| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 0.06mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 2 |
| 0.3mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 4 |
| 1.5mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 8、 15、 22 |
| 1.5mg/kg 皮下投与 | 2 | Day 1、 8、 15、 22 |
| 3mg/kg 皮下投与 | 3~6 | Day 1、 15 |
| 3mg/kg 皮下投与 | 7~ | Day 1 |
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 1,800mg/body 皮下投与 | 1~2 | Day 1、 8、 15、 22 |
| 1,800mg/body 皮下投与 | 3~6 | Day 1、 15 |
| 1,800mg/body 皮下投与 | 7~ | Day 1 |
| Tec投与によるサイトカイン放出症候群を軽減するため、漸増期の各投与前1〜3時間に、ステロイド、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与する (概要参照)。 |
| DaraによるIRR予防のため、投与1〜3時間前に解熱鎮痛薬と抗ヒスタミン薬を投与する。2回目まではステロイドも投与し、3回目以降は必要に応じて投与する。遅発性IRRを軽減するため、投与後のステロイド等も必要に応じて投与する (概要参照)。 |
| CRS・ICANSの初期症状の早期把握と速やかな受診のため、担当医師名・緊急連絡先を記入した患者カードを必ず交付すること。 |
| 投与前から投与中は月1回を目安にIgGを測定し、400mg/dL超の維持を目標に早期から免疫グロブリン補充を行う。 |
テクベイリ® (テクリスタマブ : Tec)
ダラキューロ® (ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ : Dara・rHuPH20)
【1コース】28日間
【催吐性*】最小度⁵⁾ (NCCN : 最小度⁶⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)**

Tec : Dara・rHuPH20をDay 1に投与する場合、 漸増期としてDay 2に0.06mg/kg、 Day 4に0.3mg/kg、 Day 8に1.5mg/kg (治療用量1) を皮下投与する。 以後、 2コース目まで1.5mg/kgを週1回、 3–6コース目は3mg/kg (治療用量2) を2週ごと、 7コース目以降は3mg/kgを4週ごとに投与する¹⁾²⁾。
Tecは、 漸増期で最低2日、 治療用量1で最低5日、 治療用量2で最低12日の投与間隔を確保する¹⁾²⁾。
Dara・rHuPH20 : 1回15mL (ダラツムマブ1,800mg、 ボルヒアルロニダーゼ アルファ30,000単位) を皮下投与する。 1–2コース目は週1回、 3–6コース目は2週ごと、 7コース目以降は4週ごとに投与する²⁾³⁾。
Tec漸増期およびDara・rHuPH20投与前の前投薬は以下のとおり。

漸増期Day 8は、 Dara・rHuPH20前投薬からTec投与までに、 ステロイドは4時間超、 抗ヒスタミン剤または解熱鎮痛剤は6時間超経過した場合、 Tec投与前にそれぞれ追加する。 ステロイドはデキサメタゾン8mgを追加し、 抗ヒスタミン剤または解熱鎮痛剤は全量再投与する。
MajesTEC-3試験では、 感染症予防策として以下が規定されていた²⁾。
- 予防的免疫グロブリン補充療法 (後述)
- PJP予防
- 帯状疱疹再活性化予防 : 治療開始1週以内に開始し、 治療終了後3ヵ月まで継続
- 広域抗菌薬 (LVFX等) : 初回投与前から少なくとも12週間継続を検討
N Engl J Med. 2026;394(8):739–752.
