プルヴィクト® (ルテチウムビピボチドテトラキセタン : Lu-177)
【1コース】 6週間
【催吐性】 低リスク*
【FN発症】 低リスク**
1回7.4GBqを6週間間隔で最大6回静脈内投与
以下のいずれかの方法で投与²⁾
N Engl J Med. 2021;385(12):1091-1103.
少なくとも1種類のアンドロゲン受容体経路阻害薬および1~2種類のタキサン系レジメンによる治療歴を有するPSMA陽性mCRPC 831例を対象とした第III相無作為化比較試験。 Lu-177+標準治療群551例、 標準治療単独群280例に割り付け、 主要評価項目は画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS) とOSとされた。
【有効性】¹⁷⁷Lu-PSMA-617群 (vs 対照群)
- OS中央値 15.3ヵ月 (vs 11.3ヵ月)
- rPFS中央値 8.7ヵ月 (vs 3.4ヵ月)
- 奏効率 29.8% (vs 1.7%)
- PSA反応率 (≧50%低下) 46% (vs 7%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 疲労 43.1% (5.9%)
- 口内乾燥 38.8% (0%)
- 悪心 35.3% (1.3%)
- 貧血 31.8% (12.9%)
- 背部痛 23.4% (3.2%)
- 関節痛 22.3% (1.1%)
- 食欲減退 21.2% (1.9%)
- 便秘 20.2% (1.1%)
- 下痢 18.9% (0.8%)
- 嘔吐 18.9% (0.9%)
- 血小板減少 17.2% (7.9%)
- リンパ球減少 14.2% (7.8%)
- 白血球減少 12.5% (2.5%)
VISION試験³⁾の主な適格基準 :
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 白血球≧2,500/μL、 又は好中球≧1,500/μL
- 血小板≧10万/μL
- ヘモグロビン≧9.0g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦3.0×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5×ULN 又はCrCl≧50mL/min
- 少なくとも1つの新規アンドロゲン軸薬 (NAAD) および1つ又は2つのタキサン系レジメンによる既治療歴あり
VISION試験³⁾では、 減量は1回のみ許可され再増量は不可であり、 追加の減量が必要な毒性が出た場合や有害事象による投与遅延が4週間を超える場合は治療を中止するとされた。
VISION試験³⁾では、 その他の有害事象への対応方法は以下のとおり定められていた。
本放射性リガンド療法 (RLT) は、 特定の医療機関でのみ実施可能である。
新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬 (ARSI) 治療歴を有するPSMA陽性mCRPCが適応。
アビラテロン、 エンザルタミド、 アパルタミド、 ダロルタミド未治療患者での有効性・安全性は確立していない。 タキサン系抗癌薬未治療の場合は、 その治療実施を慎重に検討し、 適応を選択する。
Lu-177は、 PSMA高親和性のビピボチドテトラキセタンをLu-177で標識した放射性リガンド治療薬である。 PSMA高発現を示す去勢抵抗性前立腺癌などに結合後、 エンドサイトーシスを介して腫瘍細胞内に取り込まれ、 Lu-177から放出されるベータ線によりDNA損傷を誘発し、 腫瘍増殖を抑制する。 Lu-177のベータ線は正常組織への影響を抑えつつ、 腫瘍を効率的に照射する。
骨髄抑制 : 投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 状態を十分に確認
腎機能障害 : 投与開始前および投与中に定期的な腎機能検査で状態を確認し、 投与前後には水分補給と排尿を促す
医療従事者の防護 : 放射性医薬品であるため、 鉛シールド・鉛ガラスシリンジシールド・防護手袋を必ず使用し、 被曝を最小化する
患者指導のポイント :
- 水分摂取と頻回排尿を促し膀胱被曝を低減
- 投与後2日間は家庭内で1m未満の近接接触を回避
- 小児および妊婦との接触は7日間制限
- 性行為は7日間禁止
- 同居人との就寝は別室とし、 以下を遵守
同居人とは3日間、 子どもとは7日間、 妊婦とは15日間別室とする。
- 骨髄抑制
- 腎機能障害
最終更新 : 2025年10月6日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部 医師
プルヴィクト® (ルテチウムビピボチドテトラキセタン : Lu-177)
【1コース】 6週間
【催吐性】 低リスク*
【FN発症】 低リスク**
1回7.4GBqを6週間間隔で最大6回静脈内投与
以下のいずれかの方法で投与²⁾
N Engl J Med. 2021;385(12):1091-1103.
