注意する。
- 角膜障害
- 間質性肺疾患
- 末梢神経障害
- Infusion reaction
本剤の適応判定 (葉酸受容体αタンパク) に利用できるコンパニオン診断薬は、 以下のとおり。
ベンタナ OptiView FOLR1 (FOLR1-2.1)
1) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mg 電子添文 (2026年9月作成 第1版).
2) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mg 医薬品インタビューフォーム (2026年9月作成 第1版).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) N Engl J Med. 2023;389(23):2162-2174.
6) ImmunoGen, Inc. ELAHERE™ (mirvetuximab soravtansine-gynx) injection, for intravenous use : Prescribing Information. Revised November 2022.
7) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mgに係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年9月21日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣 範之
エラヒア® (ミルベツキシマブ ソラブタンシン)
【1コース】21日間
【催吐性】未収載³⁾ (NCCN : 中等度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

ミルベツキシマブ ソラブタンシン (MIRV) : 1回6mg/kg (調整理想体重) を3週間間隔で点滴静注する¹⁾。 Infusion reactionを軽減するため、 投与前に抗ヒスタミン薬、 副腎皮質ステロイド、 解熱鎮痛薬等を前投与する。 初回は1mg/分で開始し、 各30分後に3mg/分、 5mg/分まで増速できる。 2回目以降は、 初回で忍容性が確認された投与速度で投与する。 患者の状態により、 投与開始速度は適宜減速する¹⁾。
>> 調整理想想体重を計算する (準備中)
N Engl J Med. 2023;389(23):2162-2174.
FRα高発現 (PS2+法で腫瘍細胞の75%以上が中等度・強染色) の白金耐性・高異型度漿液性卵巣癌 (卵管癌・腹膜癌を含む) で、 前治療歴1–3ラインを有する患者453例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 MRIV群227例、 化学療法群*226例に前治療ライン数と化学療法薬で層別化した1 : 1の割合で割り付け、 主要評価項目は担当医評価によるPFSとした。
【有効性】MIRV群 (vs 化学療法群)
- PFS中央値 5.62ヵ月 (vs 3.98ヵ月、 p<0.001)
- OS中央値 16.46ヵ月 (vs 12.75ヵ月)
- ORR 42.3% (vs 15.9%)
- 奏効期間中央値 6.77ヵ月 (vs 4.47ヵ月)
- CA-125反応率 58.0% (vs 30.3%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 霧視 40.8% (7.8%)
- 角膜症 32.1% (9.2%)
- 腹痛 30.3% (2.8%)
- 疲労 30.3% (2.3%)
- 下痢 29.4% (1.4%)
- 眼乾燥 28.0% (3.2%)
- 便秘 27.1% (0%)
- 悪心 26.6% (1.8%)
- 末梢神経障害 21.6% (1.4%)
- 好中球減少症 11.0% (0.9%)
- 貧血 9.6% (0.9%)
MIRASOL試験⁵⁾の主な適格基準
- 葉酸受容体α陽性の白金系抗悪性腫瘍剤抵抗性の高異型度漿液性卵巣癌、 原発性腹膜癌又は卵管癌 (前治療歴1–3レジメン)
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧9g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦3.0×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN
- 腎機能 : 血清Cre≦1.5×ULN

軽度から中等度の腎機能障害患者 (CrCl 30~90mL/min) では、 MIRVの用量調整は不要である。 重度腎機能障害患者 (CrCl 15~30mL/min未満) 又は末期腎不全患者では、 腎機能障害がMIRVに及ぼす影響は明らかになっていない⁶⁾。

MIRASOL試験のプロトコル (参考情報) : 電子添文に個別規定のない休薬・減量基準は以下のとおり。 治療関連毒性からの回復が不十分で、 投与延期後1コース (21日間) 以内に再投与基準を満たさない場合は投与中止とする。 ただし、 個別規定がある事象を除き、 臨床的利益があり、 治験依頼者と治験責任医師が合意した場合は継続を考慮できる。

