イブランス® (パルボシクリブ)
【1コース】28日間 (3週連日投与、 1週休薬)
【催吐性】軽度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

パルボシクリブ : トラスツズマブ、 ペルツズマブ及び内分泌療法剤 (フルベストラント、 アナストロゾール、 レトロゾール又はエキセメスタン)、 又はトラスツズマブ及び内分泌療法剤と併用し、 125mgを1日1回3週間連日経口投与後、 1週間休薬する。 これを1サイクルとして繰り返し、 患者の状態に応じて減量する¹⁾。 PATINA試験では、 閉経前又は閉経周辺期の女性にLH-RHアゴニストを併用し、 男性へのLH-RHアゴニスト併用は規定されていなかった¹⁾。
先行する1次治療で疾患進行を認めなかった患者が、 パルボシクリブ維持療法の対象となる。 1次治療として、 タキサン系抗がん薬+トラスツズマブ+ペルツズマブ、 タキサン系抗がん薬+トラスツズマブ、 又はビノレルビン+トラスツズマブを原則6サイクル投与した患者を対象とし、 毒性により投与継続が困難な場合は4サイクル以上、 最大8サイクルまでとされた¹⁾。
N Engl J Med. 2026;394(5):451-462.
ホルモン受容体陽性・HER2陽性転移性乳癌患者518例を対象とした国際共同非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験。 化学療法+抗HER2療法による導入療法を4~8サイクル実施後、 疾患進行を認めなかった患者を、 パルボシクリブ+抗HER2療法+内分泌療法群261例、 抗HER2療法+内分泌療法群257例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師評価によるPFSとした⁵⁾。
【有効性】パルボシクリブ群 (vs 対照群)
- PFS中央値 44.3ヵ月 (vs 29.1ヵ月)
- 奏効率 32.9% (vs 24.8%)
- 臨床的有用性* 88.9% (vs 80.9%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少 77.8% (60.5%)
- 下痢 70.5% (9.6%)
- 疲労 53.6% (5.0%)
- 白血球減少 37.9% (16.1%)
- 関節痛 36.4% (1.5%)
- 貧血 30.7% (3.1%)
- 悪心 29.5% (0.4%)
- 頭痛 25.7% (1.5%)
- 血小板減少 24.9% (1.1%)
- 腹痛 23.8% (1.5%)
- ほてり 22.2% (0%)
- 発疹 22.2% (0%)
- COVID-19 21.8% (0.8%)
- 掻痒感 21.1% (1.5%)
- 口内炎 20.7% (1.9%)
- 粘膜炎症 19.9% (1.5%)
- 筋痙攣 19.5% (0.4%)
- 鼻出血 18.8% (0%)
- 発熱 16.5% (1.1%)
- 咳嗽 16.1% (0%)
- 嘔吐 15.7% (0.8%)
- めまい 14.2% (0.8%)
- 低カリウム血症 14.2% (1.1%)
- 末梢神経障害 13.4% (0%)
- 食欲低下 13.0% (0.8%)
- AST上昇 12.6% (1.1%)
- 背部痛 12.6% (0.4%)
- 便秘 12.6% (0%)
- 上気道感染 12.3% (0.4%)
- 筋肉痛 11.9% (0%)
- ALT上昇 11.1% (2.7%)
- 脱毛症 10.7% (0%)
- 不眠症 10.7% (0.4%)
- 尿路感染 10.7% (0.8%)
- 外陰腟乾燥 10.7% (0.4%)
- 駆出率低下 9.2% (0.4%)
PATINA試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,000/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦3×ULN、 T-Bil≦ULN
- 腎機能 : Cre≦ULN、 またはCrCl≧60mL/min/1.73m²
- LVEF≧50%

パルボシクリブ : CrCl>15mL/minの軽度、 中等度又は重度腎機能障害では、 用量調整は不要である。 血液透析を要する患者での薬物動態は検討されていない⁶⁾。
パルボシクリブ :

