投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
130mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
8mg/kg 点滴 | 1 | Day1 |
6mg/kg 点滴 | 2~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
80~120mg/日 経口 分2朝夕食後 | 1~ | Day1夕~15朝 |
1コース21日間。 |
S-1+L-OHPをSOX療法と呼ぶ。 |
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
制吐薬はオキサリプラチンがMECに該当するため、 基本は5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン
アプレピタント (またはホスアプレピタント・ホスネツピタント) 併用も選択肢。 特に若年や女性など悪心・嘔吐リスク因子をもつ患者には積極使用を検討
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
SOX療法
T-mab
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
SOX療法
初回基準量と減量レベル
T-mab
動悸、 息切れ、 頻脈がある場合は回復を待って投与。
Tmabの投与をskipもしくは中止する場合もS-1、 L-OHPの投与継続は可能。 L-OHPの投与も中止されている場合はS-1単独投与。
参考 : 🔢 NYHA心機能分類
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
患者個々のリスク評価のうえ、 2コース目以降の開始基準として好中球1200/μL前後での投与は考慮されうる。
オキサリプラチン130mg/m²で開始の場合、 2コース目以降、 開始予定日の血小板の数値によりオキサリプラチン減量が考慮される。 また、 ToGA試験において、 シスプラチンは6コースまでがプロトコール治療であった⁷⁾。 一方、 SOX+T-mabの国内2試験プロトコールでは、 オキサリプラチンは計画中止の設定ではなかった⁶⁾⁸⁾。 しかしながら患者のQOLや、 次治療への移行を考慮してオキサリプラチンの中止を検討すべきである。
HER2陽性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である⁹⁾。
HER2陽性胃癌におけるT-mabの有用性を検証したToGA試験で用いられたBackbone chemotherapyは、 カペシタビンもしくは5-FU+シスプラチン (XP/FP) だった⁷⁾。 HER2statusに関わらず実施された臨床試験において、 シスプラチンに対するオキサリプラチンの非劣性が証明されていることから¹⁰⁾、 XP/FPに限定されずフッ化ピリミジン+プラチナ+T-mabがHER2陽性胃癌1次治療の選択肢となっている¹¹⁾。
国内で実施されたSOX+T-mabの2つの臨床試験ではオキサリプラチン130mg/m²が用いられた⁶⁾⁸⁾。 一方、 SP療法に対するSOX療法の非劣性を証明したG-SOX試験ではオキサリプラチンの用量は100mg/m²である¹²⁾。 CAPOXとSOXの違いはあるが、 国内での報告によると、 高齢者ではFitでもオキサリプラチン130mg/m²では毒性が強いため100mg/m²へ減量が必要な患者もいることが示唆されている¹³⁾。 患者状況にあわせて適宜、 初回開始用量の減量を考慮する必要がある。
HER2陽性の切除不能進行・再発胃癌において、 トラスツズマブ+S-1+オキサリプラチンの併用療法 (T-SOX130療法) の効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501Bの結果より、 T-SOX130療法の良好な忍容性と、 有望性が示された。
22.4ヵ月
CR 9例、 PR 23例、 SD 2例
奏効率 (ORR)
82.1%
病勢コントロール率
87.2%
27.6ヵ月
74.4%、 57.9%
7.0ヵ月
5.7ヵ月
化学療法未治療の進行胃・胃食道接合部癌患者において、 トラスツズマブ+化学療法の併用の効果を、 化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験ToGAの結果より、 HER2陽性患者の全生存期間 (OS) に対する有効性が示された。
HR 0.74 (95%CI 0.60-0.91)、 p=0.0046
HER2高発現患者
HR 0.65 (95%CI 0.51-0.83)
HER2低発現患者
HR 1.07 (95%CI 0.70-1.62)
OSのサブグループ解析
トラスツズマブ使用の有無と、 HER2高発現・低発現の2つのグループ間に有意な相互作用を認めた (p=0.036)。
HR 0.71 (95%CI 0.59-0.85)、 p=0.0002
HR 0.70 (95%CI 0.58-0.85)、 p=0.0003
HR 0.54 (95%CI 0.40-0.73)、 p<0.0001
HER2陽性の切除不能胃・食道胃接合部癌患者において、 トラスツズマブとSOX療法 (S-1+オキサリプラチン) の併用効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験HIGHSOXの結果より、 併用療法の良好な忍容性と有効性が示された。
15.6ヵ月
70.7%
93.3%
18.1ヵ月
77.2%、 43.0%
8.8ヵ月
68.5%、 39.5%
IHC3+ (55例)
IHC2+/ISH陽性 (20例)
IHC3+ vs IHC2+/ISH陽性
HR 0.734 (95%CI 0.366-1.475)
RDI>75%
RDI 50-75%
RDI<50%
最終更新日 : 2024年9月11日
