本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ザルトラップ® (アフリベルセプト ベータ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*サノフィ株式会社の外部サイトに遷移します

投与スケジュール

【1コース】14日間
【催吐性】中等度リスク
【FN発症】低リスク*
*VELOUR試験のFN発生率4.3%²⁾を基に編集部が分類

アフリベルセプト ベータ (AFR) : 4mg/kgを60分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

イリノテカン (IRI) : 180mg/m²を約90分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

150mg/m²でレジメン登録している施設も多い。

レボホリナート (l-LV) : 200mg/m²を約120分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

フルオロウラシル (5-FU) : 400mg/m²を急速静注後、2400mg/m²を46時間で持続静注し、2週ごとに投与

国内第Ⅱ相試験 (EFC11885試験) では、IRIのコリン作動性有害事象予防として、禁忌がなければ抗コリン薬投与を推奨した。

Key Data|臨床試験結果

📊 VELOUR試験

J Clin Oncol. 2012;30(28):3499-506.

オキサリプラチン含有化学療法で治療中または治療後に増悪した転移性結腸・直腸癌1226例を対象とした第III相無作為化比較試験。FOLFIRI+AFR群とFOLFIRI+プラセボ群に割り付け、主要評価項目はOSとした。

【有効性】AFR群 (vs プラセボ群)

- OS中央値 13.50ヵ月 (vs 12.06ヵ月)

  • HR 0.817 (95.34%CI 0.71–0.94、 p<0.01)

- PFS中央値 6.90ヵ月 (vs 4.67ヵ月)

  • HR 0.758 (95%CI 0.66–0.87、 p<0.0001)

- 奏効率 (CRまたはPR) 19.8% (vs 11.1%)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 下痢 69.2% (19.3%)

- 無力症状 60.4% (16.8%)

- 口内炎/潰瘍 54.8% (13.8%)

- 悪心 53.4% (0%)

- 感染症 46.2% (12.3%)

- 高血圧 41.4% (19.3%)

- 出血 37.8% (3.0%)

- 消化管・腹部痛 34.0% (5.4%)

- 嘔吐 32.9% (2.8%)

- 食欲減退 31.9% (3.4%)

- 体重減少 31.9% (2.6%)

- 脱毛 26.8% (0%)

- 発声障害 25.4% (0.5%)

- 便秘 22.4% (0.8%)

- 頭痛 22.3% (1.6%)

- 手掌・足底紅斑知覚異常症候群 11.0% (2.8%)

- 動脈血栓塞栓症 2.6% (1.8%)

- 静脈血栓塞栓症 9.3% (7.8%)

- 消化管由来瘻孔 1.1% (0.3%)

- 消化管以外由来瘻孔 0.3% (0%)

- 消化管穿孔 0.5% (0.5%)

- 貧血 82.3% (3.8%)

- 好中球減少 67.8% (36.7%)

- 好中球減少性合併症 6.5% (5.7%)

- 血小板減少 47.4% (3.4%)

- 蛋白尿 62.2% (7.8%)

- ALT増加 47.3% (2.7%)

各プロトコル

適格基準

VELOUR試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–2

- L-OHPを含む化学療法歴 (1レジメンのみ)

Bmab既治療は適格、 IRI既治療は不適格

- 前治療の有害事象がGrade≦1まで回復

用量レベル

ザルトラップ®適正使用ガイド²⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

AFR : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

IRI : 胆汁排泄が主であり、腎障害患者で排泄遅延は起きにくいと考えられる。 一方、 開発時の単独投与試験で腎障害患者に高度な副作用の発現または症状増悪例が認められたため、 状態を十分に観察し慎重に投与する。

トポテシン®点滴静注インタビューフォーム

5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁴⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

AFR :

ザルトラップ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

FOLFIRI :

ザルトラップ®適正使用ガイド²⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️本レジメンは、 オキサリプラチンを含む前治療に不応となった切除不能・進行再発大腸癌に対する2次治療の選択肢の1つである。 FOLFIRIとベバシズマブもしくはラムシルマブを併用する治療法と比較しGrade≧3の好中球減少、 下痢、 高血圧、 蛋白尿の頻度が高い点に留意が必要である。 特に、 IRIを180mg/m²で開始する場合には、 重篤な有害事象を回避するためUGT1A1遺伝子多型の確認が必須である。 適切な休薬・減量基準を遵守しつつ、 有害事象の早期発見と支持療法を徹底することが、 治療継続するためには重要である。
神奈川県立がんセンター 大隅寛木先生

作用機序の特徴

AFRは、 ヒト血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR) 1の第2免疫グロブリン (Ig) 様C2ドメインとヒトVEGFR2の第3Ig様C2ドメインを、 ヒトIgG1のFcドメインに融合した組換えタンパク質であり、 血管内皮増殖因子 (VEGF) -A、 VEGF-Bおよび胎盤増殖因子 (PlGF) とVEGFRとの結合を阻害して血管新生を抑制し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。

