治療スケジュール
概要
監修医師

Moga:モガムリズマブ(ポテリジオ®)

投与量コース投与日
1mg/kg 点滴静注 (2時間かけて)-Day 1、8、15、22、29、36、43、50

前投薬

30分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン薬を投与.

その他

再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫や末梢性T細胞リンパ腫に対して、 Moga単剤で投与する場合は1週間間隔で8回点滴静注する.
他の抗癌剤と併用する場合や皮膚T細胞性リンパ腫への投与方法は「特徴と注意点」を参照.
レジメン
Mogamulizumab
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「協和キリン株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

KW-0761試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • リンパ球減少 (≧Grade3 74.1%)
  • 白血球減少 (≧Grade3 29.6%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 18.5%)
  • ヘモグロビン減少 (≧Grade3 3.7%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 18.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (88.9%、 ≧Grade3 11.1%)
  • 発疹 (51.9%、 ≧Grade3 14.8%)
  • ALT上昇 (40.7%、 ≧Grade3 7.4%)
  • AST上昇 (37.0%、 ≧Grade3 7.4%)
  • ALP上昇 (22.2%、 ≧Grade3 0.0%)
  • LDH上昇 (37.0%、 ≧Grade3 11.1%)
  • γ-GTP上昇 (14.8%、 ≧Grade3 11.1%)

その他重要な有害事象

  • スティーブンス・ジョンソン症候群 (3.7%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 中毒性表皮壊死融解症 (頻度不明)

特徴と注意点

モガムリズマブの適応疾患

  1. CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫 (Adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)
  2. 再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫 (Peripheral T-cell lymphoma: PTCL)
  3. 再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫 (Cutaneous T-cell lymphoma:CTCL)

適応疾患により異なる用法

  • <併用投与> ATL:1mg/kg 2週間毎 8回
  • <単剤投与> ATL:1mg/kg 1週間毎 8回
  • <単剤投与> PTCL:1mg/kg 1週間毎 8回
  • <単剤投与> CTCL:1mg/kg 1週間毎 5回、 その後は2週間毎

その他の注意事項

  • 化学療法未治療例に適応があるのはCCR4陽性ATLのみである.
  • コンパニオン診断薬である「ポテリジオテスト FCM」又は「ポテリジオテスト IHC」により、CCR4タンパク陽性が確認された患者に投与する.
  • コンパニオン診断薬に関する情報は、「医薬品医療機器総合機構 (PMDA)のコンパニオン診断薬等の情報」²⁾ を参照する.
  • 化学療法未治療例には、 他の抗悪性腫瘍剤 (mLSG療法など) と併用して使用する.
  • モガムリズマブは生食200~250mLに溶解して2時間かけて点滴静注する. Infusion reactionを認めた場合は、直ちに投与の中断や投与速度の減速を考慮すること. 投与再開する場合は必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること. 投与再開後にInfusion reactionが再度発現し投与を中止した場合には本剤を再投与しないこと.
  • SJSやTEN等の全身症状を伴う重度の皮膚障害による死亡例あり.
SJS:Stevens-Johnson症候群 TEN:中毒性表皮壊死融解症
  • 投与中だけでなく投与終了後数週間以降にも皮膚障害が発現することあり、 投与開始時より皮膚科と連携が必要.

関連する臨床試験の結果

KW-0761-002試験¹⁾

概要

  • 対象:1レジメン以上の化学療法後に再発したCCR4陽性アグレッシブ成人T細胞白血病リンパ腫患者.
  • 多施設非盲検第2相試験.

結果

  • 全奏効率 (≧PR) :50.0% (95% CI 29.9-70.1%).
  • 無増悪生存期間中央値:5.2ヵ月.
  • 全生存期間中央値:13.7ヵ月.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2012 Mar 10;30(8):837-42.
  2. 医薬品医療機器総合機構(PMDA), コンパニオン診断薬等の情報.

最終更新:2023年3月21日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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モガムリズマブ(ポテリジオ®)
2023年05月29日更新

Moga:モガムリズマブ(ポテリジオ®)

投与量コース投与日
1mg/kg 点滴静注 (2時間かけて)-Day 1、8、15、22、29、36、43、50

前投薬

30分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン薬を投与.

