2026年6月8日、 「根治切除および化学放射線療法の適応とならない食道癌」 に対する製造販売承認を取得した。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

テロメライシン®注 (スラタデノツレブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*富士フイルム富山化学株式会社の外部サイトに遷移します

投与スケジュール

スラタデノツレブ : 放射線療法との併用において、 通常、 成人には1回1mL (1×10¹² vp) を概ね2週間間隔で計3回、 上部消化管内視鏡下に腫瘍内投与する。 腫瘍の大きさ・数に応じて1回2mL (2×10¹² vp) まで増量でき、 1カ所あたり0.2mLを目安に5~10ヵ所へ分割し、 病変全体に行き渡るよう注入する。 放射線療法は本品初回投与3日後に開始し、 2.0Gy/日を週5日、 約6週間継続する。

国内第Ⅱ相臨床試験における投与間隔は、 初回~2回目が17日 (±2日)、 2回目~3回目が14日 (±2日) であった²⁾。 なお、 他の抗悪性腫瘍薬との併用および4回以上の投与における有効性・安全性は確立していない²⁾。  
テロメライシン®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 国内第Ⅱ相試験 (OBP101JP試験)¹⁾

根治切除および化学放射線療法が適応とならず、 局注可能な病変を有するUICC-TNM第8版 cStage II・IIIの局所進行食道癌患者を対象とした、 国内17施設の非対照・非盲検第II相試験。 Telomelysinは放射線療法との併用で上部消化管内視鏡下に計3回腫瘍内投与され、 主要評価項目は中央判定による投与開始後24週までの局所完全奏効率とした。 

【有効性】

- 局所完全奏効率 (中央判定)

24週まで 41.7% (90%CI 27.7–56.7)

18ヵ月まで 50.0% (90%CI 35.3–64.7)

【安全性】主な副作用

- 発熱 51.4%

- リンパ球数減少 37.8%

- 白血球数減少 10.8%

- リンパ球減少症 10.8%

- 食欲減退 5.4%

- 嘔吐 5.4%

- 頭痛 5.4%

- 食道炎 2.7%

- 体重減少 2.7%

- 不眠症 2.7%

各プロトコル

適格基準

OBP101JP試験¹⁾の主な適格基準

- 根治切除及び化学放射線療法が適応とならない局所進行食道癌

- 組織学的に食道癌 (扁平上皮癌、 腺癌等) と診断

- 局注可能な病変を有する

- UICC-TNM第8版でcStage Ⅱ・Ⅲ

免疫チェックポイント阻害薬または食道癌に対する化学療法の治療歴がある患者、 および頸部・胸部・上腹部病変への放射線療法歴があり、 照射野が重複する患者は除外された。

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️スラタデノツレブは遺伝子改変アデノウイルスであり、 テロメラーゼ活性が亢進している腫瘍に対して、 上部消化管内視鏡下で腫瘍内に局所注射することで、 アデノウイルスが腫瘍内で増殖し、 最終的に腫瘍融解を来たすことにより抗腫瘍効果を示す腫瘍融解ウイルスの一つです。 承認根拠となったOBP101JP試験では、 主要評価項目である24週までの局所完全奏効割合が41.7%、 18ヵ月時点でも50.0%と報告されており、 局所の有効性が期待できると考えられます。 また、 安全性に関しても、 Grade 3以上のスラタデノツレブに関連する有害事象はリンパ球減少 (37.8%) と発熱 (2.7%) のみに限られ、 忍容性も保たれていました。 ただし、 根治的な手術や化学放射線療法が適応とならない局所進行食道がんに対して放射線療法と併用した場合の結果であることや、 スラタデノツレブ自体が遺伝子組換え製品に該当することから、 カルタヘナ法を遵守し、 適切に取り扱いが可能な施設のみでの実施に限られることに注意が必要です。
国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿先生

作用機序の特徴

腫瘍内に投与されたスラタデノツレブは、 hTERTを高発現する腫瘍細胞に感染すると、 hTERT遺伝子プロモーター制御下でE1A・E1B遺伝子を発現し、 腫瘍内で増殖することで腫瘍細胞を溶解し、 抗腫瘍効果を示すことが期待される¹⁾。 また、 本品が産生するE1Bタンパク質は、 放射線照射によって形成されるMRN複合体を抑制し、 ATMのリン酸化を阻害する。 これにより、 放射線との相乗的な細胞傷害作用を示すことが非臨床試験で確認されている²⁾。

レジメン適用時の注意事項

テロメライシン®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

感染症伝播リスク : ヒト・動物由来原材料を使用しており、 感染症伝播リスクを完全には排除できないため、 投与の必要性を十分に検討する。

発熱 : 免疫反応などに伴い、 投与後早期から高頻度に発熱があらわれるため、 患者状態を十分に観察する。

血球減少 : リンパ球数減少、 白血球数減少があらわれることがあるため、 定期的に血液検査を行う。

食道穿孔 : 食道穿孔があらわれることがあるため、 患者状態を十分に観察し、 発現時は適切に処置する。

出典

1) オンコリスバイオファーマ. テロメライシン®注 電子添文. 2026年作成 第1版.

2) 富士フイルム富山化学株式会社. テロメライシン®注 適正使用ガイド. 2026年7月作成.

