| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 12μg/kg 点滴 | 1~ | Day 1~5 |
| 過敏症又はInfusion reaction軽減のため、投与1時間前に抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤、解熱鎮痛剤および副腎皮質ホルモン剤を前投与する。 |
エルゾンリス® (タグラキソフスプ)
【1コース】 21日間
【催吐性】軽度*
【FN発症】低リスク**

通常、 成人及び2歳以上の小児には、 12μg/kgを1日1回5日間、 15分かけて点滴静注し、 16日間休薬する。 21日間を1サイクルとして投与を繰り返す。

N Engl J Med. 2019;380(17):1628-1637.
未治療または既治療のBPDCN患者を対象とした非盲検多施設共同第I/II相試験。 Stage 1 (用量漸増)、 Stage 2 (拡大)、 Stage 3 (検証的コホート)、 Stage 4 (継続アクセス) から構成され、 主要評価項目は未治療患者におけるCR+CRc率であった。
【有効性】
未治療29例 :
- CR+CRc率 72% (95%CI 53–87)
- ORR 90%
- 13例 (45%) がCRを維持しHSCTへ以降
- 18ヵ月生存率 59%
- 24ヵ月生存率 52%
既治療15例 :
- ORR 67% (95%CI 38–88)
- OS中央値 8.5ヵ月
【安全性】主な有害事象 : 全Grade
- ALT増加 64%
- AST増加 60%
- 低アルブミン血症 55%
- 末梢性浮腫 51%
- 血小板減少症 49%
- 疲労 45%
- 悪心 45%
- 発熱 45%
- 体重増加 38%
- 高血糖 36%
- 悪寒 34%
- 低血圧 28%
- 背部痛 26%
- 食欲減退 26%
- 頭痛 26%
- 貧血 23%
- 便秘 23%
- 低カルシウム血症 23%
- 高血圧 21%
- 低カリウム血症 21%
- 不安 19%
- 毛細血管漏出症候群 (CLS) 19%
- 低ナトリウム血症 19%
- 浮動性めまい 17%
- 低マグネシウム血症 17%
- 好中球減少症 17%
- 嘔吐 17%
STML-401-0114試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- LVEF : 施設基準の正常下限以上で、 かつ12誘導心電図で臨床的に有意な異常なし
- 血清アルブミン≧3.2g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5mg/dL、 AST/ALT≦2.5×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5mg/dL
エルゾンリス®電子添文¹⁾には用量レベルの記載はないが、 STML-401-0114試験³⁾では以下の用量レベルが設定されていた。

軽度及び中等度の腎機能障害患者では用量調節は不要と考えられるが、 母集団薬物動態解析の対象患者のeGFRは全員40mL/min/1.73m²以上であり、 重度の腎機能障害患者での投与経験は限られている²⁾。
血液毒性 : STML-401-0114試験では、 疾患に伴う血球減少では原則中断不要だが、 奏効例で高度な好中球減少・血小板減少が2週以上持続する場合は減量を考慮すると規定されていた³⁾。
非血液毒性 : STML-401-0114試験では、 非血液毒性Grade 2–3がDay 21までにGrade≦1 (又はベースライン) へ回復しない場合は次サイクル開始を7日遅延し、 遅延後に回復すれば同量で継続し、 未回復の場合は回復後に原則減量で再開*;Grade 4は回復後に減量で再開**と規定されていた³⁾。
加えて、 AE発現時の具体的な休薬・中止基準は以下のとおり。 なお、 各サイクルの投与は10日目までに終了し、 5日間の投与ができない場合でも11日目以降は投与しない¹⁾。

エルゾンリス®電子添文情報¹⁾に加え、 STML-401-0114試験³⁾のプロトコル規定を補足している点に留意する。
STML-401-0114試験³⁾で規定されたCLS管理ガイドラインを以下に示す。

