治療スケジュール
概要
監修医師

DD:デニロイキン ジフチトクス(レミトロ®)

投与量コース投与日
9µ/kg 点滴静注1~Day 1~5

前投薬

投与開始30分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン薬投与.

その他

1コース21日間. 最大8コース.
Day 1-5まで1日1回1時間かけて点滴静注.
毛細血管漏出症候群軽減のため、 投与前後に生理食塩液等の輸液を投与.
レジメン
Denileukin Diftitox
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

国内第II相臨床試験 (国内205試験) より引用 (総合製品情報概要の情報を参照し作成).

骨髄抑制

  • リンパ球減少症 (≧Grade3 56.8%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 16.2%)

主な有害事象

  • AST増加 (89.2%、 ≧Grade3 43.2%)
  • ALT増加 (86.5%、 ≧Grade3 54.1%)
  • γ-GTP増加 (45.9%、 ≧Grade3 16.2%)
  • リパーゼ増加 (18.9%、 ≧Grade3 16.2%)
  • 毛細血管漏出症候群 (13.5%、 ≧Grade3 10.8%)

その他重要な有害事象

  • 悪心 (27.0%)
  • 横紋筋融解症 (5.4%)
  • 霧視 (2.7%)
  • 肺炎 (2.7%)
  • サイトメガロウイルス性脈絡網膜炎 (2.7%)
  • Infusion reaction (51.4%)
  • 不整脈 (5.4%)

特徴と注意点

  • 保険適用:①再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫、 ②再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫.
  • インターロイキン2 (IL-2) とジフテリア毒素の部分配列からなる融合タンパク質.
  • 腫瘍細胞表面上のIL-2受容遺体と特異的に結合する.
  • 細胞内に移行したジフテリア毒素断片がタンパク質合成を阻害し、 細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を示す. 
  • 毛細血管漏出症候群による死亡例が報告されている.
  • 投与前後に生理食塩液等の輸液を考慮し、 投与開始前及び投与期間中は血清アルブミン値、 血圧、 脈拍、 体重の測定を行う.

関連する臨床試験の結果

国内第II相臨床試験 (国内205試験) (論文未公表であり適正使用ガイドの情報を参照し掲載)

概要

  • 多施設共同単群第II相試験.
  • 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫 (PTCL) 17例及び皮膚T細胞性リンパ腫 (CTCL) 19例.
ORR:奏効率 CR:完全奏効 PR:部分奏効 PFS:無増悪生存期間 DOR:奏効期間 OS:全生存期間

結果

  • ORR (CR+PR):PTCL 41.2% (95% CI 18.4-67.1)、CTCL 31.6% (95% CI 12.6-56.6). 
  • PFS (中央値):PTCL 2.14ヵ月 (95% CI 1.05-4.47)、CTCL 4.24ヵ月 (95% CI 2.56-NE). 
  • PFS率 (3ヵ月):PTCL 27.4% (95% CI 7.3-52.7)、CTCL 70.8% (95% CI 43.5-86.7). 
  • PFS率 (6ヵ月):PTCL 18.3% (95% CI 3.1-43.5)、CTCL 45.5% (95% CI 21.1-67.0). 
  • DOR (中央値):PTCL 3.09ヵ月 (95% CI 0.92-4.76)、CTCL 4.83ヵ月 (95% CI 2.66-NE). 
  • DOR率 (3ヵ月):PTCL 62.5% (95% CI 14.2-89.3)、CTCL 75.0% (95% CI 12.8-96.1).  
  • OS (中央値):PTCL 11.79ヵ月 (95% CI 4.11-19.29)、CTCL 31.87ヵ月 (95% CI 16.85-NE).
  • OS率 (6ヵ月):PTCL 70.6% (95% CI 43.1-86.6)、CTCL 94.7% (95% CI 68.1-99.2). 
  • OS率 (12ヵ月):PTCL 44.1% (95% CI 19.6-66.3)、CTCL 94.7% (95% CI 68.1-99.2).
  • OS率 (18ヵ月):PTCL 29.4% (95% CI 9.5-52.9)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).
  • OS率 (24ヵ月):PTCL 14.7% (95% CI 2.5-37.1)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).
  • OS率 (30ヵ月):PTCL 7.4% (95% CI 0.5-28.0)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).

参考文献

  1. レミトロ総合製品情報概要

最終更新:2022年10月9日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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デニロイキン ジフチトクス(レミトロ®)
2023年09月29日更新

DD:デニロイキン ジフチトクス(レミトロ®)

投与量コース投与日
9µ/kg 点滴静注1~Day 1~5

前投薬

投与開始30分前に抗ヒスタミン薬、 解熱鎮痛薬、 副腎皮質ホルモン薬投与.

