治療スケジュール
概要
監修医師

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1
70mg/m² 点滴静注1Day 8、15
70mg/m² 点滴静注2~Day 1、8、15

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 経口or点滴静注1~9Day 1、8、15、22
40mg/body 経口or点滴静注10~Day 1、8、15

その他

1コースは4週間.
レジメン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

A.R.R.O.W.試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (10.1%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 血小板数減少 (8.4%、 ≧Grade3 3.4%)
  • 血小板減少症 (7.6%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 好中球減少症 (6.3%、 ≧Grade3 5.5%)
  • 好中球数減少 (4.6%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 白血球数減少 (2.5%、 ≧Grade3 1.3%)
  • 発熱性好中球減少症 (1.3%、 ≧Grade3 1.3%)
  • リンパ球数減少 (1.3%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 赤血球数減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)
  • ヘマトクリット減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)
  • ヘモグロビン減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)

主な有害事象

  • 感染症 (18.1%、 ≧Grade3 8.8%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (14.7%、 ≧Grade3 4.2%)
  • Infusion reaction (12.6%、 ≧Grade3 0.4%)

その他重要な有害事象

  • 肝不全・肝機能障害 (5.9%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 心障害 (4.2%、 ≧Grade3 2.9%)
  • 出血 (3.4%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 急性腎障害 (2.9%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (2.5%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 間質性肺疾患 (1.7%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 静脈血栓塞栓症 (1.3%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 肺高血圧症 (1.3%、 ≧Grade3 0%)
  • 血栓性微小血管症 (0.8%、 ≧Grade3 0.8%)

特徴と注意点

特徴

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • カルフィルゾミブ週1回投与により患者の通院負担が軽減.
  • ENDEAVOR試験によりカルフィルゾミブ週2回投与の有効性が示され、 A.R.R.O.W.試験で治療抵抗性患者に対する週1回高用量投与の有効性が示された. (ENDEAVOR試験の詳細はKd療法を参照)

副作用と対策

  • カルフィルゾミブはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

A.R.R.O.W.試験¹⁾

概要

  • 対象:ボルテゾミブまたはイキサゾミブ抵抗性患者478例
  • 介入群:週1回高用量(70mg/m²)のカルフィルゾミブ+デキサメサゾン (wKd)
  • 対象群:週2回(28mg/m²)のカルフィルゾミブ+デキサメサゾン (Kd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間 (PFS)
  • 副次評価項目:全生存期間 (OS)

結果

  • PFS中央値:wKd群 11.2ヵ月 vs Kd群 7.6ヵ月 (HR0.69、 95%CI 0.54-0.83、 p=0.0029)
  • OS中央値:wKd群 未到達 vs Kd群 未到達
  • Grade 3以上の有害事象:wKd群 68% vs Kd群 62%

結論

  • 週1回高用量のKd (wKd)は安全で週2回 (28mg/m²)のKdよりもPFSにおいて有効.

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2018 Jul;19(7):953-964.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
weekly Kd(wKd)70mg/m²
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weekly Kd(wKd)70mg/m²

weekly Kd(wKd)70mg/m²

週1回高用量カルフィルゾミブ、 デキサメタゾン
2023年05月23日更新

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m² 点滴静注1Day 1
70mg/m² 点滴静注1Day 8、15
70mg/m² 点滴静注2~Day 1、8、15

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
40mg/body 経口or点滴静注1~9Day 1、8、15、22
40mg/body 経口or点滴静注10~Day 1、8、15

その他

1コースは4週間.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「小野薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

A.R.R.O.W.試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (10.1%、 ≧Grade3 5.0%)
  • 血小板数減少 (8.4%、 ≧Grade3 3.4%)
  • 血小板減少症 (7.6%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 好中球減少症 (6.3%、 ≧Grade3 5.5%)
  • 好中球数減少 (4.6%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 白血球数減少 (2.5%、 ≧Grade3 1.3%)
  • 発熱性好中球減少症 (1.3%、 ≧Grade3 1.3%)
  • リンパ球数減少 (1.3%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 赤血球数減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)
  • ヘマトクリット減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)
  • ヘモグロビン減少 (0.4%、 ≧Grade3 0%)

主な有害事象

  • 感染症 (18.1%、 ≧Grade3 8.8%)
  • 高血圧・高血圧クリーゼ (14.7%、 ≧Grade3 4.2%)
  • Infusion reaction (12.6%、 ≧Grade3 0.4%)

その他重要な有害事象

  • 肝不全・肝機能障害 (5.9%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 心障害 (4.2%、 ≧Grade3 2.9%)
  • 出血 (3.4%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 急性腎障害 (2.9%、 ≧Grade3 0.8%)
  • 腫瘍崩壊症候群 (2.5%、 ≧Grade3 2.5%)
  • 間質性肺疾患 (1.7%、 ≧Grade3 1.7%)
  • 静脈血栓塞栓症 (1.3%、 ≧Grade3 0.4%)
  • 肺高血圧症 (1.3%、 ≧Grade3 0%)
  • 血栓性微小血管症 (0.8%、 ≧Grade3 0.8%)

特徴と注意点

特徴

  • カルフィルゾミブはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • カルフィルゾミブ週1回投与により患者の通院負担が軽減.
  • ENDEAVOR試験によりカルフィルゾミブ週2回投与の有効性が示され、 A.R.R.O.W.試験で治療抵抗性患者に対する週1回高用量投与の有効性が示された. (ENDEAVOR試験の詳細はKd療法を参照)

副作用と対策

  • カルフィルゾミブはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

A.R.R.O.W.試験¹⁾

概要

  • 対象:ボルテゾミブまたはイキサゾミブ抵抗性患者478例
  • 介入群:週1回高用量(70mg/m²)のカルフィルゾミブ+デキサメサゾン (wKd)
  • 対象群:週2回(28mg/m²)のカルフィルゾミブ+デキサメサゾン (Kd)
  • 主要評価項目:無増悪生存期間 (PFS)
  • 副次評価項目:全生存期間 (OS)

結果

  • PFS中央値:wKd群 11.2ヵ月 vs Kd群 7.6ヵ月 (HR0.69、 95%CI 0.54-0.83、 p=0.0029)
  • OS中央値:wKd群 未到達 vs Kd群 未到達
  • Grade 3以上の有害事象:wKd群 68% vs Kd群 62%

結論

  • 週1回高用量のKd (wKd)は安全で週2回 (28mg/m²)のKdよりもPFSにおいて有効.

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2018 Jul;19(7):953-964.

最終更新:2023年5月7日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

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