治療スケジュール
概要
監修医師

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注射1~Day 1、4、8、11

ADM:アドリアマイシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
9mg/m² 点滴静注1~Day 1~4

DEX: デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg 経口or点滴静注1~Day 1~4、9~12、17~20

前投薬

ADM投与前:5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは28日間.
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本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

適正使用ガイド

*適正使用ガイドは「ヤンセンファーマ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

GMMG-MM5試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 白血球減少症/好中球減少症 (≧Grade3 11.3%).
  • 血小板減少症 (≧Grade3 7.3%).
  • 貧血 (≧Grade3 7.7%).

主な有害事象

  • 感染症 (≧Grade2 24.6%、 ≧Grade4 12.9%).
  • 神経障害 (≧Grade2 14.9%).

その他重要な有害事象

  • 血栓塞栓症 (≧Grade2 5.6%、 ≧Grade4 2.8%).
  • 胃腸障害 (≧Grade3 8.5%、 ≧Grade4 6.0%).
  • 心障害 (≧Grade2 2.8%、 ≧Grade4 2.0%).
  • 腎、 尿路障害 (≧Grade3 1.6%、 ≧Grade4 1.6%).
  • 筋骨格、 結合組織障害 (≧Grade4 3.6%).
  • 感染症による死亡 (1.2%).
  • 感染症以外による死亡 (1.2%).

特徴と注意点

  • 未治療患者への自家移植前の寛解導入療法として使用される.
  • ニューモシスチス肺炎予防のため、 ST合剤投与を推奨.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬投与を推奨.

副作用と対策

  • ボルテゾミブによる末梢神経障害が出現した際は添付文書に従い減量する.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.
  • アドリアマイシンには非可逆的な心毒性のリスクがあり、 累積投与量は500mg/m²が上限.

関連する臨床試験の結果

GMMG-MM5試験 ¹⁾

概要

  • 多施設共同ランダム化第3相試験 (オープンラベル)
  • 目的:自家移植前の寛解導入療法として、 VCD療法のPAd療法に対する非劣性を検証する試験.
  • 対象:18-70歳の未治療症候性多発性骨髄腫患者504例.
  • 治療:VCD療法又はPAd療法を施行後に自家移植を施行. 自家移植後にレナリドミド (Len) 25mgの地固め療法を2サイクル施行後、 Len維持療法を施行.
  • PAd療法:本稿の投与方法通り (但し当時ボルテゾミブは皮下注でなく静注). 1サイクル28日.
  • VCD療法:ボルテゾミブ 1.3mg/静注 (day1、4、8、11)、 シクロホスファミド 900mg/点滴静注 (day1)、 デキサメタゾン 40mg (day1-2、4-5、8-9、11-12). 1サイクル21日.
PAd: ボルテゾミブ、 ドキソルビシン、 デキサメタゾン VCD:ボルテゾミブ、 シクロホスファミド、 デキサメタゾン

結果

  • ⩾VGPR率:PAd群 34.3% vs VCD群 37.0% (非劣性 p=0.001).
  • 有害事象は上記の通り.

結論

  • 寛解導入療法としてVCD療法はPAd療法と同様に有効.

参考文献

  1. Leukemia. 2015 Aug;29(8):1721-9.

最終更新:2023年5月14日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ボルテゾミブ、アドリアマイシン、デキサメタゾン
2023年05月14日更新

BOR:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注射1~Day 1、4、8、11

ADM:アドリアマイシン(アドリアシン®)

投与量コース投与日
9mg/m² 点滴静注1~Day 1~4

DEX: デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg 経口or点滴静注1~Day 1~4、9~12、17~20

前投薬

ADM投与前:5-HT3受容体拮抗薬.

その他

1コースは28日間.

概要

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主な有害事象

GMMG-MM5試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 白血球減少症/好中球減少症 (≧Grade3 11.3%).
  • 血小板減少症 (≧Grade3 7.3%).
  • 貧血 (≧Grade3 7.7%).

主な有害事象

  • 感染症 (≧Grade2 24.6%、 ≧Grade4 12.9%).
  • 神経障害 (≧Grade2 14.9%).

その他重要な有害事象

  • 血栓塞栓症 (≧Grade2 5.6%、 ≧Grade4 2.8%).
  • 胃腸障害 (≧Grade3 8.5%、 ≧Grade4 6.0%).
  • 心障害 (≧Grade2 2.8%、 ≧Grade4 2.0%).
  • 腎、 尿路障害 (≧Grade3 1.6%、 ≧Grade4 1.6%).
  • 筋骨格、 結合組織障害 (≧Grade4 3.6%).
  • 感染症による死亡 (1.2%).
  • 感染症以外による死亡 (1.2%).

特徴と注意点

  • 未治療患者への自家移植前の寛解導入療法として使用される.
  • ニューモシスチス肺炎予防のため、 ST合剤投与を推奨.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ヘルペスウイルス薬投与を推奨.

副作用と対策

  • ボルテゾミブによる末梢神経障害が出現した際は添付文書に従い減量する.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.
  • アドリアマイシンには非可逆的な心毒性のリスクがあり、 累積投与量は500mg/m²が上限.

関連する臨床試験の結果

GMMG-MM5試験 ¹⁾

概要

  • 多施設共同ランダム化第3相試験 (オープンラベル)
  • 目的:自家移植前の寛解導入療法として、 VCD療法のPAd療法に対する非劣性を検証する試験.
  • 対象:18-70歳の未治療症候性多発性骨髄腫患者504例.
  • 治療:VCD療法又はPAd療法を施行後に自家移植を施行. 自家移植後にレナリドミド (Len) 25mgの地固め療法を2サイクル施行後、 Len維持療法を施行.
  • PAd療法:本稿の投与方法通り (但し当時ボルテゾミブは皮下注でなく静注). 1サイクル28日.
  • VCD療法:ボルテゾミブ 1.3mg/静注 (day1、4、8、11)、 シクロホスファミド 900mg/点滴静注 (day1)、 デキサメタゾン 40mg (day1-2、4-5、8-9、11-12). 1サイクル21日.
PAd: ボルテゾミブ、 ドキソルビシン、 デキサメタゾン VCD:ボルテゾミブ、 シクロホスファミド、 デキサメタゾン

結果

  • ⩾VGPR率:PAd群 34.3% vs VCD群 37.0% (非劣性 p=0.001).
  • 有害事象は上記の通り.

結論

  • 寛解導入療法としてVCD療法はPAd療法と同様に有効.

参考文献

  1. Leukemia. 2015 Aug;29(8):1721-9.

最終更新:2023年5月14日
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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