治療スケジュール
概要
監修医師

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
130mg/m² 点滴1~Day1

Cape:カペシタビン(ゼローダ®)

投与量コース投与日
2000mg/m²/日 経口分2 朝夕食後1~Day1夕~15朝

Nivolumab:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
360mg/body 点滴1~Day1

その他

1コースは21日間。
L-OHP+CapeをCAPOXと呼ぶ。
レジメン
CAPOX+Nivo
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

*小野薬品工業株式会社の外部サイトへ遷移します

用法用量 (1コース3週間)

投与開始基準

CheckMate 649試験¹⁾より抜粋

18歳以上で、 これまで治療を受けておらず切除不能な進行性または転移性の胃癌、 GEJ癌、 または食道腺癌を患っているPS0~1の患者

主な有害事象

CheckMate 649試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 悪心 41.3% (2.6%)
  • 下痢 32.4% (4.5%)
  • 嘔吐 24.9% (2.2%)
  • 倦怠感 25.8% (3.8%)
  • 貧血 26.0% (6.0%)
  • 食欲低下 20.1% (1.8%)
  • 血小板減少症 20.1% (2.4%)
  • 血小板数減少 19.9% (2.6%)
  • 末梢感覚神経障害 17.5% (2.0%)
  • AST増加 15.6% (1.5%)
  • 白血球数減少 14.3% (2.9%)
  • ALT増加 11.4% (0.8%)
  • 好中球数減少 20.2% (10.6%)
  • 好中球減少症 24.4% (15.1%)

注意すべき有害事象

  • 手掌足底赤血球感覚異常症候群 12.0% (1.4%)

上手に使うためのワンポイント

  • 胃癌は治療開始時にすでに体重減少を伴っていることが多いこと、 狭窄・腹膜播種など催吐リスクが高いことから、 オキサリプラチン130mg/m²で投与する場合には特に、 CINV予防として3剤併用 (NK1拮抗薬+5HT3拮抗薬+ステロイド) を考慮する。 
  • オキサリプラチンによるCIPNにより、 2次治療のPTX投与が困難になる時がある。 治療効果が十分と考えられ、 CIPN Gr2となった場合は、 オキサリプラチンの中止を考慮する。 上記を考慮しオキサリプラチンについては計画中止も治療選択肢と考えられる。 
  • カペシタビンによる手足症候群の症状と、 オキサリプラチンによるCIPNの症状がオーバーラップするため問診時には混同しないように注意する。 

特徴と注意点

  • ガイドラインでは、 HER2陰性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である。 通常の術後再発例はもちろん、 S-1レジメンとの使い分けとして術後補助療法S-1に不応となった早期再発例に対するXParTS試験の結果から、 早期再発例の第一選択とする医師もいる (現在、 JACCRO GC-11:FirSTAR試験が進行中) 。
  • CheckMate649試験¹⁾においてCPS低値の場合にニボルマブ併用のSurvival Benefit低下が指摘されているが、 奏効割合はCPS低値でもニボルマブの上乗せ効果が認められている。 
  • 診療報酬明細書の摘要欄にHER2陰性を確認した検査実施日の記載が求められることから事前のHER2検査は必須である。
  • オキサリプラチンの併用が必要なためvulnerableな高齢患者への適用には注意が必要である。 CAPOXは国内でも大腸癌の場合、 オキサリプラチンの初回投与量は130mg/m²だが、 70歳以上高齢者を対象としたTCOG GI-1601試験初期解析において毒性により両薬剤の1段階減量による継続を結論づけられた。 S-1におけるWJOG8315Gの結果と合わせて、 高齢者の初回投与量は100mg/m²が妥当かもしれない。

関連する臨床試験

CheckMate 649試験¹⁾

化学療法未治療の切除不能な進行又は再発胃癌 (食道胃接合部癌を含む) を対象に、 オプジーボと化学療法 (フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤及びプラチナ製剤) 併用群の化学療法群に対する優越性を検証するとともに、 安全性も検討するための国際共同非盲検無作為化比較第Ⅲ相試験。 主要評価項目はPD-L1発現状況がCPS≧5の症例における全生存期間 (OS) 、 無増悪生存期間 (PFS) 、 副次的評価項目はPD-L1発現状況がCPS≧1の症例及び無作為化されたすべての症例におけるOSなどとされた。

Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40.