🧑⚕️タグラキソフスプ (エルゾンリス®) は、 BPDCNに対して初めて承認された薬剤です。 ジフテリア毒素を利用しており、 末梢性T細胞リンパ腫に対するレミトロⓇと同様に、 毛細血管漏出症候群に注意が必要です。 本レジメン内に特別な管理方法をまとめましたので、 ご参照ください。
タグラキソフスプは、 ジフテリア毒素 (DT) の一部アミノ酸配列とヒトIL-3の全アミノ酸配列を融合した遺伝子組換え融合タンパクである。 腫瘍細胞膜上のIL-3受容体αサブユニット (IL-3Rα) に結合して細胞内に取り込まれた後、 DTが切断されて遊離したDT (酵素活性部位) がタンパク合成を阻害すること等により、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
毛細血管漏出症候群 (CLS) : 投与初期に多いため、 少なくとも1コース目は初回投与から最終投与後24時間まで入院管理とし、 2コース目以降も状態に応じて入院管理を検討する。 投与開始前および投与期間中は、 血清アルブミン、 血圧、 脈拍、 体重、 心機能等を定期的に評価し、 状態を十分観察する。 疑われる症状があらわれた場合は、 速やかに受診するよう患者に指導する。
過敏症/Infusion reaction : 投与期間中は血圧・脈拍等のバイタルを定期的にモニタリングし、 状態を十分観察する。
肝機能障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 状態を十分観察する。
腫瘍崩壊症候群 : 血清電解質測定および腎機能検査等を行い、 状態を十分観察する。
骨髄抑制 : 投与開始前および投与期間中は定期的に血液検査を行い、 状態を十分観察する。
- 毛細血管漏出症候群
- Infusion reaction・過敏症
- 肝機能障害
- 腫瘍崩壊症候群
- 骨髄抑制
1) 日本新薬株式会社. エルゾンリス®点滴静注1000μg 電子添文 2025年12月作成 第1版.
2) 日本新薬株式会社. エルゾンリス®点滴静注1000μg 適正使用ガイド 2025年12月作成.
3) N Engl J Med. 2019;380(17):1628-1637.
最終更新 : 2026年3月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 12μg/kg 点滴 | 1~ | Day 1~5 |
| 過敏症又はInfusion reaction軽減のため、投与1時間前に抗ヒスタミン剤、H2受容体拮抗剤、解熱鎮痛剤および副腎皮質ホルモン剤を前投与する。 |
エルゾンリス® (タグラキソフスプ)
【1コース】 21日間
【催吐性】軽度*
【FN発症】低リスク**

通常、 成人及び2歳以上の小児には、 12μg/kgを1日1回5日間、 15分かけて点滴静注し、 16日間休薬する。 21日間を1サイクルとして投与を繰り返す。

N Engl J Med. 2019;380(17):1628-1637.
未治療または既治療のBPDCN患者を対象とした非盲検多施設共同第I/II相試験。 Stage 1 (用量漸増)、 Stage 2 (拡大)、 Stage 3 (検証的コホート)、 Stage 4 (継続アクセス) から構成され、 主要評価項目は未治療患者におけるCR+CRc率であった。
【有効性】
未治療29例 :
- CR+CRc率 72% (95%CI 53–87)
- ORR 90%
- 13例 (45%) がCRを維持しHSCTへ以降
- 18ヵ月生存率 59%
- 24ヵ月生存率 52%
既治療15例 :
- ORR 67% (95%CI 38–88)
- OS中央値 8.5ヵ月
【安全性】主な有害事象 : 全Grade
- ALT増加 64%
- AST増加 60%
- 低アルブミン血症 55%
- 末梢性浮腫 51%
- 血小板減少症 49%
- 疲労 45%
- 悪心 45%
- 発熱 45%
- 体重増加 38%
- 高血糖 36%
- 悪寒 34%
- 低血圧 28%
- 背部痛 26%
- 食欲減退 26%
- 頭痛 26%
- 貧血 23%
- 便秘 23%
- 低カルシウム血症 23%
- 高血圧 21%
- 低カリウム血症 21%
- 不安 19%
- 毛細血管漏出症候群 (CLS) 19%
- 低ナトリウム血症 19%
- 浮動性めまい 17%
- 低マグネシウム血症 17%
- 好中球減少症 17%
- 嘔吐 17%
STML-401-0114試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- LVEF : 施設基準の正常下限以上で、 かつ12誘導心電図で臨床的に有意な異常なし
- 血清アルブミン≧3.2g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5mg/dL、 AST/ALT≦2.5×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5mg/dL
エルゾンリス®電子添文¹⁾には用量レベルの記載はないが、 STML-401-0114試験³⁾では以下の用量レベルが設定されていた。

