概要
監修医師
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

トーリセル® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

mTOR阻害薬 テムシロリムス注射液
*ファイザー株式会社の外部サイトへ遷移します

投与スケジュール

電子添文¹⁾の用法および用量

25mgを1週間に1回、 30~60分間かけ点滴静注

トーリセル®電子添文 (2019年4月改訂 第1版)¹⁾より作図

特徴と注意点

MSKCCリスク分類 高リスク群

高リスク群 (Poor risk)においてインターフェロン療法との比較でOSの延長を示したmTOR阻害薬であり、 毎週経静脈投与する。

🔢MSKCCリスク分類をHOKUTOで算出する

注意すべき有害事象

口腔粘膜炎に対しては、 治療開始時より含嗽や歯科受診による積極的な口腔ケアに心がける。 また、 高血糖や高脂血症などの代謝異常の他、 長期投与では貧血が問題となりやすい

間質性肺疾患の合併と休薬

間質性肺疾患の臨床症状のない画像所見のみの場合 (CTCAE Grade1相当)、 mTOR阻害薬は休薬する必要はないことに注意する。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

KeyData|臨床試験結果

NCT00065468試験³⁾

N Engl J Med. 2007;356(22):2271-81.

未治療の進行性または転移性腎細胞癌患者において、 テムシロリムス投与およびインターフェロンα (IFN-α) とテムシロリムス併用療法の効果を、 IFN-α単独投与を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果より、 テムシロリムス単独投与の全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

OS中央値

  • テムシロリムス群 : 10.9ヵ月
(95%CI 8.6-12.7ヵ月)
  • IFN-α群 : 7.3ヵ月
(95%CI 6.1-8.8ヵ月)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 8.4ヵ月
(95%CI 6.6-10.3ヵ月)

PFS中央値

  • テムシロリムス群 : 3.8ヵ月
(95%CI 3.6-5.2ヵ月)
  • IFN-α群 : 1.9ヵ月
(95%CI 1.9-2.2ヵ月)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 3.7ヵ月
(95%CI 2.9-4.4ヵ月)

ORR

  • テムシロリムス群 : 8.6%
(95%CI 4.8-12.4%)
  • IFN-α : 4.8%
(95%CI 1.9-7.8%)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 8.1%
(95%CI 4.4-11.8%)

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 21.6% (9.6%)
  • 血小板減少症 6.7% (0.5%)
  • 好中球減少 3.4% (1.4%)
  • 白血球減少症 2.9% (0.5%)
  • 吐き気 17.8% (1.0%)
  • 末梢性浮腫 13.0% (1.0%)
  • 下痢 13.0% (0.5%)
  • 発熱 11.5% (0.5%)
  • 便秘 9.6% (0%)
  • 嘔吐 9.1% (1.0%)
  • 体重減少 9.1% (0.5%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 脂質異常症 13.0% (1.4%)
  • 高血糖 12.5% (5.3%)
  • 高コレステロール血症 11.5% (0.5%)
N Engl J Med. 2007 May 31;356(22):2271-81³⁾より引用

>>臨床試験の詳細をみる

各プロトコル

投与開始基準

適正使用ガイド²⁾の基準

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイド²⁾の基準

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

初回基準量と減量レベル

一度減量した場合には、 再増量不可

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

出典

  1. ファイザー株式会社. トーリセル®電子添文 (2019年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/12/11]
  2. ファイザー株式会社. トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成) [最終閲覧 : 2024/12/11]
  3. Temsirolimus, interferon alfa, or both for advanced renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 May 31;356(22):2271-81. PMID: 17538086
最終更新日 : 2024年12月11日
監修医師 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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テムシロリムス (トーリセル®)
2024年12月11日更新
本コンテンツは特定の治療法を推奨するものではありません。 個々の患者の病態や、 実際の薬剤情報やガイドラインを確認の上、 利用者の判断と責任でご利用ください。

薬剤情報

トーリセル® (添付文書¹⁾ / 適正使用情報²⁾*)

mTOR阻害薬 テムシロリムス注射液
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電子添文¹⁾の用法および用量

