【Lancet】バリシチニブが標準治療に不応・不耐の若年性特発性関節炎に有効
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海外ジャーナルクラブ

1年前

【Lancet】バリシチニブが標準治療に不応・不耐の若年性特発性関節炎に有効

【Lancet】バリシチニブが標準治療に不応・不耐の若年性特発性関節炎に有効
Ramananらは、 標準治療で効果不十分または不耐の若年性特発性関節炎の患者を対象に、 JAK1/2阻害薬バリシチニブの有効性と安全性を第Ⅲ相無作為化二重盲検プラセボ対照休薬・有効性・安全性試験で検討。 その結果、 バリシチニブは、 標準治療で効果不十分または不耐の若年性特発性関節炎の患者において、 許容可能な安全性プロファイルで有効であることが明らかとなった。 本研究はLancet誌において発表された。 

📘原著論文

Baricitinib in juvenile idiopathic arthritis: an international, phase 3, randomised, double-blind, placebo-controlled, withdrawal, efficacy, and safety trial. Lancet. 2023 Jul 6;S0140-6736(23)00921-2. PMID: 37423231

👨‍⚕️監修医師のコメント

Double-blind withdrawal periodというのが気になりますが、 下記の期間のようです。 

randomly assigned (1:1) to receive placebo or continue receiving age-based doses of baricitinib for up to 32 weeks or until the occurrence of a disease flare

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オルミエント錠4mg/2mg

バリシチニブ

背景

若年性特発性関節炎は、 いくつかの治療レジメンあるいはすべての治療レジメンに対して難治性を示すことがあり、 そのためこの患者集団の治療には新たな薬剤が必要とされている。

研究デザイン

対象

若年性特発性関節炎を有し、 1種類以上の従来型合成疾患修飾性抗リウマチ薬 (csDMARDs) または生物学的疾患修飾性抗リウマチ薬 (bDMARDs) による12週間以上の治療に対して効果不十分または不耐の患者 (2~18歳未満) :220例

方法

本試験は、 2週間の安全性・薬物動態期間、 12週間の非盲検導入期間 (安全性・薬物動態サブコホートは10週間)、 最大32週間のプラセボ対照二重盲検期間で構成された。

安全性・薬物動態試験期間において年齢に応じた用量が設定された後、 非盲検導入期間において、 患者はバリシチニブ (錠剤または懸濁液) の成人換算用量4mgを1日1回投与された。

主要評価項目

二重盲検期間中の疾患再燃までの期間

研究結果

主要評価項目

疾患再燃までの期間

疾患再燃までの期間はプラセボに比較しバリシチニブ群で有意に短かった。

HR 0.241、 95%CI 0.128-0.453、 P<0.0001
  • バリシチニブ群:評価不能
50%未満に再燃イベントがあった
  • プラセボ群:27.14週
95%CI 15.29-推定不能

安全性評価

重篤な有害事象

  • 220例中6例 (3%) に安全性・薬物動態試験期間または非盲検導入期間中に重篤な有害事象が認められた。

二重盲検期間の重篤な有害事象

  • バリシチニブ群:5% (82例中4例)
リスク100患者年あたりの発生率 (IR):9.7、 95%CI 2.7-24.9
  • プラセボ群:4% (81例中3例)
IR:10.2、 95%CI 2.1-29.7

治療に起因する感染症

  • 安全性・薬物動態または非盲検導入期間中:25% (220例中55例)

二重盲検期間中の治療に起因する感染症

  • バリシチニブ群:38% (82例中31例)
IR:102.1、 95%CI 69.3-144.9
  • プラセボ群:19% (81例中15例)
IR:59.0、 33.0-97.3

治療に関連する有害事象

  • 治療に関連する重篤な有害事象として、 二重盲検期間中にバリシチニブ群で1例 (1%;IR 2.4 [95%CI 0.1-13.3]) に肺塞栓症が報告された。

結論

バリシチニブは、 標準治療で効果不十分または不耐の若年性特発性関節炎の患者において許容可能な安全性プロファイルで有効であった。

こちらの記事の監修医師
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HOKUTO編集部
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。

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