Retifanlimab:レチファンリマブ(ジニイズ®)

投与量コース投与日
500mg 点滴1~6Day 1

PTX:パクリタキセル(パクリタキセル®)

投与量コース投与日
80mg/m² 点滴1~6Day 1、8、15

CBDCA:カルボプラチン(カルボプラチン®)

投与量コース投与日
AUC 5 点滴1~6Day 1

Retifanlimab:レチファンリマブ(ジニイズ®)

投与量コース投与日
500mg 点滴7~19Day 1

前投薬

PTX投与約30分前までに、デキサメタゾン8mgおよびラニチジン50mg又はファモチジン20mgを静脈内投与し、ジフェンヒドラミン50mgを経口投与。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、次回投与までに過敏症状がみられなかった場合又は臨床上問題のない過敏症状の場合は、2週目以降は半量(4mg)に減量してもよい。以降も同様の場合、半量ずつ最低1mgまで減量してもよい。
レジメン
Retifanlimab+CBDCA+PTX
「切除不能な進行・再発の肛門管扁平上皮癌」 に対し、 2025年5月15日に承認申請され、 2025年12月22日に承認、 2026年3月18日に薬価収載・同日発売 (500mg20mL1瓶 : 61万1,671円、 1日薬価 : 2万1,845円)。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ジニイズ®点滴静注 (レチファンリマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*インサイト·バイオサイエンシズ·ジャパン合同会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】 28日間
【催吐性】中等度*
【FN発症】 記載なし
*Retifanlimab : 最小度 (NCCN Guidelines Ver. 2.2025. Antiemesis)、 CBDCA+PTX : 中等度、 として編集部が分類

レチファンリマブ : 28日間を1コースとして、 500mgを4週ごとに30分かけて点滴静注

PTX : 28日間を1コースとして、 80mg/m²をDay 1、 8、 15に各1回、 1時間かけて点滴静注

CBDCA : 28日間を1コースとして、 AUC 5mg・min/mL相当量をDay 1に1回、 30分以上かけて点滴静注

レチファンリマブ+化学療法を最大6コース実施した後、 レチファンリマブ単剤による維持療法を最大1年間 (合計13コース) まで継続。

Key Data|臨床試験結果

📊 POD1UM-303 / InterAACT-2試験

Lancet. 2025;405(10495):2144-2152.

全身化学療法未治療の切除不能局所再発または転移性肛門管扁平上皮癌 (SCAC) 患者308例を対象とした第III相無作為化比較試験。 レチファンリマブ+CBDCA+PTX群とプラセボ+CBDCA+PTX群に1:1で割り付け、 主要評価項目はPFSであった。 

【有効性】レチファンリマブ (vs プラセボ)

- PFS中央値 9.3ヵ月 (vs 7.4ヵ月)

  • HR 0.63 (95%CI 0.47–0.84、 p=0.0006)

- OS中央値 29.2ヵ月 (vs 23.0ヵ月)

  • HR 0.70 (95%CI 0.49–1.01、 p=0.027)

- ORR 55.8% (vs 44.2%)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 貧血 66% (20%)

- 悪心 57% (2%)

- 脱毛症 51% (3%)

- 下痢 49% (5%)

- 好中球減少症 47% (35%)

- 無力症 47% (4%)

- 末梢神経障害 30% (3%)

- 疲労 29% (2%)

- 好中球数減少 27% (17%)

- 嘔吐 25% (3%)

- 食欲減退 24% (2%)

- そう痒症 24% (1%)

- 関節痛 16% (1%)

- 血小板減少症 14% (3%)

- 末梢性浮腫 14% (0%)

各プロトコル

適格基準

POD1UM-303試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–1

- 全身治療歴なし (同時化学放射線療法、 または登録6ヵ月以上前に終了した術前・術後補助療法は許容)

腎障害患者に対する用量調整

レチファンリマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

PTX : 減量不要⁴⁾

CBDCA : Calvert式で投与量を算出

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

レチファンリマブ :

ジニイズ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

PTX・CBDCA : 患者の状態により適宜減量

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️POD1UM-303/InterAACT-2試験の結果、 進行肛門管扁平上皮癌に対しては、 従来のCBDCA+PTX療法に代わり、 抗PD-1抗体レチファンリマブ併用療法が新たな標準治療となった。 試験治療群ではGrade≧3の有害事象割合 (83% vs 75%) および重篤な有害事象割合 (16.2% vs 4.4%) が高かったため、 治療中断を可能な限り回避するには、 骨髄抑制や消化器毒性など殺細胞性抗癌薬に伴う有害事象に加え、 甲状腺・下垂体・副腎機能障害を含む免疫関連有害事象を多職種チームで管理することが肝要である。
神奈川県立がんセンター 大隅寛木先生

