サシツズマブ ゴビテカン (トロデルビ®)
【1コース】21日間
【催吐性】 高度*
【FN発症】中等度 (発症率10~20%)**

サシツズマブ ゴビテカン (SG) : 10mg/kgを3週ごとのDay 1、 8に3時間かけて点滴静注。 初回投与の忍容性が良好であれば、 2回目以降は1–2時間への短縮が可能。
タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のある患者が投与対象となる。
N Engl J Med. 2021;384(16):1529-1541.
化学療法歴を有するホルモン受容体陰性かつHER2陰性の切除不能または再発乳癌患者529例を対象とした第III相無作為化比較試験。 サシツズマブ ゴビテカン (SG) 群267例と医師選択治療群262例 (エリブリン、 カペシタビン、 ゲムシタビン、 またはビノレルビン) に1:1に割り付け、 主要評価項目は脳転移を認めない患者集団におけるPFSとされた。
【有効性】SG群 (vs 医師選択治療群)
脳転移なし集団 :
- PFS中央値 5.6ヵ月 (vs 1.7ヵ月)
- OS中央値 12.1ヵ月 (vs 6.7ヵ月)
- 奏効率 35% (vs 5%)
- 奏効期間中央値 6.3ヵ月 (vs 3.6ヵ月)
全体集団 :
PFS中央値 4.8ヵ月 (vs 1.7ヵ月)
- OS中央値 11.8ヵ月 (vs 6.9ヵ月)
- 奏効率 31% (vs 4%)
- 奏効期間中央値 6.3ヵ月 (vs 3.6ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少 63% (50%)
- 貧血 34% (8%)
- 白血球減少 16% (10%)
- 血小板減少 5% (1%)
- 発熱性好中球減少 6% (6%)
- 下痢 59% (10%)
- 悪心 57% (2%)
- 嘔吐 29% (1%)
- 便秘 17% (0%)
- 腹痛 11% (1%)
- 脱毛 46% (0%)
- 倦怠感 45% (3%)
- 食欲減退 20% (2%)
- 感染症 12% (2%)
- 神経障害 25% (<1%)
- 呼吸器・縦隔障害 16% (2%)
- 筋骨格・結合組織障害 12% (0%)
ASCENT試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 前治療レジメン数が2以上
- タキサン系薬剤による治療歴あり
- 好中球数≧1,500/mm³
- 血小板数 ≧10万/mm³
- ヘモグロビン≧9.0g/dL
- 腎機能 : CrCl>60mL/min
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦3×ULN
副作用発現時は、 以下のとおり減量し、 減量後の再増量は行わない。

SN-38の排泄における腎排泄の寄与は小さいことが知られている。 一方、 腎機能障害患者または末期腎不全患者 (CrCl ≦30mL/min) におけるサシツズマブ ゴビテカンの薬物動態データはない。


本レジメンは、 化学療法歴があり、 タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴を有するホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌に適用される。
サシツズマブ ゴビテカンは、 TROP-2に対するヒト化モノクローナル抗体に、 トポイソメラーゼI阻害薬SN-38をリンカーで結合させた抗体薬物複合体である。 TROP-2陽性腫瘍細胞に取り込まれた後、 SN-38が細胞内で遊離し、 DNA合成を阻害して抗腫瘍効果を発揮する。
UGT1A1 (本剤を構成するSN-38の主な代謝酵素) によるSN-38の代謝が減少し、 重篤な副作用が発現する可能性がある。 以下に臨床試験の報告例を示す。

UGT1A1*6または*28のホモ接合体、 あるいは両アレルの複合ヘテロ接合体を有する患者では、 SN-38の代謝が低下し、 骨髄抑制や下痢などの重篤な副作用のリスクがあるため、 十分に注意すること。
骨髄抑制・感染症 : 投与前後に定期的な血液検査を行い、 必要に応じてG-CSF製剤の使用を検討する。 以下の患者では初回から1次予防投与を考慮する。
- 65歳以上
- 好中球減少症の既往
- PS不良
- 腎・肝・心機能障害
- 複数の合併症
Infusion reaction : 重度の反応に備え緊急対応体制下で投与し、 予防のために解熱鎮痛剤・抗ヒスタミン薬・H₂受容体拮抗薬の前投与を考慮。
間質性肺疾患 : 投与時は呼吸困難・咳嗽・発熱などの初期症状に留意し、 定期的に胸部画像検査を実施。
重度の下痢・腸炎 : 下痢に伴う脱水や急性腎障害にも注意し、 早期に止瀉薬などで適切に対応する。 また、 投与後に過度のコリン作動性反応 (腹部痙攣、 下痢、 流涎など) がみられた場合は、 アトロピン投与などの適切な処置を考慮する。
- 骨髄抑制
- 感染症
- 重度の下痢・腸炎
- Infusion reaction
- 間質性肺疾患
1) ギリアド・サイエンシズ株式会社. トロデルビ®添付文書 2026年3月作成 第3版.
2) ギリアド・サイエンシズ株式会社. トロデルビ®適正使用ガイド 2026年3月改定.
3) N Engl J Med. 2021;384(16):1529-1541.
最終更新 : 2026年4月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
サシツズマブ ゴビテカン (トロデルビ®)
【1コース】21日間
【催吐性】 高度*
【FN発症】中等度 (発症率10~20%)**

