概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 軽度催吐性

- タキソテール® (添付文書¹⁾)

用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

70mg/m²を1時間以上かけ3~4週間毎に点滴静注

タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)¹⁾より作図、引用

前投薬・投与スケジュール例

- DEX 8.25mg+生食 50mL (30分)

- DTX 70mg/m²+生食 250mL (60分)

- 生食 50mL (全開投与)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
💬DTXを使用する際には、 DEXを前投薬として投与することで、 蓄積毒性である浮腫を予防することができる
日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供

投与開始基準

国内共同第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

20~74歳で、 余命が3ヵ月を超え、 組織学的に原発性III期、 IV期または再発性の子宮内膜癌と診断されている下記に該当する患者

Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より作図

電子添文¹⁾の記載

子宮体癌。 術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていない

タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)¹⁾より引用

減量・休薬・中止基準

国内共同第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より作図

主な有害事象

国内共同第Ⅱ相試験²⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 好中球数減少 97.0% (93.9%)
  • Hb減少 72.7% (6.1%)
  • 血小板数減少 21.2% (0%)
  • 倦怠感 69.7% (9.1%)
  • 嘔吐 39.4% (9.1%)
  • 下痢 60.6% (9.1%)
  • 便秘 48.5% (12.1%)
  • 口内炎 27.3% (3.0%)
  • 発熱性好中球減少症 18.2% (9.1%)
  • AST増加 36.4% (0%)
  • ALT増加 30.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 脱毛症 93.9% (0%)
Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

転移・再発後の2次治療として、 ドセタキセルは、 31% (95%CI 16.1-50.0%) の奏効率を示しています²⁾。

現在では、 レンバチニブ+ペムブロリズマブが2次治療の標準ですが、 何らかの理由で、 レンバチニブ+ペムブロリズマブが使用できない患者、 また、 3次治療 (全身状態の良い患者) の選択肢になるかと思われます。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. サノフィ株式会社. タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. Phase II trial of docetaxel in advanced or metastatic endometrial cancer: a Japanese Cooperative Study. Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004. PMID: 16234823
最終更新日 : 2024年5月9日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

レジメン
DTX
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン
DTX
レジメン
DTX

DTX

ドセタキセル (タキソテール®)
2024年05月09日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

【催吐性】 軽度催吐性

- タキソテール® (添付文書¹⁾)

用法用量

電子添文¹⁾の用法および用量

70mg/m²を1時間以上かけ3~4週間毎に点滴静注

タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)¹⁾より作図、引用

前投薬・投与スケジュール例

- DEX 8.25mg+生食 50mL (30分)

- DTX 70mg/m²+生食 250mL (60分)

- 生食 50mL (全開投与)

日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供
💬DTXを使用する際には、 DEXを前投薬として投与することで、 蓄積毒性である浮腫を予防することができる
日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生提供

投与開始基準

国内共同第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

20~74歳で、 余命が3ヵ月を超え、 組織学的に原発性III期、 IV期または再発性の子宮内膜癌と診断されている下記に該当する患者

Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より作図

電子添文¹⁾の記載

子宮体癌。 術後補助化学療法における有効性及び安全性は確立されていない

タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版)¹⁾より引用

減量・休薬・中止基準

国内共同第Ⅱ相試験²⁾のプロトコル

Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より作図

主な有害事象

国内共同第Ⅱ相試験²⁾

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 好中球数減少 97.0% (93.9%)
  • Hb減少 72.7% (6.1%)
  • 血小板数減少 21.2% (0%)
  • 倦怠感 69.7% (9.1%)
  • 嘔吐 39.4% (9.1%)
  • 下痢 60.6% (9.1%)
  • 便秘 48.5% (12.1%)
  • 口内炎 27.3% (3.0%)
  • 発熱性好中球減少症 18.2% (9.1%)
  • AST増加 36.4% (0%)
  • ALT増加 30.3% (0%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 脱毛症 93.9% (0%)
Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004²⁾より引用

エキスパートによるワンポイント

転移・再発後の2次治療として、 ドセタキセルは、 31% (95%CI 16.1-50.0%) の奏効率を示しています²⁾。

現在では、 レンバチニブ+ペムブロリズマブが2次治療の標準ですが、 何らかの理由で、 レンバチニブ+ペムブロリズマブが使用できない患者、 また、 3次治療 (全身状態の良い患者) の選択肢になるかと思われます。

監修 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

出典

  1. サノフィ株式会社. タキソテール®電子添文 (2023年7月改訂 第4版) [最終閲覧 : 2024/03/14]
  2. Phase II trial of docetaxel in advanced or metastatic endometrial cancer: a Japanese Cooperative Study. Br J Cancer. 2005 Oct 31;93(9):999-1004. PMID: 16234823
最終更新日 : 2024年5月9日
監修医師 : 日本医科大学 武蔵小杉病院 腫瘍内科教授 勝俣 範之先生

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

監修・協力医一覧
レジメン(婦人科)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。