治療スケジュール
概要
監修医師

ISA:イサツキシマブ(サークリサ®)

投与量コース投与日
10mg/kg1Day 1、8、15、22
10mg/kg2~Day 1、15

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m²1Day 1、2
56mg/m²1Day 8、9、15、16
56mg/m²2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg1~Day 1、2、8、9、15、16、22、23

前投薬

ISA投与開始15~60分前にDEX、 抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.

その他

1コースは28日間.
レジメン
ISA-Kd
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

IKEMA試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 19%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 30%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (46%、 ≧Grade3 1%)
  • 高血圧 (37%、 ≧Grade3 20%)
  • 下痢 (36%、 ≧Grade3 3%)
  • 上気道感染 (36%、 ≧Grade3 3%)
  • 倦怠感 (28%、 ≧Grade3 3%)
  • 呼吸困難 (28%、 ≧Grade3 5%)
  • 不眠 (24%、 ≧Grade3 5%)
  • 肺炎 (29%、 ≧Grade3 21%)
  • 気管支炎 (23%、 ≧Grade3 2%)
  • 背部痛 (22%、 ≧Grade3 2%)
  • 血栓塞栓症 (15%、 ≧Grade3 4%)

その他重要な有害事象

  • 心不全 (7%、 ≧Grade3 4%)
  • 虚血性心疾患 (5%、 ≧Grade3 1%)
  • 二次性悪性腫瘍 (7%、 ≧Grade3 2%)

特徴と注意点

イサツキシマブ(Isatuximab:ISA)

  • ISAは抗CD38モノクローナル抗体であり、 再発難治性の多発性骨髄腫に保険適用.
  • ISAによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応の詳細は添付文書を参照.
  • ISAはCD38と結合し、 間接クームス試験の結果が偽陽性になる可能性あり.
  • ISAはIgGκモノクローナル抗体のため血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の結果に干渉する可能性あり.
  • ISAは0.2又は0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.
  • ISAは希釈後の総量が250mLとなるよう調製. 

カルフィルゾミブ(Carfilzomib:CFZ or CAR)

  • CFZはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • CFZはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

IKEMA試験¹⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 CR:完全寛解 VGPR:非常に良い部分寛解 MRD:微小残存病変 

概要

  • 1~3レジメンの前治療歴がある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国際共同第3相試験.
  • CFZ+DEX (Kd) に対するISAの上乗せ効果を評価 (観察期間中央値20.7ヵ月).

結果

  • PFS中央値:IsaKd群 未到達 vs Kd群 19.2ヵ月 (HR 0.53、 99%CI 0.32-0.89、 p=0.0007).
  • 2年推定PFS:IsaKd群 68.9% vs Kd群 45.7ヵ月 (HR 0.58、 99%CI 0.36-0.92、 p=0.0010).
  • ORR:IsaKd群 86.6% vs Kd群 82.9% (p=0.193).
  • ≧VGPR:IsaKd群 72.6% vs Kd群 56.1% (p=0.0011).
  • ≧CR:IsaKd群 39.7% vs Kd群 27.6%.
  • MRD陰性化率:IsaKd群 29.6% vs Kd群 13.0% (p=0.0004).

参考文献

  1. Lancet. 2021 Jun 19;397(10292):2361-2371.

最終更新:2022年1月6日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
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イサツキシマブ、カルフィルゾミブ、デキサメタゾン
2023年05月07日更新

ISA:イサツキシマブ(サークリサ®)

投与量コース投与日
10mg/kg1Day 1、8、15、22
10mg/kg2~Day 1、15

CFZ:カルフィルゾミブ(カイプロリス®)

投与量コース投与日
20mg/m²1Day 1、2
56mg/m²1Day 8、9、15、16
56mg/m²2~Day 1、2、8、9、15、16

DEX:デキサメタゾン(デカドロン®)

投与量コース投与日
20mg1~Day 1、2、8、9、15、16、22、23

前投薬

ISA投与開始15~60分前にDEX、 抗ヒスタミン薬、 H2受容体拮抗薬、 アセトアミノフェン投与.

その他

1コースは28日間.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

主な有害事象

IKEMA試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 貧血 (≧Grade3 22%)
  • 好中球減少 (≧Grade3 19%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 30%)

主な有害事象

  • Infusion reaction (46%、 ≧Grade3 1%)
  • 高血圧 (37%、 ≧Grade3 20%)
  • 下痢 (36%、 ≧Grade3 3%)
  • 上気道感染 (36%、 ≧Grade3 3%)
  • 倦怠感 (28%、 ≧Grade3 3%)
  • 呼吸困難 (28%、 ≧Grade3 5%)
  • 不眠 (24%、 ≧Grade3 5%)
  • 肺炎 (29%、 ≧Grade3 21%)
  • 気管支炎 (23%、 ≧Grade3 2%)
  • 背部痛 (22%、 ≧Grade3 2%)
  • 血栓塞栓症 (15%、 ≧Grade3 4%)

その他重要な有害事象

  • 心不全 (7%、 ≧Grade3 4%)
  • 虚血性心疾患 (5%、 ≧Grade3 1%)
  • 二次性悪性腫瘍 (7%、 ≧Grade3 2%)

特徴と注意点

イサツキシマブ(Isatuximab:ISA)

  • ISAは抗CD38モノクローナル抗体であり、 再発難治性の多発性骨髄腫に保険適用.
  • ISAによるInfusion reaction (IRR) 発現時の対応の詳細は添付文書を参照.
  • ISAはCD38と結合し、 間接クームス試験の結果が偽陽性になる可能性あり.
  • ISAはIgGκモノクローナル抗体のため血清中Mタンパクの血清蛋白電気泳動法及び免疫固定法の結果に干渉する可能性あり.
  • ISAは0.2又は0.22μmのメンブランフィルターを用いて投与.
  • ISAは希釈後の総量が250mLとなるよう調製. 

カルフィルゾミブ(Carfilzomib:CFZ or CAR)

  • CFZはプロテアソーム阻害薬再発又は難治性骨髄腫に保険適用.
  • CFZはボルテゾミブと比べ末梢神経障害は少ないが心障害に注意.
  • 定期的な心電図検査および電解質検査を推奨.
  • CCr 15mL/min以下の場合、 休薬が必要.

関連する臨床試験の結果

IKEMA試験¹⁾

PFS:無増悪生存期間 ORR:全奏効率 CR:完全寛解 VGPR:非常に良い部分寛解 MRD:微小残存病変 

概要

  • 1~3レジメンの前治療歴がある再発又は難治性多発性骨髄腫に対する国際共同第3相試験.
  • CFZ+DEX (Kd) に対するISAの上乗せ効果を評価 (観察期間中央値20.7ヵ月).

結果

  • PFS中央値:IsaKd群 未到達 vs Kd群 19.2ヵ月 (HR 0.53、 99%CI 0.32-0.89、 p=0.0007).
  • 2年推定PFS:IsaKd群 68.9% vs Kd群 45.7ヵ月 (HR 0.58、 99%CI 0.36-0.92、 p=0.0010).
  • ORR:IsaKd群 86.6% vs Kd群 82.9% (p=0.193).
  • ≧VGPR:IsaKd群 72.6% vs Kd群 56.1% (p=0.0011).
  • ≧CR:IsaKd群 39.7% vs Kd群 27.6%.
  • MRD陰性化率:IsaKd群 29.6% vs Kd群 13.0% (p=0.0004).

参考文献

  1. Lancet. 2021 Jun 19;397(10292):2361-2371.

最終更新:2022年1月6日
執筆担当:北里大学病院薬剤部 宮島律子
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

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