リムパーザ® (オラパリブ)
【1コース】連日投与
【催吐性】中等度³⁾ (NCCN : 中等度~高度⁴⁾)
【FN発症】低リスク(<10%)*

オラパリブ : 1回300mgを1日2回、 経口投与

N Engl J Med. 2018;379:2495-2505.
BRCA1/2遺伝子変異陽性の新規診断進行卵巣癌 (FIGO III期又はIV期)、 白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法 (Bev併用なし) でCRまたはPRが維持されている患者を対象とした国際共同第III相比較化試験。 オラパリブ群260例、 プラセボ群131例に2:1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師判定のPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- 3年PFS率 60% (vs 27%)
HR 0.30 (95%CI 0.23–0.41、 p<0.001)
- 3年PFS2率* 75% (vs 60%)
HR 0.50 (95%CI 0.35–0.72、 p<0.001)
- 3年OS率 84% (vs 80%)
HR 0.95 (95%CI 0.60–1.53) (中間解析)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 77% (0.8%)
- 疲労・無力症 63% (4%)
- 嘔吐 40% (0.4%)
- 貧血 39% (22%)
- 下痢 34% (3%)
- 便秘 28% (0%)
- 味覚異常 26% (0%)
- 関節痛 25% (0%)
- 腹痛 25% (2%)
- 好中球減少 23% (9%)
- 頭痛 23% (0.4%)
- めまい 20% (0%)
- 食欲減退 20% (0%)
- 上腹部痛 18% (0%)
- 消化不良 17% (0%)
- 咳嗽 16% (0%)
- 背部痛 15% (0%)
- 呼吸困難 15% (0%)
- 血小板減少 11% (0.8%)
Lancet Oncol. 2017;18:1274-1284.
BRCA1/2遺伝子変異陽性かつ白金製剤感受性の再発高異型度漿液性または高異型度類内膜卵巣癌 (原発性腹膜癌、 卵管癌を含む) 患者*を対象とした国際共同第III相比較試験。 オラパリブ群196例、 プラセボ群99例に2:1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師判定のPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 19.1ヵ月 (vs 5.5ヵ月)
HR 0.30 (95%CI 0.22–0.41、 p<0.0001)
- TFST*ᵃ 27.9ヵ月 (vs 7.1ヵ月)
HR 0.28 (95%CI 0.21–0.38、 p<0.0001)
- PFS2*ᵇ 未到達 (vs 18.4ヵ月)
HR 0.50 (95%CI 0.34–0.72、 p=0.0002)
- TSST*ᶜ 未到達 (vs 18.2ヵ月)
HR 0.37 (95%CI 0.26–0.53、 p<0.0001)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 75.9% (2.6%)
- 疲労・無力症 65.6% (4.1%)
- 嘔吐 37.4% (2.6%)
- 下痢 32.8% (1.0%)
- 味覚異常 26.7% (0%)
- 頭痛 25.1% (0.5%)
- 腹痛 24.1% (2.6%)
- 食欲減退 22.1% (0%)
- 便秘 20.5% (0%)
- 貧血 43.6% (19.5%)
- 好中球減少 19.5% (5.1%)
- 血小板減少 13.8% (1.0%)
SOLO-1試験⁵⁾、 SOLO-2試験⁶⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/mm³
- 血小板数≧10万/mm³
- Hb≧10.0 g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦ 2.5×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5×ULN

軽度腎機能障害 (CrCl 51~80mL/min) および中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) では、 オラパリブのAUCがそれぞれ約24%、 約44%上昇することが報告されており、 減量を考慮する¹⁾。
FDA添付文書⁷⁾では、 中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) 患者に投与する際、 1回200mg 1日2回への減量が推奨されている。

