| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 375mg/m² | 1 | Day 1、 8、 15、 22 |
| リツキシマブ投与時に頻発してあらわれるinfusion reactionを軽減するため、 投与30分前に抗ヒスタミン剤、 解熱鎮痛剤等を前投与する。 また、 副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、 投与に際して副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮する。 |
| 初回投与は50mg/時で開始し、 患者の状態を十分に観察しながら30分ごとに50mg/時ずつ増量し、 最大400mg/時まで増量できる。 2回目以降は、 初回投与時の副作用が軽微であった場合に100mg/時で開始し、 30分ごとに100mg/時ずつ増量して、 最大400mg/時まで増量できる。 |
リツキサン® (リツキシマブ)
【1コース】28日間
【催吐性】最小度

リツキシマブ375mg/m²を1週間間隔で4回、 Day 1、 8、 15、 22に点滴静注
Br J Haematol. 2013;163(3):393-399 ³⁾
未治療の温式AIHA患者を対象に、 プレドニゾロン (PSL) 単剤群とPSL+リツキシマブ (375mg/m²を週1回計4回) 併用群を比較した第III相無作為化比較試験。 デンマークの9施設から計64例 (併用群32例、 単剤群32例) が登録され、 主要評価項目は治療開始後12ヵ月時点の完全奏効率 (CR率) とされた。
【有効性】リツキシマブ併用群 (vs 単剤群)
- 12ヵ月CR率 75% (vs 36%、 p=0.003)
- 無再発生存期間
【安全性】有害事象および重篤な有害事象 (SAE、 致死的又は非致死的事象) の発現状況に両群差は認められず、 主な事象は呼吸困難、 消化不良、 不眠症、 頭痛、 疲労であった。 これらの多くはPSLとの関連が考えられた⁵⁾。
Am J Hematol. 2017;92(1):23-27.⁴⁾
新たに診断された温式AIHA患者を対象に、 PSLへのリツキシマブ (1000mgを2週間隔で計2回) の上乗せ効果を検証した多施設共同第III相無作為化比較試験である。 計32例 (リツキシマブ群16例、 プラセボ群16例) が登録され、 主要評価項目は1年時点の全奏効率 (ORR : CR+PR) とされた。
【有効性】リツキシマブ群 (vs プラセボ群)
- 1年時点のORR 75% (vs 31%、 p=0.032)
- 2年時点のCR率 63% (vs 19%、 p=0.029)
【安全性】重篤な有害事象はプラセボ群で7例10件、 リツキシマブ群で3例4件認められた。 リツキシマブ群の2例では初回投与後8週間~4ヵ月にGrade 3の好中球減少症が認められた。 重症感染症 (肺炎) も2例に認め、 1例はニューモシスチス・イロベチイ肺炎、 もう1例は肺胞性肺炎と診断された⁵⁾。
NTC001134432試験³⁾の主な適格基準 :
- 未治療の温式AIHA
- 18歳以上
- Hb≦10.0g/dL
- 新規診断かつ未治療の温式AIHA : 症候性の溶血性貧血で、 DAT陽性 (抗IgG単独、 または抗IgG+抗C3d) (ゲルカラム法)
- 18歳以上
- Hb≦10.0g/dL
- 登録前の経口PSLは最長1週間まで可
RAIHA試験⁴⁾の主な適格基準 :
- 温式AIHA : 診断時にHb<10g/dLかつ溶血所見 (少なくともハプトグロビン<4mg/L) を伴い、 DAT陽性 (抗IgG単独、 または抗IgG+抗C3d)
- 18歳以上
- 診断・治療開始から登録まで6週間未満 (ステロイド治療が6週間を超える症例は除外)
- 好中球数≧1,000/μL
- Evans症候群は可 (他の基準を満たし、 血小板数>3万/μLの場合)
初回投与は50mg/時で開始し、 患者の状態を十分に観察しながら30分ごとに50mg/時ずつ増量し、 最大400mg/時まで増量できる。
2回目以降は、 初回投与時の副作用が軽微であった場合に100mg/時で開始し、 30分ごとに100mg/時ずつ増量して最大400mg/時まで増量できる。
Infusion reactionが発現した場合は注入速度を緩めるか投与を中止し、 重篤な場合は直ちに投与を中止して適切に処置する。 投与を再開する場合は症状が完全に消失した後、 中止時点の半分以下の注入速度で開始する。
🧑⚕️AIHAに対するRituximabの有効性は証明されており、 これまで参照ガイドに記載されているけれど保険償還が認められていない状態でした。 2026年2月19日にAIHAに対するRituximabが承認されたことはわが国におけるAIHA診療の大きな進展といえます。
