治療スケジュール
概要
監修医師

FTD/TPI:Trifluridine and tipiracil(ロンサーフ®)

投与量コース投与日
1回35mg/m² 経口 1日2回朝夕食後1~Day1~5

Bmab:ベバシズマブ(アバスチン®)

投与量コース投与日
5mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。
レジメン
FTD/TPI + Bmab(2w)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します
*中外製薬の外部サイトへ遷移します

用法用量

BiTS試験⁵⁾のプロトコル

Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より作図
電子添文の用法および用量
トリフルリジン・チピラシル : 朝食後及び夕食後の1日2回 (約35mg/m²/回)、 5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。 これを2回繰り返したのち14日間休薬
ロンサーフ®電子添文 (2024年3月改訂 第3版)¹⁾より引用
ベバシズマブ : ①他の抗悪性腫瘍剤との併用において、 1回5mg/kgまたは10mg/kgを点滴静脈内注射する。 投与間隔は2週間以上とする。②他の抗悪性腫瘍剤との併用において、 1回7.5mg/kgを点滴静脈内注射する。 投与間隔は3週間以上とする。
アバスチン®電子添文 (2024年3月改訂 第5版)²⁾より引用

投与開始基準

BiTS試験⁵⁾のプロトコル

20歳以上の組織学的に切除不能な転移性結腸直腸腺癌が確認された以下の基準に当てはまる患者

Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より作図

主な有害事象

BiTS試験⁵⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 白血球減少 68% (16%)
  • 好中球減少 64% (16%)
  • 貧血 89% (9%)
  • 血小板数減少 48% (5%)
  • 食欲不振 68% (9%)
  • 疲労 64% (0%)
  • 悪心 60% (7%)
  • 口内炎 30% (0%)
  • 嘔吐 23% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 91% (41%)
  • 尿蛋白 69% (7%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 52% (2%)
Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

  • FTD/TPIは一般的に有害事象が軽微と考えられているが、 実際には悪心・嘔吐や疲労が強く出る症例が一定数いるため、 管理に注意を要する。 悪心・嘔吐に関しては、 まずは減量での対応が一般的ではあるが、 減量で改善が得られない場合、 著者はFTD/TPIの内服期間、 糖尿病のない症例においては、 オランザピン2.5~5mgの連日投与を行い (適応外使用)、 悪心・嘔吐のコントロールを行っている。
  • Day1–5の内服が非血液毒性により継続が困難な症例や、 1コース目Day29で好中球数減少など血液毒性のため延期となる症例を良く経験する。 BiTS試験では、 FTD/TPIを5日内服9日間休薬を2週ごとに繰り返すスケジュールで、 原法よりも有害事象が低い傾向であった⁵⁾。 スケジュール変更を行うことで、 減量や延期を回避し、 用量強度を保てることがある。
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

特徴と注意点

  • ガイドラインではFTD/TPI±BEVは後方治療の標準治療である。 FTD/TPI+Bmabは広く実施されているが、 日本人を含む第III相試験が実施されておらず、 FTD/TPI単剤療法より、 推奨度・エビデンスレベルは低い⁶⁾。
  • 高度腎障害 (CrCl<30mL/min、 ただしCr≧1.5 mg/dL) の症例では、 FTD/TPIの用量を20mg/m²/回に減量して投与することが推奨されている⁶⁾。
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

関連する臨床試験|BiTS試験⁵⁾

切除不能な進行・転移性大腸癌患者において、 トリフルリジン・チピラシル (TAS-102) +ベバシズマブの隔週投与の効果と安全性を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験BiTSの結果より、 TAS-102+ベバシズマブ併用療法の有効性と安全性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

16週時のPFS率

40.9%

(95%CI 26.3-56.8%)

OS中央値

10.86ヵ月

(95%CI 8.32-13.68ヵ月)

PFS中央値

4.29ヵ月

(95%CI 2.54-5.83ヵ月)

治療成功期間 : TTF (中央値)

4.16ヵ月

(95%CI 2.39-5.82ヵ月)

ORR

0%

病勢コントロール率

59.1%

(95%CI 43.3-73.7%)

出典

  1. 大鵬薬品工業株式会社. ロンサーフ®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/17]
  2. 大鵬薬品工業株式会社. ロンサーフ®適正使用ガイド [最終閲覧 : 2024/04/17]
  3. 中外製薬株式会社. アバスチン®電子添文 (2024年3月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/04/23]
  4. 中外製薬株式会社. アバスチン®適正使用ガイド (2023年11月改訂) [最終閲覧 : 2024/04/23]
  5. Phase Ib/II Study of Biweekly TAS-102 in Combination with Bevacizumab for Patients with Metastatic Colorectal Cancer Refractory to Standard Therapies (BiTS Study). Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863. PMID: 32666647
  6. 金原出版株式会社. 大腸癌治療ガイドライン医師用2022年版. 大腸癌研究会編
最終更新日 : 2024年4月17日
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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トリフルリジン・チピラシル + ベバシズマブ
2024年06月14日更新

FTD/TPI:Trifluridine and tipiracil(ロンサーフ®)

