治療スケジュール
概要
監修医師

Sunitinib:スニチニブ(スーテント®)

投与量コース投与日
50mg/日 経口1日1回1~Day1~28

その他

1コース42日間。
3週間のコースは保険適応外だが、 RESTORE試験で²⁾有効性と安全性が検討された。
レジメン
Sunitinib
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

スーテント® (添付文書/適正使用情報*)

*ファイザー株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

3週間のコースは保険適応外だが、 RESTORE試験で²⁾有効性と安全性が検討された。

投与開始基準

減量・休薬・中止基準

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)¹⁾

NCT00083889試験¹⁾

主な有害事象

  • 白血球減少症 20.8% (1.3%)
  • 好中球減少 19.2% (3.2%)
  • 貧血 18.9% (1.1%)
  • 血小板減少症 17.3% (2.1%)
  • リンパ球減少 16.0% (3.2%)
  • 下痢14.1% (1.3%)
  • 倦怠感 13.6% (1.9%)
  • 吐き気 11.7% (0.8%)
  • 嘔吐 6.4% (1.1%)
  • 粘膜炎 5.3% (0.5%)
  • 発熱 1.9% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 高血圧 6.4% (2.1%)
  • 手足症候群 5.3% (1.3%)

RESTORE試験 (4週間投与、 2週間休薬)²⁾

主な有害事象

  • 血小板減少 77.8% (22.2%)
  • 貧血 72.2% (8.3%)
  • 白血球減少症 72.2% (2.8%)
  • 好中球減少症 61.1% (27.8%)
  • 口内炎 86.1% (11.1%)
  • 倦怠感 83.3% (5.6%)
  • 吐き気 25.0% (0%)
  • 嘔吐 16.7% (0%)
  • 下痢 13.9% (2.8%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 75.0% (36.1%)
  • 高血圧 72.2% (33.3%)
  • 甲状腺機能低下症 36.1% (0%)
  • タンパク尿 11.1% (2.8%)

RESTORE試験 (2週間投与、 1週間休薬)²⁾

主な有害事象

  • 血小板減少 71.1% (23.7%)
  • 貧血 71.1% (13.2%)
  • 白血球減少症 50.0% (2.6%)
  • 好中球減少症 36.8% (10.5%)
  • 口内炎 71.1% (2.6%)
  • 倦怠感 57.9% (2.6%)
  • 下痢 36.8% (0%)
  • 吐き気 31.6% (0%)
  • 嘔吐 13.2% (0%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 68.4% (18.4%)
  • 高血圧 55.3% (23.7%)
  • タンパク尿 47.4% (13.2%)
  • 甲状腺機能低下症 44.7% (0%)

上手に使うためのワンポイント

4投2休と 2投1休

1日1回 50mg内服を4週行い2週休薬する4投2休レジメンが基本であるが、 2投1休レジメンは安全性が増し効果は劣らないというRESTORE試験などの結果により、2投1休レジメンもよく用いられる。

特徴と注意点

神経内分泌癌でのスニチニブ投与法は37.5mg連日投与 (休薬なし) のレジメンであるが、 腎がんにおいては37.5mg連日内服レジメンは、 50mg 4投2休レジメンより効果が劣ることが示されているため適用しないよう注意する。

関連する臨床試験|NCT00083889試験¹⁾

未治療の転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブ投与の効果を、 インターフェロンα (IFN-α) を対照に検証した第Ⅲ相比較試験NCT00083889の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) および奏効率 (ORR) 、 患者報告アウトカムに対する有益性が示された。

>>臨床試験の詳細をみる

PFS中央値

  • スニチニブ群:11ヵ月
(95%CI 10-12ヵ月)
  • IFN-α群:5ヵ月
(95%CI 4-6ヵ月)
HR 0.42 (95%CI 0.32-0.54)、 p<0.001

PFSのサブグループ解析

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC) の基準に基づく予後リスクに従って、 3つのカテゴリー (favorable、 intermediate、 poor) に分類。 3つ全てのカテゴリーで、 PFS中央値はスニチニブ群の方がIFN-α群よりも長かった。

OS中央値

初回報告時、 OS中央値は両群いずれも未到達だったものの、スニチニブ群のIFN-α群に対するHRは0.65 (95% CI 0.45-0.9) 、 P=0.02と改善傾向を認めた。

ORR (95%CI)