レジメン適用時の注意事項

高血圧 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定する必要がある。 高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、 血圧の推移等に十分注意して投与する。

ネフローゼ症候群、 蛋白尿 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を検査する。

好中球減少症、 発熱性好中球減少症 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行う。

創傷治癒遅延 : 手術を予定している場合には手術の前に投与を中断する必要がある。 手術後の投与再開は、 患者の状態に応じて判断する。

血栓性微小血管症 : 定期的に検査を行う等、 観察を十分に行う。

RMP【重要な特定されたリスク】

ザルトラップ®医薬品リスク管理計画書 (RMP)

- 高血圧

- 蛋白尿・ネフローゼ症候群

- 出血

- 動脈血栓塞栓症

- 静脈血栓塞栓症

- 消化管穿孔

- 瘻孔

- 可逆性後白質脳症症候群

- 血栓性微小血管症

- Infusion reaction

- 創傷治癒遅延

- 動脈解離

- 好中球減少症・発熱性好中球減少症

- 重度の下痢

出典

1) サノフィ株式会社. ザルトラップ®電子添文情報. 2024年9月改訂 第3版.

2) サノフィ株式会社. ザルトラップ® 適正使用ガイド. 2024年4月作成.

3) J Clin Oncol. 2012;30(28):3499-506.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

最終更新日 : 2026年2月9日
執筆 : 福井大医学部附属病院 薬剤部 根來 寛
監修 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 (消化管) 部長 大隅寛木

レジメン
FOLFIRI+Aflibercept
こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
HOKUTO編集部

編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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監修・協力医一覧
レジメン
FOLFIRI+Aflibercept
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FOLFIRI+Aflibercept

FOLFIRI+Aflibercept

フルオロウラシル+レボホリナート+イリノテカン+アフリベルセプト (ザルトラップ®)
大腸癌 > 一次、 二次治療
2026年02月10日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

ザルトラップ® (アフリベルセプト ベータ)

添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*

*サノフィ株式会社の外部サイトに遷移します

投与スケジュール

【1コース】14日間
【催吐性】中等度リスク
【FN発症】低リスク*
*VELOUR試験のFN発生率4.3%²⁾を基に編集部が分類

アフリベルセプト ベータ (AFR) : 4mg/kgを60分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

イリノテカン (IRI) : 180mg/m²を約90分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

150mg/m²でレジメン登録している施設も多い。

レボホリナート (l-LV) : 200mg/m²を約120分かけて点滴静注し、 2週ごとに投与

フルオロウラシル (5-FU) : 400mg/m²を急速静注後、2400mg/m²を46時間で持続静注し、2週ごとに投与

国内第Ⅱ相試験 (EFC11885試験) では、IRIのコリン作動性有害事象予防として、禁忌がなければ抗コリン薬投与を推奨した。

Key Data|臨床試験結果

📊 VELOUR試験

J Clin Oncol. 2012;30(28):3499-506.

オキサリプラチン含有化学療法で治療中または治療後に増悪した転移性結腸・直腸癌1226例を対象とした第III相無作為化比較試験。FOLFIRI+AFR群とFOLFIRI+プラセボ群に割り付け、主要評価項目はOSとした。

【有効性】AFR群 (vs プラセボ群)

- OS中央値 13.50ヵ月 (vs 12.06ヵ月)

  • HR 0.817 (95.34%CI 0.71–0.94、 p<0.01)

- PFS中央値 6.90ヵ月 (vs 4.67ヵ月)

  • HR 0.758 (95%CI 0.66–0.87、 p<0.0001)

- 奏効率 (CRまたはPR) 19.8% (vs 11.1%)

【安全性】主な有害事象 : 全Grade (Grade≧3)

- 下痢 69.2% (19.3%)

- 無力症状 60.4% (16.8%)

- 口内炎/潰瘍 54.8% (13.8%)

- 悪心 53.4% (0%)

- 感染症 46.2% (12.3%)

- 高血圧 41.4% (19.3%)

- 出血 37.8% (3.0%)

- 消化管・腹部痛 34.0% (5.4%)

- 嘔吐 32.9% (2.8%)

- 食欲減退 31.9% (3.4%)

- 体重減少 31.9% (2.6%)

- 脱毛 26.8% (0%)

- 発声障害 25.4% (0.5%)

- 便秘 22.4% (0.8%)

- 頭痛 22.3% (1.6%)

- 手掌・足底紅斑知覚異常症候群 11.0% (2.8%)

- 動脈血栓塞栓症 2.6% (1.8%)

- 静脈血栓塞栓症 9.3% (7.8%)

- 消化管由来瘻孔 1.1% (0.3%)

- 消化管以外由来瘻孔 0.3% (0%)

- 消化管穿孔 0.5% (0.5%)

- 貧血 82.3% (3.8%)

