「BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫」 を効能又は効果として、 2026年9月16日に承認を取得した。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

オジェンダ® (トボラフェニブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報 (準備中)

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】未収載²⁾ (NCCN : 中等度~高度³⁾) 
【FN発症】低リスク (<10%) 
※FIREFLY-1試験⁴⁾ではFNの報告はなく、 編集部で分類

トボラフェニブ : 体表面積に応じて380mg/m²相当、 最大600mgを週1回経口投与する (下表)¹⁾。

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成
FIREFLY-1試験では28日間を1サイクルとして、 Day 1、 8、 15、 22に投与した⁴⁾。

Key Data|臨床試験結果

📊 FIREFLY-1試験

Nat Med. 2024;30(1):207–217.

BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する再発・難治性小児低悪性度神経膠腫を対象とした国際共同第II相試験 (Arm 1、 n=77)。 全身治療歴を1ライン以上有し、 画像上の進行及び測定可能病変を認める生後6ヵ月以上25歳以下の患者にトボラフェニブを投与した。 前治療中央値は3ラインで、 61%にMEK又はBRAF阻害薬の治療歴を認めた。 主要評価項目はIRC評価RANO-HGG基準のORR、 副次評価項目はRAPNO基準のORR、 CBR、 PFS、 DOR、 TTRとした⁴⁾。 

【有効性】

出典⁴⁾を基に編集部作成

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

安全性解析対象集団 (n=137) のTRAEのうち、 全Grade 30%以上又はGrade≧3が5%以上の事象に、 電子添文で個別の対応基準が示される臨床的に重要な事象を加えて掲載した。

- 毛髪変色76% (0%)

- CK上昇56% (12%)

- 貧血49% (10%)

- 疲労44% (4%)

- 斑状丘疹状皮疹41% (8%)

- 低リン血症35% (0%)

- 皮膚乾燥33% (0%)

- LDH上昇31% (0%)

- AST増加30% (3%)

- 痤瘡様皮膚炎30% (1%)

- ALT増加18% (5%)

- 成長速度低下12% (5%)

- 腫瘍出血7% (2%)

- 光線過敏症反応14% (1%)

各プロトコル

適格基準

FIREFLY-1試験⁴⁾の主な適格基準

- 活性化BRAF遺伝子異常を有し、 少なくとも1ラインの全身治療歴および画像上の進行を認める再発・進行低悪性度神経膠腫

- RANO基準による測定可能病変を有する

- 生後6ヵ月以上25歳以下

- PS : Karnofsky (16歳以上) 又はLansky (16歳未満) ≧50点

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧10.0g/dL

- 肝機能 : ALT/AST≦2.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN

- 腎機能 : Cre基準値内又はeGFR≧60mL/min/1.73m²

- LVEF≧50%又はFS≧25%

用量レベル

トボラフェニブの減量規定は以下のとおり。

錠剤の場合 :

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

ドライシロップ剤の場合 :

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

軽度から中等度の腎機能障害患者 (Schwartz式又はMDRD式によるeGFR≧30mL/min/1.73m²) では、 用量調整は不要である。 重度腎機能障害患者 (eGFR<30mL/min/1.73m²) では検討されていない⁵⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

FIREFLY-1試験のプロトコル (参考情報) :

FIREFLY-1試験⁴⁾のプロトコルを基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

トボラフェニブは、 BRAFのキナーゼドメインにおけるATP結合部位及びアロステリック部位に結合し、 変異型BRAF (V600E等) のキナーゼ活性を阻害することで、 BRAF下流のERK等のリン酸化を阻害し、 BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられる¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

オジェンダ®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

貧血 : 貧血があらわれることがあるため、 投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

コンパニオン診断薬の情報

本剤の適応判定 (BRAF遺伝子変異、 BRAF融合遺伝子) に利用できるコンパニオン診断薬は、 以下のとおり。

FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル

出典

1) IPSEN株式会社. オジェンダ®錠100mg/オジェンダドライシロップ300mg 電子添文 (2026年9月作成 第1版).

2) 日本癌治療学会編.制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版.金原出版.

3) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology.NCCN Guidelines® Antiemesis.Version 1.2026.

4) Nat Med. 2024;30(1):207–217.

5) Day One Biopharmaceuticals, Inc. OJEMDA® (tovorafenib) tablets, for oral use; OJEMDA® (tovorafenib) for oral suspension: Prescribing Information. Revised April 2024.

