メイヨークリニック感染症科 松尾貴公
21日前
メイヨークリニック感染症科 松尾貴公先生による連載です。 今回は「ケースカンファレンスに参加する際の3つの心得」を解説します。
Take home message
普段の研修の中で、 症例検討会やケースカンファレンスなどと呼ばれる、 症例の振り返りや教育を目的とした会に参加することも多いと思います。 今回は、 ケースカンファレンスで自分の学びを最大限に高めることができるような心得や工夫について、 一緒に学んでいきましょう。
カンファレンス中は、 問診項目の追加、 鑑別診断の提示、 次に行う検査や治療方針など、 研修医の皆さんに意見を求められる場面があります。 このとき、 積極的に発言することが第一歩です。
自信がなかったり、 間違えることを恐れて発言を控えてしまったりすることがあるかもしれません。 しかし、 どんな形であれ発言できた時点で、 大きな一歩を踏み出したことになります。
参加者が多いと発言しづらいかもしれません。 また、 指導医の存在で緊張することもあるかもしれません。 しかし、 「発言すること」 そのものが、 記憶の定着に繋がり、 その後の学習に大いに役立ちます。
カンファレンスでは、 正解のないことも多くあります。 重要なことは、 「自分の発言が、 他の参加者にとっても学びのきっかけとなる」 ということです。 最初は発言のハードルが高く感じるかもしれませんが、 回数を重ねることで次第に慣れていきます。
カンファレンスでは、 皆さんにとって分からないことがあるかもしれません。 ここでは、 「カンファレンスの最後に、 質問を1つすること」 を習慣づけることをお勧めします。 質問をすることで得られるメリットが3つあります。
カンファレンスで取り上げられた内容は、 その場の議論だけに留まらず、 自分でさらに学びを深めることが大切です。 カンファレンスで聞いたことをただ聞き流すのではなく、 紹介された参考文献を確認したり、 自分なりのまとめを作成したりすることで、 知識を自分のものにしましょう。
短時間でも良いのでこの作業を行うことによって、 記憶を定着させ、 次に同様の症例に出会ったときにスムーズに対応するための近道となります。
ケースカンファレンスでの学びを最大限に活かすための心得について、 3つのポイントをまとめました。 ぜひ、 明日からの現場で活用してみてください。
連載バックナンバー
第11回 : クレーム対応のコツ① 知っておきたい2つのギャップ
第12回 : クレーム対応のコツ② 円滑に進めるための4つのポイント
第13回 : クレーム対応のコツ③ 実践で活用できる4つのフレーズ
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本書では自分が失敗から学んできた社会人としての院内・院外で必要なマナーや、 医師としての心得、 自己成長を成し遂げていくために必要な仕事術を解説していきます。 特に若手医師の皆さんにこれらを少しでも早い段階で共有することにより、 医師としてのキャリアを成功させるためのお手伝いが少しでもできれば幸いです。
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編集・作図:編集部、 監修:所属専門医師。各領域の第一線の専門医が複数在籍。最新トピックに関する独自記事を配信中。
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