概要
監修医師
2025年9月19日に 「膀胱癌における術前・術後補助療法」 が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イミフィンジ® (デュルバルマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報*²⁾

*アストラゼネカ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】21日間
【催吐性】高度
【FN発症】低リスク*
NIAGARA試験のFN発生率2.1%²⁾を基に編集部が分類

術前補助療法 : ゲムシタビン+シスプラチン (GC) 療法と併用し、 デュルバルマブ1500mg (≦30kgは20mg/kg) を3週毎に最大4回、 60分以上かけて点滴静注。 GC療法の投与法は腎機能を基に以下より選択。

▼CrCl 60mL/min以上
▼CrCl 40mL/min以上、 60mL/min未満

術後補助療法 : デュルバルマブ1500mg (≦30kgは20mg/kg) を4週毎に最大8回、 同様に点滴静注

Key Data|臨床試験結果

📊 NIAGARA試験

N Engl J Med. 2024;391(19):1773-1786.

未治療の切除可能な筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC)  (cT2–T4aN0M0またはcT2–T4aN1M0) 患者1,063例を対象とした第III相無作為化比較試験。 介入群533例は 「周術期デュルバルマブ+GC療法、 その後に根治的膀胱全摘」、 対照群530例は 「GC療法単独、 その後に根治的膀胱全摘」 として1:1に割り付けた。 主要評価項目は病理学的完全奏効 (pCR) および無イベント生存期間 (EFS) であった。 

【有効性】介入群 (vs 対照群)

- pCR率 33.8% (vs 25.8%)

- EFS中央値 未到達 (vs 46.1ヵ月)

  • HR 0.68 (95%CI 0.56–0.82)
  • 24ヵ月EFS率 67.8% (vs 59.8%)

- PD-L1発現別主要評価項目の結果

- OS中央値 未到達 (vs 未到達)

  • 24ヵ月OS率 82.2% (vs 75.2%)
  • HR 0.75 (95%CI 0.59–0.93)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 悪心 53.6% (1.5%)

- 貧血 38.7% (13.8%)

- 便秘 38.7% (0.8%)

- 倦怠感 36.0% (1.5%)

- 尿路感染 30.0% (14.2%)

- 食欲減退 26.6% (0.6%)

- 好中球減少症 25.8% (14.3%)

- 発熱 20.8% (0.2%)

- 下痢 20.6% (1.5%)

- 嘔吐 19.2% (0.9%)

- クレアチニン上昇 18.5% (2.3%)

- 無力症 17.5% (0.8%)

- 好中球数減少 15.3% (7.0%)

- 掻痒 15.1% (0%)

各プロトコル

適格基準

NIAGARA試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–1

- ヘモグロビン≧9.0g/dL

- 好中球≧1,500/μL

- 血小板≧10万/μL

- 肝機能: T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN

- 腎機能: CrCl≧40mL/min

用量レベル

NIAGARA試験³⁾ではデュルバルマブの減量はなく、 GC療法の減量は各国の標準診療や添付文書に従うこととされた。

なお、 化学療法が延期された場合はデュルバルマブも延期し、 忍容性により術前治療が4サイクル未満となることも許容された。

腎障害患者に対する用量調整

デュルバルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

GEM⁴⁾ : 腎機能低下や透析時の減量は原則不要。 ただし、 代謝産物dFdUは腎機能低下時に蓄積しやすく、 皮膚障害などの有害事象が増える可能性があるため注意

CDDP⁴⁾ : 重篤な腎障害例への投与は禁忌

NIAGARA試験の適格基準はCrCl≧40mL/minであり注意

- CrCl 46~60mL/minでは75%、 31~45mL/minでは50%に減量し、 CrCl≦30mL/minでは投与を推奨しない

- 別の報告 : CrCl 30~49mL/minでは75%、 10~29mL/minでは投与が必要な場合に75%、 CrCl<10mL/minでは投与が必要な場合に50%に減量

有害事象発現時の休薬・中止基準

デュルバルマブ :

イミフィンジ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

>> CTCAEを確認する

レジメンの特徴と注意点

本レジメンの位置付け

本レジメンは、 根治的膀胱全摘が適応となるMIBC患者に適応される⁵⁾。

作用機序の特徴

デュルバルマブはヒトPD-L1に対するIgG1κモノクローナル抗体であり、 PD-L1と受容体PD-1の結合を阻害することで抗腫瘍免疫応答を高め、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