MIRVでは、 視力低下を伴う角膜障害を含む眼障害があらわれ、 失明に至る可能性がある。 眼科医と連携し、 投与開始前から症状発現時まで一貫して評価・対応する。
定期的な眼科検査 : 投与開始前に、 視力検査及び細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査を実施する。 投与中も定期的に眼の異常の有無を確認する。
国内臨床試験では、 ベースライン時に加え、 症状の有無にかかわらずサイクル8まで1サイクルおきに投与前検査が実施された。
点眼剤の使用 : 防腐剤を含まない人工涙液を、 投与期間中に1日4回以上使用するよう指導する。 中等度以上の表層角膜炎又は角膜症が生じ、 休薬後に投与を再開する場合は、 以後のサイクルの投与開始日及びその後7日間のステロイド点眼剤の使用を考慮する。
防腐剤を含まない人工涙液は、 患者が薬局又はドラッグストアで購入する。 例 : ソフトサンティア®、 なみだロート®ファイブ
コンタクトレンズの装着を避ける指導 : MIRV投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう指導する。 霧視などの眼障害があらわれることがあるため、 自動車の運転及び機械操作への注意も説明する。
重症度評価とMIRVの用量調整 : 霧視、 ドライアイ、 羞明、 視力低下、 充血、 異物感又は眼痛などがあらわれた場合は、 速やかに眼科医へコンサルテーションする。 眼科医による最高矯正視力及び角膜所見の評価結果を主治医と共有し、 前述の 「角膜炎/角膜症」 に従って休薬、 減量又は中止を判断する。
MIRVは、 葉酸受容体αに対するヒト化IgG1モノクローナル抗体に、 微小管重合阻害作用を有するDM4をリンカーで結合させた抗体薬物複合体である。 腫瘍細胞膜上の葉酸受容体αに結合して細胞内へ取り込まれた後、 リソソームでリンカーが加水分解され、 遊離DM4が細胞周期停止とアポトーシスを誘導することで、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている¹⁾。
角膜障害を含む眼障害 : 本剤投与開始前に眼科医による診察を実施し、 投与中は定期的に眼の異常の有無を確認する(視力検査、 細隙灯顕微鏡検査を含む眼科検査)とともに、 投与中はコンタクトレンズの装着を避けるよう患者に指導する。異常が認められた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者を指導し、 眼科医による評価を行う。
間質性肺疾患 : 初期症状(呼吸困難、 咳嗽、 発熱等)の確認及び胸部CT検査等の実施など十分に観察する。初期症状があらわれた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者に指導する。
視力低下等に伴う自動車運転等の注意 : 視力低下につながる霧視等の眼障害があらわれることがあるため、 自動車の運転や機械の操作に従事する際には注意するよう患者に十分指導する。
薬物相互作用 : MIRVの副作用が増強されるおそれがあるため、 強いCYP3A阻害薬との併用は可能な限り避け、 CYP3A阻害作用のない薬剤又は中程度以下のCYP3A阻害薬への代替を考慮する。 やむを得ず併用する場合は、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用の発現に十分注意する。
- 角膜障害
- 間質性肺疾患
- 末梢神経障害
- Infusion reaction
本剤の適応判定 (葉酸受容体αタンパク) に利用できるコンパニオン診断薬は、 以下のとおり。
ベンタナ OptiView FOLR1 (FOLR1-2.1)
1) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mg 電子添文 (2026年9月作成 第1版).
2) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mg 医薬品インタビューフォーム (2026年9月作成 第1版).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) N Engl J Med. 2023;389(23):2162-2174.
6) ImmunoGen, Inc. ELAHERE™ (mirvetuximab soravtansine-gynx) injection, for intravenous use : Prescribing Information. Revised November 2022.
7) 武田薬品工業株式会社. エラヒア点滴静注100mgに係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年9月21日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科 勝俣 範之
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。