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
130mg/m² 点滴 | 1~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
8mg/kg 点滴 | 1 | Day1 |
6mg/kg 点滴 | 2~ | Day1 |
投与量 | コース | 投与日 |
---|---|---|
80~120mg/日 経口 分2朝夕食後 | 1~ | Day1夕~15朝 |
1コース21日間。 |
S-1+L-OHPをSOX療法と呼ぶ。 |
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
制吐薬はオキサリプラチンがMECに該当するため、 基本は5-HT3拮抗薬+デキサメタゾン
アプレピタント (またはホスアプレピタント・ホスネツピタント) 併用も選択肢。 特に若年や女性など悪心・嘔吐リスク因子をもつ患者には積極使用を検討
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
SOX療法
T-mab
KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501B試験⁶⁾のプロトコル
SOX療法
初回基準量と減量レベル
T-mab
動悸、 息切れ、 頻脈がある場合は回復を待って投与。
Tmabの投与をskipもしくは中止する場合もS-1、 L-OHPの投与継続は可能。 L-OHPの投与も中止されている場合はS-1単独投与。
参考 : 🔢 NYHA心機能分類
主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)
患者個々のリスク評価のうえ、 2コース目以降の開始基準として好中球1200/μL前後での投与は考慮されうる。
オキサリプラチン130mg/m²で開始の場合、 2コース目以降、 開始予定日の血小板の数値によりオキサリプラチン減量が考慮される。 また、 ToGA試験において、 シスプラチンは6コースまでがプロトコール治療であった⁷⁾。 一方、 SOX+T-mabの国内2試験プロトコールでは、 オキサリプラチンは計画中止の設定ではなかった⁶⁾⁸⁾。 しかしながら患者のQOLや、 次治療への移行を考慮してオキサリプラチンの中止を検討すべきである。
HER2陽性胃癌1次治療において 「推奨される化学療法レジメン」 である⁹⁾。
HER2陽性胃癌におけるT-mabの有用性を検証したToGA試験で用いられたBackbone chemotherapyは、 カペシタビンもしくは5-FU+シスプラチン (XP/FP) だった⁷⁾。 HER2statusに関わらず実施された臨床試験において、 シスプラチンに対するオキサリプラチンの非劣性が証明されていることから¹⁰⁾、 XP/FPに限定されずフッ化ピリミジン+プラチナ+T-mabがHER2陽性胃癌1次治療の選択肢となっている¹¹⁾。
国内で実施されたSOX+T-mabの2つの臨床試験ではオキサリプラチン130mg/m²が用いられた⁶⁾⁸⁾。 一方、 SP療法に対するSOX療法の非劣性を証明したG-SOX試験ではオキサリプラチンの用量は100mg/m²である¹²⁾。 CAPOXとSOXの違いはあるが、 国内での報告によると、 高齢者ではFitでもオキサリプラチン130mg/m²では毒性が強いため100mg/m²へ減量が必要な患者もいることが示唆されている¹³⁾。 患者状況にあわせて適宜、 初回開始用量の減量を考慮する必要がある。
HER2陽性の切除不能進行・再発胃癌において、 トラスツズマブ+S-1+オキサリプラチンの併用療法 (T-SOX130療法) の効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験KSCC/HGCSG/CCOG/PerSeUS 1501Bの結果より、 T-SOX130療法の良好な忍容性と、 有望性が示された。
22.4ヵ月
CR 9例、 PR 23例、 SD 2例
奏効率 (ORR)
82.1%
病勢コントロール率
87.2%
27.6ヵ月
74.4%、 57.9%
7.0ヵ月
5.7ヵ月
化学療法未治療の進行胃・胃食道接合部癌患者において、 トラスツズマブ+化学療法の併用の効果を、 化学療法単独を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験ToGAの結果より、 HER2陽性患者の全生存期間 (OS) に対する有効性が示された。
HR 0.74 (95%CI 0.60-0.91)、 p=0.0046
HER2高発現患者
HR 0.65 (95%CI 0.51-0.83)
HER2低発現患者
HR 1.07 (95%CI 0.70-1.62)
OSのサブグループ解析
トラスツズマブ使用の有無と、 HER2高発現・低発現の2つのグループ間に有意な相互作用を認めた (p=0.036)。
HR 0.71 (95%CI 0.59-0.85)、 p=0.0002
HR 0.70 (95%CI 0.58-0.85)、 p=0.0003
HR 0.54 (95%CI 0.40-0.73)、 p<0.0001
HER2陽性の切除不能胃・食道胃接合部癌患者において、 トラスツズマブとSOX療法 (S-1+オキサリプラチン) の併用効果を検証した単群コホートの第Ⅱ相試験HIGHSOXの結果より、 併用療法の良好な忍容性と有効性が示された。
15.6ヵ月
70.7%
93.3%
18.1ヵ月
77.2%、 43.0%
8.8ヵ月
68.5%、 39.5%
IHC3+ (55例)
IHC2+/ISH陽性 (20例)
IHC3+ vs IHC2+/ISH陽性
HR 0.734 (95%CI 0.366-1.475)
RDI>75%
RDI 50-75%
RDI<50%
最終更新日 : 2024年9月11日
監修医師 : 神奈川県立がんセンター消化器内科部長 町田望先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。