治療スケジュール
概要
監修医師

VEN:ベネトクラクス(ベネクレクスタ®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口用量漸増期 : 1週目Day 1~7
50mg/body 経口用量漸増期 : 2週目Day 8~14
100mg/body 経口用量漸増期 : 3週目Day 15~21
200mg/body 経口用量漸増期 : 4週目Day 22~28
400mg/body 経口用量漸増期 : 5週目Day 29~35
400mg/body 経口維持投与期 : 6週目~Day 36~

RIT:リツキシマブ(リツキサン®)

投与量コース投与日
375mg/m² 維持投与期:6週目Day 1(Day36)
500mg/m²10週目 2~6Day 1

前投薬

RIT:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬

その他

RITはVEN用量漸増期の400mgを7日間投与した後、 維持投与期 (VEN開始6週目) から併用.
RITは1コース28日間とし、 1コース目375mg/m²、 2コース目以降500mg/m²を28日毎に投与.
RITは最大投与6コース.
VENは最大2年間までの投与期間.
レジメン
VEN+RIT(VenR)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ベネクレクスタ®適正使用ガイドは「アッヴィ合同会社」の外部サイトに遷移します。
*リツキサン® 適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」の外部サイトに遷移します。

主な有害事象

MURANO試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 57.7%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 6.2%)
  • 貧血 (≧Grade3 10.8%)

主な有害事象

  • 感染症関連事象 (74.7%、 ≧Grade3 18.0%)
  • 下痢 (39.7%、 ≧Grade3 2.6%)

その他重要な有害事象

  • 腫瘍崩壊症候群 (3.1%、 ≧Grade3 3.1%)
  • 発熱性好中球減少症 (3.6%、 ≧Grade3 3.6%)

特徴と注意点

  • ベネトクラクスはBCL2阻害薬 (BH3オンリータンパクの模倣薬)でBCL2の抗アポトーシス作用を阻害することでアポトーシスへ導く.
  • ベネトクラクスは再発又は難治性慢性リンパ性白血病又は小リンパ球性リンパ腫に保険適用.
  • 急性骨髄性白血病にも使用されるがその投与方法や併用薬剤は異なる.
  • リツキシマブの投与が困難な場合を除きベネトクラクス維持投与期の開始時からリツキシマブを併用投与.
  • 腫瘍量が多い場合腫瘍崩壊症候群が出現するため十分な予防が必要.

CYP阻害剤との併用時の用量調節基準

  • ベネトクラクスはCYP3A4で代謝されるため中程度以上のCYP3A阻害作用のある薬剤との併用時は減量を考慮.
  • CYP3A阻害剤の強度に関しては、 ベネクレクスタ®適正使用ガイドのp.41を参照.
  • 中程度のCYP3A阻害剤との併用時:用量漸増期・維持投与期ともにベネトクラクスを半量以下に減量する.
  • 強いCYP3A阻害剤との併用時:①用量漸増期にはベネトクラクスを併用しない. ②維持投与期にはベネトクラクスを100mg以下に減量する.

関連する臨床試験の結果

MURANO試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性慢性リンパ性白血病に対する国際共同第3相試験.
  • ベネトクラクス+リツキシマブ療法 (VenR)とベンダムスチン+リツキシマブ療法 (BR)の有効性と安全性を比較.

結果

  • 観察期間中央値:23.8ヵ月 (範囲 0.0~37.4ヵ月).
  • 2年無増悪生存率:VenR群 84.9% vs BR群 36.3% (HR0.17、 95%CI 0.11-0.25、 p<0.001).
  • 2年生存率:VenR群 91.9% vs BR群 86.6% (HR0.48、 95%CI 0.25-0.90、 有意差検定実施なし).
  • 全奏効率:VenR群 92.3% vs BR群 72.3% (2群間の差は20.0%、 95% CI 12.4-27.6%).
  • 完全寛解率:VenR群 26.8% vs BR群 8.2%.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2018 Mar 22;378(12):1107-20.

