海外ジャーナルクラブ
2年前
Zhuらは、 切除不能な局所進行食道扁平上皮癌患者を対象に、 toripalimabと根治的化学放射線療法の併用療法の有効性と安全性を単群第Ⅱ相試験EC-CRT-001で検討。 その結果、 toripalimabと根治的化学放射線療法の併用により有望な活性と許容できる毒性が得られた。 本研究はLancet Oncol誌において発表された。
FundingにNational Natural Science Foundation of Chinaと書いていましたので調べてみました。 国家自然科学基金委員会というところで予算規模は2019年で約6,000億程度で急激に増加しています。 その当時で科研費総額の2倍以上ですので現在はもっと差が開いていると思われます。
食道癌 (扁平上皮癌/頚部・胸部食道癌-腺癌) のTNM分類(規約版)
ToripalimabはPD-1阻害薬であり、 進行食道扁平上皮癌の治療薬として承認されているが、 局所進行病変に対する有効性は不明である。
18~70歳の未治療の切除不能なステージI~IVAの食道扁平上皮癌患者
胸部放射線療法 (28分割で50-4Gy)、 化学療法 (パクリタキセル 50mg/m²とシスプラチン25mg/m²を毎週5サイクル静注)、 トリパリマブ (240mgを3週間ごとに静注、 最長1年間、 または疾患進行もしくは容認できない毒性が認められるまで)
放射線治療後3カ月時点での完全奏効率
全生存期間 (OS)、 無増悪生存期間 (PFS)、 奏効期間、 QOL、 安全性
42例中40例 (95%) が計画した化学放射線療法を完了し、 42例中26例 (62%、 95%CI 46-76) が完全奏効を達成した。
奏効期間中央値:12.1カ月 (95% CI 5.9-18.2)
最も多かったグレード3以上の有害事象はリンパ球減少症であった (86%、 42例中36例)。
治療に関連した肺炎で2% (1例) の患者が死亡した。
局所進行食道扁平上皮癌患者において、 toripalimabと根治的化学放射線療法を併用することで、 有望な活性と許容できる毒性が得られた。 このレジメンはさらに検討する価値がある。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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