治療スケジュール
概要
監修医師

Nivo:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
240mg/body 点滴 (2週間) 1~Day1
480mg/body 点滴 (4週間)1~Day1

関連する薬剤情報

オプジーボ点滴静注120mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).非小細胞肺癌における術前補助療法。 4).根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。 5).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 6)...
レジメン
Nivo (膀胱)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

オプジーボ® (添付文書/適正使用情報*)

*小野薬品工業の外部サイトへ遷移します

用法・用量 (1コース2週間or4週間)

いずれの場合も投与期間は12ヶ月間までとする

投与開始基準

CheckMate 274試験¹⁾の基準を参考に設定

局所進行性または転移性の膀胱癌の組織学的または細胞学的診断のある18歳以上の患者で以下を満たすもの

中止基準

CheckMate 274試験¹⁾の基準を参考
  • Grade2の薬物関連ぶどう膜炎、 局所療法で改善しない目の痛み、 目のかすみ。点眼に反応せず、 Grade1に改善しない、または全身治療を必要が必要
  • 7日超、 持続するGrade3の皮膚以外の有害事象 (以下の場合除く)
  • Grade3のぶどう膜炎、 肺炎、 気管支痙攣、 下痢、 大腸炎、 神経毒性、 過敏性反応は持続時間に関わらず、 投与中止
  • Grade3の内分泌障害で、生理的なホルモン補充のみで十分なコントロールが可能な場合は、 投与中止せず
  • Grade3の薬剤関連臨床検査値異常は投与中止せず
  • Grade3、 7日超の出血を伴う血小板減少症は投与中止
  • 肝機能検査異常で、 ASTまたは ALT が>正常値上限8倍 or T-bilが>正常値上限5倍、 ASTまたはALTが>正常値上限3倍 or T-bil >正常値上限2倍を満たす場合は投与中止
  • Grade4の有害事象または薬剤関連臨床検査値異常 (以下の場合は投与中止せず)
  • 7日以内のGrade4の好中球減少症
  • Grade4のリンパ球減少症または白血球減少症
  • 膵炎の症状や臨床症状を伴わないGrade4のアミラーゼまたはリパーゼ異常
  • 72時間以内に補充や適切な管理によって改善される臨床症状をを伴わないGrade4の電解質異常/不均衡
  • ホルモン補充療法で十分にコントロールされている副腎機能不全、 甲状腺機能亢進症、 甲状腺機能低下症、 血糖値異常など

・6週間以上続く投与遅延

主な有害事象

CheckMate 274試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 下痢 16.8% (0.9%)
  • ALT上昇 4.3% (0.6%)
  • AST上昇 3.7% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 甲状腺機能低下症 9.7% (0%)
  • 甲状腺機能亢進症 9.4% (0%)
  • 血尿 0.6% (0%)

特徴と注意点

保険適応の範囲は術後補助療法のみ

関連する臨床試験|CheckMate 274試験¹⁾

筋層浸潤性尿路上皮癌の術後患者において、 抗PD-1抗体ニボルマブ投与の効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験CheckMate 274の結果より、 無病生存期間 (DFS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

DFS中央値

  • ニボルマブ群:20.8ヵ月
(95%CI 16.5-27.6ヵ月)
  • プラセボ群:10.8ヵ月
(95%CI 8.3-13.9ヵ月)

DFS率 (6ヵ月時、 12ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:74.9%、 62.8%
  • プラセボ群:60.3%、 46.6%
HR 0.70  (98.22%CI 0.55-0.90)、p<0.001

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:74.5%、 67.2%
  • プラセボ群:55.7%、 45.9%
HR 0.55  (98.72%CI 0.35-0.85)、p<0.001

DFSのサブグループ解析

リンパ節転移の有無、 PD-L1発現の有無、 プラチナベースの前治療の有無に関わらず、 ニボルマブ群の方がプラセボ群よりDFSは高かった。

NUTRFS中央値

  • ニボルマブ群:22.9ヵ月
(95%CI 19.2-33.4ヵ月)
  • プラセボ群:13.7ヵ月
(95%CI 8.4-20.3ヵ月)

NUTRFS率 (6ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:77.0%
  • プラセボ群:62.7%
HR 0.72  (95%CI 0.59-0.89)

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:75.3%
  • プラセボ群:56.7%
HR 0.55  (95%CI 0.39-0.79)

DMFS中央値

  • ニボルマブ群:40.5ヵ月
(95%CI 22.4ヵ月-推定不能)
  • プラセボ群:29.5ヵ月
(95%CI 16.7ヵ月-推定不能)

DMFS率 (6ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:82.5%
  • プラセボ群:69.8%
HR 0.75  (95%CI 0.59-0.94)

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:78.7%
  • プラセボ群:65.7%
HR 0.61  (95%CI 0.42-0.90)

OS、 DSS

追跡調査後に評価予定

参考文献

  1. Adjuvant Nivolumab versus Placebo in Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma. N Engl J Med . 2021 Jun 3;384(22):2102-2114. PMID: 34077643
最終更新日:2023年10月11日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

関連する薬剤情報

オプジーボ点滴静注120mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).非小細胞肺癌における術前補助療法。 4).根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。 5).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 6)...
レジメン
Nivo (膀胱)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧

関連する薬剤情報

オプジーボ点滴静注120mg
抗悪性腫瘍薬 > ヒト型抗ヒトPD−1モノクローナル抗体
1).悪性黒色腫。 2).切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌。 3).非小細胞肺癌における術前補助療法。 4).根治切除不能又は転移性の腎細胞癌。 5).再発又は難治性の古典的ホジキンリンパ腫。 6)...
レジメン
Nivo (膀胱)
レジメン
Nivo (膀胱)

Nivo (膀胱)

ニボルマブ (オプジーボ®)
2023年11月14日更新

Nivo:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
240mg/body 点滴 (2週間) 1~Day1
480mg/body 点滴 (4週間)1~Day1

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

オプジーボ® (添付文書/適正使用情報*)

*小野薬品工業の外部サイトへ遷移します

用法・用量 (1コース2週間or4週間)

いずれの場合も投与期間は12ヶ月間までとする

投与開始基準

CheckMate 274試験¹⁾の基準を参考に設定

局所進行性または転移性の膀胱癌の組織学的または細胞学的診断のある18歳以上の患者で以下を満たすもの

中止基準

CheckMate 274試験¹⁾の基準を参考
  • Grade2の薬物関連ぶどう膜炎、 局所療法で改善しない目の痛み、 目のかすみ。点眼に反応せず、 Grade1に改善しない、または全身治療を必要が必要
  • 7日超、 持続するGrade3の皮膚以外の有害事象 (以下の場合除く)
  • Grade3のぶどう膜炎、 肺炎、 気管支痙攣、 下痢、 大腸炎、 神経毒性、 過敏性反応は持続時間に関わらず、 投与中止
  • Grade3の内分泌障害で、生理的なホルモン補充のみで十分なコントロールが可能な場合は、 投与中止せず
  • Grade3の薬剤関連臨床検査値異常は投与中止せず
  • Grade3、 7日超の出血を伴う血小板減少症は投与中止
  • 肝機能検査異常で、 ASTまたは ALT が>正常値上限8倍 or T-bilが>正常値上限5倍、 ASTまたはALTが>正常値上限3倍 or T-bil >正常値上限2倍を満たす場合は投与中止
  • Grade4の有害事象または薬剤関連臨床検査値異常 (以下の場合は投与中止せず)
  • 7日以内のGrade4の好中球減少症
  • Grade4のリンパ球減少症または白血球減少症
  • 膵炎の症状や臨床症状を伴わないGrade4のアミラーゼまたはリパーゼ異常
  • 72時間以内に補充や適切な管理によって改善される臨床症状をを伴わないGrade4の電解質異常/不均衡
  • ホルモン補充療法で十分にコントロールされている副腎機能不全、 甲状腺機能亢進症、 甲状腺機能低下症、 血糖値異常など

・6週間以上続く投与遅延

主な有害事象

CheckMate 274試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 下痢 16.8% (0.9%)
  • ALT上昇 4.3% (0.6%)
  • AST上昇 3.7% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 甲状腺機能低下症 9.7% (0%)
  • 甲状腺機能亢進症 9.4% (0%)
  • 血尿 0.6% (0%)

特徴と注意点

保険適応の範囲は術後補助療法のみ

関連する臨床試験|CheckMate 274試験¹⁾

筋層浸潤性尿路上皮癌の術後患者において、 抗PD-1抗体ニボルマブ投与の効果を、 プラセボを対照に検証した第Ⅲ相比較試験CheckMate 274の結果より、 無病生存期間 (DFS) に対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

DFS中央値

  • ニボルマブ群:20.8ヵ月
(95%CI 16.5-27.6ヵ月)
  • プラセボ群:10.8ヵ月
(95%CI 8.3-13.9ヵ月)

DFS率 (6ヵ月時、 12ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:74.9%、 62.8%
  • プラセボ群:60.3%、 46.6%
HR 0.70  (98.22%CI 0.55-0.90)、p<0.001

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:74.5%、 67.2%
  • プラセボ群:55.7%、 45.9%
HR 0.55  (98.72%CI 0.35-0.85)、p<0.001

DFSのサブグループ解析

リンパ節転移の有無、 PD-L1発現の有無、 プラチナベースの前治療の有無に関わらず、 ニボルマブ群の方がプラセボ群よりDFSは高かった。

NUTRFS中央値

  • ニボルマブ群:22.9ヵ月
(95%CI 19.2-33.4ヵ月)
  • プラセボ群:13.7ヵ月
(95%CI 8.4-20.3ヵ月)

NUTRFS率 (6ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:77.0%
  • プラセボ群:62.7%
HR 0.72  (95%CI 0.59-0.89)

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:75.3%
  • プラセボ群:56.7%
HR 0.55  (95%CI 0.39-0.79)

DMFS中央値

  • ニボルマブ群:40.5ヵ月
(95%CI 22.4ヵ月-推定不能)
  • プラセボ群:29.5ヵ月
(95%CI 16.7ヵ月-推定不能)

DMFS率 (6ヵ月時)

全患者

  • ニボルマブ群:82.5%
  • プラセボ群:69.8%
HR 0.75  (95%CI 0.59-0.94)

PD-L1陽性患者

  • ニボルマブ群:78.7%
  • プラセボ群:65.7%
HR 0.61  (95%CI 0.42-0.90)

OS、 DSS

追跡調査後に評価予定

参考文献

  1. Adjuvant Nivolumab versus Placebo in Muscle-Invasive Urothelial Carcinoma. N Engl J Med . 2021 Jun 3;384(22):2102-2114. PMID: 34077643
最終更新日:2023年10月11日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。

前立腺癌
腎細胞癌
膀胱癌