投与量コース投与日
1回35mg/m² 経口 1日2回朝夕食後1~Day1~5

Bmab:ベバシズマブ(アバスチン®)

投与量コース投与日
5mg/kg 点滴1~Day1

その他

1コース14日間。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*大鵬薬品の外部サイトへ遷移します
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用法用量

BiTS試験⁵⁾のプロトコル

Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より作図
電子添文の用法および用量
トリフルリジン・チピラシル : 朝食後及び夕食後の1日2回 (約35mg/m²/回)、 5日間連続経口投与したのち2日間休薬する。 これを2回繰り返したのち14日間休薬
ロンサーフ®電子添文 (2024年3月改訂 第3版)¹⁾より引用
ベバシズマブ : ①他の抗悪性腫瘍剤との併用において、 1回5mg/kgまたは10mg/kgを点滴静脈内注射する。 投与間隔は2週間以上とする。②他の抗悪性腫瘍剤との併用において、 1回7.5mg/kgを点滴静脈内注射する。 投与間隔は3週間以上とする。
アバスチン®電子添文 (2024年3月改訂 第5版)²⁾より引用

投与開始基準

BiTS試験⁵⁾のプロトコル

20歳以上の組織学的に切除不能な転移性結腸直腸腺癌が確認された以下の基準に当てはまる患者

Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より作図

主な有害事象

BiTS試験⁵⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 白血球減少 68% (16%)
  • 好中球減少 64% (16%)
  • 貧血 89% (9%)
  • 血小板数減少 48% (5%)
  • 食欲不振 68% (9%)
  • 疲労 64% (0%)
  • 悪心 60% (7%)
  • 口内炎 30% (0%)
  • 嘔吐 23% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 高血圧 91% (41%)
  • 尿蛋白 69% (7%)
  • 末梢性感覚ニューロパチー 52% (2%)
Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863.⁵⁾より引用

上手に使うためのワンポイント

  • FTD/TPIは一般的に有害事象が軽微と考えられているが、 実際には悪心・嘔吐や疲労が強く出る症例が一定数いるため、 管理に注意を要する。 悪心・嘔吐に関しては、 まずは減量での対応が一般的ではあるが、 減量で改善が得られない場合、 著者はFTD/TPIの内服期間、 糖尿病のない症例においては、 オランザピン2.5~5mgの連日投与を行い (適応外使用)、 悪心・嘔吐のコントロールを行っている。
  • Day1–5の内服が非血液毒性により継続が困難な症例や、 1コース目Day29で好中球数減少など血液毒性のため延期となる症例を良く経験する。 BiTS試験では、 FTD/TPIを5日内服9日間休薬を2週ごとに繰り返すスケジュールで、 原法よりも有害事象が低い傾向であった⁵⁾。 スケジュール変更を行うことで、 減量や延期を回避し、 用量強度を保てることがある。
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

特徴と注意点

  • ガイドラインではFTD/TPI±BEVは後方治療の標準治療である。 FTD/TPI+Bmabは広く実施されているが、 日本人を含む第III相試験が実施されておらず、 FTD/TPI単剤療法より、 推奨度・エビデンスレベルは低い⁶⁾。
  • 高度腎障害 (CrCl<30mL/min、 ただしCr≧1.5 mg/dL) の症例では、 FTD/TPIの用量を20mg/m²/回に減量して投与することが推奨されている⁶⁾。
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生

関連する臨床試験|BiTS試験⁵⁾

切除不能な進行・転移性大腸癌患者において、 トリフルリジン・チピラシル (TAS-102) +ベバシズマブの隔週投与の効果と安全性を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験BiTSの結果より、 TAS-102+ベバシズマブ併用療法の有効性と安全性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

16週時のPFS率

40.9%

(95%CI 26.3-56.8%)

OS中央値

10.86ヵ月

(95%CI 8.32-13.68ヵ月)

PFS中央値

4.29ヵ月

(95%CI 2.54-5.83ヵ月)

治療成功期間 : TTF (中央値)

4.16ヵ月

(95%CI 2.39-5.82ヵ月)

ORR

0%

病勢コントロール率

59.1%

(95%CI 43.3-73.7%)

出典

  1. 大鵬薬品工業株式会社. ロンサーフ®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/17]
  2. 大鵬薬品工業株式会社. ロンサーフ®適正使用ガイド [最終閲覧 : 2024/04/17]
  3. 中外製薬株式会社. アバスチン®電子添文 (2024年3月改訂 第5版) [最終閲覧 : 2024/04/23]
  4. 中外製薬株式会社. アバスチン®適正使用ガイド (2023年11月改訂) [最終閲覧 : 2024/04/23]
  5. Phase Ib/II Study of Biweekly TAS-102 in Combination with Bevacizumab for Patients with Metastatic Colorectal Cancer Refractory to Standard Therapies (BiTS Study). Oncologist. 2020 Dec;25(12):e1855-e1863. PMID: 32666647
  6. 金原出版株式会社. 大腸癌治療ガイドライン医師用2022年版. 大腸癌研究会編
最終更新日 : 2024年4月17日
執筆医 : 静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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