参考文献

  1. First-line nivolumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for advanced gastric, gastro-oesophageal junction, and oesophageal adenocarcinoma (CheckMate 649): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40. PMID: 34102137
最終更新日:2023年9月27日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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オキサリプラチン+カペシタビン+ニボルマブ
2023年11月14日更新

L-OHP:オキサリプラチン(エルプラット®)

投与量コース投与日
130mg/m² 点滴1~Day1

Cape:カペシタビン(ゼローダ®)

投与量コース投与日
2000mg/m²/日 経口分2 朝夕食後1~Day1夕~15朝

Nivolumab:ニボルマブ(オプジーボ®)

投与量コース投与日
360mg/body 点滴1~Day1

その他

1コースは21日間。
L-OHP+CapeをCAPOXと呼ぶ。

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

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用法用量 (1コース3週間)

投与開始基準

CheckMate 649試験¹⁾より抜粋

18歳以上で、 これまで治療を受けておらず切除不能な進行性または転移性の胃癌、 GEJ癌、 または食道腺癌を患っているPS0~1の患者

主な有害事象

CheckMate 649試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 悪心 41.3% (2.6%)
  • 下痢 32.4% (4.5%)
  • 嘔吐 24.9% (2.2%)
  • 倦怠感 25.8% (3.8%)
  • 貧血 26.0% (6.0%)
  • 食欲低下 20.1% (1.8%)
  • 血小板減少症 20.1% (2.4%)
  • 血小板数減少 19.9% (2.6%)
  • 末梢感覚神経障害 17.5% (2.0%)
  • AST増加 15.6% (1.5%)
  • 白血球数減少 14.3% (2.9%)
  • ALT増加 11.4% (0.8%)
  • 好中球数減少 20.2% (10.6%)
  • 好中球減少症 24.4% (15.1%)

注意すべき有害事象

  • 手掌足底赤血球感覚異常症候群 12.0% (1.4%)

上手に使うためのワンポイント

  • 胃癌は治療開始時にすでに体重減少を伴っていることが多いこと、 狭窄・腹膜播種など催吐リスクが高いことから、 オキサリプラチン130mg/m²で投与する場合には特に、 CINV予防として3剤併用 (NK1拮抗薬+5HT3拮抗薬+ステロイド) を考慮する。 
  • オキサリプラチンによるCIPNにより、 2次治療のPTX投与が困難になる時がある。 治療効果が十分と考えられ、 CIPN Gr2となった場合は、 オキサリプラチンの中止を考慮する。 上記を考慮しオキサリプラチンについては計画中止も治療選択肢と考えられる。 
  • カペシタビンによる手足症候群の症状と、 オキサリプラチンによるCIPNの症状がオーバーラップするため問診時には混同しないように注意する。 

特徴と注意点

  • ガイドラインでは、 HER2陰性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である。 通常の術後再発例はもちろん、 S-1レジメンとの使い分けとして術後補助療法S-1に不応となった早期再発例に対するXParTS試験の結果から、 早期再発例の第一選択とする医師もいる (現在、 JACCRO GC-11:FirSTAR試験が進行中) 。
  • CheckMate649試験¹⁾においてCPS低値の場合にニボルマブ併用のSurvival Benefit低下が指摘されているが、 奏効割合はCPS低値でもニボルマブの上乗せ効果が認められている。 
  • 診療報酬明細書の摘要欄にHER2陰性を確認した検査実施日の記載が求められることから事前のHER2検査は必須である。
  • オキサリプラチンの併用が必要なためvulnerableな高齢患者への適用には注意が必要である。 CAPOXは国内でも大腸癌の場合、 オキサリプラチンの初回投与量は130mg/m²だが、 70歳以上高齢者を対象としたTCOG GI-1601試験初期解析において毒性により両薬剤の1段階減量による継続を結論づけられた。 S-1におけるWJOG8315Gの結果と合わせて、 高齢者の初回投与量は100mg/m²が妥当かもしれない。

関連する臨床試験

CheckMate 649試験¹⁾

化学療法未治療の切除不能な進行又は再発胃癌 (食道胃接合部癌を含む) を対象に、 オプジーボと化学療法 (フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤及びプラチナ製剤) 併用群の化学療法群に対する優越性を検証するとともに、 安全性も検討するための国際共同非盲検無作為化比較第Ⅲ相試験。 主要評価項目はPD-L1発現状況がCPS≧5の症例における全生存期間 (OS) 、 無増悪生存期間 (PFS) 、 副次的評価項目はPD-L1発現状況がCPS≧1の症例及び無作為化されたすべての症例におけるOSなどとされた。

Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40.

参考文献

  1. First-line nivolumab plus chemotherapy versus chemotherapy alone for advanced gastric, gastro-oesophageal junction, and oesophageal adenocarcinoma (CheckMate 649): a randomised, open-label, phase 3 trial. Lancet. 2021 Jul 3;398(10294):27-40. PMID: 34102137
最終更新日:2023年9月27日
監修医師:HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

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