最終更新:2023年6月12日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
VEN+RIT(VenR)
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ベネトクラクス、 リツキシマブ
2023年06月12日更新

VEN:ベネトクラクス(ベネクレクスタ®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口用量漸増期 : 1週目Day 1~7
50mg/body 経口用量漸増期 : 2週目Day 8~14
100mg/body 経口用量漸増期 : 3週目Day 15~21
200mg/body 経口用量漸増期 : 4週目Day 22~28
400mg/body 経口用量漸増期 : 5週目Day 29~35
400mg/body 経口維持投与期 : 6週目~Day 36~

RIT:リツキシマブ(リツキサン®)

投与量コース投与日
375mg/m² 維持投与期:6週目Day 1(Day36)
500mg/m²10週目 2~6Day 1

前投薬

RIT:解熱鎮痛薬、 抗ヒスタミン薬

その他

RITはVEN用量漸増期の400mgを7日間投与した後、 維持投与期 (VEN開始6週目) から併用.
RITは1コース28日間とし、 1コース目375mg/m²、 2コース目以降500mg/m²を28日毎に投与.
RITは最大投与6コース.
VENは最大2年間までの投与期間.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ベネクレクスタ®適正使用ガイドは「アッヴィ合同会社」の外部サイトに遷移します。
*リツキサン® 適正使用ガイドは「全薬工業株式会社」の外部サイトに遷移します。

主な有害事象

MURANO試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少症 (≧Grade3 57.7%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 6.2%)
  • 貧血 (≧Grade3 10.8%)

主な有害事象

  • 感染症関連事象 (74.7%、 ≧Grade3 18.0%)
  • 下痢 (39.7%、 ≧Grade3 2.6%)

その他重要な有害事象

  • 腫瘍崩壊症候群 (3.1%、 ≧Grade3 3.1%)
  • 発熱性好中球減少症 (3.6%、 ≧Grade3 3.6%)

特徴と注意点

  • ベネトクラクスはBCL2阻害薬 (BH3オンリータンパクの模倣薬)でBCL2の抗アポトーシス作用を阻害することでアポトーシスへ導く.
  • ベネトクラクスは再発又は難治性慢性リンパ性白血病又は小リンパ球性リンパ腫に保険適用.
  • 急性骨髄性白血病にも使用されるがその投与方法や併用薬剤は異なる.
  • リツキシマブの投与が困難な場合を除きベネトクラクス維持投与期の開始時からリツキシマブを併用投与.
  • 腫瘍量が多い場合腫瘍崩壊症候群が出現するため十分な予防が必要.

CYP阻害剤との併用時の用量調節基準

  • ベネトクラクスはCYP3A4で代謝されるため中程度以上のCYP3A阻害作用のある薬剤との併用時は減量を考慮.
  • CYP3A阻害剤の強度に関しては、 ベネクレクスタ®適正使用ガイドのp.41を参照.
  • 中程度のCYP3A阻害剤との併用時:用量漸増期・維持投与期ともにベネトクラクスを半量以下に減量する.
  • 強いCYP3A阻害剤との併用時:①用量漸増期にはベネトクラクスを併用しない. ②維持投与期にはベネトクラクスを100mg以下に減量する.

関連する臨床試験の結果

MURANO試験¹⁾

概要

  • 再発又は難治性慢性リンパ性白血病に対する国際共同第3相試験.
  • ベネトクラクス+リツキシマブ療法 (VenR)とベンダムスチン+リツキシマブ療法 (BR)の有効性と安全性を比較.

結果

  • 観察期間中央値:23.8ヵ月 (範囲 0.0~37.4ヵ月).
  • 2年無増悪生存率:VenR群 84.9% vs BR群 36.3% (HR0.17、 95%CI 0.11-0.25、 p<0.001).
  • 2年生存率:VenR群 91.9% vs BR群 86.6% (HR0.48、 95%CI 0.25-0.90、 有意差検定実施なし).
  • 全奏効率:VenR群 92.3% vs BR群 72.3% (2群間の差は20.0%、 95% CI 12.4-27.6%).
  • 完全寛解率:VenR群 26.8% vs BR群 8.2%.

参考文献

  1. N Engl J Med. 2018 Mar 22;378(12):1107-20.

最終更新:2023年6月12日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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