軽度及び中等度の腎機能障害患者では用量調節は不要と考えられるが、 母集団薬物動態解析の対象患者のeGFRは全員40mL/min/1.73m²以上であり、 重度の腎機能障害患者での投与経験は限られている²⁾。
血液毒性 : STML-401-0114試験では、 疾患に伴う血球減少では原則中断不要だが、 奏効例で高度な好中球減少・血小板減少が2週以上持続する場合は減量を考慮すると規定されていた³⁾。
非血液毒性 : STML-401-0114試験では、 非血液毒性Grade 2–3がDay 21までにGrade≦1 (又はベースライン) へ回復しない場合は次サイクル開始を7日遅延し、 遅延後に回復すれば同量で継続し、 未回復の場合は回復後に原則減量で再開*;Grade 4は回復後に減量で再開**と規定されていた³⁾。
加えて、 AE発現時の具体的な休薬・中止基準は以下のとおり。 なお、 各サイクルの投与は10日目までに終了し、 5日間の投与ができない場合でも11日目以降は投与しない¹⁾。

エルゾンリス®電子添文情報¹⁾に加え、 STML-401-0114試験³⁾のプロトコル規定を補足している点に留意する。
STML-401-0114試験³⁾で規定されたCLS管理ガイドラインを以下に示す。

🧑⚕️タグラキソフスプ (エルゾンリス®) は、 BPDCNに対して初めて承認された薬剤です。 ジフテリア毒素を利用しており、 末梢性T細胞リンパ腫に対するレミトロⓇと同様に、 毛細血管漏出症候群に注意が必要です。 本レジメン内に特別な管理方法をまとめましたので、 ご参照ください。
タグラキソフスプは、 ジフテリア毒素 (DT) の一部アミノ酸配列とヒトIL-3の全アミノ酸配列を融合した遺伝子組換え融合タンパクである。 腫瘍細胞膜上のIL-3受容体αサブユニット (IL-3Rα) に結合して細胞内に取り込まれた後、 DTが切断されて遊離したDT (酵素活性部位) がタンパク合成を阻害すること等により、 腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられている。
毛細血管漏出症候群 (CLS) : 投与初期に多いため、 少なくとも1コース目は初回投与から最終投与後24時間まで入院管理とし、 2コース目以降も状態に応じて入院管理を検討する。 投与開始前および投与期間中は、 血清アルブミン、 血圧、 脈拍、 体重、 心機能等を定期的に評価し、 状態を十分観察する。 疑われる症状があらわれた場合は、 速やかに受診するよう患者に指導する。
過敏症/Infusion reaction : 投与期間中は血圧・脈拍等のバイタルを定期的にモニタリングし、 状態を十分観察する。
肝機能障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 状態を十分観察する。
腫瘍崩壊症候群 : 血清電解質測定および腎機能検査等を行い、 状態を十分観察する。
骨髄抑制 : 投与開始前および投与期間中は定期的に血液検査を行い、 状態を十分観察する。
- 毛細血管漏出症候群
- Infusion reaction・過敏症
- 肝機能障害
- 腫瘍崩壊症候群
- 骨髄抑制
1) 日本新薬株式会社. エルゾンリス®点滴静注1000μg 電子添文 2025年12月作成 第1版.
2) 日本新薬株式会社. エルゾンリス®点滴静注1000μg 適正使用ガイド 2025年12月作成.
3) N Engl J Med. 2019;380(17):1628-1637.
最終更新 : 2026年3月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。