HOKUTO編集部
4ヶ月前
日本遺伝性乳癌卵巣癌総合診療制度機構は7月11日、 「遺伝性乳癌卵巣癌 (HBOC) 診療ガイドライン 2024年版 第3版」 を発刊した。 本ガイドラインはHBOCと診断された当事者・医療者が、 診断後の治療やサーベイラインスについての協働意思決定を行う際に、 それを支援する目的で作成された。 本ガイドラインでは2021年の前版刊行後に発表された論文を新たに加え定性的・定量的な系統的レビューを行い、 それを基にして改訂作業が行われた。
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変更点の概要を一部抜粋。 なお、2024年版の詳細に関しては、 専門医による解説記事を近日配信予定です。
BRCA1/2病的バリアント保持者の癌発症に関与する環境因子に関する項目が総論に加えられ、 乳癌、 卵巣癌、 その他の部位の癌に分けて、 発症に関わる環境因子 (体重・肥満度、 喫煙、 アルコール摂取、 経口避妊薬の服用など) について、 エビデンスに基づいた解説がなされた。
各領域において追加や削除が行われた。 また、 CQのエビデンスの確実性や推奨のタイプについても更新され、 特に乳癌領域において変更点が多かった。
BRCA1/2病的バリアントを保持する乳癌患者への術後放射線療法に関するBQが追加された (BQ4、 FQ→BQへの変更)。 また、 BRCA1/2病的バリアントを保持する乳癌患者への術後薬物療法におけるPARP阻害薬についてのCQが追加された (CQ8、 FQ→CQへの変更)。 BRCA1/2病的バリアントを保持する乳癌患者で挙児希望がある場合の生殖補助医療 (ART) に関してもFQが追加された (FQ6、 新規追加)。
リスク低減卵管卵巣摘出術 (RRSO) 時に病理学的所見が認められた場合の追加治療に関するFQが追加された (FQ4、 新規追加)。
遺伝子検査の対象に関するBQが追加された (BQ1、 FQ→BQへの変更)。 また、 膵癌リスクを有する生殖細胞系列病的バリアント保持者に対する膵サーベイランスに関するBQが追加された (BQ2、 FQ→BQへの変更)。
BRCA1/2病的バリアントと悪性黒色腫の発症に関するBQが追加された (BQ1、 FQ→BQへの変更)。
JAMA、NEJM、Lancetなど注目論文を専門医監修のもと分かりやすく解説
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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