概要
監修医師
2024年7月、 限局型小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法として承認申請。 2025年3月27日に正式承認。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

イミフィンジ® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

抗PD-L1抗体 デュルバルマブ
*アストラゼネカ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】4週間
【催吐性】 最小度催吐性
【FN発症】低リスク
限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法

1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。 投与期間は24ヵ月間までとする。

ただし、 体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg (体重)
イミフィンジ®︎添付文書 2025年3月改訂第8版¹⁾より引用

KeyData|臨床試験結果

📊ADRIATIC試験⁴⁾

N Engl J Med. 2024;391(14):1313-27.

根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められなかったLD-SCLCに対する抗PD-1抗体デュルバルマブ±抗CTLA-4抗体トレメリムマブ地固めの有効性および安全性について、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相国際共同二重盲検無作為比較試験ADRIATICの初回中間解析より、 デュルバルマブ単剤 vs プラセボの結果が報告された

【有効性】デュルバルマブ群の結果

- mPFS : 16.6ヵ月

  プラセボ群 : 9.2ヵ月 (95%CI 7.4-12.9)
  HR 0.76、 97.195%CI 0.59-0.98、 p=0.02

- mOS : 55.9ヵ月

  プラセボ群 : 33.4ヵ月 (95%CI 25.5-39.9)
  HR 0.73、 98.321%CI 0.54-0.98、 p=0.01

【安全性】デュルバルマブ群の結果

- Grade3/4の有害事象 : 24.4%

  プラセボ群 24.2%

- 有害事象による治療中止割合 : 16.4%

  プラセボ群 10.6%

- 死亡に至った治療関連有害事象 : 2.7%

  プラセボ群 1.9%

- Grade3/4の肺炎/放射線肺炎 : 3.1%

  プラセボ群 2.6%

特徴と注意点

LD-SCLC同時化学放射線療法後には効果的な維持療法がなく、 新たな選択肢に

小細胞肺癌は、 肺癌全体の約10~15%を占め、 増殖速度が速く早期にリンパ節転移や遠隔転移を認める悪性度の高い腫瘍である。 限局型 (limited disease;LD) と進展型 (extensive disease;ED) に大別されるが、 LD-SCLC患者においては、 標準治療である白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドを用いた同時化学放射線療法を行い治療初期に奏効しても、 75~80%に再発が認められ、 予後は不良とされていた。

出典

1) アストラゼネカ株式会社 イミフィンジ®︎ 点滴静注添付文書 2025年3月改訂第8版 [最終閲覧 2025/3/27]

1) アストラゼネカ株式会社 「イミフィンジ®︎ イジュド®︎適正使用ガイド」 2025年3月掲載 [最終閲覧 2025/3/27]

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3) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2023年版

4) Durvalumab after Chemoradiotherapy in Limited-Stage Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2024 Oct 10;391(14):1313-1327. PMID: 39268857

最終更新日 : 2025年3月27日
監修:HOKUTO編集部医師監修

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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デュルバルマブ (イミフィンジ®)
2025年04月01日更新
2024年7月、 限局型小細胞肺がんにおける根治的化学放射線療法後の維持療法として承認申請。 2025年3月27日に正式承認。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

イミフィンジ® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

抗PD-L1抗体 デュルバルマブ
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投与スケジュール

【1コース】4週間
【催吐性】 最小度催吐性
【FN発症】低リスク
限局型小細胞肺癌における根治的化学放射線療法後の維持療法

1回1500mgを4週間間隔で60分間以上かけて点滴静注する。 投与期間は24ヵ月間までとする。

ただし、 体重30kg以下の場合の1回投与量は20mg/kg (体重)
イミフィンジ®︎添付文書 2025年3月改訂第8版¹⁾より引用

KeyData|臨床試験結果

📊ADRIATIC試験⁴⁾

N Engl J Med. 2024;391(14):1313-27.

根治的化学放射線療法後に疾患進行が認められなかったLD-SCLCに対する抗PD-1抗体デュルバルマブ±抗CTLA-4抗体トレメリムマブ地固めの有効性および安全性について、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相国際共同二重盲検無作為比較試験ADRIATICの初回中間解析より、 デュルバルマブ単剤 vs プラセボの結果が報告された

【有効性】デュルバルマブ群の結果

- mPFS : 16.6ヵ月

  プラセボ群 : 9.2ヵ月 (95%CI 7.4-12.9)
  HR 0.76、 97.195%CI 0.59-0.98、 p=0.02

- mOS : 55.9ヵ月

  プラセボ群 : 33.4ヵ月 (95%CI 25.5-39.9)
  HR 0.73、 98.321%CI 0.54-0.98、 p=0.01

【安全性】デュルバルマブ群の結果

- Grade3/4の有害事象 : 24.4%

  プラセボ群 24.2%

- 有害事象による治療中止割合 : 16.4%

  プラセボ群 10.6%

- 死亡に至った治療関連有害事象 : 2.7%

  プラセボ群 1.9%

- Grade3/4の肺炎/放射線肺炎 : 3.1%

  プラセボ群 2.6%

特徴と注意点

LD-SCLC同時化学放射線療法後には効果的な維持療法がなく、 新たな選択肢に

小細胞肺癌は、 肺癌全体の約10~15%を占め、 増殖速度が速く早期にリンパ節転移や遠隔転移を認める悪性度の高い腫瘍である。 限局型 (limited disease;LD) と進展型 (extensive disease;ED) に大別されるが、 LD-SCLC患者においては、 標準治療である白金系抗悪性腫瘍剤及びエトポシドを用いた同時化学放射線療法を行い治療初期に奏効しても、 75~80%に再発が認められ、 予後は不良とされていた。

出典

1) アストラゼネカ株式会社 イミフィンジ®︎ 点滴静注添付文書 2025年3月改訂第8版 [最終閲覧 2025/3/27]

1) アストラゼネカ株式会社 「イミフィンジ®︎ イジュド®︎適正使用ガイド」 2025年3月掲載 [最終閲覧 2025/3/27]

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3) 日本肺癌学会. 肺癌診療ガイドライン-悪性胸膜中皮腫・ 胸腺腫瘍含む-2023年版

4) Durvalumab after Chemoradiotherapy in Limited-Stage Small-Cell Lung Cancer. N Engl J Med. 2024 Oct 10;391(14):1313-1327. PMID: 39268857

最終更新日 : 2025年3月27日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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