治療スケジュール
概要
監修医師

POM:ポマリドミド(ポマリスト®)

投与量コース投与日
4mg/body 経口1~Day 1~14

Bor:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11
1.3mg/m² 皮下注9~Day 1、8

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body 経口9~Day 1、2、8、9

その他

1コースは21日間.
76歳以上や全身状態不良例はDEXを1回10mgへ減量.
レジメン
PBd(PVd)
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ポマリスト®適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

*ベルケイド®適正使用ガイドは「武田薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

OPTIMISMM試験 (MM-007試験) ¹⁾ より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 13%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 28%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 41%)

主な有害事象

  • 末梢神経障害 (48%、 ≧Grade3 8%)
  • 便秘 (37%、 ≧Grade3 3%)
  • 末梢性浮腫 (34%、 ≧Grade3 2%)
  • 倦怠感 (37%、 ≧Grade3 8%)
  • 下痢 (34%、 ≧Grade3 7%)
  • 発熱 (23%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (21%、 ≧Grade3 0%)
  • 上気道感染 (21%、 ≧Grade3 1%)
  • 背部痛 (19%、 ≧Grade3 1%)
  • 嘔気 (17%、 ≧Grade3 <1%)
  • 呼吸困難 (20%、 ≧Grade3 3%)
  • めまい (17%、 ≧Grade3 <1%)
  • 無力症 (17%、 ≧Grade3 3%)
  • 不眠症 (16%、 ≧Grade3 2%)
  • 気管支炎 (14%、 ≧Grade3 1%)
  • 筋力低下 (14%、 ≧Grade3 1%)
  • ウイルス性上気道感染 (11%、 ≧Grade3 0%)

その他の重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (3%)

特徴と注意点

特徴

  • POMはレナリドミド (Lenalidomide:LEN) と同様に免疫調節薬であり、 セレブロンに結合しIKZF1/3の分解を促進することで、 骨髄腫細胞の増殖を抑制し、 免疫細胞を活性化する.
  • POMのLENにない作用としてTP53RK活性の阻害やARID2の分解が報告されている.
  • POMはLENと異なり腎機能に応じた調整を必要としない.

注意点

  • POM使用時は 「RevMate® (レブラミド®・ポマリスト®適正管理手順)」を遵守. 妊娠回避を徹底.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ウイルス薬の予防投与を推奨.
  • 末梢神経障害に注意.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 急性肺障害や間質性肺炎が疑われた際は投与を中止する.

関連する臨床試験の結果

OPTIMISMM試験 (MM-007試験) ¹⁾

概要

  • 対象:レナリドミドを含む1〜3レジメンの投与歴がある多発性骨髄腫患者.
  • PBd療法とBd療法を比較する第3相試験.
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:PBd群 9.53ヵ月 vs Pd群 5.59ヵ月 (HR 0.61、 95%Cl 0.49-0.77、 p<0.0001)
Lancet Oncol. 2019 Jun;20(6):781-794.より引用

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2019 Jun;20(6):781-794.

最終更新:2021年10月31日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
PBd(PVd)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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ポマリドミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン
2023年05月07日更新

POM:ポマリドミド(ポマリスト®)

投与量コース投与日
4mg/body 経口1~Day 1~14

Bor:ボルテゾミブ(ベルケイド®)

投与量コース投与日
1.3mg/m² 皮下注1~8Day 1、4、8、11
1.3mg/m² 皮下注9~Day 1、8

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
20mg/body 経口1~8Day 1、2、4、5、8、9、11、12
20mg/body 経口9~Day 1、2、8、9

その他

1コースは21日間.
76歳以上や全身状態不良例はDEXを1回10mgへ減量.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*ポマリスト®適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ スクイブ株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

*ベルケイド®適正使用ガイドは「武田薬品工業株式会社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

OPTIMISMM試験 (MM-007試験) ¹⁾ より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 13%)
  • 血小板減少症 (≧Grade3 28%)
  • 好中球減少症 (≧Grade3 41%)

主な有害事象

  • 末梢神経障害 (48%、 ≧Grade3 8%)
  • 便秘 (37%、 ≧Grade3 3%)
  • 末梢性浮腫 (34%、 ≧Grade3 2%)
  • 倦怠感 (37%、 ≧Grade3 8%)
  • 下痢 (34%、 ≧Grade3 7%)
  • 発熱 (23%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (21%、 ≧Grade3 0%)
  • 上気道感染 (21%、 ≧Grade3 1%)
  • 背部痛 (19%、 ≧Grade3 1%)
  • 嘔気 (17%、 ≧Grade3 <1%)
  • 呼吸困難 (20%、 ≧Grade3 3%)
  • めまい (17%、 ≧Grade3 <1%)
  • 無力症 (17%、 ≧Grade3 3%)
  • 不眠症 (16%、 ≧Grade3 2%)
  • 気管支炎 (14%、 ≧Grade3 1%)
  • 筋力低下 (14%、 ≧Grade3 1%)
  • ウイルス性上気道感染 (11%、 ≧Grade3 0%)

その他の重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (3%)

特徴と注意点

特徴

  • POMはレナリドミド (Lenalidomide:LEN) と同様に免疫調節薬であり、 セレブロンに結合しIKZF1/3の分解を促進することで、 骨髄腫細胞の増殖を抑制し、 免疫細胞を活性化する.
  • POMのLENにない作用としてTP53RK活性の阻害やARID2の分解が報告されている.
  • POMはLENと異なり腎機能に応じた調整を必要としない.

注意点

  • POM使用時は 「RevMate® (レブラミド®・ポマリスト®適正管理手順)」を遵守. 妊娠回避を徹底.
  • 血栓塞栓症予防に抗血小板薬又は抗凝固薬の予防投与を推奨.
  • 帯状疱疹予防のため、 抗ウイルス薬の予防投与を推奨.
  • 末梢神経障害に注意.
  • ボルテゾミブはCYP3A4関連の相互作用に注意.
  • 急性肺障害や間質性肺炎が疑われた際は投与を中止する.

関連する臨床試験の結果

OPTIMISMM試験 (MM-007試験) ¹⁾

概要

  • 対象:レナリドミドを含む1〜3レジメンの投与歴がある多発性骨髄腫患者.
  • PBd療法とBd療法を比較する第3相試験.
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:PBd群 9.53ヵ月 vs Pd群 5.59ヵ月 (HR 0.61、 95%Cl 0.49-0.77、 p<0.0001)
Lancet Oncol. 2019 Jun;20(6):781-794.より引用

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2019 Jun;20(6):781-794.

最終更新:2021年10月31日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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