- 好中球減少 67.8% (36.7%)

- 好中球減少性合併症 6.5% (5.7%)

- 血小板減少 47.4% (3.4%)

- 蛋白尿 62.2% (7.8%)

- ALT増加 47.3% (2.7%)

各プロトコル

適格基準

VELOUR試験³⁾の主な適格基準

- 18歳以上

- ECOG PS 0–2

- L-OHPを含む化学療法歴 (1レジメンのみ)

Bmab既治療は適格、 IRI既治療は不適格

- 前治療の有害事象がGrade≦1まで回復

用量レベル

ザルトラップ®適正使用ガイド²⁾を基に編集部作成

腎障害患者に対する用量調整

AFR : 抗体薬は多様な細胞でのエンドサイトーシスとリソソーム分解により消失するため、 一般に減量は不要と考えられる。

編集部の見解

IRI : 胆汁排泄が主であり、腎障害患者で排泄遅延は起きにくいと考えられる。 一方、 開発時の単独投与試験で腎障害患者に高度な副作用の発現または症状増悪例が認められたため、 状態を十分に観察し慎重に投与する。

トポテシン®点滴静注インタビューフォーム

5-FU : 減量不要。 ただし、 末期腎不全患者では代謝物の蓄積により高アンモニア血症を来す可能性が報告されている⁴⁾。

有害事象発現時の減量・休薬・中止基準

AFR :

ザルトラップ®電子添文情報¹⁾を基に編集部作成

FOLFIRI :

ザルトラップ®適正使用ガイド²⁾を基に編集部作成

レジメンの特徴と注意点

🧑‍⚕️本レジメンは、 オキサリプラチンを含む前治療に不応となった切除不能・進行再発大腸癌に対する2次治療の選択肢の1つである。 FOLFIRIとベバシズマブもしくはラムシルマブを併用する治療法と比較しGrade≧3の好中球減少、 下痢、 高血圧、 蛋白尿の頻度が高い点に留意が必要である。 特に、 IRIを180mg/m²で開始する場合には、 重篤な有害事象を回避するためUGT1A1遺伝子多型の確認が必須である。 適切な休薬・減量基準を遵守しつつ、 有害事象の早期発見と支持療法を徹底することが、 治療継続するためには重要である。
神奈川県立がんセンター 大隅寛木先生

作用機序の特徴

AFRは、 ヒト血管内皮増殖因子受容体 (VEGFR) 1の第2免疫グロブリン (Ig) 様C2ドメインとヒトVEGFR2の第3Ig様C2ドメインを、 ヒトIgG1のFcドメインに融合した組換えタンパク質であり、 血管内皮増殖因子 (VEGF) -A、 VEGF-Bおよび胎盤増殖因子 (PlGF) とVEGFRとの結合を阻害して血管新生を抑制し、腫瘍増殖抑制作用を示すと考えられる。

レジメン適用時の注意事項

高血圧 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に血圧を測定する必要がある。 高血圧クリーゼがあらわれることがあるので、 血圧の推移等に十分注意して投与する。

ネフローゼ症候群、 蛋白尿 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に尿蛋白を検査する。

好中球減少症、 発熱性好中球減少症 : 投与開始前及び投与期間中は定期的に血液検査を行う。

創傷治癒遅延 : 手術を予定している場合には手術の前に投与を中断する必要がある。 手術後の投与再開は、 患者の状態に応じて判断する。

血栓性微小血管症 : 定期的に検査を行う等、 観察を十分に行う。

RMP【重要な特定されたリスク】

ザルトラップ®医薬品リスク管理計画書 (RMP)

- 高血圧

- 蛋白尿・ネフローゼ症候群

- 出血

- 動脈血栓塞栓症

- 静脈血栓塞栓症

- 消化管穿孔

- 瘻孔

- 可逆性後白質脳症症候群

- 血栓性微小血管症

- Infusion reaction

- 創傷治癒遅延

- 動脈解離

- 好中球減少症・発熱性好中球減少症

- 重度の下痢

出典

1) サノフィ株式会社. ザルトラップ®電子添文情報. 2024年9月改訂 第3版.

2) サノフィ株式会社. ザルトラップ® 適正使用ガイド. 2024年4月作成.

3) J Clin Oncol. 2012;30(28):3499-506.

4) 日本腎臓学会、 日本癌治療学会、 日本臨床腫瘍学会、 日本腎臓病薬物療法学会編 : がん薬物療法時の腎障害診療ガイドライン2022. ライフサイエンス出版.

最終更新日 : 2026年2月9日
執筆 : 福井大医学部附属病院 薬剤部 根來 寛
監修 : 神奈川県立がんセンター 消化器内科 (消化管) 部長 大隅寛木

こちらの記事の監修医師
HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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レジメン(消化器)

がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。

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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。

また、 一般の方への情報提供ではないことを予めご了承ください。