その他

再発又は難治性の成人T細胞白血病リンパ腫や末梢性T細胞リンパ腫に対して、 Moga単剤で投与する場合は1週間間隔で8回点滴静注する.
他の抗癌剤と併用する場合や皮膚T細胞性リンパ腫への投与方法は「特徴と注意点」を参照.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「協和キリン株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

KW-0761試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • リンパ球減少 (≧Grade3 74.1%)
  • 白血球減少 (≧Grade3 29.6%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 18.5%)
  • ヘモグロビン減少 (≧Grade3 3.7%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 18.5%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (88.9%、 ≧Grade3 11.1%)
  • 発疹 (51.9%、 ≧Grade3 14.8%)
  • ALT上昇 (40.7%、 ≧Grade3 7.4%)
  • AST上昇 (37.0%、 ≧Grade3 7.4%)
  • ALP上昇 (22.2%、 ≧Grade3 0.0%)
  • LDH上昇 (37.0%、 ≧Grade3 11.1%)
  • γ-GTP上昇 (14.8%、 ≧Grade3 11.1%)

その他重要な有害事象

  • スティーブンス・ジョンソン症候群 (3.7%、 ≧Grade3 3.7%)
  • 中毒性表皮壊死融解症 (頻度不明)

特徴と注意点

モガムリズマブの適応疾患

  1. CCR4陽性の成人T細胞白血病リンパ腫 (Adult T-cell leukemia-lymphoma:ATL)
  2. 再発又は難治性のCCR4陽性の末梢性T細胞リンパ腫 (Peripheral T-cell lymphoma: PTCL)
  3. 再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫 (Cutaneous T-cell lymphoma:CTCL)

適応疾患により異なる用法

  • <併用投与> ATL:1mg/kg 2週間毎 8回
  • <単剤投与> ATL:1mg/kg 1週間毎 8回
  • <単剤投与> PTCL:1mg/kg 1週間毎 8回
  • <単剤投与> CTCL:1mg/kg 1週間毎 5回、 その後は2週間毎

その他の注意事項

  • 化学療法未治療例に適応があるのはCCR4陽性ATLのみである.
  • コンパニオン診断薬である「ポテリジオテスト FCM」又は「ポテリジオテスト IHC」により、CCR4タンパク陽性が確認された患者に投与する.
  • コンパニオン診断薬に関する情報は、「医薬品医療機器総合機構 (PMDA)のコンパニオン診断薬等の情報」²⁾ を参照する.
  • 化学療法未治療例には、 他の抗悪性腫瘍剤 (mLSG療法など) と併用して使用する.
  • モガムリズマブは生食200~250mLに溶解して2時間かけて点滴静注する. Infusion reactionを認めた場合は、直ちに投与の中断や投与速度の減速を考慮すること. 投与再開する場合は必要に応じて投与速度を減じて慎重に投与すること. 投与再開後にInfusion reactionが再度発現し投与を中止した場合には本剤を再投与しないこと.
  • SJSやTEN等の全身症状を伴う重度の皮膚障害による死亡例あり.
SJS:Stevens-Johnson症候群 TEN:中毒性表皮壊死融解症
  • 投与中だけでなく投与終了後数週間以降にも皮膚障害が発現することあり、 投与開始時より皮膚科と連携が必要.

関連する臨床試験の結果

KW-0761-002試験¹⁾

概要

  • 対象:1レジメン以上の化学療法後に再発したCCR4陽性アグレッシブ成人T細胞白血病リンパ腫患者.
  • 多施設非盲検第2相試験.

結果

  • 全奏効率 (≧PR) :50.0% (95% CI 29.9-70.1%).
  • 無増悪生存期間中央値:5.2ヵ月.
  • 全生存期間中央値:13.7ヵ月.

参考文献

  1. J Clin Oncol. 2012 Mar 10;30(8):837-42.
  2. 医薬品医療機器総合機構(PMDA), コンパニオン診断薬等の情報.

最終更新:2023年3月21日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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