作用機序の特徴

レチファンリマブはヒトPD-1に対する抗体であり、 PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) との結合を阻害することで、 がん抗原特異的T細胞の活性化および腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を亢進し、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

レジメン適用時の注意事項

過度の免疫反応 : 観察を十分に行い、 異常時はirAEを考慮して鑑別診断を行う。 疑われる場合は副腎皮質ホルモン剤投与等を考慮し、 投与終了後も重篤な副作用に注意して観察を継続。

間質性肺疾患 : 呼吸困難、 咳嗽、 発熱等の初期症状を確認し、 胸部画像検査等で十分に観察するとともに、 必要に応じて血清マーカー等を測定する。

肝障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 状態を十分観察する。

腎障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、 状態を十分観察する。

内分泌障害 : 投与開始前および投与期間中はTSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等の内分泌機能検査を定期的に行い、 必要に応じて画像検査等も考慮する。

1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状や血糖値上昇に注意する。

ぶどう膜炎 : 眼の異常の有無を定期的に確認し、 異常時は速やかな受診を患者に指導する。

心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常等の観察を十分に行う。

筋炎 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇等の観察を十分に行う。

RMP【重要な特定されたリスク】

ジニイズ®RMP (医薬品リスク管理計画書)

- Infusion reaction

- ILD

- 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢

- 肝機能障害、 肝炎

- 心筋炎

- 重度の皮膚障害

- 筋炎

- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)

- 1型糖尿病

- 膵炎

- 腎機能障害 (尿細管間質性腎炎等)

- 神経障害

- 重篤な血液障害

- ぶどう膜炎

出典

1) インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社. ジニイズ®点滴静注500mg 電子添文 2025年12月 第1版

2) インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社. ジニイズ®点滴静注500mg 適正使用ガイド 2025年12月作成.

3) Lancet. 2025;405(10495):2144-2152.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

最終更新日 : 2026年3月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 (消化管) 部長 大隅寛木

レジメン
Retifanlimab+CBDCA+PTX
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
Retifanlimab+CBDCA+PTX
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Retifanlimab+CBDCA+PTX

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レチファンリマブ (ジニイズ®)+カルボプラチン+パクリタキセル
肛門癌 > 肛門管扁平上皮癌 (SCAC)
2026年03月19日更新

Retifanlimab:レチファンリマブ(ジニイズ®)

投与量コース投与日
500mg 点滴1~6Day 1

PTX:パクリタキセル(パクリタキセル®)

投与量コース投与日
80mg/m² 点滴1~6Day 1、8、15

CBDCA:カルボプラチン(カルボプラチン®)

投与量コース投与日
AUC 5 点滴1~6Day 1

Retifanlimab:レチファンリマブ(ジニイズ®)

投与量コース投与日
500mg 点滴7~19Day 1

前投薬

PTX投与約30分前までに、デキサメタゾン8mgおよびラニチジン50mg又はファモチジン20mgを静脈内投与し、ジフェンヒドラミン50mgを経口投与。
デキサメタゾンは初回投与時8mgとし、次回投与までに過敏症状がみられなかった場合又は臨床上問題のない過敏症状の場合は、2週目以降は半量(4mg)に減量してもよい。以降も同様の場合、半量ずつ最低1mgまで減量してもよい。

概要

「切除不能な進行・再発の肛門管扁平上皮癌」 に対し、 2025年5月15日に承認申請され、 2025年12月22日に承認、 2026年3月18日に薬価収載・同日発売 (500mg20mL1瓶 : 61万1,671円、 1日薬価 : 2万1,845円)。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ジニイズ®点滴静注 (レチファンリマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*インサイト·バイオサイエンシズ·ジャパン合同会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】 28日間
【催吐性】中等度*
【FN発症】 記載なし
*Retifanlimab : 最小度 (NCCN Guidelines Ver. 2.2025. Antiemesis)、 CBDCA+PTX : 中等度、 として編集部が分類

レチファンリマブ : 28日間を1コースとして、 500mgを4週ごとに30分かけて点滴静注

PTX : 28日間を1コースとして、 80mg/m²をDay 1、 8、 15に各1回、 1時間かけて点滴静注

CBDCA : 28日間を1コースとして、 AUC 5mg・min/mL相当量をDay 1に1回、 30分以上かけて点滴静注

レチファンリマブ+化学療法を最大6コース実施した後、 レチファンリマブ単剤による維持療法を最大1年間 (合計13コース) まで継続。

Key Data|臨床試験結果

📊 POD1UM-303 / InterAACT-2試験

Lancet. 2025;405(10495):2144-2152.

