概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 軽度催吐性
【FN発症】高リスク (>20%)

ハイカムチン® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

*日本化薬株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

1日1回、 1.5mg/m²を5日間連日点滴静注し、 少なくとも16日間休薬

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版)¹⁾より作図、 引用

前投薬・投与スケジュール例

- DEX 6.6mg (day1~2)+生食 100ml

- DEX 3.3mg (day3~5)+生食 100ml

- Nogitecan1.5mg/m² + 生食 100mL (day1~5、 30分)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
適正使用ガイド²⁾の前投薬
投与前に、 デキサメタゾン3.3~6.6mg静注 (4~8mg経口) 単剤投与
状況に応じてプロクロルペラジンもしくはメトクロプラミドの使用も検討、 ロラゼパムやH2受容体拮抗薬あるいはプロトンポンプ阻害薬の併用も検討
ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より引用

投与開始基準

電子添文¹⁾の基準

白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、 白金製剤に対する感受性を考慮してノギテカン以外の治療法を慎重に検討した上で、 投与を開始

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版)¹⁾より引用

適正使用ガイド²⁾の基準

初回投与時の目安

ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より作図

次コース以降の投与時の目安

ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の基準

腎障害 (CrCl 20~39mL/分) のある患者では、 初回投与量は通常用量の半量

ノギテカンの血漿クリアランスの低下及び血中半減期の延長が起こるおそれがある。
CrClが20mL/分未満の腎障害患者では十分な成績は得られていない。
ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) より引用

初回基準量と増減量レベル

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) より作図

KeyData|臨床試験結果

ランダム化比較試験³⁾

対象: 第一選択のプラチナベースの化学療法後に再発または化学療法に未反応の上皮性卵巣癌患者474例
方法: PLD群 vs Nogitecan群

【有効性】Nogitecan群

  • ORR 17.0%
  • mPFS 13.6週 (プラチナ抵抗性患者)
  • mOS 56.7週

【安全性】主な有害事象

  • 好中球数減少81.3% (76.6%)
  • 貧血 71.9% (28.1%)
  • 血小板数減少 64.7% (34.0%)
  • 白血球数減少 62.9% (49.8%)
  • 脱毛症 48.5% (6.0%)
  • 手掌足底発赤知覚不全症 0.9% (0%)
  • 口内炎 14.9% (0.4%)
J Clin Oncol. 2001 Jul 15;19(14):3312-22³⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

ランダム化比較試験³⁾におけるTopotecanの効果

奏効率 (RR) はTopotecan17.0%、 PLD19.7%と有意差はなく、 無増悪生存期間 (PFS) も差はありませんでした。 また、 サブグループ解析で、 プラチナ抵抗性患者での、 全生存期間 (OS)も両者に有意差はありませんでした。 Topotecanは、 PLDやGEMと並んで、 プラチナ抵抗性卵巣癌の一つの選択肢となると思います。

Topotecanの副作用と投与方法

Topotecanの副作用の主なものは、 骨髄毒性になります。 トポイソメラーゼI阻害剤、 カンプトテシン系の薬剤でありますが、 同じカンプトテシン系の薬剤のイリノテカン (CPT-11) と比べると下痢がないのが特徴です。 投与は、 5日間連日投与になりますが、 非血液毒性 (吐き気、 下痢など) は少ないので、 外来投与が可能です。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. 日本化薬株式会社. ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  2. 日本化薬株式会社. ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  3. Recurrent epithelial ovarian carcinoma: a randomized phase III study of pegylated liposomal doxorubicin versus topotecan. J Clin Oncol. 2001 Jul 15;19(14):3312-22. PMID: 11454878
最終更新日 : 2024年7月23日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ノギテカン (ハイカムチン®)
2024年07月23日更新
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薬剤情報

【催吐性】 軽度催吐性
【FN発症】高リスク (>20%)

ハイカムチン® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

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用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

1日1回、 1.5mg/m²を5日間連日点滴静注し、 少なくとも16日間休薬

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版)¹⁾より作図、 引用

前投薬・投与スケジュール例

- DEX 6.6mg (day1~2)+生食 100ml

- DEX 3.3mg (day3~5)+生食 100ml

- Nogitecan1.5mg/m² + 生食 100mL (day1~5、 30分)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
適正使用ガイド²⁾の前投薬
投与前に、 デキサメタゾン3.3~6.6mg静注 (4~8mg経口) 単剤投与
状況に応じてプロクロルペラジンもしくはメトクロプラミドの使用も検討、 ロラゼパムやH2受容体拮抗薬あるいはプロトンポンプ阻害薬の併用も検討
ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より引用

投与開始基準

電子添文¹⁾の基準

白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、 白金製剤に対する感受性を考慮してノギテカン以外の治療法を慎重に検討した上で、 投与を開始

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版)¹⁾より引用

適正使用ガイド²⁾の基準

初回投与時の目安

ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より作図

次コース以降の投与時の目安

ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成)¹⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の基準

腎障害 (CrCl 20~39mL/分) のある患者では、 初回投与量は通常用量の半量

ノギテカンの血漿クリアランスの低下及び血中半減期の延長が起こるおそれがある。
CrClが20mL/分未満の腎障害患者では十分な成績は得られていない。
ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) より引用

初回基準量と増減量レベル

ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) より作図

KeyData|臨床試験結果

ランダム化比較試験³⁾

対象: 第一選択のプラチナベースの化学療法後に再発または化学療法に未反応の上皮性卵巣癌患者474例
方法: PLD群 vs Nogitecan群

【有効性】Nogitecan群

  • ORR 17.0%
  • mPFS 13.6週 (プラチナ抵抗性患者)
  • mOS 56.7週

【安全性】主な有害事象

  • 好中球数減少81.3% (76.6%)
  • 貧血 71.9% (28.1%)
  • 血小板数減少 64.7% (34.0%)
  • 白血球数減少 62.9% (49.8%)
  • 脱毛症 48.5% (6.0%)
  • 手掌足底発赤知覚不全症 0.9% (0%)
  • 口内炎 14.9% (0.4%)
J Clin Oncol. 2001 Jul 15;19(14):3312-22³⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

ランダム化比較試験³⁾におけるTopotecanの効果

奏効率 (RR) はTopotecan17.0%、 PLD19.7%と有意差はなく、 無増悪生存期間 (PFS) も差はありませんでした。 また、 サブグループ解析で、 プラチナ抵抗性患者での、 全生存期間 (OS)も両者に有意差はありませんでした。 Topotecanは、 PLDやGEMと並んで、 プラチナ抵抗性卵巣癌の一つの選択肢となると思います。

Topotecanの副作用と投与方法

Topotecanの副作用の主なものは、 骨髄毒性になります。 トポイソメラーゼI阻害剤、 カンプトテシン系の薬剤でありますが、 同じカンプトテシン系の薬剤のイリノテカン (CPT-11) と比べると下痢がないのが特徴です。 投与は、 5日間連日投与になりますが、 非血液毒性 (吐き気、 下痢など) は少ないので、 外来投与が可能です。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. 日本化薬株式会社. ハイカムチン®電子添文 (2023年5月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  2. 日本化薬株式会社. ハイカムチン®適正使用ガイド (2023年9月作成) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  3. Recurrent epithelial ovarian carcinoma: a randomized phase III study of pegylated liposomal doxorubicin versus topotecan. J Clin Oncol. 2001 Jul 15;19(14):3312-22. PMID: 11454878
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(婦人科)

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