再発又は難治性の多発性骨髄腫で1–3レジメンの前治療歴を有し (前治療1レジメンの場合はレナリドミド抵抗性に限定)、 プロテアソーム阻害薬及び免疫調節薬の投与歴がある587例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 Tec-Dara群291例と担当医選択によるダラツムマブ+デキサメタゾン+ポマリドミドまたはボルテゾミブ (DPd/DVd) 群296例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は独立審査委員会判定によるPFSとした⁷⁾。
【有効性】 Tec-Dara群 (vs DPd/DVd群)
- PFS中央値 未到達 (vs 18.1ヵ月)
- 36ヵ月PFS率 83.4% (vs 29.7%)
- 奏効率 89.0% (vs 75.3%)
- MRD陰性率 (10⁻⁵閾値) 58.4% (vs 17.1%)
- 36ヵ月OS率 83.3% (vs 65.0%)
【安全性】 主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少症 78.4% (75.6%)
- 貧血 39.2% (20.5%)
- 血小板減少症 36.4% (19.4%)
- リンパ球減少症 22.3% (20.8%)
- 白血球減少症 18.0% (10.6%)
- 低ガンマグロブリン血症 68.6% (5.7%)
- サイトカイン放出症候群 60.1% (0%)
- 下痢 51.9% (3.5%)
- 咳嗽 48.1% (0.4%)
- COVID-19 43.8% (6.0%)
- 上気道感染 40.6% (4.2%)
- 発熱 36.7% (1.4%)
- 肺炎 23.0% (16.6%)
- COVID-19肺炎 12.0% (11.3%)
なお、 Tec-Dara群で感染症による死亡は13例に認められ、 うち12例は治療開始後6ヵ月以内に、 プロトコル規定の免疫グロブリン補充 (IgG≧400mg/dLの維持を目標とした早期IVIG) が強化される前に発現した。 この12例中9例では、 IVIGは実施されていなかった⁷⁾。
MajesTEC-3試験⁷⁾の主な適格基準
- 1–3ラインの前治療歴 (プロテアソーム阻害薬およびレナリドミドを含む) を有し、 最終レジメンでの病勢進行を記録
- 1ラインのみの前治療歴患者はレナリドミド不応性であること
- BCMA標的療法の前治療歴なし
- 抗CD38抗体に不応でない
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- Hb≧7.5g/dL
- 血小板数≧7.5万/μL
- 好中球数≧1,000/μL
- 肝機能 : AST/ALT≦2.5×ULN、 T-Bil≦2.0×ULN
- 腎機能 : eGFR≧30mL/min (MDRD式または24時間蓄尿により算出)
Tec、 Dara・rHuPH20 : 減量規定なし¹⁾³⁾
Tec、 Dara・rHuPH20 : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
Tec :

Dara・rHuPH20 : Infusion reaction発現時は、 投与中止や投与速度変更等の適切な処置を行う。 GradeはNCI-CTCAE v4.0に準じ、 Grade 3が3回発現、 またはGrade 4が発現した場合は本剤を中止する。 その他の有害事象発現時の対応は以下のとおり。

MajesTEC-3試験プロトコル (参考情報) : CRS、 ICANS、 臨床的に重要なその他の非血液学的毒性 (Grade≧3) 又はB型肝炎ウイルス再活性化の発現時には、 Tec及びDara・rHuPH20の両剤を休薬することが規定されていた⁷⁾。

再開時にTec 0.06mg/kg又は0.3mg/kgを投与する場合は、 ステロイド、 抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤をTec投与1–3時間前に前投薬する。 CRSによる休薬後の再開時は、 Grade 1では抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤、 Grade 2以上ではステロイドも加えて、 Tec投与1–3時間前に前投薬する。
Tecは、 B細胞成熟抗原 (BCMA) 及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig) G4二重特異性モノクローナル抗体である。 Tecは、 T細胞の細胞膜上に発現するCD3と多発性骨髄腫 (MM) 細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられる¹⁾。