サシツズマブ ゴビテカン (SG) : 10mg/kgを3週ごとのDay 1、 8に3時間かけて点滴静注。 初回投与の忍容性が良好であれば、 2回目以降は1–2時間への短縮が可能。
タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴のある患者が投与対象となる。
N Engl J Med. 2021;384(16):1529-1541.
化学療法歴を有するホルモン受容体陰性かつHER2陰性の切除不能または再発乳癌患者529例を対象とした第III相無作為化比較試験。 サシツズマブ ゴビテカン (SG) 群267例と医師選択治療群262例 (エリブリン、 カペシタビン、 ゲムシタビン、 またはビノレルビン) に1:1に割り付け、 主要評価項目は脳転移を認めない患者集団におけるPFSとされた。
【有効性】SG群 (vs 医師選択治療群)
脳転移なし集団 :
- PFS中央値 5.6ヵ月 (vs 1.7ヵ月)
- OS中央値 12.1ヵ月 (vs 6.7ヵ月)
- 奏効率 35% (vs 5%)
- 奏効期間中央値 6.3ヵ月 (vs 3.6ヵ月)
全体集団 :
PFS中央値 4.8ヵ月 (vs 1.7ヵ月)
- OS中央値 11.8ヵ月 (vs 6.9ヵ月)
- 奏効率 31% (vs 4%)
- 奏効期間中央値 6.3ヵ月 (vs 3.6ヵ月)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少 63% (50%)
- 貧血 34% (8%)
- 白血球減少 16% (10%)
- 血小板減少 5% (1%)
- 発熱性好中球減少 6% (6%)
- 下痢 59% (10%)
- 悪心 57% (2%)
- 嘔吐 29% (1%)
- 便秘 17% (0%)
- 腹痛 11% (1%)
- 脱毛 46% (0%)
- 倦怠感 45% (3%)
- 食欲減退 20% (2%)
- 感染症 12% (2%)
- 神経障害 25% (<1%)
- 呼吸器・縦隔障害 16% (2%)
- 筋骨格・結合組織障害 12% (0%)
ASCENT試験³⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 前治療レジメン数が2以上
- タキサン系薬剤による治療歴あり
- 好中球数≧1,500/mm³
- 血小板数 ≧10万/mm³
- ヘモグロビン≧9.0g/dL
- 腎機能 : CrCl>60mL/min
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦3×ULN
副作用発現時は、 以下のとおり減量し、 減量後の再増量は行わない。

SN-38の排泄における腎排泄の寄与は小さいことが知られている。 一方、 腎機能障害患者または末期腎不全患者 (CrCl ≦30mL/min) におけるサシツズマブ ゴビテカンの薬物動態データはない。


本レジメンは、 化学療法歴があり、 タキサン系抗悪性腫瘍剤による治療歴を有するホルモン受容体陰性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌に適用される。
サシツズマブ ゴビテカンは、 TROP-2に対するヒト化モノクローナル抗体に、 トポイソメラーゼI阻害薬SN-38をリンカーで結合させた抗体薬物複合体である。 TROP-2陽性腫瘍細胞に取り込まれた後、 SN-38が細胞内で遊離し、 DNA合成を阻害して抗腫瘍効果を発揮する。
UGT1A1 (本剤を構成するSN-38の主な代謝酵素) によるSN-38の代謝が減少し、 重篤な副作用が発現する可能性がある。 以下に臨床試験の報告例を示す。

UGT1A1*6または*28のホモ接合体、 あるいは両アレルの複合ヘテロ接合体を有する患者では、 SN-38の代謝が低下し、 骨髄抑制や下痢などの重篤な副作用のリスクがあるため、 十分に注意すること。
骨髄抑制・感染症 : 投与前後に定期的な血液検査を行い、 必要に応じてG-CSF製剤の使用を検討する。 以下の患者では初回から1次予防投与を考慮する。
- 65歳以上
- 好中球減少症の既往
- PS不良
- 腎・肝・心機能障害
- 複数の合併症
Infusion reaction : 重度の反応に備え緊急対応体制下で投与し、 予防のために解熱鎮痛剤・抗ヒスタミン薬・H₂受容体拮抗薬の前投与を考慮。
間質性肺疾患 : 投与時は呼吸困難・咳嗽・発熱などの初期症状に留意し、 定期的に胸部画像検査を実施。
重度の下痢・腸炎 : 下痢に伴う脱水や急性腎障害にも注意し、 早期に止瀉薬などで適切に対応する。 また、 投与後に過度のコリン作動性反応 (腹部痙攣、 下痢、 流涎など) がみられた場合は、 アトロピン投与などの適切な処置を考慮する。
- 骨髄抑制
- 感染症
- 重度の下痢・腸炎
- Infusion reaction
- 間質性肺疾患
1) ギリアド・サイエンシズ株式会社. トロデルビ®添付文書 2026年3月作成 第3版.
2) ギリアド・サイエンシズ株式会社. トロデルビ®適正使用ガイド 2026年3月改定.
3) N Engl J Med. 2021;384(16):1529-1541.
最終更新 : 2026年4月2日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。