25mgを1週間に1回、 30~60分間かけ点滴静注

トーリセル®電子添文 (2019年4月改訂 第1版)¹⁾より作図

特徴と注意点

MSKCCリスク分類 高リスク群

高リスク群 (Poor risk)においてインターフェロン療法との比較でOSの延長を示したmTOR阻害薬であり、 毎週経静脈投与する。

🔢MSKCCリスク分類をHOKUTOで算出する

注意すべき有害事象

口腔粘膜炎に対しては、 治療開始時より含嗽や歯科受診による積極的な口腔ケアに心がける。 また、 高血糖や高脂血症などの代謝異常の他、 長期投与では貧血が問題となりやすい

間質性肺疾患の合併と休薬

間質性肺疾患の臨床症状のない画像所見のみの場合 (CTCAE Grade1相当)、 mTOR阻害薬は休薬する必要はないことに注意する。

監修 : 国立がん研究センター東病院 腫瘍内科 近藤 千紘先生

KeyData|臨床試験結果

NCT00065468試験³⁾

N Engl J Med. 2007;356(22):2271-81.

未治療の進行性または転移性腎細胞癌患者において、 テムシロリムス投与およびインターフェロンα (IFN-α) とテムシロリムス併用療法の効果を、 IFN-α単独投与を対照に検証した第Ⅲ相ランダム化比較試験の結果より、 テムシロリムス単独投与の全生存期間 (OS) に対する有益性が示された。

OS中央値

  • テムシロリムス群 : 10.9ヵ月
(95%CI 8.6-12.7ヵ月)
  • IFN-α群 : 7.3ヵ月
(95%CI 6.1-8.8ヵ月)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 8.4ヵ月
(95%CI 6.6-10.3ヵ月)

PFS中央値

  • テムシロリムス群 : 3.8ヵ月
(95%CI 3.6-5.2ヵ月)
  • IFN-α群 : 1.9ヵ月
(95%CI 1.9-2.2ヵ月)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 3.7ヵ月
(95%CI 2.9-4.4ヵ月)

ORR

  • テムシロリムス群 : 8.6%
(95%CI 4.8-12.4%)
  • IFN-α : 4.8%
(95%CI 1.9-7.8%)
  • テムシロリムス+IFN-α群 : 8.1%
(95%CI 4.4-11.8%)

主な有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 貧血 21.6% (9.6%)
  • 血小板減少症 6.7% (0.5%)
  • 好中球減少 3.4% (1.4%)
  • 白血球減少症 2.9% (0.5%)
  • 吐き気 17.8% (1.0%)
  • 末梢性浮腫 13.0% (1.0%)
  • 下痢 13.0% (0.5%)
  • 発熱 11.5% (0.5%)
  • 便秘 9.6% (0%)
  • 嘔吐 9.1% (1.0%)
  • 体重減少 9.1% (0.5%)

注意すべき有害事象 (カッコ内はGrade3~4)

  • 脂質異常症 13.0% (1.4%)
  • 高血糖 12.5% (5.3%)
  • 高コレステロール血症 11.5% (0.5%)
N Engl J Med. 2007 May 31;356(22):2271-81³⁾より引用

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各プロトコル

投与開始基準

適正使用ガイド²⁾の基準

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

減量・休薬・中止基準

適正使用ガイド²⁾の基準

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

初回基準量と減量レベル

一度減量した場合には、 再増量不可

トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成)²⁾より引用

出典

  1. ファイザー株式会社. トーリセル®電子添文 (2019年4月改訂 第1版) [最終閲覧 : 2024/12/11]
  2. ファイザー株式会社. トーリセル®適正使用ガイド (2023年3月作成) [最終閲覧 : 2024/12/11]
  3. Temsirolimus, interferon alfa, or both for advanced renal-cell carcinoma. N Engl J Med. 2007 May 31;356(22):2271-81. PMID: 17538086
最終更新日 : 2024年12月11日
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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