Daraは、 ヒトCD38に結合し、 補体依存性細胞傷害 (CDC) 活性、 抗体依存性細胞傷害 (ADCC) 活性、 抗体依存性細胞貪食 (ADCP) 活性等により、 腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。 rHuPH20は結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解する酵素であり、 Dara・rHuPH20はrHuPH20によりヒアルロン酸が加水分解され皮下組織における浸透性が増加することで、 拡散吸収されたDaraが腫瘍の増殖を抑制すると考えられている³⁾。
CRS : CRSは投与初期に多く認められるため、 少なくとも漸増期 (初回の治療用量を含む) の投与後48時間は必ず入院管理とし、 48時間経過後および継続投与期も患者の状態に応じて入院管理を検討する。 発熱、 悪寒、 低血圧、 頻脈、 低酸素症、 頭痛、 肝酵素上昇等について十分に観察し、 CRSが疑われる症状があらわれた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者を指導する。 CRSに対する前投与薬等の予防的措置を行い、 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるよう準備する。
神経学的事象 (ICANS含む) : 失語症、 意識レベルの変化、 認知能力の障害、 筋力低下、 痙攣発作、 脳浮腫等について十分に観察する。 ICANSが疑われる症状があらわれた場合は、 速やかに医療機関を受診するよう患者を指導する。 ICANS発現後の入院管理は、 次回以降の投与時に患者の状態に応じて検討する。
自動車の運転等 : 神経学的事象 (ICANS含む) として錯乱状態、 意識レベルの低下等があらわれるおそれがあるため、 投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意する。 投与中は自動車の運転等に従事させないよう注意する。
感染症 : 日和見感染症を含む感染症の発現・悪化や、 サイトメガロウイルス感染症等の再活性化に注意する。 投与前にニューモシスチス・イロベチイ肺炎等の感染の有無を確認し、 必要な処置を行う。
血球減少 : 血球減少があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
腫瘍崩壊症候群 : 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、 血清中電解質濃度および腎機能検査を行う等、 患者の状態を十分に観察する。
低γグロブリン血症 : 低γグロブリン血症があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に免疫グロブリン濃度を測定する。
投与前から投与中は月1回を目安にIgGを測定し、 400mg/dL超の維持を目標に早期から免疫グロブリン補充を行う。 IgG型骨髄腫では非M蛋白IgGを評価し、 感染徴候を慎重に観察する²⁾。
骨髄抑制 : 投与前および投与中は定期的に血液検査を行い、 骨髄抑制の有無を確認する。
輸血前検査への干渉 (CD38発現) : 本剤は赤血球上のCD38と結合し、 間接クームス試験が偽陽性となる可能性があり、 この干渉は最終投与後6ヵ月程度持続し得る。 本剤投与前に不規則抗体スクリーニングを含む輸血前検査を実施し、 輸血予定がある場合は関連部署へ周知する。
腫瘍崩壊症候群 (TLS) : TLS発現の可能性があるため、 電解質・腎機能を確認しながら十分に観察する。
HBV再活性化 : HBV再活性化による肝炎のリスクがあるため、 投与前にHBV感染の有無を確認し、 必要な処置を行う。
- サイトカイン放出症候群
- 神経学的事象 (免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) 含む)
- 感染症
- 血球減少
- 進行性多巣性白質脳症
- 低γグロブリン血症
- 腫瘍崩壊症候群
- Infusion reaction
- 間接クームス試験への干渉
- 骨髄抑制
- 感染症
- 腫瘍崩壊症候群
1) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg 電子添文 (2026年9月改訂 第3版).
2) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg 適正使用ガイド (2026年9月作成).
3) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 電子添文 (2026年9月改訂 第9版).
4) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 適正使用ガイド (2026年9月改訂).
5) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
6) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026 — April 3, 2026.
7) N Engl J Med. 2026;394(8):739-752.
8) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg に係る医薬品リスク管理計画書.
9) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 に係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年9月18日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 0.06mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 2 |
| 0.3mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 4 |
| 1.5mg/kg 皮下投与 | 1 | Day 8、 15、 22 |
| 1.5mg/kg 皮下投与 | 2 | Day 1、 8、 15、 22 |
| 3mg/kg 皮下投与 | 3~6 | Day 1、 15 |
| 3mg/kg 皮下投与 | 7~ | Day 1 |
| 投与量 | コース | 投与日 |
|---|---|---|
| 1,800mg/body 皮下投与 | 1~2 | Day 1、 8、 15、 22 |
| 1,800mg/body 皮下投与 | 3~6 | Day 1、 15 |
| 1,800mg/body 皮下投与 | 7~ | Day 1 |
| Tec投与によるサイトカイン放出症候群を軽減するため、漸増期の各投与前1〜3時間に、ステロイド、抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤を投与する (概要参照)。 |
| DaraによるIRR予防のため、投与1〜3時間前に解熱鎮痛薬と抗ヒスタミン薬を投与する。2回目まではステロイドも投与し、3回目以降は必要に応じて投与する。遅発性IRRを軽減するため、投与後のステロイド等も必要に応じて投与する (概要参照)。 |
| CRS・ICANSの初期症状の早期把握と速やかな受診のため、担当医師名・緊急連絡先を記入した患者カードを必ず交付すること。 |
| 投与前から投与中は月1回を目安にIgGを測定し、400mg/dL超の維持を目標に早期から免疫グロブリン補充を行う。 |
テクベイリ® (テクリスタマブ : Tec)
ダラキューロ® (ダラツムマブ・ボルヒアルロニダーゼ アルファ : Dara・rHuPH20)
【1コース】28日間
【催吐性*】最小度⁵⁾ (NCCN : 最小度⁶⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)**

Tec : Dara・rHuPH20をDay 1に投与する場合、 漸増期としてDay 2に0.06mg/kg、 Day 4に0.3mg/kg、 Day 8に1.5mg/kg (治療用量1) を皮下投与する。 以後、 2コース目まで1.5mg/kgを週1回、 3–6コース目は3mg/kg (治療用量2) を2週ごと、 7コース目以降は3mg/kgを4週ごとに投与する¹⁾²⁾。
Tecは、 漸増期で最低2日、 治療用量1で最低5日、 治療用量2で最低12日の投与間隔を確保する¹⁾²⁾。
Dara・rHuPH20 : 1回15mL (ダラツムマブ1,800mg、 ボルヒアルロニダーゼ アルファ30,000単位) を皮下投与する。 1–2コース目は週1回、 3–6コース目は2週ごと、 7コース目以降は4週ごとに投与する²⁾³⁾。
Tec漸増期およびDara・rHuPH20投与前の前投薬は以下のとおり。

漸増期Day 8は、 Dara・rHuPH20前投薬からTec投与までに、 ステロイドは4時間超、 抗ヒスタミン剤または解熱鎮痛剤は6時間超経過した場合、 Tec投与前にそれぞれ追加する。 ステロイドはデキサメタゾン8mgを追加し、 抗ヒスタミン剤または解熱鎮痛剤は全量再投与する。
MajesTEC-3試験では、 感染症予防策として以下が規定されていた²⁾。
- 予防的免疫グロブリン補充療法 (後述)
- PJP予防
- 帯状疱疹再活性化予防 : 治療開始1週以内に開始し、 治療終了後3ヵ月まで継続
- 広域抗菌薬 (LVFX等) : 初回投与前から少なくとも12週間継続を検討
N Engl J Med. 2026;394(8):739–752.
