- ベプシド® (添付文書¹⁾)
EORTCガイドライン⁴⁾のプロトコル
エトポシド80-120mg/m²をDay1-3に、 シスプラチン1回60-80mg/m²をDay1に点滴静注し、 これを1サイクルとして3-4週毎に繰り返す。
カルボプラチンを使用する場合は1回AUC5相当量をDay1に点滴静注し、 エトポシド80-100 mg/m²をDay1-3に点滴静注する。 これを1サイクルとして4週毎に繰り返す⁴⁾。
メルケル細胞癌は皮膚の神経内分泌癌であることから、 アベルマブ承認前は肺神経内分泌腫瘍である小細胞肺癌 (SCLC) に準じた薬物療法が1次治療として行われており、 本レジメンもそのうちの一つであった。 アベルマブ不応、 不耐例や免疫チェックポイント阻害薬が使用できない患者で選択される。
なお、 高齢者の多いメルケル細胞癌ではCDDPの代わりにCBDCAが使用されることが多い。 なお、プラチナ併用としてはIP (Irinotecan+CDDP) も選択肢に挙がるが、 本レジメンが選択されることの方が多い。
副作用として骨髄抑制が見られることが多く、 発熱性好中球減少症や敗血症の報告もあるため、 患者の状態に応じて減量や休薬を検討する。
高齢者に多い疾患であるためCDDPを使用する機会は少ない。 骨髄抑制や倦怠感、 脱毛、 悪心、 嘔吐、 腎毒性などの有害事象が多く見られ、 治療関連死の報告もある。 奏効率は高いものの奏効の持続は限られており、 副作用の観点からも昨今では1次治療として使用されることは無く、 アベルマブ投与後の2次治療として用いられる。
前向き試験は存在しないが、 症例集積研究では27例に対して奏効率60% (CR36%、 PR24%) であったと報告されている⁵⁾。
また、 EP/EC療法が69%を占める化学療法の症例集積では、 1次治療として使用された場合は奏効率55% (CR13%、 PR42%)、 無増悪生存期間中央値94日、 奏効持続期間中央値85日と報告されている⁶⁾。 2次治療の場合は有効性が劣るとされているが、 免疫チェックポイント阻害薬の承認前のデータであり、 今後の検証が必要である。 副作用は重篤なものとして発熱性好中球減少、 敗血症が挙げられている。
主な有害事象
主な有害事象
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
- ベプシド® (添付文書¹⁾)
EORTCガイドライン⁴⁾のプロトコル
エトポシド80-120mg/m²をDay1-3に、 シスプラチン1回60-80mg/m²をDay1に点滴静注し、 これを1サイクルとして3-4週毎に繰り返す。
カルボプラチンを使用する場合は1回AUC5相当量をDay1に点滴静注し、 エトポシド80-100 mg/m²をDay1-3に点滴静注する。 これを1サイクルとして4週毎に繰り返す⁴⁾。
メルケル細胞癌は皮膚の神経内分泌癌であることから、 アベルマブ承認前は肺神経内分泌腫瘍である小細胞肺癌 (SCLC) に準じた薬物療法が1次治療として行われており、 本レジメンもそのうちの一つであった。 アベルマブ不応、 不耐例や免疫チェックポイント阻害薬が使用できない患者で選択される。
なお、 高齢者の多いメルケル細胞癌ではCDDPの代わりにCBDCAが使用されることが多い。 なお、プラチナ併用としてはIP (Irinotecan+CDDP) も選択肢に挙がるが、 本レジメンが選択されることの方が多い。
副作用として骨髄抑制が見られることが多く、 発熱性好中球減少症や敗血症の報告もあるため、 患者の状態に応じて減量や休薬を検討する。
高齢者に多い疾患であるためCDDPを使用する機会は少ない。 骨髄抑制や倦怠感、 脱毛、 悪心、 嘔吐、 腎毒性などの有害事象が多く見られ、 治療関連死の報告もある。 奏効率は高いものの奏効の持続は限られており、 副作用の観点からも昨今では1次治療として使用されることは無く、 アベルマブ投与後の2次治療として用いられる。
前向き試験は存在しないが、 症例集積研究では27例に対して奏効率60% (CR36%、 PR24%) であったと報告されている⁵⁾。
また、 EP/EC療法が69%を占める化学療法の症例集積では、 1次治療として使用された場合は奏効率55% (CR13%、 PR42%)、 無増悪生存期間中央値94日、 奏効持続期間中央値85日と報告されている⁶⁾。 2次治療の場合は有効性が劣るとされているが、 免疫チェックポイント阻害薬の承認前のデータであり、 今後の検証が必要である。 副作用は重篤なものとして発熱性好中球減少、 敗血症が挙げられている。
主な有害事象
主な有害事象
最終更新日 : 2024年12月10日
監修薬剤師:国立がん研究センター中央病院 腫瘍内科 宇田川 涼子先生
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 中野英司先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。