少なくとも1種類のアンドロゲン受容体経路阻害薬および1~2種類のタキサン系レジメンによる治療歴を有するPSMA陽性mCRPC 831例を対象とした第III相無作為化比較試験。 Lu-177+標準治療群551例、 標準治療単独群280例に割り付け、 主要評価項目は画像診断に基づく無増悪生存期間 (rPFS) とOSとされた。
【有効性】¹⁷⁷Lu-PSMA-617群 (vs 対照群)
- OS中央値 15.3ヵ月 (vs 11.3ヵ月)
- rPFS中央値 8.7ヵ月 (vs 3.4ヵ月)
- 奏効率 29.8% (vs 1.7%)
- PSA反応率 (≧50%低下) 46% (vs 7%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 疲労 43.1% (5.9%)
- 口内乾燥 38.8% (0%)
- 悪心 35.3% (1.3%)
- 貧血 31.8% (12.9%)
- 背部痛 23.4% (3.2%)
- 関節痛 22.3% (1.1%)
- 食欲減退 21.2% (1.9%)
- 便秘 20.2% (1.1%)
- 下痢 18.9% (0.8%)
- 嘔吐 18.9% (0.9%)
- 血小板減少 17.2% (7.9%)
- リンパ球減少 14.2% (7.8%)
- 白血球減少 12.5% (2.5%)
VISION試験³⁾の主な適格基準 :
- 18歳以上
- ECOG PS 0–2
- 白血球≧2,500/μL、 又は好中球≧1,500/μL
- 血小板≧10万/μL
- ヘモグロビン≧9.0g/dL
- 肝機能 : T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦3.0×ULN
- 腎機能 : Cre≦1.5×ULN 又はCrCl≧50mL/min
- 少なくとも1つの新規アンドロゲン軸薬 (NAAD) および1つ又は2つのタキサン系レジメンによる既治療歴あり
VISION試験³⁾では、 減量は1回のみ許可され再増量は不可であり、 追加の減量が必要な毒性が出た場合や有害事象による投与遅延が4週間を超える場合は治療を中止するとされた。
VISION試験³⁾では、 その他の有害事象への対応方法は以下のとおり定められていた。
本放射性リガンド療法 (RLT) は、 特定の医療機関でのみ実施可能である。
新規アンドロゲン受容体シグナル阻害薬 (ARSI) 治療歴を有するPSMA陽性mCRPCが適応。
アビラテロン、 エンザルタミド、 アパルタミド、 ダロルタミド未治療患者での有効性・安全性は確立していない。 タキサン系抗癌薬未治療の場合は、 その治療実施を慎重に検討し、 適応を選択する。
Lu-177は、 PSMA高親和性のビピボチドテトラキセタンをLu-177で標識した放射性リガンド治療薬である。 PSMA高発現を示す去勢抵抗性前立腺癌などに結合後、 エンドサイトーシスを介して腫瘍細胞内に取り込まれ、 Lu-177から放出されるベータ線によりDNA損傷を誘発し、 腫瘍増殖を抑制する。 Lu-177のベータ線は正常組織への影響を抑えつつ、 腫瘍を効率的に照射する。
骨髄抑制 : 投与開始前及び投与中は定期的に血液検査を行い、 状態を十分に確認
腎機能障害 : 投与開始前および投与中に定期的な腎機能検査で状態を確認し、 投与前後には水分補給と排尿を促す
医療従事者の防護 : 放射性医薬品であるため、 鉛シールド・鉛ガラスシリンジシールド・防護手袋を必ず使用し、 被曝を最小化する
患者指導のポイント :
- 水分摂取と頻回排尿を促し膀胱被曝を低減
- 投与後2日間は家庭内で1m未満の近接接触を回避
- 小児および妊婦との接触は7日間制限
- 性行為は7日間禁止
- 同居人との就寝は別室とし、 以下を遵守
同居人とは3日間、 子どもとは7日間、 妊婦とは15日間別室とする。
- 骨髄抑制
- 腎機能障害
最終更新 : 2025年10月6日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修医師 : HOKUTO編集部 医師
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。