再発又は難治性の多発性骨髄腫で1–3レジメンの前治療歴を有し (前治療1レジメンの場合はレナリドミド抵抗性に限定)、 プロテアソーム阻害薬及び免疫調節薬の投与歴がある587例を対象とした国際共同第III相無作為化比較試験。 Tec-Dara群291例と担当医選択によるダラツムマブ+デキサメタゾン+ポマリドミドまたはボルテゾミブ (DPd/DVd) 群296例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は独立審査委員会判定によるPFSとした⁷⁾。
【有効性】 Tec-Dara群 (vs DPd/DVd群)
- PFS中央値 未到達 (vs 18.1ヵ月)
- 36ヵ月PFS率 83.4% (vs 29.7%)
- 奏効率 89.0% (vs 75.3%)
- MRD陰性率 (10⁻⁵閾値) 58.4% (vs 17.1%)
- 36ヵ月OS率 83.3% (vs 65.0%)
【安全性】 主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少症 78.4% (75.6%)
- 貧血 39.2% (20.5%)
- 血小板減少症 36.4% (19.4%)
- リンパ球減少症 22.3% (20.8%)
- 白血球減少症 18.0% (10.6%)
- 低ガンマグロブリン血症 68.6% (5.7%)
- サイトカイン放出症候群 60.1% (0%)
- 下痢 51.9% (3.5%)
- 咳嗽 48.1% (0.4%)
- COVID-19 43.8% (6.0%)
- 上気道感染 40.6% (4.2%)
- 発熱 36.7% (1.4%)
- 肺炎 23.0% (16.6%)
- COVID-19肺炎 12.0% (11.3%)
なお、 Tec-Dara群で感染症による死亡は13例に認められ、 うち12例は治療開始後6ヵ月以内に、 プロトコル規定の免疫グロブリン補充 (IgG≧400mg/dLの維持を目標とした早期IVIG) が強化される前に発現した。 この12例中9例では、 IVIGは実施されていなかった⁷⁾。
MajesTEC-3試験⁷⁾の主な適格基準
- 1–3ラインの前治療歴 (プロテアソーム阻害薬およびレナリドミドを含む) を有し、 最終レジメンでの病勢進行を記録
- 1ラインのみの前治療歴患者はレナリドミド不応性であること
- BCMA標的療法の前治療歴なし
- 抗CD38抗体に不応でない
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- Hb≧7.5g/dL
- 血小板数≧7.5万/μL
- 好中球数≧1,000/μL
- 肝機能 : AST/ALT≦2.5×ULN、 T-Bil≦2.0×ULN
- 腎機能 : eGFR≧30mL/min (MDRD式または24時間蓄尿により算出)
Tec、 Dara・rHuPH20 : 減量規定なし¹⁾³⁾
Tec、 Dara・rHuPH20 : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。
Tec :

Dara・rHuPH20 : Infusion reaction発現時は、 投与中止や投与速度変更等の適切な処置を行う。 GradeはNCI-CTCAE v4.0に準じ、 Grade 3が3回発現、 またはGrade 4が発現した場合は本剤を中止する。 その他の有害事象発現時の対応は以下のとおり。

MajesTEC-3試験プロトコル (参考情報) : CRS、 ICANS、 臨床的に重要なその他の非血液学的毒性 (Grade≧3) 又はB型肝炎ウイルス再活性化の発現時には、 Tec及びDara・rHuPH20の両剤を休薬することが規定されていた⁷⁾。

再開時にTec 0.06mg/kg又は0.3mg/kgを投与する場合は、 ステロイド、 抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤をTec投与1–3時間前に前投薬する。 CRSによる休薬後の再開時は、 Grade 1では抗ヒスタミン剤及び解熱鎮痛剤、 Grade 2以上ではステロイドも加えて、 Tec投与1–3時間前に前投薬する。
Tecは、 B細胞成熟抗原 (BCMA) 及びCD3に対するヒト化免疫グロブリン (Ig) G4二重特異性モノクローナル抗体である。 Tecは、 T細胞の細胞膜上に発現するCD3と多発性骨髄腫 (MM) 細胞の細胞膜上に発現するBCMAの両者に結合することによりT細胞を活性化し、 BCMAを発現する腫瘍細胞を傷害すると考えられる¹⁾。
Daraは、 ヒトCD38に結合し、 補体依存性細胞傷害 (CDC) 活性、 抗体依存性細胞傷害 (ADCC) 活性、 抗体依存性細胞貪食 (ADCP) 活性等により、 腫瘍の増殖を抑制すると考えられている。 rHuPH20は結合組織におけるヒアルロン酸を加水分解する酵素であり、 Dara・rHuPH20はrHuPH20によりヒアルロン酸が加水分解され皮下組織における浸透性が増加することで、 拡散吸収されたDaraが腫瘍の増殖を抑制すると考えられている³⁾。