オラパリブは、 ヒトPARP-1及びPARP-2に対して阻害作用を示す¹⁾。
オラパリブは、 主にCYP3Aにより代謝される¹⁾。 やむを得ず中程度~強いCYP3A阻害剤を併用する際は本剤の減量を考慮し、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用発現に十分注意する²⁾。
FDA添付文書⁷⁾では、 強いCYP3A4阻害剤併用時は1回100mg1日2回、 中程度のCYP3A4阻害剤併用時は1回150mg1日2回が推奨されている。
骨髄抑制 : 本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
肝機能障害 : 本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
- 静脈血栓塞栓症
- 感染症
BRCA変異陽性卵巣癌患者に対する初回化学療法後の維持療法として、 Olaparib内服は、 第Ⅲ相SOLO-1試験⁵⁾においてプラセボ群と比較し、 主要評価項目であるPFSを有意に延長しました。
一方、 その後報告されたOSでは、 Olaparib群で良好な結果 (HR 0.55、 95%CI 0.40-0.76、 p=0.0004) が示されたものの、 αエラーを制御するために設定された有意水準 (p<0.0001) を満たさず、 OSについては有意差なしと判定されています⁹⁾。
この理由として、 SOLO2試験の探索的解析結果¹⁰⁾からは、 Olaparib使用後にプラチナ耐性となり、 予後不良となる可能性が示唆されています。
注意すべき有害事象として、 貧血は40.0% (うちGrade 3 21.9%) に発生しました。 MDS/AMLの発生率は1.5% (プラセボ群0.8%) でした⁹⁾。 特にMDS/AMLに関しては重大な合併症であり、 発症した場合は血液内科医へのコンサルテーションが必要となります。
初回化学療法後にPARP阻害薬を投与された患者に対し、 再発後化学療法後の維持療法としてオラパリブを再使用すること (Re-challenge) については、 有効性を示すエビデンスが不足しているため、 現時点では控えるべきと考えられます¹⁰⁾。
1) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg、 リムパーザ®錠150mg 電子添文 (2026年3月改訂 第7版)
2) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ® 卵巣癌 適正使用のためのガイド (LYN02)
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) N Engl J Med. 2018;379:2495-2505.
6) Lancet Oncol. 2017;18:1274-1284.
7) Lynparza® (olaparib) tablets, prescribing information. Revised July 2025. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. FDA.
8) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg、 リムパーザ®錠150mgに係る医薬品リスク管理計画書.
9) J Clin Oncol. 2023;41(3):609-617.
10) Ann Oncol. 2022;33(10):1021-1028.
最終更新日 : 2026年7月3日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
リムパーザ® (オラパリブ)
【1コース】連日投与
【催吐性】中等度³⁾ (NCCN : 中等度~高度⁴⁾)
【FN発症】低リスク(<10%)*

オラパリブ : 1回300mgを1日2回、 経口投与

N Engl J Med. 2018;379:2495-2505.
BRCA1/2遺伝子変異陽性の新規診断進行卵巣癌 (FIGO III期又はIV期)、 白金系抗悪性腫瘍剤を含む初回化学療法 (Bev併用なし) でCRまたはPRが維持されている患者を対象とした国際共同第III相比較化試験。 オラパリブ群260例、 プラセボ群131例に2:1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師判定のPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- 3年PFS率 60% (vs 27%)
HR 0.30 (95%CI 0.23–0.41、 p<0.001)
- 3年PFS2率* 75% (vs 60%)
HR 0.50 (95%CI 0.35–0.72、 p<0.001)
- 3年OS率 84% (vs 80%)
HR 0.95 (95%CI 0.60–1.53) (中間解析)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 77% (0.8%)
- 疲労・無力症 63% (4%)
- 嘔吐 40% (0.4%)
- 貧血 39% (22%)
- 下痢 34% (3%)
- 便秘 28% (0%)
- 味覚異常 26% (0%)
- 関節痛 25% (0%)
- 腹痛 25% (2%)
- 好中球減少 23% (9%)
- 頭痛 23% (0.4%)
- めまい 20% (0%)
- 食欲減退 20% (0%)
- 上腹部痛 18% (0%)
- 消化不良 17% (0%)
- 咳嗽 16% (0%)
- 背部痛 15% (0%)
- 呼吸困難 15% (0%)
- 血小板減少 11% (0.8%)
Lancet Oncol. 2017;18:1274-1284.
BRCA1/2遺伝子変異陽性かつ白金製剤感受性の再発高異型度漿液性または高異型度類内膜卵巣癌 (原発性腹膜癌、 卵管癌を含む) 患者*を対象とした国際共同第III相比較試験。 オラパリブ群196例、 プラセボ群99例に2:1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師判定のPFSとした。
【有効性】オラパリブ群 (vs プラセボ群)
- PFS中央値 19.1ヵ月 (vs 5.5ヵ月)
HR 0.30 (95%CI 0.22–0.41、 p<0.0001)
- TFST*ᵃ 27.9ヵ月 (vs 7.1ヵ月)
HR 0.28 (95%CI 0.21–0.38、 p<0.0001)
- PFS2*ᵇ 未到達 (vs 18.4ヵ月)
HR 0.50 (95%CI 0.34–0.72、 p=0.0002)
- TSST*ᶜ 未到達 (vs 18.2ヵ月)
HR 0.37 (95%CI 0.26–0.53、 p<0.0001)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 悪心 75.9% (2.6%)
- 疲労・無力症 65.6% (4.1%)
- 嘔吐 37.4% (2.6%)
- 下痢 32.8% (1.0%)
- 味覚異常 26.7% (0%)
- 頭痛 25.1% (0.5%)
- 腹痛 24.1% (2.6%)
- 食欲減退 22.1% (0%)
- 便秘 20.5% (0%)
- 貧血 43.6% (19.5%)
- 好中球減少 19.5% (5.1%)
- 血小板減少 13.8% (1.0%)
SOLO-1試験⁵⁾、 SOLO-2試験⁶⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,500/mm³
- 血小板数≧10万/mm³
- Hb≧10.0 g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦ 2.5×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5×ULN