  • スニチニブ群:31%
(95%CI 26-36%)
  • IFN-α群:6%
(95%CI 4-9%)
p<0.001

関連する臨床試験|RESTORE試験²⁾

再発または転移を有する淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブを2投1休レジメンで投与した場合の有効性と安全性を、 従来の4投1休レジメンを対照に検証した比較試験RESTOREの結果より、 2投1休レジメンは毒性が少なく、 有効性を損なうことなく6ヵ月後の無再発生存率 (FFS) が高いことが示された。

>>臨床試験の詳細をみる

TTF中央値

  • 2投1休群:7.6ヵ月
(95%CI 4.4-10.9ヵ月)
  • 4投2休群:6.0ヵ月
(95%CI 3.1-8.9ヵ月)
HR 0.57  (95%CI 0.34-0.95)、p=0.029

ORR

  • 2投1休群:47%
(95%CI 32-63%)
  • 4投2休群:33%
(95%CI 18-49%)

TTP中央値

  • 2投1休群:12.1ヵ月
(95%CI 4.0-25.3ヵ月)
  • 4投2休群:10.1ヵ月
(95%CI 7.5-12.7ヵ月)
HR 0.75  (95%CI 0.44-1.27)

毒性により、 4投2休から2投1休に変更した8人の患者のTTP中央値は29.3ヵ月であった。

OS中央値

  • 2投1休群:30.5ヵ月
(95%CI 18.9-42.0ヵ月)
  • 4投2休群:28.4ヵ月
(95%CI 11.3-45.4ヵ月)
HR1.15  (95%CI 0.64-2.04)

参考文献

  1. Sunitinib versus interferon alfa in metastatic renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 Jan 11;356(2):115-24. PMID: 17215529
  2. RandomizEd phase II trial of Sunitinib four weeks on and two weeks off versus Two weeks on and One week off in metastatic clear-cell type REnal cell carcinoma: RESTORE trial. Ann Oncol. 2015 Nov;26(11):2300-5. PMID: 26347107
最終更新日:2023年9月20日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

レジメン
Sunitinib
こちらの記事の監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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スニチニブ (スーテント®)
2024年11月04日更新

Sunitinib:スニチニブ(スーテント®)

投与量コース投与日
50mg/日 経口1日1回1~Day1~28

その他

1コース42日間。
3週間のコースは保険適応外だが、 RESTORE試験で²⁾有効性と安全性が検討された。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

スーテント® (添付文書/適正使用情報*)

*ファイザー株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量

3週間のコースは保険適応外だが、 RESTORE試験で²⁾有効性と安全性が検討された。

投与開始基準

減量・休薬・中止基準

初回基準量と減量レベル

主な有害事象

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)¹⁾

NCT00083889試験¹⁾

主な有害事象

  • 白血球減少症 20.8% (1.3%)
  • 好中球減少 19.2% (3.2%)
  • 貧血 18.9% (1.1%)
  • 血小板減少症 17.3% (2.1%)
  • リンパ球減少 16.0% (3.2%)
  • 下痢14.1% (1.3%)
  • 倦怠感 13.6% (1.9%)
  • 吐き気 11.7% (0.8%)
  • 嘔吐 6.4% (1.1%)
  • 粘膜炎 5.3% (0.5%)
  • 発熱 1.9% (0.3%)

注意すべき有害事象

  • 高血圧 6.4% (2.1%)
  • 手足症候群 5.3% (1.3%)

RESTORE試験 (4週間投与、 2週間休薬)²⁾

主な有害事象

  • 血小板減少 77.8% (22.2%)
  • 貧血 72.2% (8.3%)
  • 白血球減少症 72.2% (2.8%)
  • 好中球減少症 61.1% (27.8%)
  • 口内炎 86.1% (11.1%)
  • 倦怠感 83.3% (5.6%)
  • 吐き気 25.0% (0%)
  • 嘔吐 16.7% (0%)
  • 下痢 13.9% (2.8%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 75.0% (36.1%)
  • 高血圧 72.2% (33.3%)
  • 甲状腺機能低下症 36.1% (0%)
  • タンパク尿 11.1% (2.8%)

