J Dermatol. 2018;45(7):874-5.¹⁾のプロトコル
後ろ向き研究⁴⁾の結果
Grade3~4の主な有害事象
根治切除不能な局所進行または遠隔転移を有する有棘細胞癌に用いられることがある。
2024年2月にニボルマブが上皮系皮膚悪性腫瘍に承認されてからは、 ニボルマブに不応または自己免疫疾患を合併し免疫抑制剤を服用中等の理由で免疫療法が適さない患者に用いられる。
CA療法との比較
CA (CDDP+Doxorubicin) 療法と類似レジメンであるが、 シスプラチンよりカルボプラチンの方が腎毒性と悪心・嘔吐が軽度であること、 ドキソルビシンの心筋障害を軽減する目的で開発されたのがエピルビシンであることから、 患者さんの全身状態や合併症によりCA療法の実施が困難と判断される場合にC'A' (CBDCA+Epirubicin) 療法が選択される傾向にある。
カルボプラチンの効果や副作用は体表面積あたりで計算された投与量 (mg/m²) よりも血中濃度曲線下面積 (AUC) に相関することが知られており、 投与量 (mg/body) はAUC目標値 × (糸球体濾過量 + 25) で計算される。 AUC目標値は一般に5から開始することが多い。 1日1回点滴静注し、 少なくとも3週間休薬する。
エピルビシン塩酸塩として60mg/m²を約20mLの日局注射用水に溶解し、 1日1回静脈内に投与し、 少なくとも3週間休薬する。 これを1コースとして、 臨床効果が得られなくなるか、 許容できない副作用が発生するまで投与を繰り返す。 放射線治療と併用する場合、 適宜減量を考慮する。
Grade4の血液毒性やGrade3以上の非血液毒性をきたした場合、 次コースからは適宜減量する。
これまでに、 有棘細胞癌を対象にC'A' 療法が検証的な臨床試験で評価されたことはない。
Nakamuraらは、 C'A'療法を行った進行期皮膚悪性腫瘍6例の後ろ向き研究を報告しており、 有棘細胞癌5例における奏効割合は40% (PR2例) であった³⁾。
Ogataらは、 有棘細胞癌に対する全身薬物療法の国内データを集計し、 C'A'療法が投与された8例における奏効割合は25% (CR2例) であったと報告している⁴⁾。
C'A'療法の臨床成績の報告は限られているが、 概ねCA療法と同程度と考えられている。
カルボプラチンは、 血小板減少をはじめとした骨髄抑制に注意が必要である。 投与後に血小板減少がGrade4 (血小板数が<2.5万/m²) となった場合、 次コースからは減量が必要である。悪心・嘔吐のリスクはシスプラチンより低いとされているが、 AUC4以上の場合にはアプレピタント、 5-HT3受容体拮抗薬、 デキサメタゾンによる予防が推奨される。 投与回数が増えるにつれて、 アレルギー反応のリスクが高くなるので注意が必要である。
エピルビシン塩酸塩は、 心機能異常またはその既往歴がある場合や、 アントラサイクリン系薬剤による前治療の総投与量が限界量 (ドキソルビシン塩酸塩では500mg/m²) に達している場合は投与禁忌である。 心機能障害 (駆出率が45%以下、 狭心症、 心筋梗塞、 不整脈など) が生じた場合は投与を中止する。 エピルビシン塩酸塩とその代謝物により投与から24時間で赤色から橙色尿が生じることがあるが、 患者さんには問題ないと事前に伝えておく。
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
J Dermatol. 2018;45(7):874-5.¹⁾のプロトコル
後ろ向き研究⁴⁾の結果
Grade3~4の主な有害事象
根治切除不能な局所進行または遠隔転移を有する有棘細胞癌に用いられることがある。
2024年2月にニボルマブが上皮系皮膚悪性腫瘍に承認されてからは、 ニボルマブに不応または自己免疫疾患を合併し免疫抑制剤を服用中等の理由で免疫療法が適さない患者に用いられる。
CA療法との比較
CA (CDDP+Doxorubicin) 療法と類似レジメンであるが、 シスプラチンよりカルボプラチンの方が腎毒性と悪心・嘔吐が軽度であること、 ドキソルビシンの心筋障害を軽減する目的で開発されたのがエピルビシンであることから、 患者さんの全身状態や合併症によりCA療法の実施が困難と判断される場合にC'A' (CBDCA+Epirubicin) 療法が選択される傾向にある。
カルボプラチンの効果や副作用は体表面積あたりで計算された投与量 (mg/m²) よりも血中濃度曲線下面積 (AUC) に相関することが知られており、 投与量 (mg/body) はAUC目標値 × (糸球体濾過量 + 25) で計算される。 AUC目標値は一般に5から開始することが多い。 1日1回点滴静注し、 少なくとも3週間休薬する。
エピルビシン塩酸塩として60mg/m²を約20mLの日局注射用水に溶解し、 1日1回静脈内に投与し、 少なくとも3週間休薬する。 これを1コースとして、 臨床効果が得られなくなるか、 許容できない副作用が発生するまで投与を繰り返す。 放射線治療と併用する場合、 適宜減量を考慮する。
Grade4の血液毒性やGrade3以上の非血液毒性をきたした場合、 次コースからは適宜減量する。
これまでに、 有棘細胞癌を対象にC'A' 療法が検証的な臨床試験で評価されたことはない。
Nakamuraらは、 C'A'療法を行った進行期皮膚悪性腫瘍6例の後ろ向き研究を報告しており、 有棘細胞癌5例における奏効割合は40% (PR2例) であった³⁾。
Ogataらは、 有棘細胞癌に対する全身薬物療法の国内データを集計し、 C'A'療法が投与された8例における奏効割合は25% (CR2例) であったと報告している⁴⁾。
C'A'療法の臨床成績の報告は限られているが、 概ねCA療法と同程度と考えられている。
カルボプラチンは、 血小板減少をはじめとした骨髄抑制に注意が必要である。 投与後に血小板減少がGrade4 (血小板数が<2.5万/m²) となった場合、 次コースからは減量が必要である。悪心・嘔吐のリスクはシスプラチンより低いとされているが、 AUC4以上の場合にはアプレピタント、 5-HT3受容体拮抗薬、 デキサメタゾンによる予防が推奨される。 投与回数が増えるにつれて、 アレルギー反応のリスクが高くなるので注意が必要である。
エピルビシン塩酸塩は、 心機能異常またはその既往歴がある場合や、 アントラサイクリン系薬剤による前治療の総投与量が限界量 (ドキソルビシン塩酸塩では500mg/m²) に達している場合は投与禁忌である。 心機能障害 (駆出率が45%以下、 狭心症、 心筋梗塞、 不整脈など) が生じた場合は投与を中止する。 エピルビシン塩酸塩とその代謝物により投与から24時間で赤色から橙色尿が生じることがあるが、 患者さんには問題ないと事前に伝えておく。
最終更新日 : 2024年8月13日
監修医師 : 国立がん研究センター中央病院 皮膚腫瘍科 医長 並川 健二郎先生
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
がん薬物療法における治療計画をまとめたものです。
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なお、 本ツールは医師向けの教育用資料であり、 実臨床での使用は想定しておりません。 最新の添付文書やガイドラインを必ずご確認下さい。
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