概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*小野薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

上記を4コース終了後以下のいずれかを選択

投与開始基準¹⁾

18歳以上の未治療の進行性腎細胞癌 (clear-cell成分を含む)でKarnofsky PSが≧70の患者

関連コンテンツ:KPS (Karnofsky Performance Scale)

中止基準¹⁾

  • 局所療法に反応しないGrade2のぶどう膜炎、 眼痛、 視力低下が治療期間内にGrade1に改善しない、 または全身療法が必要となった場合
  • ≧Grade3の皮膚以外の有害事象が7日以上継続 (Grade3の眼炎、 肺炎、 気管支痙攣、 下痢、 大腸炎、 神経毒性、 および過敏症反応は期間にかかわらず中止)
  • ASTまたはALTが正常値の>8倍、 T-bilが正常値>5倍、 ASTまたはALTが正常値の>3倍かつT-bilが正常値>2倍
  • Grade4の臨床検査値異常 (症状のないGrade4のアミラーゼまたはリパーゼ上昇は除く)

主な有害事象

CheckMate-214試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 血小板減少症0.4% (0%)
  • 倦怠感 36.9% (4.2%)
  • 下痢 26.5% (3.8%)
  • 嘔気 19.9% (1.5%)
  • 食欲低下 13.7% (1.3%)
  • 嘔吐 10.8% (0.7%)
  • 貧血 6.2% (0.4%)
  • 口内炎 4.2% (0%)
  • 消化不良 2.7% (0%)
  • 粘膜炎症 2.4% (0%)

注意すべき有害事象

  • 高血圧 2.2% (0.7%)
  • 手掌・足底発赤知覚不全症候群 0.9% (0%)

上手に使うためのワンポイント

保険適応

IMDC分類でIntermadiateおよびPoorリスクの症例に対し効果が認められ保険適応対象である。

PDとなる症例は20%ほど

1次治療の免疫併用療法の中ではもっともDuration of responseが長いレジメンである。 一方、 奏効せず初回効果判定でPDとなる症例は20%ほど存在し、 他レジメンに比べると注意が必要となる。

関連する臨床試験|CheckMate-214試験¹⁾

未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌において、 免疫チェックポイント阻害剤のイピリムマブ (抗CTLA-4抗体)とニボルマブ (抗PD-1抗体) の併用療法は、 スニチニブに対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

OS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
(95%CI 35.6ヵ月-未到達)
  • スニチニブ群:26.6ヵ月
(95%CI 22.1-33.4ヵ月)
HR 0.66  (95%CI 0.54-0.80)、 p<0.0001

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
  • スニチニブ群:37.9ヵ月
(95%CI 32.2ヵ月-未到達)
HR 0.71  (95%CI 0.59-0.86)、 p<0.01

PFS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:8.2ヵ月
(95%CI 6.9-10.0ヵ月)
  • スニチニブ群:8.3ヵ月
(95%CI 7.0-8.8ヵ月)
HR 0.77  (95%CI 0.65-0.90)、 p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.1-11.1ヵ月)
  • スニチニブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.3-11.1ヵ月)
HR 0.85  (95%CI 0.73-0.98)、p=0.03

ORR (95%CI)

イピリムマブ+ニボルマブ群では各リスク群で同等であったが、 スニチニブ群では予後不良患者でORRは低かった。

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:42%
(95%CI 37-47%)
  • スニチニブ群:29%
(95%CI 25-34%)
p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:41%
(95%CI 37-46%)
  • スニチニブ群:34%
(95%CI 30-38%)
p=0.02

PD-L1発現

  • PD-L1発現量に関わらず、 OSはイピリムマブ+ニボルマブ群の方がスニチニブ群より長かった。
  • PFSについては、PD-L1発現が1%以上の患者ではイピリムマブ+ニボルマブ群の方が長かった一方で、 PD-L1発現が1%未満の患者では両群に差はみられなかった。

参考文献

  1. Nivolumab plus Ipilimumab versus Sunitinib in Advanced Renal-Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2018 Apr 5;378(14):1277-1290. PMID: 29562145
更新日:2023年10月10日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
IPI+Nivo
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
IPI+Nivo
レジメン
IPI+Nivo

IPI+Nivo

イピリムマブ (ヤーボイ®)+ニボルマブ (オプジーボ®)
2024年03月03日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*小野薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