自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版⁶⁾では、 温式AIHAのファーストライン治療としてPSL1mg/kgが推奨され、 重症例または副腎皮質ステロイドの長期投与回避が必要な症例ではリツキシマブ併用を検討してもよいとされている。 温式AIHAのセカンドライン治療ではリツキシマブが推奨され、 脾摘よりも優先される位置付けである。 CADでは寒冷回避でも改善しない中等症以上に対し、 スチムリマブまたはリツキシマブが推奨されるが優劣は付け難く、 末梢循環不全症状が強い場合はリツキシマブが推奨される。
リツキシマブは、 pre-B細胞と成熟B細胞の細胞表面に存在するCD20抗原に特異的に結合することで、 補体依存性細胞傷害作用 (CDC) および抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用 (ADCC) により、 B細胞を傷害する。
- Infusion reaction
- HBVによる劇症肝炎、 肝炎の増悪
- 肝機能障害、 黄疸
- 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群 : SJS)、 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis : TEN) 等の皮膚粘膜症状
- 汎血球減少、 白血球減少、 好中球減少、 無顆粒球症、 血小板減少
- 感染症
- 進行性多巣性白質脳症 (PML)
- 間質性肺炎
- 心障害
- 腎障害
- 消化管穿孔・閉塞
- 血圧低下
- 可逆性後白質脳症症候群 (RPLS)
- 腫瘍崩壊症候群 (TLS)
1) 全薬工業株式会社. リツキサン®電子添文 2026年2月改訂 第14版.
2) 全薬工業株式会社. リツキサン®適正使用ガイド (準備中) .
3) Br J Haematol. 2013;163(3):393-399.
4) Am J Hematol. 2017;92(1):23-27.
5) 公知申請への該当性に係る報告書. リツキシマブ (遺伝子組換え) 広義の自己免疫性溶血性貧血 (温式、 冷式を含む).
6) 自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.
最終更新 : 2026年2月24日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 375mg/m² | 1 | Day 1、 8、 15、 22 |
| リツキシマブ投与時に頻発してあらわれるinfusion reactionを軽減するため、 投与30分前に抗ヒスタミン剤、 解熱鎮痛剤等を前投与する。 また、 副腎皮質ホルモン剤と併用しない場合は、 投与に際して副腎皮質ホルモン剤の前投与を考慮する。 |
| 初回投与は50mg/時で開始し、 患者の状態を十分に観察しながら30分ごとに50mg/時ずつ増量し、 最大400mg/時まで増量できる。 2回目以降は、 初回投与時の副作用が軽微であった場合に100mg/時で開始し、 30分ごとに100mg/時ずつ増量して、 最大400mg/時まで増量できる。 |
リツキサン® (リツキシマブ)
【1コース】28日間
【催吐性】最小度

リツキシマブ375mg/m²を1週間間隔で4回、 Day 1、 8、 15、 22に点滴静注
Br J Haematol. 2013;163(3):393-399 ³⁾
未治療の温式AIHA患者を対象に、 プレドニゾロン (PSL) 単剤群とPSL+リツキシマブ (375mg/m²を週1回計4回) 併用群を比較した第III相無作為化比較試験。 デンマークの9施設から計64例 (併用群32例、 単剤群32例) が登録され、 主要評価項目は治療開始後12ヵ月時点の完全奏効率 (CR率) とされた。
【有効性】リツキシマブ併用群 (vs 単剤群)
- 12ヵ月CR率 75% (vs 36%、 p=0.003)
- 無再発生存期間
【安全性】有害事象および重篤な有害事象 (SAE、 致死的又は非致死的事象) の発現状況に両群差は認められず、 主な事象は呼吸困難、 消化不良、 不眠症、 頭痛、 疲労であった。 これらの多くはPSLとの関連が考えられた⁵⁾。
Am J Hematol. 2017;92(1):23-27.⁴⁾
新たに診断された温式AIHA患者を対象に、 PSLへのリツキシマブ (1000mgを2週間隔で計2回) の上乗せ効果を検証した多施設共同第III相無作為化比較試験である。 計32例 (リツキシマブ群16例、 プラセボ群16例) が登録され、 主要評価項目は1年時点の全奏効率 (ORR : CR+PR) とされた。