RESTORE試験 (2週間投与、 1週間休薬)²⁾

主な有害事象

  • 血小板減少 71.1% (23.7%)
  • 貧血 71.1% (13.2%)
  • 白血球減少症 50.0% (2.6%)
  • 好中球減少症 36.8% (10.5%)
  • 口内炎 71.1% (2.6%)
  • 倦怠感 57.9% (2.6%)
  • 下痢 36.8% (0%)
  • 吐き気 31.6% (0%)
  • 嘔吐 13.2% (0%)

注意すべき有害事象

  • 手足症候群 68.4% (18.4%)
  • 高血圧 55.3% (23.7%)
  • タンパク尿 47.4% (13.2%)
  • 甲状腺機能低下症 44.7% (0%)

上手に使うためのワンポイント

4投2休と 2投1休

1日1回 50mg内服を4週行い2週休薬する4投2休レジメンが基本であるが、 2投1休レジメンは安全性が増し効果は劣らないというRESTORE試験などの結果により、2投1休レジメンもよく用いられる。

特徴と注意点

神経内分泌癌でのスニチニブ投与法は37.5mg連日投与 (休薬なし) のレジメンであるが、 腎がんにおいては37.5mg連日内服レジメンは、 50mg 4投2休レジメンより効果が劣ることが示されているため適用しないよう注意する。

関連する臨床試験|NCT00083889試験¹⁾

未治療の転移性の淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブ投与の効果を、 インターフェロンα (IFN-α) を対照に検証した第Ⅲ相比較試験NCT00083889の結果より、 無増悪生存期間 (PFS) および奏効率 (ORR) 、 患者報告アウトカムに対する有益性が示された。

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PFS中央値

  • スニチニブ群:11ヵ月
(95%CI 10-12ヵ月)
  • IFN-α群:5ヵ月
(95%CI 4-6ヵ月)
HR 0.42 (95%CI 0.32-0.54)、 p<0.001

PFSのサブグループ解析

Memorial Sloan-Kettering Cancer Center (MSKCC) の基準に基づく予後リスクに従って、 3つのカテゴリー (favorable、 intermediate、 poor) に分類。 3つ全てのカテゴリーで、 PFS中央値はスニチニブ群の方がIFN-α群よりも長かった。

OS中央値

初回報告時、 OS中央値は両群いずれも未到達だったものの、スニチニブ群のIFN-α群に対するHRは0.65 (95% CI 0.45-0.9) 、 P=0.02と改善傾向を認めた。

ORR (95%CI)

  • スニチニブ群:31%
(95%CI 26-36%)
  • IFN-α群:6%
(95%CI 4-9%)
p<0.001

関連する臨床試験|RESTORE試験²⁾

再発または転移を有する淡明細胞型腎細胞癌患者において、 スニチニブを2投1休レジメンで投与した場合の有効性と安全性を、 従来の4投1休レジメンを対照に検証した比較試験RESTOREの結果より、 2投1休レジメンは毒性が少なく、 有効性を損なうことなく6ヵ月後の無再発生存率 (FFS) が高いことが示された。

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TTF中央値

  • 2投1休群:7.6ヵ月
(95%CI 4.4-10.9ヵ月)
  • 4投2休群:6.0ヵ月
(95%CI 3.1-8.9ヵ月)
HR 0.57  (95%CI 0.34-0.95)、p=0.029

ORR

  • 2投1休群:47%
(95%CI 32-63%)
  • 4投2休群:33%
(95%CI 18-49%)

TTP中央値

  • 2投1休群:12.1ヵ月
(95%CI 4.0-25.3ヵ月)
  • 4投2休群:10.1ヵ月
(95%CI 7.5-12.7ヵ月)
HR 0.75  (95%CI 0.44-1.27)

毒性により、 4投2休から2投1休に変更した8人の患者のTTP中央値は29.3ヵ月であった。

OS中央値

  • 2投1休群:30.5ヵ月
(95%CI 18.9-42.0ヵ月)
  • 4投2休群:28.4ヵ月
(95%CI 11.3-45.4ヵ月)
HR1.15  (95%CI 0.64-2.04)

参考文献

  1. Sunitinib versus interferon alfa in metastatic renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 Jan 11;356(2):115-24. PMID: 17215529
  2. RandomizEd phase II trial of Sunitinib four weeks on and two weeks off versus Two weeks on and One week off in metastatic clear-cell type REnal cell carcinoma: RESTORE trial. Ann Oncol. 2015 Nov;26(11):2300-5. PMID: 26347107
最終更新日:2023年9月20日
監修医師:国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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