治療スケジュール
概要
監修医師

POM:ポマリドミド(ポマリスト®)

投与量コース投与日
4mg 経口毎コースDay 1~21

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
40mg 経口毎コースDay 1、8、15、22

その他

1コースは28日間.
76歳以上や全身状態不良例はDEXを1回20mgへ減量.
レジメン
Pd
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

*適正使用ガイドは「ブリストル・マイヤーズ・スクイブ社」 の外部サイトへ遷移します.

主な有害事象

MM-003試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (≧Grade3 48%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 22%)
  • 貧血 (≧Grade3 33%)

主な有害事象

  • 感染症 (68%、 ≧Grade3 30%)
  • 疲労 (39%、 ≧Grade3 5%)
  • 発熱 (27%、 ≧Grade3 3%)
  • 下痢 (22%、 ≧Grade3 1%)
  • 便秘 (22%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (20%、 ≧Grade3 1%)
  • 背部痛 (20%、 ≧Grade3 5%)
  • 骨痛 (17%、 ≧Grade3 7%)
  • 末梢性浮腫 (17%、 ≧Grade3 1%)
  • 上気道感染 (16%、 ≧Grade3 2%)
  • 無力症 (16%、 ≧Grade3 3%)
  • 筋痙攣 (16%、 ≧Grade3 <1%)
  • 肺炎 (15%、 ≧Grade3 14%)
  • 悪心 (15%、 ≧Grade3 1%)
  • めまい (12%、 ≧Grade3 1%)

その他の重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (10%)

特徴と注意点

ポマリドミド (Pomalidomide:POM) の特徴

  • POMはレナリドミド (Lenalidomide:LEN) と同様に免疫調節薬であり、 セレブロンに結合しIKZF1/3の分解を促進することで、 骨髄腫細胞の増殖を抑制し、 免疫細胞を活性化する.
  • POMのLENにない作用としてTP53RK活性の阻害²⁾やARID2の分解³⁾が報告されている.
  • POMはLENと異なり腎機能に応じた調整を必要としない.

注意点

関連する臨床試験の結果

MM-003試験¹⁾ 

概要

  • 対象:ボルテゾミブとレナリドミドを用いた治療抵抗性骨髄腫.
  • Pd療法と高用量デキサメタゾン療法(HDD)を比較する第3相試験.
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:Pd群 4.0ヵ月 vs HDD群 1.9ヵ月 (HR 0.48、 95%Cl 0.39-0.60、 p<0.0001)
  • Pd群において好中球減少症、 肺炎、 骨痛、 疲労などが多かった.
Lancet Oncol. 2013 Oct;14(11):1055-1066.より引用

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2013 Oct;14(11):1055-1066.
  2. Blood. 2017 Mar 9;129(10):1308-1319.
  3. Nat Chem Biol. 2020 Nov;16(11):1208-1217.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

レジメン
Pd
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
Pd
レジメン
Pd

Pd

ポマリドミド、 デキサメタゾン
2023年05月06日更新

POM:ポマリドミド(ポマリスト®)

投与量コース投与日
4mg 経口毎コースDay 1~21

DEX:デキサメタゾン(レナデックス®)

投与量コース投与日
40mg 経口毎コースDay 1、8、15、22

その他

1コースは28日間.
76歳以上や全身状態不良例はDEXを1回20mgへ減量.

概要

本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではございません. 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください.

薬剤情報

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主な有害事象

MM-003試験¹⁾より引用

骨髄抑制

  • 好中球減少 (≧Grade3 48%)
  • 血小板減少 (≧Grade3 22%)
  • 貧血 (≧Grade3 33%)

主な有害事象

  • 感染症 (68%、 ≧Grade3 30%)
  • 疲労 (39%、 ≧Grade3 5%)
  • 発熱 (27%、 ≧Grade3 3%)
  • 下痢 (22%、 ≧Grade3 1%)
  • 便秘 (22%、 ≧Grade3 2%)
  • 咳嗽 (20%、 ≧Grade3 1%)
  • 背部痛 (20%、 ≧Grade3 5%)
  • 骨痛 (17%、 ≧Grade3 7%)
  • 末梢性浮腫 (17%、 ≧Grade3 1%)
  • 上気道感染 (16%、 ≧Grade3 2%)
  • 無力症 (16%、 ≧Grade3 3%)
  • 筋痙攣 (16%、 ≧Grade3 <1%)
  • 肺炎 (15%、 ≧Grade3 14%)
  • 悪心 (15%、 ≧Grade3 1%)
  • めまい (12%、 ≧Grade3 1%)

その他の重要な有害事象

  • 発熱性好中球減少症 (10%)

特徴と注意点

ポマリドミド (Pomalidomide:POM) の特徴

  • POMはレナリドミド (Lenalidomide:LEN) と同様に免疫調節薬であり、 セレブロンに結合しIKZF1/3の分解を促進することで、 骨髄腫細胞の増殖を抑制し、 免疫細胞を活性化する.
  • POMのLENにない作用としてTP53RK活性の阻害²⁾やARID2の分解³⁾が報告されている.
  • POMはLENと異なり腎機能に応じた調整を必要としない.

注意点

関連する臨床試験の結果

MM-003試験¹⁾ 

概要

  • 対象:ボルテゾミブとレナリドミドを用いた治療抵抗性骨髄腫.
  • Pd療法と高用量デキサメタゾン療法(HDD)を比較する第3相試験.
  • 主要評価項目:無増悪生存期間

結果

  • 無増悪生存期間中央値:Pd群 4.0ヵ月 vs HDD群 1.9ヵ月 (HR 0.48、 95%Cl 0.39-0.60、 p<0.0001)
  • Pd群において好中球減少症、 肺炎、 骨痛、 疲労などが多かった.
Lancet Oncol. 2013 Oct;14(11):1055-1066.より引用

参考文献

  1. Lancet Oncol. 2013 Oct;14(11):1055-1066.
  2. Blood. 2017 Mar 9;129(10):1308-1319.
  3. Nat Chem Biol. 2020 Nov;16(11):1208-1217.

最終更新:2021年8月13日
執筆担当:北海道がんセンタ-薬剤部 深井雄太
監修医師:東海大学血液腫瘍内科 扇屋大輔

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(血液)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

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