CRS : CRSは投与初期に多く認められるため、 少なくとも漸増期 (初回の治療用量を含む) の投与後48時間は必ず入院管理とし、 48時間経過後および継続投与期も患者の状態に応じて入院管理を検討する。 発熱、 悪寒、 低血圧、 頻脈、 低酸素症、 頭痛、 肝酵素上昇等について十分に観察し、 CRSが疑われる症状があらわれた場合は速やかに医療機関を受診するよう患者を指導する。 CRSに対する前投与薬等の予防的措置を行い、 緊急時に備えてトシリズマブを速やかに使用できるよう準備する。
神経学的事象 (ICANS含む) : 失語症、 意識レベルの変化、 認知能力の障害、 筋力低下、 痙攣発作、 脳浮腫等について十分に観察する。 ICANSが疑われる症状があらわれた場合は、 速やかに医療機関を受診するよう患者を指導する。 ICANS発現後の入院管理は、 次回以降の投与時に患者の状態に応じて検討する。
自動車の運転等 : 神経学的事象 (ICANS含む) として錯乱状態、 意識レベルの低下等があらわれるおそれがあるため、 投与中は自動車の運転等危険を伴う機械の操作に注意する。 投与中は自動車の運転等に従事させないよう注意する。
感染症 : 日和見感染症を含む感染症の発現・悪化や、 サイトメガロウイルス感染症等の再活性化に注意する。 投与前にニューモシスチス・イロベチイ肺炎等の感染の有無を確認し、 必要な処置を行う。
血球減少 : 血球減少があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
腫瘍崩壊症候群 : 腫瘍崩壊症候群があらわれることがあるため、 血清中電解質濃度および腎機能検査を行う等、 患者の状態を十分に観察する。
低γグロブリン血症 : 低γグロブリン血症があらわれることがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に免疫グロブリン濃度を測定する。
投与前から投与中は月1回を目安にIgGを測定し、 400mg/dL超の維持を目標に早期から免疫グロブリン補充を行う。 IgG型骨髄腫では非M蛋白IgGを評価し、 感染徴候を慎重に観察する²⁾。
骨髄抑制 : 投与前および投与中は定期的に血液検査を行い、 骨髄抑制の有無を確認する。
輸血前検査への干渉 (CD38発現) : 本剤は赤血球上のCD38と結合し、 間接クームス試験が偽陽性となる可能性があり、 この干渉は最終投与後6ヵ月程度持続し得る。 本剤投与前に不規則抗体スクリーニングを含む輸血前検査を実施し、 輸血予定がある場合は関連部署へ周知する。
腫瘍崩壊症候群 (TLS) : TLS発現の可能性があるため、 電解質・腎機能を確認しながら十分に観察する。
HBV再活性化 : HBV再活性化による肝炎のリスクがあるため、 投与前にHBV感染の有無を確認し、 必要な処置を行う。
- サイトカイン放出症候群
- 神経学的事象 (免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群 (ICANS) 含む)
- 感染症
- 血球減少
- 進行性多巣性白質脳症
- 低γグロブリン血症
- 腫瘍崩壊症候群
- Infusion reaction
- 間接クームス試験への干渉
- 骨髄抑制
- 感染症
- 腫瘍崩壊症候群
1) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg 電子添文 (2026年9月改訂 第3版).
2) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg 適正使用ガイド (2026年9月作成).
3) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 電子添文 (2026年9月改訂 第9版).
4) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 適正使用ガイド (2026年9月改訂).
5) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
6) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 1.2026 — April 3, 2026.
7) N Engl J Med. 2026;394(8):739-752.
8) ヤンセンファーマ株式会社. テクベイリ®皮下注30mg/テクベイリ®皮下注153mg に係る医薬品リスク管理計画書.
9) ヤンセンファーマ株式会社. ダラキューロ®配合皮下注 に係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新 : 2026年9月18日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : 東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。