その他

1コース21日間. 最大8コース.
Day 1-5まで1日1回1時間かけて点滴静注.
毛細血管漏出症候群軽減のため、 投与前後に生理食塩液等の輸液を投与.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

国内第II相臨床試験 (国内205試験) より引用 (総合製品情報概要の情報を参照し作成).

骨髄抑制

  • リンパ球減少症 (≧Grade3 56.8%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 16.2%)

主な有害事象

  • AST増加 (89.2%、 ≧Grade3 43.2%)
  • ALT増加 (86.5%、 ≧Grade3 54.1%)
  • γ-GTP増加 (45.9%、 ≧Grade3 16.2%)
  • リパーゼ増加 (18.9%、 ≧Grade3 16.2%)
  • 毛細血管漏出症候群 (13.5%、 ≧Grade3 10.8%)

その他重要な有害事象

  • 悪心 (27.0%)
  • 横紋筋融解症 (5.4%)
  • 霧視 (2.7%)
  • 肺炎 (2.7%)
  • サイトメガロウイルス性脈絡網膜炎 (2.7%)
  • Infusion reaction (51.4%)
  • 不整脈 (5.4%)

特徴と注意点

  • 保険適用:①再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫、 ②再発又は難治性の皮膚T細胞性リンパ腫.
  • インターロイキン2 (IL-2) とジフテリア毒素の部分配列からなる融合タンパク質.
  • 腫瘍細胞表面上のIL-2受容遺体と特異的に結合する.
  • 細胞内に移行したジフテリア毒素断片がタンパク質合成を阻害し、 細胞死を誘導することで抗腫瘍効果を示す. 
  • 毛細血管漏出症候群による死亡例が報告されている.
  • 投与前後に生理食塩液等の輸液を考慮し、 投与開始前及び投与期間中は血清アルブミン値、 血圧、 脈拍、 体重の測定を行う.

関連する臨床試験の結果

国内第II相臨床試験 (国内205試験) (論文未公表であり適正使用ガイドの情報を参照し掲載)

概要

  • 多施設共同単群第II相試験.
  • 再発又は難治性の末梢性T細胞リンパ腫 (PTCL) 17例及び皮膚T細胞性リンパ腫 (CTCL) 19例.
ORR:奏効率 CR:完全奏効 PR:部分奏効 PFS:無増悪生存期間 DOR:奏効期間 OS:全生存期間

結果

  • ORR (CR+PR):PTCL 41.2% (95% CI 18.4-67.1)、CTCL 31.6% (95% CI 12.6-56.6). 
  • PFS (中央値):PTCL 2.14ヵ月 (95% CI 1.05-4.47)、CTCL 4.24ヵ月 (95% CI 2.56-NE). 
  • PFS率 (3ヵ月):PTCL 27.4% (95% CI 7.3-52.7)、CTCL 70.8% (95% CI 43.5-86.7). 
  • PFS率 (6ヵ月):PTCL 18.3% (95% CI 3.1-43.5)、CTCL 45.5% (95% CI 21.1-67.0). 
  • DOR (中央値):PTCL 3.09ヵ月 (95% CI 0.92-4.76)、CTCL 4.83ヵ月 (95% CI 2.66-NE). 
  • DOR率 (3ヵ月):PTCL 62.5% (95% CI 14.2-89.3)、CTCL 75.0% (95% CI 12.8-96.1).  
  • OS (中央値):PTCL 11.79ヵ月 (95% CI 4.11-19.29)、CTCL 31.87ヵ月 (95% CI 16.85-NE).
  • OS率 (6ヵ月):PTCL 70.6% (95% CI 43.1-86.6)、CTCL 94.7% (95% CI 68.1-99.2). 
  • OS率 (12ヵ月):PTCL 44.1% (95% CI 19.6-66.3)、CTCL 94.7% (95% CI 68.1-99.2).
  • OS率 (18ヵ月):PTCL 29.4% (95% CI 9.5-52.9)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).
  • OS率 (24ヵ月):PTCL 14.7% (95% CI 2.5-37.1)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).
  • OS率 (30ヵ月):PTCL 7.4% (95% CI 0.5-28.0)、CTCL 78.9% (95% CI 47.0-92.9).

参考文献

  1. レミトロ総合製品情報概要

最終更新:2022年10月9日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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