軽度腎機能障害 (CrCl 51~80mL/min) および中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) では、 オラパリブのAUCがそれぞれ約24%、 約44%上昇することが報告されており、 減量を考慮する¹⁾。
FDA添付文書⁷⁾では、 中等度腎機能障害 (CrCl 31~50mL/min) 患者に投与する際、 1回200mg 1日2回への減量が推奨されている。

オラパリブは、 ヒトPARP-1及びPARP-2に対して阻害作用を示す¹⁾。
オラパリブは、 主にCYP3Aにより代謝される¹⁾。 やむを得ず中程度~強いCYP3A阻害剤を併用する際は本剤の減量を考慮し、 患者の状態を慎重に観察し、 副作用発現に十分注意する²⁾。
FDA添付文書⁷⁾では、 強いCYP3A4阻害剤併用時は1回100mg1日2回、 中程度のCYP3A4阻害剤併用時は1回150mg1日2回が推奨されている。
骨髄抑制 : 本剤投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
肝機能障害 : 本剤投与開始前及び投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察すること。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
- 静脈血栓塞栓症
- 感染症
BRCA変異陽性卵巣癌患者に対する初回化学療法後の維持療法として、 Olaparib内服は、 第Ⅲ相SOLO-1試験⁵⁾においてプラセボ群と比較し、 主要評価項目であるPFSを有意に延長しました。
一方、 その後報告されたOSでは、 Olaparib群で良好な結果 (HR 0.55、 95%CI 0.40-0.76、 p=0.0004) が示されたものの、 αエラーを制御するために設定された有意水準 (p<0.0001) を満たさず、 OSについては有意差なしと判定されています⁹⁾。
この理由として、 SOLO2試験の探索的解析結果¹⁰⁾からは、 Olaparib使用後にプラチナ耐性となり、 予後不良となる可能性が示唆されています。
注意すべき有害事象として、 貧血は40.0% (うちGrade 3 21.9%) に発生しました。 MDS/AMLの発生率は1.5% (プラセボ群0.8%) でした⁹⁾。 特にMDS/AMLに関しては重大な合併症であり、 発症した場合は血液内科医へのコンサルテーションが必要となります。
初回化学療法後にPARP阻害薬を投与された患者に対し、 再発後化学療法後の維持療法としてオラパリブを再使用すること (Re-challenge) については、 有効性を示すエビデンスが不足しているため、 現時点では控えるべきと考えられます¹⁰⁾。
1) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg、 リムパーザ®錠150mg 電子添文 (2026年3月改訂 第7版)
2) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ® 卵巣癌 適正使用のためのガイド (LYN02)
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026.
5) N Engl J Med. 2018;379:2495-2505.
6) Lancet Oncol. 2017;18:1274-1284.
7) Lynparza® (olaparib) tablets, prescribing information. Revised July 2025. AstraZeneca Pharmaceuticals LP. FDA.
8) アストラゼネカ株式会社. リムパーザ®錠100mg、 リムパーザ®錠150mgに係る医薬品リスク管理計画書.
9) J Clin Oncol. 2023;41(3):609-617.
10) Ann Oncol. 2022;33(10):1021-1028.
最終更新日 : 2026年7月3日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。