上記を4コース終了後以下のいずれかを選択

投与開始基準¹⁾

18歳以上の未治療の進行性腎細胞癌 (clear-cell成分を含む)でKarnofsky PSが≧70の患者

関連コンテンツ:KPS (Karnofsky Performance Scale)

中止基準¹⁾

  • 局所療法に反応しないGrade2のぶどう膜炎、 眼痛、 視力低下が治療期間内にGrade1に改善しない、 または全身療法が必要となった場合
  • ≧Grade3の皮膚以外の有害事象が7日以上継続 (Grade3の眼炎、 肺炎、 気管支痙攣、 下痢、 大腸炎、 神経毒性、 および過敏症反応は期間にかかわらず中止)
  • ASTまたはALTが正常値の>8倍、 T-bilが正常値>5倍、 ASTまたはALTが正常値の>3倍かつT-bilが正常値>2倍
  • Grade4の臨床検査値異常 (症状のないGrade4のアミラーゼまたはリパーゼ上昇は除く)

主な有害事象

CheckMate-214試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 血小板減少症0.4% (0%)
  • 倦怠感 36.9% (4.2%)
  • 下痢 26.5% (3.8%)
  • 嘔気 19.9% (1.5%)
  • 食欲低下 13.7% (1.3%)
  • 嘔吐 10.8% (0.7%)
  • 貧血 6.2% (0.4%)
  • 口内炎 4.2% (0%)
  • 消化不良 2.7% (0%)
  • 粘膜炎症 2.4% (0%)

注意すべき有害事象

  • 高血圧 2.2% (0.7%)
  • 手掌・足底発赤知覚不全症候群 0.9% (0%)

上手に使うためのワンポイント

保険適応

IMDC分類でIntermadiateおよびPoorリスクの症例に対し効果が認められ保険適応対象である。

PDとなる症例は20%ほど

1次治療の免疫併用療法の中ではもっともDuration of responseが長いレジメンである。 一方、 奏効せず初回効果判定でPDとなる症例は20%ほど存在し、 他レジメンに比べると注意が必要となる。

関連する臨床試験|CheckMate-214試験¹⁾

未治療の進行性または転移性の淡明細胞型腎細胞癌において、 免疫チェックポイント阻害剤のイピリムマブ (抗CTLA-4抗体)とニボルマブ (抗PD-1抗体) の併用療法は、 スニチニブに対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

OS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
(95%CI 35.6ヵ月-未到達)
  • スニチニブ群:26.6ヵ月
(95%CI 22.1-33.4ヵ月)
HR 0.66  (95%CI 0.54-0.80)、 p<0.0001

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:未到達
  • スニチニブ群:37.9ヵ月
(95%CI 32.2ヵ月-未到達)
HR 0.71  (95%CI 0.59-0.86)、 p<0.01

PFS中央値 (95%CI)

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:8.2ヵ月
(95%CI 6.9-10.0ヵ月)
  • スニチニブ群:8.3ヵ月
(95%CI 7.0-8.8ヵ月)
HR 0.77  (95%CI 0.65-0.90)、 p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.1-11.1ヵ月)
  • スニチニブ群:9.7ヵ月
(95%CI 8.3-11.1ヵ月)
HR 0.85  (95%CI 0.73-0.98)、p=0.03

ORR (95%CI)

イピリムマブ+ニボルマブ群では各リスク群で同等であったが、 スニチニブ群では予後不良患者でORRは低かった。

Intermediate/Poorリスク患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:42%
(95%CI 37-47%)
  • スニチニブ群:29%
(95%CI 25-34%)
p<0.01

全患者

  • イピリムマブ+ニボルマブ群:41%
(95%CI 37-46%)
  • スニチニブ群:34%
(95%CI 30-38%)
p=0.02

PD-L1発現

  • PD-L1発現量に関わらず、 OSはイピリムマブ+ニボルマブ群の方がスニチニブ群より長かった。
  • PFSについては、PD-L1発現が1%以上の患者ではイピリムマブ+ニボルマブ群の方が長かった一方で、 PD-L1発現が1%未満の患者では両群に差はみられなかった。

参考文献

  1. Nivolumab plus Ipilimumab versus Sunitinib in Advanced Renal-Cell Carcinoma. N Engl J Med. 2018 Apr 5;378(14):1277-1290. PMID: 29562145
更新日:2023年10月10日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。