PATINA試験⁵⁾のプロトコル (参考情報) : 各AEに対する重症度・発現回数別の休薬、 減量・中止基準は以下のとおり。

🧑⚕️PATINAレジメンは、 HER2陽性かつHR陽性MBCに対する重要な治療戦略となります。 PATINA試験のポイントは、 導入化学療法でSD以上の病勢コントロールが得られた患者のみが登録された点 (94%にCLEOPATRAレジメンが実施された) です。 維持療法としてHPと内分泌療法にパルボシクリブを併用することで、 PFS延長が示されており、 PFS中央値は44.3ヵ月と長期に及びます。 ただし、 導入化学療法中にPDとなる予後不良集団は除外されています。 現在、 CLEOPATRAレジメン後の維持療法中で、 かつHR陽性の場合には、 パルボシクリブの追加を検討いただくのがよいと考えます。
パルボシクリブ : CDK4/6とサイクリンDの複合体を阻害し、 Rbタンパクのリン酸化を抑制することで細胞周期の進行を停止させ、 腫瘍の増殖を抑制する¹⁾。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 本剤の投与開始前および投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
間質性肺疾患 : 間質性肺疾患があらわれることがあるので、 本剤の投与にあたっては、 初期症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認および胸部X線検査の実施等、 患者の状態を十分に観察する。 また、 患者に副作用について説明するとともに、 間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、 速やかに医療機関を受診するよう説明する。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
1) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg 電子添文 (2026年9月改訂 第5版).
2) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg 適正使用ガイド. 2026年2月改訂 (第13版).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 2.2026.
5) N Engl J Med. 2026;394(5):451-462.
6) Pfizer Labs. IBRANCE® (palbociclib) Prescribing Information. U.S. Food and Drug Administration. Revised April 2019.
7) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg に係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新日 : 2026年10月5日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修 : がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範
イブランス® (パルボシクリブ)
【1コース】28日間 (3週連日投与、 1週休薬)
【催吐性】軽度³⁾ (NCCN : 最小度~軽度⁴⁾)
【FN発症】低リスク (<10%)*

パルボシクリブ : トラスツズマブ、 ペルツズマブ及び内分泌療法剤 (フルベストラント、 アナストロゾール、 レトロゾール又はエキセメスタン)、 又はトラスツズマブ及び内分泌療法剤と併用し、 125mgを1日1回3週間連日経口投与後、 1週間休薬する。 これを1サイクルとして繰り返し、 患者の状態に応じて減量する¹⁾。 PATINA試験では、 閉経前又は閉経周辺期の女性にLH-RHアゴニストを併用し、 男性へのLH-RHアゴニスト併用は規定されていなかった¹⁾。
先行する1次治療で疾患進行を認めなかった患者が、 パルボシクリブ維持療法の対象となる。 1次治療として、 タキサン系抗がん薬+トラスツズマブ+ペルツズマブ、 タキサン系抗がん薬+トラスツズマブ、 又はビノレルビン+トラスツズマブを原則6サイクル投与した患者を対象とし、 毒性により投与継続が困難な場合は4サイクル以上、 最大8サイクルまでとされた¹⁾。
N Engl J Med. 2026;394(5):451-462.
ホルモン受容体陽性・HER2陽性転移性乳癌患者518例を対象とした国際共同非盲検第Ⅲ相無作為化比較試験。 化学療法+抗HER2療法による導入療法を4~8サイクル実施後、 疾患進行を認めなかった患者を、 パルボシクリブ+抗HER2療法+内分泌療法群261例、 抗HER2療法+内分泌療法群257例に1 : 1で割り付け、 主要評価項目は治験担当医師評価によるPFSとした⁵⁾。
【有効性】パルボシクリブ群 (vs 対照群)
- PFS中央値 44.3ヵ月 (vs 29.1ヵ月)
- 奏効率 32.9% (vs 24.8%)
- 臨床的有用性* 88.9% (vs 80.9%)
【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)
- 好中球減少 77.8% (60.5%)
- 下痢 70.5% (9.6%)
- 疲労 53.6% (5.0%)
- 白血球減少 37.9% (16.1%)
- 関節痛 36.4% (1.5%)
- 貧血 30.7% (3.1%)
- 悪心 29.5% (0.4%)
- 頭痛 25.7% (1.5%)
- 血小板減少 24.9% (1.1%)
- 腹痛 23.8% (1.5%)
- ほてり 22.2% (0%)
- 発疹 22.2% (0%)
- COVID-19 21.8% (0.8%)
- 掻痒感 21.1% (1.5%)
- 口内炎 20.7% (1.9%)
- 粘膜炎症 19.9% (1.5%)
- 筋痙攣 19.5% (0.4%)
- 鼻出血 18.8% (0%)
- 発熱 16.5% (1.1%)
- 咳嗽 16.1% (0%)
- 嘔吐 15.7% (0.8%)
- めまい 14.2% (0.8%)
- 低カリウム血症 14.2% (1.1%)
- 末梢神経障害 13.4% (0%)
- 食欲低下 13.0% (0.8%)
- AST上昇 12.6% (1.1%)
- 背部痛 12.6% (0.4%)
- 便秘 12.6% (0%)
- 上気道感染 12.3% (0.4%)
- 筋肉痛 11.9% (0%)
- ALT上昇 11.1% (2.7%)
- 脱毛症 10.7% (0%)
- 不眠症 10.7% (0.4%)
- 尿路感染 10.7% (0.8%)
- 外陰腟乾燥 10.7% (0.4%)
- 駆出率低下 9.2% (0.4%)
PATINA試験⁵⁾の主な適格基準
- 18歳以上
- ECOG PS 0–1
- 好中球数≧1,000/μL
- 血小板数≧10万/μL
- Hb≧10g/dL
- 肝機能 : AST/ALT≦3×ULN、 T-Bil≦ULN
- 腎機能 : Cre≦ULN、 またはCrCl≧60mL/min/1.73m²
- LVEF≧50%

