- アドリアシン® (添付文書¹⁾)
- イホマイド® (添付文書²⁾)
国際第Ⅲ相試験³⁾よりプロトコル
国際第Ⅲ相試験³⁾よりプロトコル
Grade3~4の主な有害事象
悪性骨軟部腫瘍に対して保険適用があるが、 タキサン系薬剤の有効性が示されて以降、 AI療法が1次治療として使用されることはほぼない。
また、 2次治療以降の候補薬剤の比較試験は無いが、 心毒性などの有害事象から高齢者の多い皮膚血管肉腫に使いにくいという背景もあり、 近年では他の薬剤が使用されることが多い。
ドキソルビシン20~30mg/m²を1日1回2日間連続で30分で点滴静注、 イホスファミド2g/m²を1日1回5日連続で4時間で点滴静注する。 その後休薬し3~4週間毎に繰り返す。
ただし、 総投与量はドキソルビシン500mg/m²以下、 イホスファミド1コース10g/m²以下とする。 血液毒性の有害事象が多く、 30%程度の症例で減量を要する³⁾。
皮膚血管肉腫を対象とした前向き比較試験は存在しないが、 EORTCで実施された軟部肉腫に対するアンスラサイクリン系レジメンの統合解析では、 108人の局所進行または転移性血管肉腫患者において、 奏効率25%、 PFS中央値4.9ヵ月、 OS中央値9.9ヵ月と報告されている⁴⁾。
アンスラサイクリン単剤に対してAI療法は単変量解析でPFSのHR 0.53 (95%CI 0.33-0.86)、 OSのHR 0.53 (95%CI 0.32-0.90) と、 AI療法が予後を改善させる可能性が報告されている⁴⁾。
しかし、 これらの報告は少数例で皮膚血管肉腫対象では無いことに留意する必要がある。
ドキソルビシンによる心筋障害は総投与量500mg/m²を超えると頻度が多くなるため注意が必要である。
また薬液が血管外に漏出した場合は組織障害、 皮膚壊死などを起こす危険性があるため、 投与経路の確保、 投与中の異常が無いか観察する必要がある。 血管外漏出した場合は、 デクスラゾキサンの投与を検討する。 イホスファミドを使用する時は出血性膀胱炎の予防のためにメスナを使用する。
最終更新日 : 2024年11月12日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
- アドリアシン® (添付文書¹⁾)
- イホマイド® (添付文書²⁾)
国際第Ⅲ相試験³⁾よりプロトコル
国際第Ⅲ相試験³⁾よりプロトコル
Grade3~4の主な有害事象
悪性骨軟部腫瘍に対して保険適用があるが、 タキサン系薬剤の有効性が示されて以降、 AI療法が1次治療として使用されることはほぼない。
また、 2次治療以降の候補薬剤の比較試験は無いが、 心毒性などの有害事象から高齢者の多い皮膚血管肉腫に使いにくいという背景もあり、 近年では他の薬剤が使用されることが多い。
ドキソルビシン20~30mg/m²を1日1回2日間連続で30分で点滴静注、 イホスファミド2g/m²を1日1回5日連続で4時間で点滴静注する。 その後休薬し3~4週間毎に繰り返す。
ただし、 総投与量はドキソルビシン500mg/m²以下、 イホスファミド1コース10g/m²以下とする。 血液毒性の有害事象が多く、 30%程度の症例で減量を要する³⁾。
皮膚血管肉腫を対象とした前向き比較試験は存在しないが、 EORTCで実施された軟部肉腫に対するアンスラサイクリン系レジメンの統合解析では、 108人の局所進行または転移性血管肉腫患者において、 奏効率25%、 PFS中央値4.9ヵ月、 OS中央値9.9ヵ月と報告されている⁴⁾。
アンスラサイクリン単剤に対してAI療法は単変量解析でPFSのHR 0.53 (95%CI 0.33-0.86)、 OSのHR 0.53 (95%CI 0.32-0.90) と、 AI療法が予後を改善させる可能性が報告されている⁴⁾。
しかし、 これらの報告は少数例で皮膚血管肉腫対象では無いことに留意する必要がある。
ドキソルビシンによる心筋障害は総投与量500mg/m²を超えると頻度が多くなるため注意が必要である。
また薬液が血管外に漏出した場合は組織障害、 皮膚壊死などを起こす危険性があるため、 投与経路の確保、 投与中の異常が無いか観察する必要がある。 血管外漏出した場合は、 デクスラゾキサンの投与を検討する。 イホスファミドを使用する時は出血性膀胱炎の予防のためにメスナを使用する。
最終更新日 : 2024年11月12日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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