治療スケジュール
概要
監修医師

DTX:ドセタキセル(ドセタキセル®)

投与量コース投与日
40mg/m² 点滴1~Day1

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後1~7 (3週間/コース)Day1~14
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後8~ (6週間/コース)Day1~28
レジメン
Adj.DS

薬剤情報

用法用量

初回 (1サイクル)

S-1を2週間連日服用後、 1週間休薬で1コース

2~7サイクル

S-1を2週間連日服用後、 1週間休薬で1コース

8サイクル~開始から1年まで

S-1を4週間連日服用後、 2週間休薬で1コース

投与開始基準

JACCRO GC-07試験¹⁾

継続基準 (2サイクル目以降)

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

減量基準

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

初回基準量と減量レベル

休薬基準

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

上手に使うためのワンポイント

  • 基本的なスケジュールは4週内服2週休薬である。 コース開始14日以内に減量・休薬を要する有害事象が出現した場合は、 再開時は減量する。 減量せずスケジュール変更 (2週内服1週休薬) で対応することで用量強度を保てることがある。
  • 術後補助化学療法の完遂率と予後は相関することが報告されており²⁾³⁾、 適切な減量・スケジュール変更で完遂を目指すことが重要である。

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドラインでは、 pStageII術後補助化学療法の標準治療である⁴⁾。 pStageIIIであっても、 高齢者などadj. DS療法に忍容性が無い症例はadj. S-1を選択する。
  • 治療期間は手術日を起点として1年間の投与が推奨されている⁵⁾。
  • S-1特有の有害事象として流涙がある。 流涙の予防には1日5〜6回の人工涙液の点眼 (防腐剤フリーの点眼薬が望ましい。 著者の施設ではソフトサンティアⓇを患者さんに購入いただいている) が有効である。 休薬期間中も忘れずに点眼するように指導しておく。
  • 稀ではあるが、 角膜障害を生じることがあるため、 視力低下を訴える場合は必ず眼科へコンサルトする。
  • S-1はCrCl<30mL/minは禁忌である。
  • DOC投与中は爪障害を生じることがしばしばあるため、 診察時に忘れずに観察する。 決まった支持療法はない。 著者は出血や強い疼痛を伴う場合は、 DOCは患者と相談の上、 スキップしている。

主な有害事象

JACCRO GC-07試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 白血球減少症 56.6% (22.6%)
  • 好中球減少症 58.7% (38.1%)
  • 血小板減少症 19.4% (1.2%)
  • 貧血 44.0% (4.4%)
  • AST上昇 19.6% (1.5%)
  • ALT上昇 14.4% (1.5%)
  • 悪心 39.0% (4.1%)
  • 嘔吐 12.9% (1.2%)
  • 下痢 49.9% (3.5%)
  • 口腔粘膜炎 40.2% (4.4%)
  • 倦怠感 34.3% (1.5%)
  • 発熱性好中球減少症 4.7% (4.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 57.8% (0%)

関連する臨床試験

JACCRO GC-07試験¹⁾

StageⅢの治癒切除胃癌を対象とし、 TS-1+Docetaxel併用療法のTS-1単独療法に対する術後補助化学療法としての優越性の検証を目的としたランダム化比較第Ⅲ相試験。 主要評価項目は3年無再発生存期間 (RFS)、 副次評価項目は3年、5年全生存期間 (OS)、 5年無再発生存期間、 治療成功期間 (TTF)、 有害事象の発生割合とされた。

J Clin Oncol. 2019 May 20;37(15):1296-1304. 

出典

  1. Addition of Docetaxel to Oral Fluoropyrimidine Improves Efficacy in Patients With Stage III Gastric Cancer: Interim Analysis of JACCRO GC-07, a Randomized Controlled Trial. J Clin Oncol. 2019 May 20;37(15):1296-1304. PMID: 30925125
  2. Time to initiation or duration of S-1 adjuvant chemotherapy; which really impacts on survival in stage II and III gastric cancer?. Gastric Cancer. 2018 May;21(3):446-452. PMID: 28965205
  3. Four courses versus eight courses of adjuvant S-1 for patients with stage II gastric cancer (JCOG1104 [OPAS-1]): an open-label, phase 3, non-inferiority, randomised trial. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2019 Mar;4(3):208-216. PMID: 30679107
  4. 日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
  5. Adjuvant chemotherapy for gastric cancer with S-1, an oral fluoropyrimidine. N Engl J Med. 2007 Nov 1;357(18):1810-20. PMID: 17978289
最終更新日:2023年9月22日
監修医師:執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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ドセタキセル+テガフール・ギメラシル・オテラシル (ティーエスワン®)
2024年04月24日更新

DTX:ドセタキセル(ドセタキセル®)

投与量コース投与日
40mg/m² 点滴1~Day1

S-1:テガフール・ギメラシル・オテラシル(ティーエスワン®)