最終更新日 : 2026年7月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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スラタデノツレブ (テロメライシン®)
食道癌 > 局所療法
2026年07月22日更新
2026年6月8日、 「根治切除および化学放射線療法の適応とならない食道癌」 に対する製造販売承認を取得した。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

テロメライシン®注 (スラタデノツレブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

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投与スケジュール

スラタデノツレブ : 放射線療法との併用において、 通常、 成人には1回1mL (1×10¹² vp) を概ね2週間間隔で計3回、 上部消化管内視鏡下に腫瘍内投与する。 腫瘍の大きさ・数に応じて1回2mL (2×10¹² vp) まで増量でき、 1カ所あたり0.2mLを目安に5~10ヵ所へ分割し、 病変全体に行き渡るよう注入する。 放射線療法は本品初回投与3日後に開始し、 2.0Gy/日を週5日、 約6週間継続する。

国内第Ⅱ相臨床試験における投与間隔は、 初回~2回目が17日 (±2日)、 2回目~3回目が14日 (±2日) であった²⁾。 なお、 他の抗悪性腫瘍薬との併用および4回以上の投与における有効性・安全性は確立していない²⁾。  
テロメライシン®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

Key Data|臨床試験結果

📊 国内第Ⅱ相試験 (OBP101JP試験)¹⁾

根治切除および化学放射線療法が適応とならず、 局注可能な病変を有するUICC-TNM第8版 cStage II・IIIの局所進行食道癌患者を対象とした、 国内17施設の非対照・非盲検第II相試験。 Telomelysinは放射線療法との併用で上部消化管内視鏡下に計3回腫瘍内投与され、 主要評価項目は中央判定による投与開始後24週までの局所完全奏効率とした。 

【有効性】

- 局所完全奏効率 (中央判定)

24週まで 41.7% (90%CI 27.7–56.7)

18ヵ月まで 50.0% (90%CI 35.3–64.7)

【安全性】主な副作用

- 発熱 51.4%

- リンパ球数減少 37.8%

- 白血球数減少 10.8%

- リンパ球減少症 10.8%

- 食欲減退 5.4%

- 嘔吐 5.4%

- 頭痛 5.4%

- 食道炎 2.7%

- 体重減少 2.7%

- 不眠症 2.7%

各プロトコル

適格基準

OBP101JP試験¹⁾の主な適格基準

- 根治切除及び化学放射線療法が適応とならない局所進行食道癌

- 組織学的に食道癌 (扁平上皮癌、 腺癌等) と診断

- 局注可能な病変を有する

- UICC-TNM第8版でcStage Ⅱ・Ⅲ

免疫チェックポイント阻害薬または食道癌に対する化学療法の治療歴がある患者、 および頸部・胸部・上腹部病変への放射線療法歴があり、 照射野が重複する患者は除外された。

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️スラタデノツレブは遺伝子改変アデノウイルスであり、 テロメラーゼ活性が亢進している腫瘍に対して、 上部消化管内視鏡下で腫瘍内に局所注射することで、 アデノウイルスが腫瘍内で増殖し、 最終的に腫瘍融解を来たすことにより抗腫瘍効果を示す腫瘍融解ウイルスの一つです。 承認根拠となったOBP101JP試験では、 主要評価項目である24週までの局所完全奏効割合が41.7%、 18ヵ月時点でも50.0%と報告されており、 局所の有効性が期待できると考えられます。 また、 安全性に関しても、 Grade 3以上のスラタデノツレブに関連する有害事象はリンパ球減少 (37.8%) と発熱 (2.7%) のみに限られ、 忍容性も保たれていました。 ただし、 根治的な手術や化学放射線療法が適応とならない局所進行食道がんに対して放射線療法と併用した場合の結果であることや、 スラタデノツレブ自体が遺伝子組換え製品に該当することから、 カルタヘナ法を遵守し、 適切に取り扱いが可能な施設のみでの実施に限られることに注意が必要です。
国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿先生

作用機序の特徴

腫瘍内に投与されたスラタデノツレブは、 hTERTを高発現する腫瘍細胞に感染すると、 hTERT遺伝子プロモーター制御下でE1A・E1B遺伝子を発現し、 腫瘍内で増殖することで腫瘍細胞を溶解し、 抗腫瘍効果を示すことが期待される¹⁾。 また、 本品が産生するE1Bタンパク質は、 放射線照射によって形成されるMRN複合体を抑制し、 ATMのリン酸化を阻害する。 これにより、 放射線との相乗的な細胞傷害作用を示すことが非臨床試験で確認されている²⁾。

レジメン適用時の注意事項

テロメライシン®電子添文¹⁾ 「重要な基本的注意」 の要約

感染症伝播リスク : ヒト・動物由来原材料を使用しており、 感染症伝播リスクを完全には排除できないため、 投与の必要性を十分に検討する。

発熱 : 免疫反応などに伴い、 投与後早期から高頻度に発熱があらわれるため、 患者状態を十分に観察する。

血球減少 : リンパ球数減少、 白血球数減少があらわれることがあるため、 定期的に血液検査を行う。

食道穿孔 : 食道穿孔があらわれることがあるため、 患者状態を十分に観察し、 発現時は適切に処置する。

出典

1) オンコリスバイオファーマ. テロメライシン®注 電子添文. 2026年作成 第1版.

2) 富士フイルム富山化学株式会社. テロメライシン®注 適正使用ガイド. 2026年7月作成.

最終更新日 : 2026年7月22日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
執筆協力 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 山本駿
監修 : 国立がん研究センター中央病院 頭頸部・食道内科 加藤健

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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