【有効性】リツキシマブ群 (vs プラセボ群)
- 1年時点のORR 75% (vs 31%、 p=0.032)
- 2年時点のCR率 63% (vs 19%、 p=0.029)
【安全性】重篤な有害事象はプラセボ群で7例10件、 リツキシマブ群で3例4件認められた。 リツキシマブ群の2例では初回投与後8週間~4ヵ月にGrade 3の好中球減少症が認められた。 重症感染症 (肺炎) も2例に認め、 1例はニューモシスチス・イロベチイ肺炎、 もう1例は肺胞性肺炎と診断された⁵⁾。
NTC001134432試験³⁾の主な適格基準 :
- 未治療の温式AIHA
- 18歳以上
- Hb≦10.0g/dL
- 新規診断かつ未治療の温式AIHA : 症候性の溶血性貧血で、 DAT陽性 (抗IgG単独、 または抗IgG+抗C3d) (ゲルカラム法)
- 18歳以上
- Hb≦10.0g/dL
- 登録前の経口PSLは最長1週間まで可
RAIHA試験⁴⁾の主な適格基準 :
- 温式AIHA : 診断時にHb<10g/dLかつ溶血所見 (少なくともハプトグロビン<4mg/L) を伴い、 DAT陽性 (抗IgG単独、 または抗IgG+抗C3d)
- 18歳以上
- 診断・治療開始から登録まで6週間未満 (ステロイド治療が6週間を超える症例は除外)
- 好中球数≧1,000/μL
- Evans症候群は可 (他の基準を満たし、 血小板数>3万/μLの場合)
初回投与は50mg/時で開始し、 患者の状態を十分に観察しながら30分ごとに50mg/時ずつ増量し、 最大400mg/時まで増量できる。
2回目以降は、 初回投与時の副作用が軽微であった場合に100mg/時で開始し、 30分ごとに100mg/時ずつ増量して最大400mg/時まで増量できる。
Infusion reactionが発現した場合は注入速度を緩めるか投与を中止し、 重篤な場合は直ちに投与を中止して適切に処置する。 投与を再開する場合は症状が完全に消失した後、 中止時点の半分以下の注入速度で開始する。
🧑⚕️AIHAに対するRituximabの有効性は証明されており、 これまで参照ガイドに記載されているけれど保険償還が認められていない状態でした。 2026年2月19日にAIHAに対するRituximabが承認されたことはわが国におけるAIHA診療の大きな進展といえます。
自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版⁶⁾では、 温式AIHAのファーストライン治療としてPSL1mg/kgが推奨され、 重症例または副腎皮質ステロイドの長期投与回避が必要な症例ではリツキシマブ併用を検討してもよいとされている。 温式AIHAのセカンドライン治療ではリツキシマブが推奨され、 脾摘よりも優先される位置付けである。 CADでは寒冷回避でも改善しない中等症以上に対し、 スチムリマブまたはリツキシマブが推奨されるが優劣は付け難く、 末梢循環不全症状が強い場合はリツキシマブが推奨される。
リツキシマブは、 pre-B細胞と成熟B細胞の細胞表面に存在するCD20抗原に特異的に結合することで、 補体依存性細胞傷害作用 (CDC) および抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用 (ADCC) により、 B細胞を傷害する。
- Infusion reaction
- HBVによる劇症肝炎、 肝炎の増悪
- 肝機能障害、 黄疸
- 皮膚粘膜眼症候群 (Stevens-Johnson症候群 : SJS)、 中毒性表皮壊死融解症 (Toxic Epidermal Necrolysis : TEN) 等の皮膚粘膜症状
- 汎血球減少、 白血球減少、 好中球減少、 無顆粒球症、 血小板減少
- 感染症
- 進行性多巣性白質脳症 (PML)
- 間質性肺炎
- 心障害
- 腎障害
- 消化管穿孔・閉塞
- 血圧低下
- 可逆性後白質脳症症候群 (RPLS)
- 腫瘍崩壊症候群 (TLS)
1) 全薬工業株式会社. リツキサン®電子添文 2026年2月改訂 第14版.
2) 全薬工業株式会社. リツキサン®適正使用ガイド (準備中) .
3) Br J Haematol. 2013;163(3):393-399.
4) Am J Hematol. 2017;92(1):23-27.
5) 公知申請への該当性に係る報告書. リツキシマブ (遺伝子組換え) 広義の自己免疫性溶血性貧血 (温式、 冷式を含む).
6) 自己免疫性溶血性貧血診療の参照ガイド 令和4年度改訂版. 2023年3月.
最終更新 : 2026年2月24日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。