レジメン適用時の注意事項

間質性肺疾患 : 息切れ・呼吸困難・咳嗽・発熱などの初期症状を確認し、 胸部X線検査を行うなど十分に観察する。 必要に応じて胸部CTや血清マーカー検査も実施する。

内分泌障害 : 甲状腺・副腎・下垂体の機能障害が発現することがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾールなど) を行い、 患者の状態を十分に観察する。 必要に応じて画像検査を実施する。

1型糖尿病 : 口渇・悪心・嘔吐などの症状や血糖値の上昇に十分注意する。

肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎 : 投与開始前および投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

腎障害 : 投与開始前および投与中は定期的に腎機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇などを十分に観察する。

心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常などを十分に観察する。

重症筋無力症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害などを十分に観察する。

Infusion reaction : 投与時には毎回患者の状態を十分に観察する。

RMP【重要な特定されたリスク】

イミフィンジ® 医薬品リスク管理計画書 (RMP)

- 間質性肺疾患

- 大腸炎・重度の下痢

- 肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎

- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)

- 1型糖尿病

- 腎障害 (間質性腎炎等)

- 筋炎

- 心筋炎

- 重症筋無力症

- 免疫性血小板減少性紫斑病

- 脳炎

- 重度の皮膚障害

- 神経障害 (ギラン・バレー症候群を含む)

- Infusion reaction

出典

1) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®電子添文 (2026年1月改訂 第10版)

2) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®適正使用ガイド (2026年1月作成)

3) N Engl J Med. 2024;391(19):1773-1786.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

5) 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン デュルバルマブ (遺伝子組換え) ~膀胱癌~ 令和7年9月改訂.

最終更新日 : 2026年1月7日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : HOKUTO編集部監修医師

レジメン
Durvalumab+GEM+CDDP
こちらの記事の監修医師
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

HOKUTO編集部
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Durvalumab+GEM+CDDP

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デュルバルマブ (イミフィンジ®) +ゲムシタビン+シスプラチン
2026年02月13日更新
2025年9月19日に 「膀胱癌における術前・術後補助療法」 が追加承認された。
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

イミフィンジ® (デュルバルマブ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報*²⁾

*アストラゼネカ株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

【1コース】21日間
【催吐性】高度
【FN発症】低リスク*
NIAGARA試験のFN発生率2.1%²⁾を基に編集部が分類

術前補助療法 : ゲムシタビン+シスプラチン (GC) 療法と併用し、 デュルバルマブ1500mg (≦30kgは20mg/kg) を3週毎に最大4回、 60分以上かけて点滴静注。 GC療法の投与法は腎機能を基に以下より選択。

▼CrCl 60mL/min以上
▼CrCl 40mL/min以上、 60mL/min未満

術後補助療法 : デュルバルマブ1500mg (≦30kgは20mg/kg) を4週毎に最大8回、 同様に点滴静注

Key Data|臨床試験結果

📊 NIAGARA試験

N Engl J Med. 2024;391(19):1773-1786.

未治療の切除可能な筋層浸潤性膀胱癌 (MIBC)  (cT2–T4aN0M0またはcT2–T4aN1M0) 患者1,063例を対象とした第III相無作為化比較試験。 介入群533例は 「周術期デュルバルマブ+GC療法、 その後に根治的膀胱全摘」、 対照群530例は 「GC療法単独、 その後に根治的膀胱全摘」 として1:1に割り付けた。 主要評価項目は病理学的完全奏効 (pCR) および無イベント生存期間 (EFS) であった。 

【有効性】介入群 (vs 対照群)

- pCR率 33.8% (vs 25.8%)

- EFS中央値 未到達 (vs 46.1ヵ月)

  • HR 0.68 (95%CI 0.56–0.82)
  • 24ヵ月EFS率 67.8% (vs 59.8%)

- PD-L1発現別主要評価項目の結果

- OS中央値 未到達 (vs 未到達)

  • 24ヵ月OS率 82.2% (vs 75.2%)
  • HR 0.75 (95%CI 0.59–0.93)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 悪心 53.6% (1.5%)

- 貧血 38.7% (13.8%)

- 便秘 38.7% (0.8%)

- 倦怠感 36.0% (1.5%)

- 尿路感染 30.0% (14.2%)

- 食欲減退 26.6% (0.6%)

- 好中球減少症 25.8% (14.3%)

- 発熱 20.8% (0.2%)

- 下痢 20.6% (1.5%)

- 嘔吐 19.2% (0.9%)

- クレアチニン上昇 18.5% (2.3%)

- 無力症 17.5% (0.8%)

- 好中球数減少 15.3% (7.0%)