パルボシクリブ : CrCl>15mL/minの軽度、 中等度又は重度腎機能障害では、 用量調整は不要である。 血液透析を要する患者での薬物動態は検討されていない⁶⁾。
パルボシクリブ :

PATINA試験⁵⁾のプロトコル (参考情報) : 各AEに対する重症度・発現回数別の休薬、 減量・中止基準は以下のとおり。

🧑⚕️PATINAレジメンは、 HER2陽性かつHR陽性MBCに対する重要な治療戦略となります。 PATINA試験のポイントは、 導入化学療法でSD以上の病勢コントロールが得られた患者のみが登録された点 (94%にCLEOPATRAレジメンが実施された) です。 維持療法としてHPと内分泌療法にパルボシクリブを併用することで、 PFS延長が示されており、 PFS中央値は44.3ヵ月と長期に及びます。 ただし、 導入化学療法中にPDとなる予後不良集団は除外されています。 現在、 CLEOPATRAレジメン後の維持療法中で、 かつHR陽性の場合には、 パルボシクリブの追加を検討いただくのがよいと考えます。
パルボシクリブ : CDK4/6とサイクリンDの複合体を阻害し、 Rbタンパクのリン酸化を抑制することで細胞周期の進行を停止させ、 腫瘍の増殖を抑制する¹⁾。
骨髄抑制 : 骨髄抑制があらわれることがあるので、 本剤の投与開始前および投与中は定期的に血液検査を行い、 患者の状態を十分に観察する。
間質性肺疾患 : 間質性肺疾患があらわれることがあるので、 本剤の投与にあたっては、 初期症状 (呼吸困難、 咳嗽、 発熱等) の確認および胸部X線検査の実施等、 患者の状態を十分に観察する。 また、 患者に副作用について説明するとともに、 間質性肺疾患の初期症状が発現した場合には、 速やかに医療機関を受診するよう説明する。
- 骨髄抑制
- 間質性肺疾患
1) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg 電子添文 (2026年9月改訂 第5版).
2) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg 適正使用ガイド. 2026年2月改訂 (第13版).
3) 日本癌治療学会編. 制吐薬適正使用ガイドライン 2023年10月改訂 第3版. 金原出版.
4) NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines®): Antiemesis. Version 2.2026.
5) N Engl J Med. 2026;394(5):451-462.
6) Pfizer Labs. IBRANCE® (palbociclib) Prescribing Information. U.S. Food and Drug Administration. Revised April 2019.
7) ファイザー株式会社. イブランス®錠25mg/125mg に係る医薬品リスク管理計画書.
最終更新日 : 2026年10月5日
執筆 : HOKUTO編集部がん専門・指導薬剤師
監修 : がん研有明病院 乳腺内科 尾崎由記範
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
主要論文や適正使用ガイドをもとにした用量調整プロトコール、 有害事象対応をご紹介します。
なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。