治療スケジュール
概要
監修医師

Pembro:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴1~Day1

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
80mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(5-FU®)

投与量コース投与日
800mg/m² 点滴 1~Day1~5

前投薬

パロノセトロン 0.75mg Day1 点滴 デキサメタゾン 9.9mg Day1、 6.6mg Day2-4 点滴 アプレピタント 125mg Day1、 80mg Day2-3、 オランザピン 5mg Day1-4 経口(糖尿病が無い場合のみ)

その他

1コース21日間。
5-FU+CDDPをFP療法と呼ぶ。
レジメン
FP+Pem
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*日本化薬の外部サイトへ遷移します
*MSDの外部サイトへ遷移します

用法用量

KEYNOTE-590試験¹⁾のプロトコル

ペムブロリズマブ、 フルオロウラシルは最大35サイクル、 シスプラチンは最大6サイクルまでとする

Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771.より作図、 引用
電子添文の用法および用量
ペムブロリズマブ²⁾ : フルオロウラシルおよびシスプラチンとの併用において、 1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版)より引用
シスプラチン³⁾ : B法を標準的用法・用量とし、 患者の状態によりA法を選択する。
A法 : 15~20mg/m²を1日1回、 5日間連続投与し、 少なくとも2週間休薬する。 これを1クールとし、 投与を繰り返す。
B法 : 50~70mg/m²を1日1回投与し、 少なくとも3週間休薬する。 これを1クールとし、 投与を繰り返す。
ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) より引用
フルオロウラシル⁴⁾ : 1日1000mg/m²までを、 4~5日間連日で持続点滴する。 投与を繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。
5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版)より引用

前投薬

HECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン 0.75mg Day1 点滴
  • デキサメタゾン 9.9mg Day1、 6.6mg Day2-4 点滴
  • アプレピタント 125mg Day1、 80mg Day2-3
ホスアプレピタント 150mg Day1 点滴、 ホスネツピタント 235mg Day1 点滴でも可
  • オランザピン 5mg Day1-4 経口(糖尿病が無い場合のみ)
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

減量・休薬・中止基準

ペムブロリズマブ電子添文²⁾の減量・休薬・中止基準

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) より作図

主な有害事象

KEYNOTE-590試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 好中球数減少 36.5% (22.7%)
  • 好中球減少症 25.9% (14.3%)
  • 白血球数減少 24.1% (8.6%)
  • 血小板数減少 16.5% (1.9%)
  • 悪心 63.0% (7.0%)
  • 食欲減退 39.2% (3.5%)
  • 貧血 38.6% (12.4%)
  • 疲労 36.5% (6.2%)
  • 嘔吐 29.7% (6.2%)
  • 下痢 26.2% (3.2%)
  • 口内炎 25.9% (5.7%)
  • 粘膜の炎症 15.9% (3.2%)
  • 便秘 13.5% (0%)
  • 倦怠感 11.6% (0.5%)
  • 体重減少 11.6% (1.1%)
  • 甲状腺機能低下症 10.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 脱毛症 13.8% (0%)
Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771.より引用

上手に使うためのワンポイント

他のレジメンとの使い分け

IPI+Nivoとの選択が問題となるが、 肝転移を有する症例、 有症状の症例や高腫瘍量の症例 (例 : 多臓器転移例や腫瘍長径の大きい転移巣を有する症例など) はFP+ICIが推奨される。 FP+ICIはPD-L1発現が陰性 (TPS<1、 CPS<10) でもICI併用によりResponseが向上するためPD-L1陰性例でも選択肢となる。 FP+NivoとはFPが3週間隔か4週間隔かが異なる点である。 気道狭窄例や食道狭窄例等など緊急を要する症例ではFP+Pemを検討する。

腎機能のついて

シスプラチン投与量は腎機能CrClを参考に決定する。 Cockcroft-Gault式を用い、 CrCl≧60mL/minでは100%dose、 50-60mL/minでは1段階減量、 40-50mL/minでは2段階減量とする。 Cockcroft-Gault式では高齢者や女性で推定値が実測値より低値となりやすいため、 CrClが血中クレアチニン値の割に低い症例については蓄尿を行い実測値のCrClを参考とする。