投与量コース投与日
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後1~7 (3週間/コース)Day1~14
80~120mg/日 経口 分2 朝夕食後8~ (6週間/コース)Day1~28

概要

薬剤情報

用法用量

初回 (1サイクル)

S-1を2週間連日服用後、 1週間休薬で1コース

2~7サイクル

S-1を2週間連日服用後、 1週間休薬で1コース

8サイクル~開始から1年まで

S-1を4週間連日服用後、 2週間休薬で1コース

投与開始基準

JACCRO GC-07試験¹⁾

継続基準 (2サイクル目以降)

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

減量基準

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

初回基準量と減量レベル

休薬基準

JACCRO GC-07試験¹⁾より抜粋

上手に使うためのワンポイント

  • 基本的なスケジュールは4週内服2週休薬である。 コース開始14日以内に減量・休薬を要する有害事象が出現した場合は、 再開時は減量する。 減量せずスケジュール変更 (2週内服1週休薬) で対応することで用量強度を保てることがある。
  • 術後補助化学療法の完遂率と予後は相関することが報告されており²⁾³⁾、 適切な減量・スケジュール変更で完遂を目指すことが重要である。

特徴と注意点

  • 胃癌治療ガイドラインでは、 pStageII術後補助化学療法の標準治療である⁴⁾。 pStageIIIであっても、 高齢者などadj. DS療法に忍容性が無い症例はadj. S-1を選択する。
  • 治療期間は手術日を起点として1年間の投与が推奨されている⁵⁾。
  • S-1特有の有害事象として流涙がある。 流涙の予防には1日5〜6回の人工涙液の点眼 (防腐剤フリーの点眼薬が望ましい。 著者の施設ではソフトサンティアⓇを患者さんに購入いただいている) が有効である。 休薬期間中も忘れずに点眼するように指導しておく。
  • 稀ではあるが、 角膜障害を生じることがあるため、 視力低下を訴える場合は必ず眼科へコンサルトする。
  • S-1はCrCl<30mL/minは禁忌である。
  • DOC投与中は爪障害を生じることがしばしばあるため、 診察時に忘れずに観察する。 決まった支持療法はない。 著者は出血や強い疼痛を伴う場合は、 DOCは患者と相談の上、 スキップしている。

主な有害事象

JACCRO GC-07試験¹⁾

有害事象データを一部引用 (カッコ内はGrade3~4)

主な有害事象

  • 白血球減少症 56.6% (22.6%)
  • 好中球減少症 58.7% (38.1%)
  • 血小板減少症 19.4% (1.2%)
  • 貧血 44.0% (4.4%)
  • AST上昇 19.6% (1.5%)
  • ALT上昇 14.4% (1.5%)
  • 悪心 39.0% (4.1%)
  • 嘔吐 12.9% (1.2%)
  • 下痢 49.9% (3.5%)
  • 口腔粘膜炎 40.2% (4.4%)
  • 倦怠感 34.3% (1.5%)
  • 発熱性好中球減少症 4.7% (4.7%)

注意すべき有害事象

  • 脱毛症 57.8% (0%)

関連する臨床試験

JACCRO GC-07試験¹⁾

StageⅢの治癒切除胃癌を対象とし、 TS-1+Docetaxel併用療法のTS-1単独療法に対する術後補助化学療法としての優越性の検証を目的としたランダム化比較第Ⅲ相試験。 主要評価項目は3年無再発生存期間 (RFS)、 副次評価項目は3年、5年全生存期間 (OS)、 5年無再発生存期間、 治療成功期間 (TTF)、 有害事象の発生割合とされた。

J Clin Oncol. 2019 May 20;37(15):1296-1304. 

出典

  1. Addition of Docetaxel to Oral Fluoropyrimidine Improves Efficacy in Patients With Stage III Gastric Cancer: Interim Analysis of JACCRO GC-07, a Randomized Controlled Trial. J Clin Oncol. 2019 May 20;37(15):1296-1304. PMID: 30925125
  2. Time to initiation or duration of S-1 adjuvant chemotherapy; which really impacts on survival in stage II and III gastric cancer?. Gastric Cancer. 2018 May;21(3):446-452. PMID: 28965205
  3. Four courses versus eight courses of adjuvant S-1 for patients with stage II gastric cancer (JCOG1104 [OPAS-1]): an open-label, phase 3, non-inferiority, randomised trial. Lancet Gastroenterol Hepatol. 2019 Mar;4(3):208-216. PMID: 30679107
  4. 日本胃癌学会. 胃癌治療ガイドライン医師用2021年7月改訂 第6版
  5. Adjuvant chemotherapy for gastric cancer with S-1, an oral fluoropyrimidine. N Engl J Med. 2007 Nov 1;357(18):1810-20. PMID: 17978289
最終更新日:2023年9月22日
監修医師:執筆医:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 川上 武志先生
監修医師:神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生

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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。