- 掻痒 15.1% (0%)

各プロトコル

適格基準

NIAGARA試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–1

- ヘモグロビン≧9.0g/dL

- 好中球≧1,500/μL

- 血小板≧10万/μL

- 肝機能: T-Bil≦1.5×ULN、 AST/ALT≦2.5×ULN

- 腎機能: CrCl≧40mL/min

用量レベル

NIAGARA試験³⁾ではデュルバルマブの減量はなく、 GC療法の減量は各国の標準診療や添付文書に従うこととされた。

なお、 化学療法が延期された場合はデュルバルマブも延期し、 忍容性により術前治療が4サイクル未満となることも許容された。

腎障害患者に対する用量調整

デュルバルマブ : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

GEM⁴⁾ : 腎機能低下や透析時の減量は原則不要。 ただし、 代謝産物dFdUは腎機能低下時に蓄積しやすく、 皮膚障害などの有害事象が増える可能性があるため注意

CDDP⁴⁾ : 重篤な腎障害例への投与は禁忌

NIAGARA試験の適格基準はCrCl≧40mL/minであり注意

- CrCl 46~60mL/minでは75%、 31~45mL/minでは50%に減量し、 CrCl≦30mL/minでは投与を推奨しない

- 別の報告 : CrCl 30~49mL/minでは75%、 10~29mL/minでは投与が必要な場合に75%、 CrCl<10mL/minでは投与が必要な場合に50%に減量

有害事象発現時の休薬・中止基準

デュルバルマブ :

イミフィンジ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

>> CTCAEを確認する

レジメンの特徴と注意点

本レジメンの位置付け

本レジメンは、 根治的膀胱全摘が適応となるMIBC患者に適応される⁵⁾。

作用機序の特徴

デュルバルマブはヒトPD-L1に対するIgG1κモノクローナル抗体であり、 PD-L1と受容体PD-1の結合を阻害することで抗腫瘍免疫応答を高め、 腫瘍増殖を抑制すると考えられる。

レジメン適用時の注意事項

間質性肺疾患 : 息切れ・呼吸困難・咳嗽・発熱などの初期症状を確認し、 胸部X線検査を行うなど十分に観察する。 必要に応じて胸部CTや血清マーカー検査も実施する。

内分泌障害 : 甲状腺・副腎・下垂体の機能障害が発現することがあるため、 投与開始前および投与中は定期的に内分泌機能検査 (TSH、 遊離T3、 遊離T4、 ACTH、 血中コルチゾールなど) を行い、 患者の状態を十分に観察する。 必要に応じて画像検査を実施する。

1型糖尿病 : 口渇・悪心・嘔吐などの症状や血糖値の上昇に十分注意する。

肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎 : 投与開始前および投与中は定期的に肝機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

腎障害 : 投与開始前および投与中は定期的に腎機能検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。

筋炎・横紋筋融解症 : 筋力低下、 筋肉痛、 CK上昇、 血中・尿中ミオグロビン上昇などを十分に観察する。

心筋炎 : 胸痛、 CK上昇、 心電図異常などを十分に観察する。

重症筋無力症 : 筋力低下、 眼瞼下垂、 呼吸困難、 嚥下障害などを十分に観察する。

Infusion reaction : 投与時には毎回患者の状態を十分に観察する。

RMP【重要な特定されたリスク】

イミフィンジ® 医薬品リスク管理計画書 (RMP)

- 間質性肺疾患

- 大腸炎・重度の下痢

- 肝機能障害・肝炎・硬化性胆管炎

- 内分泌障害 (甲状腺機能障害、 副腎機能障害、 下垂体機能障害)

- 1型糖尿病

- 腎障害 (間質性腎炎等)

- 筋炎

- 心筋炎

- 重症筋無力症

- 免疫性血小板減少性紫斑病

- 脳炎

- 重度の皮膚障害

- 神経障害 (ギラン・バレー症候群を含む)

- Infusion reaction

出典

1) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®電子添文 (2026年1月改訂 第10版)

2) アストラゼネカ株式会社. イミフィンジ®適正使用ガイド (2026年1月作成)

3) N Engl J Med. 2024;391(19):1773-1786.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

5) 厚生労働省. 最適使用推進ガイドライン デュルバルマブ (遺伝子組換え) ~膀胱癌~ 令和7年9月改訂.

最終更新日 : 2026年1月7日
執筆 : HOKUTO編集部 がん専門・指導薬剤師
監修 : HOKUTO編集部監修医師

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン(泌尿器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。

なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。