全身化学療法未治療の切除不能局所再発または転移性肛門管扁平上皮癌 (SCAC) 患者308例を対象とした第III相無作為化比較試験。 レチファンリマブ+CBDCA+PTX群とプラセボ+CBDCA+PTX群に1:1で割り付け、 主要評価項目はPFSであった。 

【有効性】レチファンリマブ (vs プラセボ)

- PFS中央値 9.3ヵ月 (vs 7.4ヵ月)

  • HR 0.63 (95%CI 0.47–0.84、 p=0.0006)

- OS中央値 29.2ヵ月 (vs 23.0ヵ月)

  • HR 0.70 (95%CI 0.49–1.01、 p=0.027)

- ORR 55.8% (vs 44.2%)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 貧血 66% (20%)

- 悪心 57% (2%)

- 脱毛症 51% (3%)

- 下痢 49% (5%)

- 好中球減少症 47% (35%)

- 無力症 47% (4%)

- 末梢神経障害 30% (3%)

- 疲労 29% (2%)

- 好中球数減少 27% (17%)

- 嘔吐 25% (3%)

- 食欲減退 24% (2%)

- そう痒症 24% (1%)

- 関節痛 16% (1%)

- 血小板減少症 14% (3%)

- 末梢性浮腫 14% (0%)

各プロトコル

適格基準

POD1UM-303試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–1

- 全身治療歴なし (同時化学放射線療法、 または登録6ヵ月以上前に終了した術前・術後補助療法は許容)

腎障害患者に対する用量調整

レチファンリマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

PTX : 減量不要⁴⁾

CBDCA : Calvert式で投与量を算出

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

レチファンリマブ :

ジニイズ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

PTX・CBDCA : 患者の状態により適宜減量

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️POD1UM-303/InterAACT-2試験の結果、 進行肛門管扁平上皮癌に対しては、 従来のCBDCA+PTX療法に代わり、 抗PD-1抗体レチファンリマブ併用療法が新たな標準治療となった。 試験治療群ではGrade≧3の有害事象割合 (83% vs 75%) および重篤な有害事象割合 (16.2% vs 4.4%) が高かったため、 治療中断を可能な限り回避するには、 骨髄抑制や消化器毒性など殺細胞性抗癌薬に伴う有害事象に加え、 甲状腺・下垂体・副腎機能障害を含む免疫関連有害事象を多職種チームで管理することが肝要である。
神奈川県立がんセンター 大隅寛木先生

作用機序の特徴

レチファンリマブはヒトPD-1に対する抗体であり、 PD-1とそのリガンド (PD-L1及びPD-L2) との結合を阻害することで、 がん抗原特異的T細胞の活性化および腫瘍細胞に対する細胞傷害活性を亢進し、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

レジメン適用時の注意事項

過度の免疫反応 : 観察を十分に行い、 異常時はirAEを考慮して鑑別診断を行う。 疑われる場合は副腎皮質ホルモン剤投与等を考慮し、 投与終了後も重篤な副作用に注意して観察を継続。

間質性肺疾患 : 呼吸困難、 咳嗽、 発熱等の初期症状を確認し、 胸部画像検査等で十分に観察するとともに、 必要に応じて血清マーカー等を測定する。

肝障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に肝機能検査を行い、 状態を十分観察する。

腎障害 : 投与開始前および投与期間中は定期的に腎機能検査を行い、 状態を十分観察する。

内分泌障害 : 投与開始前および投与期間中はTSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾール等の内分泌機能検査を定期的に行い、 必要に応じて画像検査等も考慮する。

1型糖尿病 : 口渇、 悪心、 嘔吐等の症状や血糖値上昇に注意する。

ぶどう膜炎 : 眼の異常の有無を定期的に確認し、 異常時は速やかな受診を患者に指導する。

心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常等の観察を十分に行う。

筋炎 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇等の観察を十分に行う。

RMP【重要な特定されたリスク】

ジニイズ®RMP (医薬品リスク管理計画書)

- Infusion reaction

- ILD

- 大腸炎、 小腸炎、 重度の下痢

- 肝機能障害、 肝炎

- 心筋炎

- 重度の皮膚障害

- 筋炎

- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)

- 1型糖尿病

- 膵炎

- 腎機能障害 (尿細管間質性腎炎等)

- 神経障害

- 重篤な血液障害

- ぶどう膜炎

出典

1) インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社. ジニイズ®点滴静注500mg 電子添文 2025年12月 第1版

2) インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社. ジニイズ®点滴静注500mg 適正使用ガイド 2025年12月作成.

3) Lancet. 2025;405(10495):2144-2152.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

最終更新日 : 2026年3月19日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 (消化管) 部長 大隅寛木

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。