最終更新 : 2026年9月25日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

レジメン
Tovorafenib
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
Tovorafenib
レジメン
Tovorafenib

Tovorafenib

トボラフェニブ (オジェンダ®)
小児固形腫瘍 > 神経膠腫
2026年09月28日更新
「BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する低悪性度神経膠腫」 を効能又は効果として、 2026年9月16日に承認を取得した。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

オジェンダ® (トボラフェニブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報 (準備中)

投与スケジュール

【1コース】28日間
【催吐性】未収載²⁾ (NCCN : 中等度~高度³⁾) 
【FN発症】低リスク (<10%) 
※FIREFLY-1試験⁴⁾ではFNの報告はなく、 編集部で分類

トボラフェニブ : 体表面積に応じて380mg/m²相当、 最大600mgを週1回経口投与する (下表)¹⁾。

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成
FIREFLY-1試験では28日間を1サイクルとして、 Day 1、 8、 15、 22に投与した⁴⁾。

Key Data|臨床試験結果

📊 FIREFLY-1試験

Nat Med. 2024;30(1):207–217.

BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する再発・難治性小児低悪性度神経膠腫を対象とした国際共同第II相試験 (Arm 1、 n=77)。 全身治療歴を1ライン以上有し、 画像上の進行及び測定可能病変を認める生後6ヵ月以上25歳以下の患者にトボラフェニブを投与した。 前治療中央値は3ラインで、 61%にMEK又はBRAF阻害薬の治療歴を認めた。 主要評価項目はIRC評価RANO-HGG基準のORR、 副次評価項目はRAPNO基準のORR、 CBR、 PFS、 DOR、 TTRとした⁴⁾。 

【有効性】

出典⁴⁾を基に編集部作成

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

安全性解析対象集団 (n=137) のTRAEのうち、 全Grade 30%以上又はGrade≧3が5%以上の事象に、 電子添文で個別の対応基準が示される臨床的に重要な事象を加えて掲載した。

- 毛髪変色76% (0%)

- CK上昇56% (12%)

- 貧血49% (10%)

- 疲労44% (4%)

- 斑状丘疹状皮疹41% (8%)

- 低リン血症35% (0%)

- 皮膚乾燥33% (0%)

- LDH上昇31% (0%)

- AST増加30% (3%)

- 痤瘡様皮膚炎30% (1%)

- ALT増加18% (5%)

- 成長速度低下12% (5%)

- 腫瘍出血7% (2%)

- 光線過敏症反応14% (1%)

各プロトコル

適格基準

FIREFLY-1試験⁴⁾の主な適格基準

- 活性化BRAF遺伝子異常を有し、 少なくとも1ラインの全身治療歴および画像上の進行を認める再発・進行低悪性度神経膠腫

- RANO基準による測定可能病変を有する

- 生後6ヵ月以上25歳以下

- PS : Karnofsky (16歳以上) 又はLansky (16歳未満) ≧50点

- 好中球数≧1,000/μL

- 血小板数≧7.5万/μL

- Hb≧10.0g/dL

- 肝機能 : ALT/AST≦2.5×ULN、 T-Bil≦1.5×ULN

- 腎機能 : Cre基準値内又はeGFR≧60mL/min/1.73m²

- LVEF≧50%又はFS≧25%

用量レベル

トボラフェニブの減量規定は以下のとおり。

錠剤の場合 :

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

ドライシロップ剤の場合 :

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

軽度から中等度の腎機能障害患者 (Schwartz式又はMDRD式によるeGFR≧30mL/min/1.73m²) では、 用量調整は不要である。 重度腎機能障害患者 (eGFR<30mL/min/1.73m²) では検討されていない⁵⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

オジェンダ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

FIREFLY-1試験のプロトコル (参考情報) :

FIREFLY-1試験⁴⁾のプロトコルを基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

作用機序の特徴

トボラフェニブは、 BRAFのキナーゼドメインにおけるATP結合部位及びアロステリック部位に結合し、 変異型BRAF (V600E等) のキナーゼ活性を阻害することで、 BRAF下流のERK等のリン酸化を阻害し、 BRAF遺伝子変異又は融合遺伝子を有する腫瘍細胞の増殖を抑制すると考えられる¹⁾。

レジメン適用時の注意事項

オジェンダ®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

貧血 : 貧血があらわれることがあるため、 投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

コンパニオン診断薬の情報

本剤の適応判定 (BRAF遺伝子変異、 BRAF融合遺伝子) に利用できるコンパニオン診断薬は、 以下のとおり。

FoundationOne CDxがんゲノムプロファイル

出典

1) IPSEN株式会社. オジェンダ®錠100mg/オジェンダドライシロップ300mg 電子添文 (2026年9月作成 第1版).

2) 日本癌治療学会編.制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版.金原出版.

3) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology.NCCN Guidelines® Antiemesis.Version 1.2026.

4) Nat Med. 2024;30(1):207–217.

5) Day One Biopharmaceuticals, Inc. OJEMDA® (tovorafenib) tablets, for oral use; OJEMDA® (tovorafenib) for oral suspension: Prescribing Information. Revised April 2024.

最終更新 : 2026年9月25日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部医師

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(その他)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。