概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 乳房外パジェット病に対して本邦適応外

薬剤情報

タキソテール® (添付文書¹⁾)

用法用量 ※適応外

多施設共同後ろ向き試験のプロトコル²⁾

J Dermatol. 2016 Jun;43(6):633-7より作図

主な有害事象

多施設共同後ろ向き試験²⁾

Grade3~4の主な有害事象

  • 骨髄抑制 100%
  • 白血球数減少 38.5%
  • 好中球数減少 61.5%
  • 発熱性好中球減少症 30.8%

エキスパートによるワンポイント

治療選択とドセタキセルの役割

根治切除不能な進行・再発の乳房外パジェット病に対して有効な治療法は確立しておらず、 これまでに様々な化学療法が報告されてきている。 なかでも最も報告数が多く、 まとまったケースシリーズとして一定の治療成績を評価できるレジメンがドセタキセル療法である。

しかし、 薬物療法を必要とする根治切除不能な進行・再発の乳房外パジェット病に対して保険適用のある薬剤は2024年2月9日に効能効果が追加された二ボルマブのみである。

有効性と生存期間

実臨床においては、 投薬前に必ずバイタルサイン、 臨床所見、 血液学的検査等の確認を行い、 症状を有するGrade2以上もしくはGrade3以上の有害事象を発現していることが確認された場合は休薬する。

有効性については、 これまでの複数のケースシリーズ報告において、 奏効率が32~47.1%、 生存期間中央値が16.6~26.4ヵ月であったと報告されている。

安全性と副作用管理

安全性については骨髄抑制の頻度が比較的高いことが過去の報告では共通しているが、 G-CSF投与などにより対処が可能で、 治療関連死に至った報告はない。

また、 間質性肺炎の報告があるため、 既往や合併症を有する場合は適応を検討する必要がある。

監修 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 緒方大先生

出典

  1. サノフィ. タキソテール®電子添文 (2024年6月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  2. Usefulness of docetaxel as first-line chemotherapy for metastatic extramammary Paget's disease. J Dermatol. 2016 Jun;43(6):633-7. PMID: 26603144
  3. Single-agent taxane is useful in palliative chemotherapy for advanced extramammary Paget disease: a case series. Br J Dermatol. 2019 Oct;181(4):831-832. PMID: 30920650
  4. Weekly docetaxel monotherapy for metastatic extramammary Paget's disease: Retrospective single-institute analysis. J Dermatol. 2020 Apr;47(4):418-422. PMID: 32020662
  5. Efficacy of chemotherapies for unresectable extramammary Paget disease: a single-centre retrospective study. Clin Exp Dermatol. 2023 Aug 25;48(9):1019-1023. PMID: 37162010
最終更新日 : 2024年8月25日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科  緒方大先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ドセタキセル (タキソテール®)
2024年08月25日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。
2024/8/25時点で、 乳房外パジェット病に対して本邦適応外

薬剤情報

タキソテール® (添付文書¹⁾)

用法用量 ※適応外

多施設共同後ろ向き試験のプロトコル²⁾

J Dermatol. 2016 Jun;43(6):633-7より作図

主な有害事象

多施設共同後ろ向き試験²⁾

Grade3~4の主な有害事象

  • 骨髄抑制 100%
  • 白血球数減少 38.5%
  • 好中球数減少 61.5%
  • 発熱性好中球減少症 30.8%

エキスパートによるワンポイント

治療選択とドセタキセルの役割

根治切除不能な進行・再発の乳房外パジェット病に対して有効な治療法は確立しておらず、 これまでに様々な化学療法が報告されてきている。 なかでも最も報告数が多く、 まとまったケースシリーズとして一定の治療成績を評価できるレジメンがドセタキセル療法である。

しかし、 薬物療法を必要とする根治切除不能な進行・再発の乳房外パジェット病に対して保険適用のある薬剤は2024年2月9日に効能効果が追加された二ボルマブのみである。

有効性と生存期間

実臨床においては、 投薬前に必ずバイタルサイン、 臨床所見、 血液学的検査等の確認を行い、 症状を有するGrade2以上もしくはGrade3以上の有害事象を発現していることが確認された場合は休薬する。

有効性については、 これまでの複数のケースシリーズ報告において、 奏効率が32~47.1%、 生存期間中央値が16.6~26.4ヵ月であったと報告されている。

安全性と副作用管理

安全性については骨髄抑制の頻度が比較的高いことが過去の報告では共通しているが、 G-CSF投与などにより対処が可能で、 治療関連死に至った報告はない。

また、 間質性肺炎の報告があるため、 既往や合併症を有する場合は適応を検討する必要がある。

監修 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 緒方大先生

出典

  1. サノフィ. タキソテール®電子添文 (2024年6月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/8/25]
  2. Usefulness of docetaxel as first-line chemotherapy for metastatic extramammary Paget's disease. J Dermatol. 2016 Jun;43(6):633-7. PMID: 26603144
  3. Single-agent taxane is useful in palliative chemotherapy for advanced extramammary Paget disease: a case series. Br J Dermatol. 2019 Oct;181(4):831-832. PMID: 30920650
  4. Weekly docetaxel monotherapy for metastatic extramammary Paget's disease: Retrospective single-institute analysis. J Dermatol. 2020 Apr;47(4):418-422. PMID: 32020662
  5. Efficacy of chemotherapies for unresectable extramammary Paget disease: a single-centre retrospective study. Clin Exp Dermatol. 2023 Aug 25;48(9):1019-1023. PMID: 37162010
最終更新日 : 2024年8月25日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科  緒方大先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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