概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ノルバデックス® (添付文書)

抗エストロゲン薬 タモキシフェンクエン酸塩錠

投与スケジュール

ノルバデックス®錠 添付文書の用法・用量

タモキシフェン1日20mgを1~2回に分割経口投与する。 なお、 症状により適宜増量できるが、 1日最高量は40mgまでとする。

ノルバデックス®錠 添付文書 (2023年05月改訂 第1版)より引用

特徴と注意点

閉経に関わらず使用可能なホルモン療法

TAMは臓器によって、 エストロゲンの部分的なアゴニストとしてもアンタゴニストとしても作用する。 子宮内膜、 骨、 心血管系、 肝臓などではアゴニストとしての作用を有することが知られている。

タモキシフェンの有効性について

ホルモン受容体陽性乳癌に対し、 TAMの術後5年間の内服は、 再発・死亡の相対リスクをそれぞれ41%、 34%低下させる。

TAMを術後5年間終了後にさらに5年追加することで術後10年以降の再発リスク、 死亡のリスクをそれぞれ25%、 29%低下させる。

5年間内服後に閉経していた場合、 アロマターゼ阻害薬を5年間さらに内服することが推奨されている³⁾。

タモキシフェンの副作用について

TAM内服により、 主に閉経後において子宮内膜癌 (子宮体癌) の発症リスクが増加するが、 死亡リスクの有意な増加は認めない。 不正性器出血などの症状がある場合は、 婦人科での精査が勧められる。

KeyData|臨床試験結果

RCTメタ解析¹⁾

Lancet. 2005 May;365(9472):1687-717.

早期乳癌患者の術後化学療法またはホルモン療法における、 複数の無作為化比較試験(RCT)の結果を評価したメタアナリシスの結果より、 15年死亡率を減少させる治療の存在が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

ATLAS試験²⁾

Lancet. 2013 Mar 9;381(9869):805-16.

エストロゲン受容体陽性の早期乳癌患者において、 術後にタモキシフェン投与を10年まで延長することの効果を、 5年投与で終了した場合を対照に検証したランダム化比較試験ATLASの結果より、 タモキシフェンを10年間投与することで、 10年後の再発と乳癌死亡を予防できることが示された。

>>臨床試験の詳細を見る

出典

  1. Effects of chemotherapy and hormonal therapy for early breast cancer on recurrence and 15-year survival: an overview of the randomised trials. Lancet. 2005 May;365(9472):1687-717. PMID: 15894097
  2. Long-term effects of continuing adjuvant tamoxifen to 10 years versus stopping at 5 years after diagnosis of oestrogen receptor-positive breast cancer: ATLAS, a randomised trial. Lancet. 2013 Mar 9;381(9869):805-16. PMID: 23219286
  3. A randomized trial of letrozole in postmenopausal women after five years of tamoxifen therapy for early-stage breast cancer. N Engl J Med. 2003 Nov 6;349(19):1793-802. PMID: 14551341
最終更新日 : 2024年12月12日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平暖先生

レジメン
TAM (Tamoxifen)
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
TAM (Tamoxifen)
レジメン
TAM (Tamoxifen)

TAM (Tamoxifen)

タモキシフェン (ノルバデックス®)
2025年04月17日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ノルバデックス® (添付文書)

抗エストロゲン薬 タモキシフェンクエン酸塩錠

投与スケジュール

ノルバデックス®錠 添付文書の用法・用量

タモキシフェン1日20mgを1~2回に分割経口投与する。 なお、 症状により適宜増量できるが、 1日最高量は40mgまでとする。

ノルバデックス®錠 添付文書 (2023年05月改訂 第1版)より引用

特徴と注意点

閉経に関わらず使用可能なホルモン療法

TAMは臓器によって、 エストロゲンの部分的なアゴニストとしてもアンタゴニストとしても作用する。 子宮内膜、 骨、 心血管系、 肝臓などではアゴニストとしての作用を有することが知られている。

タモキシフェンの有効性について

ホルモン受容体陽性乳癌に対し、 TAMの術後5年間の内服は、 再発・死亡の相対リスクをそれぞれ41%、 34%低下させる。

TAMを術後5年間終了後にさらに5年追加することで術後10年以降の再発リスク、 死亡のリスクをそれぞれ25%、 29%低下させる。

5年間内服後に閉経していた場合、 アロマターゼ阻害薬を5年間さらに内服することが推奨されている³⁾。

タモキシフェンの副作用について

TAM内服により、 主に閉経後において子宮内膜癌 (子宮体癌) の発症リスクが増加するが、 死亡リスクの有意な増加は認めない。 不正性器出血などの症状がある場合は、 婦人科での精査が勧められる。

KeyData|臨床試験結果

RCTメタ解析¹⁾

Lancet. 2005 May;365(9472):1687-717.

早期乳癌患者の術後化学療法またはホルモン療法における、 複数の無作為化比較試験(RCT)の結果を評価したメタアナリシスの結果より、 15年死亡率を減少させる治療の存在が示された。

>>臨床試験の詳細を見る

ATLAS試験²⁾

Lancet. 2013 Mar 9;381(9869):805-16.

エストロゲン受容体陽性の早期乳癌患者において、 術後にタモキシフェン投与を10年まで延長することの効果を、 5年投与で終了した場合を対照に検証したランダム化比較試験ATLASの結果より、 タモキシフェンを10年間投与することで、 10年後の再発と乳癌死亡を予防できることが示された。

>>臨床試験の詳細を見る

出典

  1. Effects of chemotherapy and hormonal therapy for early breast cancer on recurrence and 15-year survival: an overview of the randomised trials. Lancet. 2005 May;365(9472):1687-717. PMID: 15894097
  2. Long-term effects of continuing adjuvant tamoxifen to 10 years versus stopping at 5 years after diagnosis of oestrogen receptor-positive breast cancer: ATLAS, a randomised trial. Lancet. 2013 Mar 9;381(9869):805-16. PMID: 23219286
  3. A randomized trial of letrozole in postmenopausal women after five years of tamoxifen therapy for early-stage breast cancer. N Engl J Med. 2003 Nov 6;349(19):1793-802. PMID: 14551341
最終更新日 : 2024年12月12日
監修医師 : HOKUTO編集部監修医師
執筆 : NTT東日本関東病院 薬剤部 兼平暖先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(乳腺)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。