概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 軽度催吐性

ドキシル® (添付文書¹⁾) >> PLD+BVはこちら

用法用量

電子添文¹⁾の用法及び用量

1日1回50mg/m²を1mg/分の速度で静脈内投与し、 その後4週間休薬

ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版)¹⁾より作図、 引用

投与開始基準

国内第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の基準

ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版)¹⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

国内第Ⅱ相試験²⁾

対象: 上皮性卵巣癌、 卵管癌、 腹膜癌と診断されプラチナ製剤をベースとした化学療法治療歴を有する日本人患者74例
方法: PLD 50mg/m²を4週間毎に投与

【有効性】

  • ORR 21.9%
  • mPFS 166.0日

【安全性】主な有害事象 (カッコ内 Grade3~4)

  • 好中球数減少 93.2% (67.6%)
  • リンパ球数減少 89.2% (47.3%)
  • 白血球数減少 93.2% (59.5%)
  • Hb減少 85.1% (17.6%)
  • 血小板数減少 60.8% (6.8%)
  • 深部静脈血栓症 1.4% (1.4%)
  • 手足症候群 78.4% (16.2%)
  • 口内炎 77.0% (8.1%)
  • 赤血球数減少 75.7% (4.1%)
  • 悪心 60.8% (2.7%)
  • ALT増加 25.7% (2.7%)
  • 血中K減少 16.2% (2.7%)
  • 発熱性好中球減少症 2.7% (2.7%)
  • 発疹 50.0% (1.4%)
  • 倦怠感 45.9% (1.4%)
  • 嘔吐 23.0% (1.4%)
  • γ-GTP増加 24.3% (1.4%)
  • 下痢 24.3% (1.4%)
  • AST増加 28.4% (1.4%)
  • 上気道感染症 4.1% (1.4%)
  • 血中Na減少 21.6% (1.4%)
  • 小腸閉塞 1.4% (1.4%)
  • 帯状疱疹 1.4% (1.4%)
  • 感染 1.4% (1.4%)
  • 耐糖能障害 1.4% (1.4%)
Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85²⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

プラチナ抵抗性再発卵巣癌の選択肢

選択肢となるレジメンは、 PLD療法をはじめ複数存在しますが、 どのレジメンが最もよいのかは、 結論が得られていません。

本レジメンにおいては、 プラチナ抵抗性再発卵巣がん患者に対する第Ⅱ相試験の結果、 29% (8/28人) の奏効率を認めています。

治療のベネフィットと患者との意思決定

また、 BSC (Best supportive care) との比較も行われていませんので、 プラチナ抵抗性再発卵巣癌に対して、 化学療法を行うことのベネフィットも示されていないとも言えます。

プラチナ抵抗性再発卵巣癌患者さんに、 どのレジメンを使用するかは、 副作用のプロファイル、 投与スケジュールなどを考慮して、 患者さんと相談しながら、 考えていくのがよいと思います。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. バクスター. ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  2. Phase II clinical trial of pegylated liposomal doxorubicin (JNS002) in Japanese patients with mullerian carcinoma (epithelial ovarian carcinoma, primary carcinoma of fallopian tube, peritoneal carcinoma) having a therapeutic history of platinum-based chemotherapy: a Phase II Study of the Japanese Gynecologic Oncology Group. Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85. PMID: 18927230
最終更新日 : 2024年8月3日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

レジメン
Liposomal Doxorubicin (PLD)
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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2024年08月03日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

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【催吐性】 軽度催吐性

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用法用量

電子添文¹⁾の用法及び用量

1日1回50mg/m²を1mg/分の速度で静脈内投与し、 その後4週間休薬

ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版)¹⁾より作図、 引用

投与開始基準

国内第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85²⁾より作図

減量・休薬・中止基準

電子添文¹⁾の基準

ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版)¹⁾より作図

KeyData|臨床試験結果

国内第Ⅱ相試験²⁾

対象: 上皮性卵巣癌、 卵管癌、 腹膜癌と診断されプラチナ製剤をベースとした化学療法治療歴を有する日本人患者74例
方法: PLD 50mg/m²を4週間毎に投与

【有効性】

  • ORR 21.9%
  • mPFS 166.0日

【安全性】主な有害事象 (カッコ内 Grade3~4)

  • 好中球数減少 93.2% (67.6%)
  • リンパ球数減少 89.2% (47.3%)
  • 白血球数減少 93.2% (59.5%)
  • Hb減少 85.1% (17.6%)
  • 血小板数減少 60.8% (6.8%)
  • 深部静脈血栓症 1.4% (1.4%)
  • 手足症候群 78.4% (16.2%)
  • 口内炎 77.0% (8.1%)
  • 赤血球数減少 75.7% (4.1%)
  • 悪心 60.8% (2.7%)
  • ALT増加 25.7% (2.7%)
  • 血中K減少 16.2% (2.7%)
  • 発熱性好中球減少症 2.7% (2.7%)
  • 発疹 50.0% (1.4%)
  • 倦怠感 45.9% (1.4%)
  • 嘔吐 23.0% (1.4%)
  • γ-GTP増加 24.3% (1.4%)
  • 下痢 24.3% (1.4%)
  • AST増加 28.4% (1.4%)
  • 上気道感染症 4.1% (1.4%)
  • 血中Na減少 21.6% (1.4%)
  • 小腸閉塞 1.4% (1.4%)
  • 帯状疱疹 1.4% (1.4%)
  • 感染 1.4% (1.4%)
  • 耐糖能障害 1.4% (1.4%)
Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85²⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

プラチナ抵抗性再発卵巣癌の選択肢

選択肢となるレジメンは、 PLD療法をはじめ複数存在しますが、 どのレジメンが最もよいのかは、 結論が得られていません。

本レジメンにおいては、 プラチナ抵抗性再発卵巣がん患者に対する第Ⅱ相試験の結果、 29% (8/28人) の奏効率を認めています。

治療のベネフィットと患者との意思決定

また、 BSC (Best supportive care) との比較も行われていませんので、 プラチナ抵抗性再発卵巣癌に対して、 化学療法を行うことのベネフィットも示されていないとも言えます。

プラチナ抵抗性再発卵巣癌患者さんに、 どのレジメンを使用するかは、 副作用のプロファイル、 投与スケジュールなどを考慮して、 患者さんと相談しながら、 考えていくのがよいと思います。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. バクスター. ドキシル®電子添文 (2024年1月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/03/26]
  2. Phase II clinical trial of pegylated liposomal doxorubicin (JNS002) in Japanese patients with mullerian carcinoma (epithelial ovarian carcinoma, primary carcinoma of fallopian tube, peritoneal carcinoma) having a therapeutic history of platinum-based chemotherapy: a Phase II Study of the Japanese Gynecologic Oncology Group. Jpn J Clin Oncol. 2008 Nov;38(11):777-85. PMID: 18927230
最終更新日 : 2024年8月3日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(婦人科)

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