7コース目以降の化学療法について

プロトコルでは6コース目まではシスプラチンが投与されるが7コース目以降はoffとなる。 5-FUに関しては7コース目以降も継続可能なプロトコルとなっているが、 頭頸部癌に対するFP+Pemでは6コースで化学療法が終了となり以降はPem単独となっていること、 KEYNOTE590試験¹⁾では7コース目以降はFPが投与されていない症例も多く存在するためPem単剤での維持療法も選択肢と考える。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

特徴と注意点

  • 進行食道扁平上皮癌に対する奏効割合の高いレジメンであり、 ガイドラインでは1次治療として推奨されるレジメンである⁵⁾。
  • CPS検査については必須ではないが、 治療効果予測の参考となるため測定を推奨する。
  • 術後再発例や根治的化学放射線治療後については、 最終化学療法投与日から6ヵ月以上経過してから再発した場合には1次治療扱いとなり同レジメンが適応となる。
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

出典

  1. Pembrolizumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for first-line treatment of advanced oesophageal cancer (KEYNOTE-590): a randomised, placebo-controlled, phase 3 study. Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771. PMID: 34454674
  2. MSD製薬. キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  3. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  4. 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  5. Esophageal cancer practice guidelines 2022 edited by the Japan Esophageal Society: part 2. Esophagus. 2023 Jul;20(3):373-389. PMID: 36995449
  6. MSD製薬. キイトルーダ®適正使用ガイド (2024年3月作成) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  7. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/15]
最終更新日 : 2024年4月15日
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

レジメン
FP+Pem
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
FP+Pem
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FP+Pem

FP+Pem

フルオロウラシル+シスプラチン+ペムブロリズマブ
2024年04月16日更新

Pembro:ペムブロリズマブ(キイトルーダ®)

投与量コース投与日
200mg/body 点滴1~Day1

CDDP:シスプラチン(ランダ®)

投与量コース投与日
80mg/m² 点滴1~Day1

5-FU:フルオロウラシル(5-FU®)

投与量コース投与日
800mg/m² 点滴 1~Day1~5

前投薬

パロノセトロン 0.75mg Day1 点滴 デキサメタゾン 9.9mg Day1、 6.6mg Day2-4 点滴 アプレピタント 125mg Day1、 80mg Day2-3、 オランザピン 5mg Day1-4 経口(糖尿病が無い場合のみ)

その他

1コース21日間。
5-FU+CDDPをFP療法と呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*日本化薬の外部サイトへ遷移します
*MSDの外部サイトへ遷移します

用法用量

KEYNOTE-590試験¹⁾のプロトコル

ペムブロリズマブ、 フルオロウラシルは最大35サイクル、 シスプラチンは最大6サイクルまでとする

Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771.より作図、 引用
電子添文の用法および用量
ペムブロリズマブ²⁾ : フルオロウラシルおよびシスプラチンとの併用において、 1回200mgを3週間間隔または1回400mgを6週間間隔で30分間かけて点滴静注する。
キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版)より引用
シスプラチン³⁾ : B法を標準的用法・用量とし、 患者の状態によりA法を選択する。
A法 : 15~20mg/m²を1日1回、 5日間連続投与し、 少なくとも2週間休薬する。 これを1クールとし、 投与を繰り返す。
B法 : 50~70mg/m²を1日1回投与し、 少なくとも3週間休薬する。 これを1クールとし、 投与を繰り返す。
ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) より引用
フルオロウラシル⁴⁾ : 1日1000mg/m²までを、 4~5日間連日で持続点滴する。 投与を繰り返す場合には少なくとも3週間以上の間隔をあけて投与する。
5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版)より引用

前投薬

HECレジメンとして扱う。

  • パロノセトロン 0.75mg Day1 点滴
  • デキサメタゾン 9.9mg Day1、 6.6mg Day2-4 点滴
  • アプレピタント 125mg Day1、 80mg Day2-3
ホスアプレピタント 150mg Day1 点滴、 ホスネツピタント 235mg Day1 点滴でも可
  • オランザピン 5mg Day1-4 経口(糖尿病が無い場合のみ)
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

