海外ジャーナルクラブ
2年前
Xuらは、 進行性または転移性の食道扁平上皮癌患者を対象に、 抗PD-1抗体tislelizumab+化学療法併用の効果を二重盲検並行群プラセボ対照第Ⅲ相ランダム化比較試験RATIONALE-306で検討。 中間解析の結果、 tislelizumab+化学療法の併用はプラセボに比し、 全生存期間(OS)を改善し、 管理可能な安全性プロファイルを示したことが明らかとなった。 本研究はLancet Oncolにおいて発表された。
Tislelizumab plus chemotherapy versus placebo plus chemotherapy as first-line treatment for advanced or metastatic oesophageal squamous cell carcinoma (RATIONALE-306): a global, randomised, placebo-controlled, phase 3 study. Lancet Oncol Available online 17 April 2023. https://doi.org/10.1016/S1470-2045(23)00108-0
本研究には新しいRCTのスタイルが詰まっています。 Global RCTというタイトル、 中間解析で優位性が証明されたため主要結果の研究成果として公表、 当該企業のFundingサポート。 何事も時代と共に変化していく、 その変化に我々が適応していく必要があります。
食道癌 (扁平上皮癌/頚部・胸部食道癌-腺癌) のTNM分類(規約版)
進行食道扁平上皮癌の一次治療は限定的で、 治療成績は依然として不良である。 tislelizumabは、 進行食道扁平上皮癌患者において抗腫瘍活性が示されたことがある。
切除不能、 局所進行、 再発または転移性食道扁平上皮癌患者。
OS
好中球数減少
白血球数減少
貧血
Tislelizumab群の死亡6例 (消化管・上部消化管出血:2例、 心筋炎:1例、 肺結核:1例、 電解質異常:1例、 呼吸不全:1例)、 プラセボ群の死亡4例 (肺炎:1例、 敗血症ショック:1例、 特定不能な死亡:2例) は治療関連と断定された。
進行・転移性食道扁平上皮癌の一次治療として、 tislelizumab+化学療法の併用はプラセボ+化学療法の併用に比べOSを有意に延長し、 管理可能な安全性プロファイルであることが示された。
編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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