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48日前

【Circulation】多枝冠動脈疾患の長期転帰、PCIとCABGで有意差なし

Ahnらは、 多枝冠動脈疾患患者を対象に、 エベロリムス溶出性ステントを用いた経皮的冠動脈インターベンション (PCI) と冠動脈バイパス術 (CABG) の長期的転帰を多施設共同無作為化比較試験で検討 (BEST試験). その結果、 主要有害心イベント、 安全性複合エンドポイント、 全死亡の発生率に、 PCI・CABG間の有意差はなかった. 本研究は、 Circulation誌において発表された. 

📘原著論文

Everolimus-Eluting Stents or Bypass Surgery for Multivessel Coronary Artery Disease: Extended Follow-up Outcomes of Multicenter Randomized Controlled BEST Trial. Circulation. 2022 Sep 19. doi: 10.1161/CIRCULATIONAHA.122.062188.PMID: 36121700

👨‍⚕️HOKUTO監修医コメント

本研究は2015年にNEJMに報告されたBEST trialの長期予後 (10年以上の追跡) 結果です. 主要評価項目を死亡、 MI、 再血行再建の3つのcomposite outcome(複合アウトカム) にしている点は本研究の大きなlimitationです.

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背景

多枝冠動脈疾患患者において、 エベロリムス溶出性ステントを用いたPCIとCABGの長期比較成績は限定的である.

研究デザイン

対象は血管造影上で多枝冠動脈疾患を有する患者で以下の2群に無作為に割り付け.

  1. PCI群:438名
  2. CABG群:442名

主要評価項目は全死因死亡、 心筋梗塞 (MI) 、 標的病変再血行再建術 (TVR) の複合とした.

研究結果

追跡期間中央値11.8年 (四分位範囲10.6~12.5年、 最大13.7年)

主要評価項目の発生率に有意差なし

  • PCI群:34.5% (151名)
  • CABG群:30.3% (134名)
HR 1.18、 95% CI 0.88-1.56、 P=0.26

安全性複合評価項目 (死亡、心筋梗塞、脳卒中) と全死因死亡の発生率に有意差なし

  • 安全性複合評価項目の発生率
  • PCI群:28.8%
  • CABG群:27.1%
HR 1.07、 95%CI 0.75-1.53、 P=0.70
  • 全死因死亡
  • PCI群:20.5%
  • CABG群:19.9%
HR 1.04、 95%CI 0.65-1.67、 P=0.86

自然発症のMIとあらゆる再血行再建の割合はPCI群の方が高かった.

  • 自然発症のMI
  • PCI群:7.1%
  • CABG群:3.8%
HR 1.86;95% CI 1.06-3.27;P=0.031
  • 再血行再建
  • PCI群:22.6%
  • CABG群:12.7%
HR 1.92、 95%CI 1.58-2.32、 P<0.001

結論

多枝冠動脈疾患患者において、 延長追跡中の主要有害心イベント、 安全性複合エンドポイント、 全死亡の発生率にPCIとCABGの間に有意差はなかった.

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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