減量・休薬・中止基準

ペムブロリズマブ電子添文²⁾の減量・休薬・中止基準

キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) より作図

主な有害事象

KEYNOTE-590試験¹⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 好中球数減少 36.5% (22.7%)
  • 好中球減少症 25.9% (14.3%)
  • 白血球数減少 24.1% (8.6%)
  • 血小板数減少 16.5% (1.9%)
  • 悪心 63.0% (7.0%)
  • 食欲減退 39.2% (3.5%)
  • 貧血 38.6% (12.4%)
  • 疲労 36.5% (6.2%)
  • 嘔吐 29.7% (6.2%)
  • 下痢 26.2% (3.2%)
  • 口内炎 25.9% (5.7%)
  • 粘膜の炎症 15.9% (3.2%)
  • 便秘 13.5% (0%)
  • 倦怠感 11.6% (0.5%)
  • 体重減少 11.6% (1.1%)
  • 甲状腺機能低下症 10.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~5)

  • 脱毛症 13.8% (0%)
Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771.より引用

上手に使うためのワンポイント

他のレジメンとの使い分け

IPI+Nivoとの選択が問題となるが、 肝転移を有する症例、 有症状の症例や高腫瘍量の症例 (例 : 多臓器転移例や腫瘍長径の大きい転移巣を有する症例など) はFP+ICIが推奨される。 FP+ICIはPD-L1発現が陰性 (TPS<1、 CPS<10) でもICI併用によりResponseが向上するためPD-L1陰性例でも選択肢となる。 FP+NivoとはFPが3週間隔か4週間隔かが異なる点である。 気道狭窄例や食道狭窄例等など緊急を要する症例ではFP+Pemを検討する。

腎機能のついて

シスプラチン投与量は腎機能CrClを参考に決定する。 Cockcroft-Gault式を用い、 CrCl≧60mL/minでは100%dose、 50-60mL/minでは1段階減量、 40-50mL/minでは2段階減量とする。 Cockcroft-Gault式では高齢者や女性で推定値が実測値より低値となりやすいため、 CrClが血中クレアチニン値の割に低い症例については蓄尿を行い実測値のCrClを参考とする。

7コース目以降の化学療法について

プロトコルでは6コース目まではシスプラチンが投与されるが7コース目以降はoffとなる。 5-FUに関しては7コース目以降も継続可能なプロトコルとなっているが、 頭頸部癌に対するFP+Pemでは6コースで化学療法が終了となり以降はPem単独となっていること、 KEYNOTE590試験¹⁾では7コース目以降はFPが投与されていない症例も多く存在するためPem単剤での維持療法も選択肢と考える。

執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

特徴と注意点

  • 進行食道扁平上皮癌に対する奏効割合の高いレジメンであり、 ガイドラインでは1次治療として推奨されるレジメンである⁵⁾。
  • CPS検査については必須ではないが、 治療効果予測の参考となるため測定を推奨する。
  • 術後再発例や根治的化学放射線治療後については、 最終化学療法投与日から6ヵ月以上経過してから再発した場合には1次治療扱いとなり同レジメンが適応となる。
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生

出典

  1. Pembrolizumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for first-line treatment of advanced oesophageal cancer (KEYNOTE-590): a randomised, placebo-controlled, phase 3 study. Lancet. 2021 Aug 28;398(10302):759-771. PMID: 34454674
  2. MSD製薬. キイトルーダ®電子添文 (2024年1月改訂 第17版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  3. 日本化薬. ランダ®電子添文 (2021年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  4. 協和キリン株式会社. 5-FU®電子添文 (2024年3月改訂 第3版) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  5. Esophageal cancer practice guidelines 2022 edited by the Japan Esophageal Society: part 2. Esophagus. 2023 Jul;20(3):373-389. PMID: 36995449
  6. MSD製薬. キイトルーダ®適正使用ガイド (2024年3月作成) [最終閲覧 : 2024/04/15]
  7. 日本化薬. ランダ®安全性情報 (2021年6月作成) [最終閲覧 : 2024/04/15]
最終更新日 : 2024年4月15日
執筆医 : 神奈川県立がんセンター消化器内科 古田 光寛先生
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。